大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

書けたので投稿~

では、どうぞ( *・ω・)ノ


無印編 後編
第六十九話 大魔導師との邂逅


奴を前にしてるが言っておくッ!俺は今、異世界から戻るという経験をほんのちょっぴりだが体験した。い……いや……体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……。あ……ありのまま今、起こった事を話すぜ!!

 

俺は光を抜けたら、てっきり元の場所に戻ってると思ったら、いつのまにかラスボスの前にいたんだ。

 

な……何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をされたのか、わからなかった……。

 

頭がどうにかなりそうだった……。催眠術だとか、超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺はどうやら神様から相当嫌われているらしい。

 

目を開けたらラスボスがいた。

 

え?

意味が分からないんだけど?

 

こちとら異世界で英霊とかいうチートと激戦を繰り広げて、やっと命からがら帰って来たというのに。やっと休めると思ったのに。

 

その仕打ちがこれかあぁ!Σ(゜Д゜)

 

というか戦う前から既に満身創痍だというのに神様はこれ以上俺に何を求めるというのか?

 

HP1のまま大魔王に挑むなんてドラゴン〇エストの販売会社、スクウ〇ア・エニ〇クスさんでもさすがにしねーよ!!

 

そしてあまりの衝撃の強さに、某スタンド使いの口調を真似ちまったよ!!

 

だが今はそんなことどうでもいい。

 

唯一の救いは、隣にいたなのはがいないことだ。おそらくは元の場所……あの海の上にいると思われる。もしかしたら、俺のように別の場所に飛ばされたのかもしれないが。

 

 

「消えなさい……」

 

 

と考え事はどうやらここまでにしておいた方が良さそうだ。

 

目の前にいるプレシア・テスタロッサがいきなり俺に電撃を放ってきたからだ。

 

俺は反射的に死ぬ気モードとなり、両手のグローブの炎圧で咄嗟に横にかわすことで回避した。

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ」

 

 

だが既に体の負担は相当なものとなっているようでもの凄く重く感じる。続いて放たれる電撃を部屋の壁を素早く跳び回ることで回避する。そして足裏に魔力を纏うことで、天井裏に張り付いた。気分はまるでスパイダーマンである。

 

先程の電撃を見る限り、破壊力やスピードは普通にフェイトより上と考えた方がいいだろう。今の魔力を消耗している俺ではプレシアの攻撃を受け切ることはできない。全て回避一択だ。

 

それに部屋の中で電撃が放たれているというのに、部屋の壁などが破壊されていない。おそらく部屋全体に特殊なバリアでも張っているのだろう。

 

 

「素早いわね……」

 

 

プレシアがこちらを見ながら呟く。

 

 

「………」

 

 

俺は現状を分析する。

 

プレシアは俺を敵として認識している。だがそれは当然であろう。いきなり自分の隠れ家に人が現れたのだ。警戒しないわけがない。

 

つまり俺が生き残るためにはプレシアに利用価値がある又は、勝てないと思わせないといけない。だが今の魔力を消耗している俺ではプレシアに勝つことは不可能だ。よって後者は却下だ。万全の状態でも正直厳しいと思うが…。

 

そもそも残りの魔力残量は砲撃魔法2発撃てればいい方である。状況は厳しいなんてもんじゃない。ハードを通り越してルナティックである。

 

それにプレシアはかつて大魔導師として名を馳せたほどの魔導師だ。勝つのは容易ではない。

 

ならば説得しかないわけだが……

 

それもそれでリスクが高い。下手なことを言えば刺激しかねないこの状況で……うまいこと言えという方が厳しい。というか正直そこまで余裕ない。既にいっぱいいっぱいです。

 

一番に思い付くのはさっさとこの場から逃げて次元転送で俺の部屋なり、アースラへ逃げ帰ればいいのだが、そもそもその隙も見当たらない。

 

 

結論:俺チョーピンチ

 

 

「なぜ攻撃をしてこないのかしら?」

 

 

すると何を思ったのか、攻めてこない俺を見て訝しげに尋ねてきた。

 

いや、正直攻めないんじゃなくて攻められないんだけどね?だって攻撃魔法に魔力費やしたら俺もう魔力スッカラカンになるし。

 

だがこのままでは事態も進行しないので俺は彼女を刺激しないように会話を試みることにした。

 

 

「俺にはあんたと戦う理由がないからな」

 

 

「どういうことかしら?」

 

 

プレシアは赤いイスに座りながら杖をこちらへと向ける。

 

 

「ここに来たのは事故みたいなもんだ」

 

 

「その話を信じろというのかしら?さっきまでフェイトの邪魔をしていた貴方を?」

 

 

さっきまで?

ということは俺達が異世界に転移してから時間はあまり経っていないのか?俺は矛盾のないよう言葉に気を付けながら話す。

 

 

「ああ。そもそも俺自身、フェイトの邪魔をしようとは思っていない。彼女が傷つきそうになったから、協力してジュエルシードを封印しただけだ。そしてここに来たのも、俺自身の意志じゃない。気付いたらここにいたんだ。正直、俺自身も訳が分からないんだよ」

 

 

間違ったことは言ってない。

いや、そもそも本音しか言ってない。

 

 

「そう。でもそんなもの私にはこれっぽちも関係ないわね」

 

 

そして今度はフェイトと同じ射撃魔法フォトンランサーをこちらに放ってきた。だがそのスピードは段違いに速く、魔力光も紫であった。

 

 

「ごもっとも!」

 

 

俺は即座に真下にかわす。

だが俺の回避方向を予測していたのか、プレシアはフォトンランサーを既にセットしていた。

 

俺は足下から炎をジェット噴射の如く吹き出し、咄嗟に空中で停止する。

 

 

炎の噴射(ファイアジェット)!!」

 

 

現在、俺の魔力は少ない。

 

だとすれば魔力より余裕がある体力でカバーするしかない。

 

今、魔力が少ない状態で射撃魔法や防御魔法を使ってしまえばすぐになくなってしまうだろう。なぜならそれは魔法を発動する際に()()()使()()するからだ。

 

例えば俺がよく使用する射撃魔法火炎の銃弾(フレイムバレット)は、少しだけ()()()()()()()()()()()()()する。

 

それは炎のスフィアを生み出す際に体力を消費し、スフィアをコントロールする際に魔力で動かすからだ。

 

より詳細に言うと、俺の全ての魔法が魔力を使用するわけではない。まぁ、それを魔法と言っていいのか怪しいが細かいことを気にしてはいけない。

 

だいたい俺が使う炎や氷を使用した攻撃は主に体力、つまり生命エネルギーを消費しており、細かいコントロールをしたり、強化する際に魔力を使用している。

 

生命エネルギーと魔力という異物同士が混ざっても問題ないのかと言われれば、社会的にいえば問題あるのかもしれないが、俺から言わせてもらえば全く問題はない。

 

これは俺の推測からになるのだが……

 

俺の能力は大空の炎の真骨頂『調和』である。

 

『調和』とはつりあいがとれることを意味する。

 

つまり『調和』の能力により、生命エネルギーと魔力というお互い異物となる力をつりあわせていることによって俺の魔法は使用できていると思われる。

 

まぁ、難しいこと云々いってしまったがつまりいいたいことはこうだ。

 

考えるな感じろ!!である。

 

よりシンプルに言えば……

 

細かいことをグチグチ気にしてんじゃねぇ!!ということである。

 

 

 

 

 

 

戦いに戻るが、新たに放たれたフォトンランサーを空中を高速で飛び回りかわしつづける。後ろから迫る紫色のスフィアをかわし、横からくるスフィアもかわす。

 

以前したスフィアの回避訓練が生きている。それに異世界での強敵との激闘を乗り越えたからか超直感も今まで以上に冴えてきている。

 

フハハハハハハ(゜▽゜*)

 

俺を倒したくばスフィアを100個ほどで囲むんだなプレシア・テスタロッサアアアァァ!!

 

 

 

「よくかわすじゃない。でもこれならどうかしら?」

 

 

 

 

 

 

ブオン

 

 

 

 

 

 

調子に乗ってたら、いつの間にか部屋全体に出されていたフォトンランサーで完全包囲されていましたorz

 

 

 

 

 

 

「やばっ!?」

 

 

 

 

 

 

「死になさい…」

 

 

 

 

 

 

ドガアアアァァァンン!!!!!

 

 

 

 

 

 

強烈な電撃の槍がいくつも俺に襲ってきた。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

フェイトside

 

 

 

フェイトが光の路を通り抜けると……そこは転移する前と同じ場所だった。

 

いつの間にか海の上にいた。

 

しばらくボーッとしていたフェイトだがある一人の女性の声で我に帰る。

 

 

「フェイト!!」

 

 

「っは!アルフ……?」

 

 

「フェイト!ぼさっとしてないで先に帰っとくれ!アタシはジュエルシードを確保する!!ほら、速く!!」

 

 

「う、うん」

 

 

フェイトは直ぐ様、転送魔法を使用する。思い出したが、今は時空管理局が側にいるのだ。捕まる訳にはいかない。

 

アルフなら大丈夫だと信じて先に帰る。

 

すると……「フェイトちゃん!!」

 

離れた場所に例の白い魔導師の女の子がいた。

 

 

(戻ってきてたんだ…)

 

 

フェイトは少女を軽く一瞥すると、すぐに目をそらし時の庭園へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

フェイトは時の庭園へと戻ってきた。そこは庭園の入口前であった。そして直ぐ様、母の元へと報告にいく。

 

お城をゆっくりと歩いていく。

 

そして彼女の母親がいる部屋、時の庭園の最奥部屋にもうすぐつくとき………

 

 

 

ドガアアアァァァンン!!!!!

 

 

 

突如、爆発音が聞こえた。

 

 

 

「母さん!!」

 

 

 

フェイトは走り出していた。

 

 

 

もしかしたら大切な母に何かあったのかもしれない。

 

 

 

フェイトは急ぐ。

 

 

 

急いで走る。

 

 

 

そして目的地まで一気にたどり着いた。

 

 

 

彼女は扉を力一杯開け放った。

 

 

 

「母さん!!」

 

 

 

フェイトは部屋の中を見て驚愕した。

 

 

 

彼女の母親は無事であった。

 

 

 

見たところケガ一つすらない。

 

 

 

だが部屋の真ん中で倒れている()()には見覚えがあった。

 

 

 

その少年はここに戻ってくるまで何度も自分を助けてくれた少年だった。

 

 

 

異世界にいっても自分の身を犠牲にして何度も助けてくれた少年だった。

 

 

 

そんな少年が自分の母の前でキズだらけで……ボロボロになって倒れていた。

 

 

 

そして気付けばフェイトは少年の名を叫んでいた。

 

 

 

「ヒエン!!」

 

 

 

フェイトside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

フォトンランサーは直射型のスピードに優れた射撃魔法だ。さらにプレシア・テスタロッサがコントロールしているが故に、破壊力も増している。

 

俺がこの強力無比な攻撃を乗り切るには、防御に優れている防御形態(モードディフェーザ)を使えば耐えられるだろうが……それを展開している暇がない。

 

だが……他にも手はある。

 

俺は姿勢を低くし、両手を構えクロスガードする。それと同時に俺の額の炎の出力が小さくなった。

 

 

「零地点突破」

 

 

そして俺は無数のフォトンランサーを耐えることだけに集中した。

 

 

 

 

 

 

「………驚いたわ」

 

 

プレシアは少し眉をひそめ、正面にいる少年を見る。

 

 

「はぁ……はぁ……耐え……切って……はぁ……やった……ぞ」

 

 

俺は普段よりも死ぬ気の炎の発散を減らし体全体に薄く纏うことで、プレシアの魔法によるダメージを中和し、ダメージを抑えることに専念した。

 

おかげで100個にも及ぶフォトンランサーをなんとか耐えることができた。魔力を完全に無効化又は吸収できれば良かったのだが……残念ながら俺は未だに零地点突破・改の修得はできていないのでそれは叶わない。

 

そして俺はダメージをうけすぎたのか地面に片膝をついてしまう。

 

既に体が限界を迎えているのか、体がうまく動かない。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

それに体もとても重い。

 

 

「でももう限界のようね……」

 

 

するとプレシアの指先に紫色の魔力が収束される。

 

こいつ!?

砲撃を撃つつもりか!?

 

 

(く……まずい。体もほとんど動かない。防御しようにも体力も魔力もほとんどない!!どうする!?)

 

 

その間にもプレシアは魔力収束を完了させた。

 

 

(まずい!?まずい!?まずい!?)

 

 

「消えなさい…」

 

 

そして砲撃が放たれてしまった。

 

 

 

 

 

 

ドオン!!!!!

 

 

 

 

 

 

紫の砲撃が放たれた瞬間……

 

 

 

 

 

 

そこで彼……ヒエンの意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

彼の意識がなくなったにも関わらず……

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

そして………

 

 

 

 

 

 

砲撃が終わるころには

 

 

 

 

 

 

彼は倒れていた。

 

 

 

 

 

 

あくまでも幸運だったのはプレシアが少年の行った行為を砲撃の閃光で目撃していなかったこと。

 

そして彼が倒れたことにより、彼が死んだとプレシアが誤解したこと。

 

それと同時に金髪の少女がこの部屋へとたどり着いたことだった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

フェイトside

 

 

 

「ヒエン!」

 

 

フェイトは横たわる少年へとすぐに駆け寄ろうとし、その名を叫ぶ。

 

 

しかし……

 

 

 

「フェイト」

 

 

 

フェイトは両手をバインドで拘束され動きを封じられてしまった。

 

 

 

「かあ………さん」

 

 

 

フェイトは母の姿を見る。その姿はやつれており眠れていないのか目の下にもひどい隈があった。

 

 

 

そしてフェイトは尋ねる。なぜここにその少年がいるのか、なぜキズだらけの姿なのか尋ねた。

 

 

 

「か、母さん……そ、その人は?」

 

 

 

そしてプレシアは答える。彼女にとっては衝撃的な答えを。

 

 

 

「ああ、そこにいる侵入者ね。さっき死んだわ」

 

 

 

「……え?」

 

 

 

フェイトは母の言葉に思わず耳を疑った。

 

 

 

「し、死んだ………?ヒエンが……死んじゃった……の?」

 

 

 

「ええ、死んだわ。でもそんなことはどうでもいいの。それよりフェイト?」

 

 

 

プレシアの声音が途端に低くなる。

 

 

 

「は、はい……」

 

 

 

「あれだけの好機を前にして……ただぼうっと動かずにいるなんて……どういうつもりなのかしら?」

 

 

 

プレシアは手に持つデバイスを鞭へと変えると、それをフェイトへと放った。

 

 

 

バシンッ‼バシンッ‼

 

 

 

「ああっ!?」

 

 

 

激痛がフェイトを襲う。

 

 

 

「酷いわフェイト……あなたはそんなに母さんを悲しませたいの…!?」

 

 

 

「ご、ごめん……なさい……」

 

 

 

プレシアはさらに鞭を振るう。

 

 

 

バシンッ‼バシンッ‼バシンッ‼バシンッ‼

 

 

 

「ああああっ!?」

 

 

 

部屋中に鞭を振るう音と、フェイトの悲鳴が木霊する。

 

 

 

そんなとき彼女の脳裏にある映像が頭をよぎった。

 

 

 

それはフェイトに優しく笑いかける白い魔導師の少女と、フェイトの頭を優しく撫でる炎の少年の姿だった。

 

 

 

「ごめんなさい………ごめんなさい………」

 

 

 

フェイトはひたすら謝った。

 

 

 

それは母に対する不甲斐ない自分に対しての謝罪なのか……それとも、何度もこちらに話しかけてくれる少女に対して返事を返せていない申し訳なさからくる謝罪なのか……はたまた、恩を返せず死なせてしまった少年に対しての謝罪なのか……それは彼女にしか分からない。

 

 

 

そしてフェイトは振るわれる鞭をひたすら耐えた。

 

 

 

それは彼女が気を失うまで続けられた。

 




フェイトちゃんのシーンを書いてるときは辛かった。

あー
心が痛いorz(´Д`)

では、また(・∀・)ノ

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