とりあえずできたー
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
「……はっ!」
俺はボーッとしてた顔をパチンと叩き、意識を切り替える。
スターライトブレイカーの破壊力が余りにも凄すぎて言葉がでてこなかったゼorz
人って驚きすぎるとリアクションできないってホントだったんだね。
いや、その…あくまで知識ではスターライトブレイカーのことは知ってたつもりだったんだが……実際に見るのとでは全く違うということがよく分かった。
というかあの破壊力はなんなんですか?
ハッキリいって核弾頭なんて目じゃないよ?あの子一人で地球なんて簡単に征服できるよ?
あと思った。
あれはもうディバインバスターのバリエーションじゃない。上位互換です。
知ってるか?あれでまだ小学三年生の少女なんだぜ?九歳なんだぜ?
ホントに末恐ろしいザマス((((;゜Д゜)))
とそんなことを考えながらサーチャーに目を移すとスターライトブレイカーが丁度撃ち終わったところだった。
『はぁ……はぁ……っはぁぁ……っ…!』
なのはは疲弊したのか息切れを起こしていた。
そしてフェイトは、スターライトブレイカーの魔力ダメージで気を失ってしまったのかそのまま海へと落ちてしまった。
ドポンッ
『あ……フェイトちゃん!』
それに気付いたなのはが海へと飛び込んだ。そして数秒後、フェイトを抱え、少し大きな瓦礫の上に着地し、ゆっくりとフェイトを寝かせた。
パチリ
するとフェイトがゆっくりと目を覚ます。
『あ……!…ごめんね…大丈夫…?』
『………』
なのはとフェイトはゆっくりと見つめあう。
『わたしの……勝ちだよね………?』
するとフェイトはゆっくりと起き上がる。
『…………』
フェイトが小さく呟く。
『………バルディッシュ』ボソッ
《Put out.》
そのときバルディッシュから10個のジュエルシードが排出された。
『……そう……みたいだね……』
そして飛び上がろうと立ち上がるが…
ズキン
『……ッ』
体が痛むようだ。
無理もない。
例え非殺傷設定で魔力ダメージしか食らわないとはいえ、真っ正面からあのスターライトブレイカーを食らったのだ。
その痛みは無視できるものではないだろう。
だが二人とも真剣勝負で戦っていたのだ。互いに手加減できる状況ではなかった。それほど意地と信念をかけた戦いだったのだ。
そういう意味では、非殺傷設定があって本当に良かったと思う。大ケガをせずに済んだのだから。
『あ……飛べる…?』
なのはが心配そうに呟くがフェイトは何もいわず、少しだけ飛んでいく。
『………』
もしかしたら一人になりたいのかもしれない。
だがそんな悠長なことはいっていられなかった。
なぜなら
ゴロゴロ
ゴロゴロ
(来たか…)
おそらく今度もあの女……プレシア・テスタロッサによる雷の高次元魔力砲が放たれるはずだ。
このままでは…またあのときの海上でのときみたいにフェイトが狙われる。
案の定、フェイトもプレシアの魔力波動に気付いたのか驚いていた。
『母さん……ッ!?』
ゴロゴロ ガッ!!
ゴロゴロ ガッ!!
そして戦闘空間全域に強力な雷が勢いよく放たれる。
そして、なのはとフェイトも気付く。
『母さんッッ!』
フェイトは母の名を呼んでやめさせようと必死に呼ぶが、雷の威力が弱まる気配は一向にない。むしろ威力がさらに強まった。
そしてフェイトに雷が放たれることに気付いたなのはが、直ぐ様飛び出す。
俺も動こうとしたが、
え!?
なんであいつがここに!?
そしてフェイトに強力な雷が放たれた。
ドッ!!
『フェイトちゃんッッ!!』
強力な閃光に一瞬、目が奪われる。
そして再び目を開けると、そこには予想外の人物が立っていた。
白い帽子をかぶり、腰まである白いジャケットを羽織り、黒いボディスーツのようなものをきている。そして黒いブーツを履き、かわいらしい先端が黄色い丸い杖を持った女性が立っていた。
その女性はフェイトを抱えながらシールドを展開していた。
『ウ……ソ……』
『えっえっ………えぇーーーー!?』
そしてその人物に見覚えがあるであろう二人は案の定、驚いていた。
『お久しぶりですフェイト。そして元気そうですねなのは』
プレシア・テスタロッサの元使い魔、現在は俺の使い魔兼家庭教師となっているリニスがそこにいた。
ヒエンside end
◆◆◆
アースラside
なのはとフェイトの真剣勝負をクロノとエイミィが見守っていると、そこにリニスがやってきた。
「どうです?二人の様子は?」
「ん?ああ、あなたか。現状ではフェイト優勢といったところか……」
「そうですか…」
リニスは複雑そうな表情でなのはとフェイトの勝負を見守る。
丁度、フェイトがフォトンランサーファランクスシフトをなのはに放ったところだった。
「あの魔法を……自由自在に使いこなせるようになったのですね…」
「あの魔法はあなたが?」
「はい。なのはのような防御力が高い相手の対策として……
「ほう」
「あの子……フェイトの戦闘資質は連射性に優れた固く鋭い射撃攻撃と身軽な機動性を活かしての高速戦です。……ですが高速機動に頼りすぎて防御が弱いのが難点です」
「………」
クロノは先を促す。
「フェイトがなのはのようなタイプに勝つには、砲撃や防御の隙をつくか、防御の上から魔力を削るのが基本です」
「ふむ」
「その対策として単純な射撃魔法をひとつの目標めがけて撃ち続ける。最低三十発の発射体からフォトンランサーの一点集中連射……これを防ぎきれる術者なんてまずいません」
「………つまりなのはが負けると?」
「はい。……貴方たちにとっては残念ですが」
クロノとリニスはモニターを見る。そこではフェイトが丁度撃ち終わったところだった。
「リニスさん一つだけいいかな?」
「なんでしょう?」
するとクロノが話しかける。
「なのははこのアースラに来てから一日足りとも魔法の訓練をサボったことはない。そしてその訓練内容は、主に二種類しかしていない」
「………」
「ひたすら基礎を固め、ひたすら模擬戦の繰り返し。それを約二週間ずっと繰り返してきた。貴方もよく知っているあの諦めの悪い男とひたすら二人でね……」
「………」
「そしてなのははあの男に今まで
「………」
「そしてなのはもそんな諦めの悪い男の影響を受けたのか、デバイスのレイジングハートと日夜相談し、勝つための作戦や戦略をひたすら編みだし続けた。そのおかげで僕やユーノにまで訓練をお願いしてきたほどだ。その影響か……二人とも驚くほどの成長スピードで強くなった。そしてその成果が出たのか、なのははある模擬戦で、あの男とやっと引き分けになるまでにこぎ着けた」
「………」
「なぜ、なのはがずっと負けていた相手に引き分けられたか分かるか?それは相手のことを研究し、ひたすら対策を練ってきたからだ。そんななのはが……フェイトの対策をしていないと思うか?」
「…つまりクロノ、あなたがいいたいのは……」
「ああ。勝負はまだまだ分からないってことさ」
クロノとリニスがモニターに視線を向けるとそこには……バリアジャケットをボロボロにしながらも強い瞳を向けるなのはの姿があった。
「あ、あれを耐えたんですか!?な、なんて子ですか…」
リニスは唖然とした姿でモニターを見続ける。
「確かに……フェイトは強い。だが……なのはも相当強いよ?」
なのはの反撃が始まった。
『スターライトオォォォ………ブレイカーアアアァァァ!!!!!』
そしてなのはのスターライトブレイカーがフェイトへと放たれたとき、三人もその映像を見ていた。
「……な…なんつーっ……バカ魔力…」
「フェイトちゃん……生きてるかな…?」
「魔力集束!?周辺魔力を集めて体内を通さずに直接使用する砲撃魔導師の
そしてなのはとフェイトの真剣勝負に決着がついた。
するとその様子を見ていたリニスが転送装置へと足を伸ばしていた。
「行くのかい?」
「はい。二人とも頑張ったのですから労ってあげないと」
「二人の驚く顔が目に浮かぶよ」
クロノは優しげな表情でモニターを見る。そこには気絶したフェイトと、それを抱きかかえるなのはの姿が映っていた。
「じゃあエイミィ…なのはと通信を繋げてくれ」
「了解~っと。いけるよ?」
「よし…聞こえるかなのは?ジュエルシードを確保してそれから彼女を……」
「……待ってクロノ君!?この反応!?」
するとエイミィがキーボードを猛スピードで叩き、原因を究明する。
「どうしたエイミィ!?」
「高次魔力確認…魔力波長はプレシア・テスタロッサ!戦闘空域に次元跳躍攻撃……!?」
「なに!?」
「なのはちゃん!ユーノくん!!」
エイミィはなのはとユーノに通信を入れるが通信障害が出ているのか二人からの反応はない。
「リニス!君は速くフェイトのところへ……行っていたか」
そこに既にリニスの姿はなかった。モニターを確認すると、フェイトを抱きかかえながら雷をシールドで防いでいるリニスの姿があった。
「頼むぞエイミィ!逃すなよ!!」
「分かってるって!!」
カタタタタ!!!
エイミィは高速でキーボードを叩きながら目の前のモニターを睨み付ける。そこには10個のジュエルシードが消える映像が映っていた。そして…
「ビンゴ…!しっぽ掴んだ!」
さらに情報を掴もうとするエイミィ。
「魔力発射地点特定………ッ!空間座標確認ッッ!」
「不用意な物質転送が命取りだ…速く座標を!」
「もう割り出して送ってるよん…!」
その頃…
メインルームにて…
「転送座標セット!」
アースラオペレーター:ランディが転送装置の座標をセットした。
「突入部隊…転送ボートから出動!任務はプレシア・テスタロッサの身柄確保です!」
「「「「「はっ!」」」」」
提督のリンディが命令を出す。
アースラの武装隊が十数名で時の庭園へと突入していった。
事態はいよいよ最終局面へと動き出そうとしていた。
アースラside end
◆◆◆
ヒエンside
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
(;゚Д゚) …!?
「やっぱり夢じゃない!?」
俺はうろたえていた。
なんせ俺の天敵……いや苦手な人物がサーチャーを通してであるが、そこにいるのだから。
なぜ!?
なぜリニスがあそこにいる!?
あやつ確かイギリスにいるはずでは……?
とここで俺は重要なことを思い出す。
『まぁ、1週間後には戻りますから。不健康な生活はくれぐれも送らないように!』
あ……そういえば……
『1週間後には戻りますから』
そんなこと確か電話でいってたー(|| ゜Д゜)
「………」
すっかり忘れてたああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
そしてあの電話の日から……今日でほぼ約二週間……。
今の俺の顔は青白くなっていることだろう。
そしてリニスがこの空間に来ているということは、おそらくリンディさんや、クロノから、ほぼ全部の事情を聞いて既に知っているとみて間違いないだろう。
ということはだ……
必然的にリニスは俺が隠していたジュエルシードの情報も知っているというわけで……なおかつ俺が無茶してきたことも同時に伝わる訳で……
(あ、死んだこれ……)
と俺が絶望していると…相棒から合図があった。
『ガゥ!』
『時の庭園までの座標分かったよー』という内容の思念が届いた。
「そうか。じゃあ早速飛ぶぞ?時の庭園まで」
気を取り直しながら……今から俺は時の庭園まで飛ぶ。
なぜそんなことをする必要があるのか?
それは簡単だ。
全てに決着をつけるためだ。
以前俺は異世界からの帰りの事故で、プレシアのいる時の庭園まで飛ばされてしまった。そして命からがら逃げかえったことでなんとか事なきを得たが……。
そのときに時の庭園のある座標をチェックしていれば良かったのだが……そんな余裕はなかったため、記録をすることができなかった。
だが今は飛ぶことができる。
なぜならアースラの武装隊が現在進行形で時の庭園へ行っているからだ。俺は悪いと思いつつも相棒にアースラへハッキングしてもらい、座標を特定することに成功していた。
実をいうとそれ以前にも……正確には約二年前に俺は時の庭園に飛ばされたことがある。
その時消えそうになっているリニスを保護した。
だが今とは全く違う場所に当時の時の庭園はあった。
しかもそのときは周りには雪が降っており寒くて仕方なかったのを覚えている。
と今はそんなことどうでもいいか。
「じゃあよろしく頼む相棒」
俺の足元にオレンジ色の魔法陣が展開される。
準備ができたようだ。
あの女……プレシア・テスタロッサには随分痛い目に合わされた。
あの女の歩んできた人生を考えれば全てに絶望したくなる気持ちも分からんでもない。
確かに辛い道を歩んできたんだろう。
娘を失って悲しかっただろう。
正直な話……俺はまだ大切な人を失ったことがないので、あの女の絶望的な気持ちは理解できない。たぶん俺も大切な人がいなくなれば分かるようになるのだろうが…。
だがこのまま奴を放っておけば、次元震、又は次元断層なんてものが起こり、宇宙規模で大変なことが起こる。そうなれば確実に不幸になる人は増えるだろう。
そんなもの……許容できない。
許容できるはずがない。
それに下手をすればその影響を受けて地球まで滅びましたという話になってしまう。
奴には…プレシア・テスタロッサには悪いが…その目的を……防がせてもらおう。
なに、難しい話でもなんでもない。
簡単な話だ。
原作知識というのは本当に便利だ。なんせ、ある程度とはいえ未来に起こることを知っており……その気になれば
今、時の庭園は武装隊が攻めており混乱状態に陥っているはず。だとすれば、たかたが人一人が侵入したとしてもバレる確率は低いだろう。
その状況こそがまさに狙い目だ。
『ガゥ!』
すると相棒から合図があった。
そして俺は海鳴臨海公園から消えたのだった。
いよいよ時の庭園編に突入だー!
ああー
ここにくるまでまさか80話もかかるとは……。
予定では50話くらいで無印終わるはずやったのになあ。
では、また(・∀・)ノ