大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

でけた。

とりあえずでけた。

一言いいたい。

イシダケハナゲナイデクダサイ((((;゜Д゜)))

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第八十五話 復活の『(アリシア)

ヒエンside

 

 

 

虚数空間に飛び込んだ俺を待っていたのは凄まじいほどの寒気と、重力の重さだった。

 

虚数空間で魔法が使えないと言われた理由が少し分かったような気がする。

 

この中に入った途端…

 

凄まじい勢いで下へと吸い込まれていくのだ。

 

それこそ展開していた飛翔魔法すら()()()()()()()()()()()()()

 

まるでブラックホールだ。

 

しかし……一種の賭けであったが()()()()()()()()()()()()()

 

俺が飛べているのは、一重に『調和』の能力を司る、大空の死ぬ気の炎の翼で飛んでいるからであろう。

 

念のために零地点突破・ファーストエディションで作った凍結の鎖(フリーズバインド)の命綱をつけてきたが、いらなかったみたいだ……。

 

これがもしチェーンバインドや、他の飛翔魔法を展開していれば、俺も重力の底へ真っ逆さまだったかもしれない。

 

あ…あぶなかった……。

 

とこんな状態なのにも関わらず、俺はピコンとあることを思い付いた。

 

そうだ。

名前をつけよう……と。

 

俺が使っている炎と氷のオリジナル魔法には名前がまだない。だからこそ今ここでつけようと思った。

 

ほら『思い立ったが吉日』ともいいますし。

 

()()()()()の力を使っているこのオリジナル魔法の名前は、即興であるが………

 

 

 

『死炎魔法』

 

 

 

そう名付けることにした。

 

そして俺が使う魔法の名前も決まったところで俺は勢いよく、下へと下がっていく。(ちなみにさっきまでの脳内やり取りは現実換算で0.5秒程度である)

 

すると遠目ではあるが、凄まじい勢いで下へと落ちているプレシアとアリシアを発見する。

 

俺はスピードをあげて突貫する。するとプレシアの声らしきものが聞こえてきた。

 

 

「いつもそうね……いつも私は……気付くのが…遅すぎる…」

 

 

そんな声が聞こえてきた。

 

俺はその声を聞くと、なぜだか笑ってしまった。

 

なぜだろう?

 

たぶん嬉しかったのだ。

 

ようやくフェイトがこの女に認めてもらえたみたいで……。

 

まぁ、まずそう簡単にこの女を死なせるわけにはいかないけどな。

 

そして俺は左手を伸ばしそこから凍結の鎖(フリーズバインド)を発動させ、プレシアとアリシアの入ったカプセルを支える。

 

すると二人の落下は見事に止まった。

 

だが以前、重力に引っ張られていることに変わりはないので一刻も早くこの虚数空間から出なければならない。

 

俺は目をつむっているプレシアを起こすために声をかける。

 

 

「プレシア!おいプレシア!!」

 

 

「………」

 

 

全く反応なし。

 

俺は諦めずに声をかけ続ける。

 

 

「プレシア!プレシア!!プレシアさーーーーーん!!!」

 

 

「…………」

 

 

野郎!?

これだけ呼んでるのに全く起きる反応すらしやがらねえ!?

 

 

「プレシア!おい起きろ!!こんなとこで寝たら死ぬぞプレシア!!!」

 

 

「………」

 

 

まだ反応しない!?

っていうかそろそろ起きてくれないと俺の魔力つーか、体力も持たなくなってきたんですけど!?

 

主に誰かさんのせいで!誰かさんのせいで!誰かさんのせいで!!大切なことだから三回いいました!!

 

俺はそれでもなんとか声をかけ続ける。

 

 

「おい!いい加減起きろこのクソババア!!50代後半のくせしてイタイ衣装きたオバハン!!あほ!!ぼけ!!バカ!!まぬけ!!!」

 

 

「………zzz」

 

 

野郎!?

これだけ罵倒してもまだ起きないだと!?

いやそれよりも………この状況で寝ているだと!!

 

 

「プレシア!!!おいプレシア!!!シワの多いプレシア!!!シワの多いクソババア!!!間をとって略してシワプレババア!!!!」

 

 

「………う」

 

 

おおー

反応した!!!

 

 

「ババア!!!ババア!!!ババア!!!ババア!!!ババア!!!ババア!!!ババア!!!ババア!!!ババア!!!プレシア!!!」

 

 

「うっ」

 

 

そしてプレシアの目が開いた。

 

 

「はぁー。ようやく気が付いたか。っていうかなにが気付くのが遅すぎるだよ?気付いたらまたやり直せばいいだけのことだろうが。まぁ、今はまずこの危機を脱しないとな。とりあえず……細かいことは置いといて、帰るぞその子も一緒に。フェイトとリニス、アルフが待ってる」

 

 

とりあえず今までの悪口が聞こえてたらヤバイので即興で思い付いた良いことをいっておく。

 

いくら起こすためとはいえ、悪口を言っていたり、ババアと連呼してたことがバレれば俺の命はないだろう。

 

 

「あなたは……どうしてここに!?それになぜ魔法を使えるの!?ここは虚数空間では魔法は使えないはずよ!?」

 

 

プレシアの反応を見る限り、悪口を言っていたことは気付かれなかったようだ。そのことに俺は安堵し、会話する。

 

 

「あー、そのことなんだがまずは脱出してからだ。アリシアのことも任せろ。その子もなんとかなるかもしれない」

 

 

「それは……本当なの!?」

 

 

「ああ」

 

 

俺が言っていることは嘘ではない。俺の知り合いには退魔師の知り合いがいる。それに超能力者の知り合いだっている。

 

最先端の魔法の医療技術がダメでも地球の医療やオカルト、超能力ならなんとかなるかもしれない。

 

可能性はゼロじゃない。

 

それに俺だっている。

 

超直感だって【なんとかなる】といっているし大丈夫のはずだ。

 

 

「だがそれには二つ条件がある」

 

 

プレシアは目を見開きながらも、真剣な顔でこちらを見た。

 

 

「……聞きましょう」

 

 

「もうフェイトから逃げるな。しっかりと向き合え。同様にアルフとリニスともだ」

 

 

「………分かった。約束しましょう」

 

 

「それとあともう一つ。もう二度と身投げなんてバカなことはするな。たとえどれだけ無様でも……どれだけ悲しくても……これからの自分の人生……全力で向き合え」

 

 

「………分かった」

 

 

プレシアはすっかりと意気消沈し、俺と戦っていた頃の迫力はまるでなかった。見かねた俺はあることを言うことした。これは俺が()()()()()()()()()()()()()だ。

 

 

「良いこと教えてやるよプレシア。死ぬ気になるってのは別に悪いことじゃない」

 

 

「………なにが言いたいのかしら?」

 

 

「まあ聞け。死ぬ気になれば、人間追い詰められて良い意味で本気になれる。死ぬ気になれば、どんなことだって本気で取り組める。いいか?死ぬ気になるってことは、要は()()()()()ってことなんだよ」

 

 

「本気を……出す?」

 

 

「ああ。死ぬ気の強さは……覚悟の強さだ」

 

 

「覚悟…」

 

 

「お前だってアリシアを蘇らせるために()()()()()()()()()?この先、なにがあっても必ず蘇らせてみせると。だったら最後までそれを貫き通せよ?今度は俺も……いや俺達も協力する」

 

 

プレシアは少しポカーンとしていたがやがて小さく笑った。

 

 

「ふっ………おかしな子ね」

 

 

「気にするな。よく言われる」

 

 

あ、あとこいつには言っとかないといけないことがある。勝手に希望を与えてはい、さよならじゃダメだし。

 

 

「あと一ついっておくことがある」

 

 

「なにかしら?」

 

 

「もしこれでアリシアが蘇らなかったら、俺を煮るなり焼くなり好きにしろ」

 

 

「………分かったわ」

 

 

これで少なくともフェイトやアルフ、リニスに、もうこいつの牙がいくことはないはず。

 

そして俺は脳内で祈っていた。

 

 

(アリシアが無事に生き返りますように!!アリシアが健康体で元気よく生き返りますように!!いやマジで!!本当にこれマジで!!なんだったら俺の生命エネルギーギリギリまで分けてあげるから!!!それでなんとか蘇ってくれえぇぇぇ!!!Σ(゜Д゜))

 

 

割と必死に祈っていた……。

 

ほら。

皆もあるやん?

見栄はってついカッコつけて言っちゃうこと。

 

あれと同じですorz

 

そしてあとでよく後悔するみたいな。

 

と俺が必死に脳内で祈っていると突如、俺の心臓部分が急に青白く発光しだした。

 

ファッ!?

 

え!?

 

なにこれ!?

 

なんなのこれ!?

 

なんで俺の心臓、急に光ってんの!?

 

俺なんか変な病気にでもかかった!?

 

と俺が突然のことに内心パニックっていると、俺の懐から急に10個のジュエルシードが飛び出してきた。

 

どうやら光っていたのはジュエルシードであったらしい。

 

そして10個のジュエルシードはアリシアのカプセルの周りを回り始め、アリシアの身体を優しいオレンジの光で包み始めた。

 

それと同時になぜか俺の体力が急激になくなり始めた。

 

それに直感的にまずいと気付いた俺は咄嗟に、炎の分身(ファイアアバター)を二体生み出した。

 

そしてそのうちの一体にプレシアを抱えさせ、出口まで飛んでいってもらった。

 

 

「ちょっと……待ちなさい!」

 

 

「先に脱出しとけ!!」

 

 

そして俺は急激に抜けていく力に必死に耐えながらもう一体の分身とアリシアの入ったカプセルを支えるのだった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

リニスside

 

 

 

リニスは今、死ぬ気で鎖を引っ張っていた。全身に肉体強化をかけ、割と必死に命懸けで引っ張っていた。

 

しかし鎖が引っ張られる力は強く……ジリジリと虚数空間へと引っ張られていた。

 

 

(く……このままでは!?)

 

 

そしてリニスはここにいる全員に念話で助けを求めた。

 

 

『フェイト!アルフ!クロノ!私の側に早く来て下さい!!ヒエンがプレシアとアリシアを助けるために虚数空間へ飛び込んでしまいました!!今は、命綱をつけているのでギリギリ大丈夫ですが、私の力だけでは耐えられそうにありません!!!』

 

 

『リニス!?分かった!すぐそっちに行くよ!!』

 

 

『見てたよ!あのクソ炎!躊躇なく飛び込んでいったよ!?』

 

 

『ああ、こっちも見ていた!!ああ……なんていう空前絶後のバカヤロウなんだ……』

 

 

そしてフェイト、アルフ、クロノがリニスの側にやってくる。それを見たリニスはすぐに指示を出す。

 

 

「アルフは肉体強化で私と一緒に鎖を引っ張ってください。フェイトは魔法陣で足場の形成、クロノは落ちてくる瓦礫から防御魔法で私達を守ってください」

 

 

「了解だよ/はい/了解した」

 

 

アルフはリニスの加勢に入り、フェイトは崩れる足場をなんとかするため魔法陣の形成、クロノはプロテクションで瓦礫から皆を守った。

 

 

「く……こいつは確かにキツイね」

 

 

アルフが加勢に入ったことでなんとか踏みとどまることに成功する。

 

 

「あの空前絶後のバカ野郎が帰ってきたら、必ず説教してやる!!いや、それだけじゃ足りない。地獄を見せてやる!!」

 

 

「同感だね!いくら二人を助けるためとはいえ、見てたアタシらも心臓が止まるかと思ったよ!!」

 

 

「そ、そんな……ヒエンは……母さんとアリシアを助けにいってくれて……」

 

 

クロノとアルフが軽く話し合いながら、こんな事態を生んだ少年の今後の話をしていた。割と物騒な方面で。しかし、そんな少年をオロオロしながらも庇うように擁護するのは金髪の少女フェイトだけだった。

 

というかこの短時間で全員、仲良くなりすぎな気もする。

 

やはり共通の敵を持つと仲間意識が芽生えるのは早いらしい。

 

それが我らが主人公というのがなんとも悲しいがorz

 

 

「皆さん頑張って下さい!ヒエンなら必ず戻ってきます!虚数空間で魔法を使用しているのに解除されていないということは、生きているということ!!きっとプレシアとアリシアの二人をつれて帰ってきます!!!」

 

 

そしてここにも現在の主、空前絶後のバカヤロウを主に持つ山猫の使い魔リニスも、主が無事に戻ってくると信じていた。

 

そして数分後……

 

虚数空間から一つの人影が勢いよく出てきた。

 

出てきたのはプレシアを抱えた分身であった。

 

分身はプレシアをそっとリニス達の前に下ろす。

 

だがその事を知らないリニス達はヒエンだと信じて疑わない。

 

そして勢いよくクロノとアルフに顔面を吹き飛ばされたのだった。

 

 

「ほぐばぁー!?」

 

 

「「天誅ー!!」」

 

 

吹き飛ばされた分身はなんとか起き上がる。

 

 

「な、何をするんだ?」

 

 

「ほう……言わなきゃ分からないか?」

 

 

クロノが詰め寄る。

 

 

「ま、待て……俺は分身だ。オリジナル…本体は、まだアリシアのカプセルを持ったまま中にいるんだ!だからこのまま鎖を引っ張ってくれ!!オリジナルが力尽きるのももう時間の問題なんだ!!」

 

 

「それを早く言えバカ!!」

 

 

そして今度は分身と、クロノも加わり鎖を引っ張りあげる。

 

そんな中……

 

フェイトとプレシアはお互いに向き合っていた。

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

お互い目を合わせづらいのか、無言となる。

 

リニスはそんな二人を見ながら今は、作業に集中することにした。

 

今のプレシアからは、荒々しい雰囲気をまるで感じなかったからだ。

 

そしてリニスは鎖を引っ張る力をさらに強めるのだった。

 

 

 

リニスside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……」

 

 

「がんばれオリジナル!!」

 

 

ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!

 

身体に全く力が入らない!!

 

今はなんとか魔力で肉体を内側から強化して……分身と一緒にアリシアのカプセルを支えているが……それも時間の問題だ。

 

根本的な体力がもうない!

 

つまり強化してもそれを支える体力がないからキツすぎる。

 

ゲームで分かりやすくいえば……

 

俺の今の状態はこうなる。

 

 

HP 5/100

 

MP10/100

 

 

いくら身体の機能を強化しようがその根本的な体力が底をついてしまえば無理である。

 

ど、どうすればいい!?

 

た、たぶんさっきの俺の脳内願いをジュエルシードが叶えたんだろうけど………思ったことがひとつ。

 

何も()叶えなくてもええやん!!Σ(゜Д゜)

 

なんで()なんだよ!?

 

しかも虚数空間というルナティックで厳しすぎるところじゃねぇか!?

 

っていうかどうやって魔力補充した!?ジュエルシードの魔力は相棒の調和の咆哮で中和したのに!

 

しかもあのときアリシアの身体オレンジに光ってたよね?

 

あれ完全に俺の魔力だよね?

 

どういうことだ!?

 

すると突然、相棒が肩の上に出てくる。

 

どうした相棒?

 

今、正直しゃべってる余裕ないのだが……

 

すると相棒からある思念が届く。

 

え?

 

余りにも予想外な結論に俺は驚愕する。だがそう考えれば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()も附に落ちた。

 

全ては俺がプレシアに放った大爆発の加速(ビッグバンアクセル)に原因があった。

 

あの攻撃には俺の生命エネルギーと魔力をかなり混ぜ混んだ。つまり『調和』のエネルギーがかなり圧縮された一撃であったため、それを至近距離で爆発という形で浴びた俺とプレシアはその影響を受けたということだ。

 

俺の場合は、懐に入れておいたジュエルシードが至近距離でプレシアのサンダーレイジを浴びたことにより魔力が補充され、ビッグバンアクセルの『調和』の魔力を浴びたことにより魔力が綺麗になったらしく……

 

そしてプレシアに至っては、同じく至近距離でビッグバンアクセルの『調和』の魔力を浴びたことにより病気がすっかり治ったらしい。だからあのときダメージが溜まっていたにも関わらず、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それを聞いたとき思った。

 

え?

なにこのご都合主義?

 

だがしかし俺はこれを断じてご都合主義とは認めるわけにはいかない。

 

だって今…

 

俺メッサピンチですやん((((;゜Д゜)))

 

ご都合主義ならこの状況を救ってくれてもいいと思うんだorz

 

そんな俺の心の不安を知ってか相棒が突然、『 口開けてー』といってきたのでおとなしく口をあける。

 

すると何か口に放り込まれる。

 

意外と大きく喉につまりかけたが、なんとか飲み込む。

 

 

 

ゴクリ

 

 

 

すると突如、身体中から力が湧いてきたのだ。

 

『これならいけるでしょー』と相棒から得意気なドヤ顔が決められる。

 

というか相棒の身体の周りからなぜか()()()()()()が出ているのですが?

 

そしてなぜか俺の身体からも同じような()()()()()()が出ているのですが……。

 

まぁ、気にしたら負けか?

 

そして体力と魔力が回復した俺はそのまま勢いよく炎の翼をはためかせ出口を目指した。

 

するとカプセルがゴンゴンといっていることに気付く。

 

あ……アリシア……水の中に入れたままやった……。

 

そして俺は別の意味でも急いで出口を目指すのだった。

 




うん(゜-゜)(。_。)

言い訳はしない。

書いてたら自然とこういう流れになってもうたんや。

仕方ないんや。

間違ってるのは俺じゃない!世界の方だ!!Σ(゜Д゜)

では、また(・∀・)ノ

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