大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

もう3月もそろそろ終わりですね。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第六十一話 異世界の魔法少女の邂逅Ⅸ

ヒエンside

 

 

 

俺達は空中にて敵がくるであろう方向を見ていた。

 

相棒曰く、そいつは猛スピードで移動しているらしい。

 

そして待つこと数十秒後…

 

遠目だが姿を確認することができた。

 

魔力で視力を強化しこちらに来るであろう敵を見定める。

 

そいつはある生き物に乗っていた。それは羽根を生やして優雅に空中を駆け抜ける。俺達の世界には架空の生き物として知られている伝説上の生物。

 

「ぺ、ペガサス…?」

 

誰が呟いたのか分からないが小さな声が聞こえてきた。

 

白い羽根を生やした白い馬…ペガサスが猛スピードでこちらへと突っ込んできていた。

 

そのペガサスの上には騎手であろう紫色の長髪の女性が乗っている。そしてペガサスと長髪の騎手ごと青い魔力光が彼女達を覆っていた。ここからでも分かるほどの尋常じゃない魔力量だ。

 

《皆さん!速く撤退を!!相手は既に()()を展開しています!!!》

 

そこでサファイアから予想外の言葉が全員に告げられた。

 

なに!?

少し呆気に取られていたが奴から感じられるこの魔力量…そしてペガサス…

 

しまった…

敵は最初から宝具を展開させていたらしい。

 

完全に後手に回ってしまったが俺は全員に念話で知らせる。

 

『皆、今すぐ散開しろ!そいつは()()()()だ!!』

 

俺の指示に従い、4人の魔法少女はライダーに注意しつつ散開していく。そして残った俺は前を見据えた。

 

まずは先手必勝!

 

俺は正面から敵を見定め、ライダーに射撃魔法を放った。

 

火炎の銃弾(フレイムバレット)verマシンガン!」

 

俺は自分の周囲に10個のスフィアを配置し連続で放つ。

 

ライダーとの距離は目測でおよそ50m。

 

いくつものオレンジのスフィアがライダーに直撃する。だが効いている素振りが全く見られない。

 

そして猛スピードでこちらへと突進してきたライダーは、いとも容易く50mという距離を詰めてきた。

 

 

騎英の手綱(ベルレフォーン)!」

 

 

「!?」

 

ライダーは宝具名と思わしき名前を言いながら俺へと突進する。咄嗟に俺は左手から炎を噴射し、ペガサスの突進をかわすが左肩に少しかすってしまう。その衝撃の余波により少し吹き飛んだ。

 

「ぐ…」

 

なんとか両手の炎の逆噴射で止まり、体勢を整える。しかしライダーは手綱を引き寄せ今度も俺の方へと突進してきた。

 

(狙いは俺か!)

 

俺は咄嗟に炎の翼をはためかせ、ライダーとは逆方向へと飛ぶ。さらに両手の炎をブースターとしてスピードをあげた。

 

今出せる最高スピードで逃げる。だがさすがに宝具を展開している影響かスピードは圧倒的にライダーの方が速かった。

 

即座に前に回り込まれ再度突進される。が、咄嗟に両手の炎で方向転換し真上へと飛ぶ。

 

再度俺とライダーの追いかけっこが始まる。俺とライダーの魔力光、オレンジ色と青色の魔力が空中に粒子となってキラキラと輝く。俺が逃げ、ライダーが追いかける。その魔力光が両者の行き先を示していた。

 

二つの光が高速で飛びあい、ときに激突し混じり合う。

 

俺は高速で逃げながらライダーを捕らえようと彼女を囲むようにいくつもの拘束魔法を展開させる。

 

火炎の鎖(フレイムバインド)!」

 

だがそれは当たることなく…更にスピードをあげられ簡単にかわされる。

 

「ちぃ!」

 

俺は少し舌打ちしながらも自分の周りに更にバインドを展開させ正面からライダーに向かわせる。炎の鎖はライダーを捕らえることに成功した。だが簡単に引きちぎられてしまう。

 

(やっぱりそう簡単には捕まえられないか…)

 

俺一人だけでは正直厳しい。

やはり皆と協力しなければサーヴァントは倒せない。

 

そう考えると今すぐに皆と作戦会議をしたいところ……なのだが、残念ながら今の俺にそんな余裕はなかった。ライダーからの突進攻撃を紙一重でかわしつづけているからだ。

 

それにかわすのに必死になりすぎて皆を見失ってしまった。

 

(くそ!どうする!?)

 

俺はかわしながらライダーの顔をチラリと見る。目は黒いバイザーで隠されていて見えないが彼女の纏う雰囲気から理性というものがまるで感じられなかった。

 

本能のみで動いているといったところか。

 

確かミユが言ってたっけ。

 

(黒化英霊……だったか)

 

いうなれば劣化版バーサーカーといったところか。

 

だが本能的に動いているおかげか、超直感がうまく働いてくれるので攻撃はかわしやすい。

 

そのスピードが半端ではないが…

 

俺はなんとかギリギリでかわしつつ、ライダーを倒すために必死に作戦を考えるのだった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

なのはside

 

 

 

ヒエンの念話により、ライダーを避けるように展開していたなのは達であったが、現れたライダーはヒエンに狙いを定めているのか彼だけを執拗に狙っていた。

 

ヒエンが射撃魔法で攻撃をするものの全く効いている素振りはない。そして彼に突進があわや当たるかと思われた瞬間、ギリギリかわすことに成功していた。

 

「ヒエンくん!」

 

思わずなのはが呼びかけるものの彼は答える余裕がないのか、幾度ものライダーからの突進をかわしつつ高速で逃げながら遠くへと飛んでいってしまった。

 

なのはも追いかけようとしたが誰かに腕を掴まれる。その掴んだ相手はミユであった。

 

「なんで止めるんですか!?早く行かないとヒエンくんが!」

 

「落ち着いて」

 

「でも!」

 

「落ち着いて!!」

 

なのはが大きな声をあげようとしたとき、それ以上の声をあげたミユにより、なのはは強制的に黙らされる。ミユの迫力に驚いたのかなのはは思わず肩をビクリと震わせた。

 

「落ち着いて…ヒエンさんなら大丈夫。それとも貴方の信じる彼はこれくらいでやられるタマなの?」

 

黙っていたなのはであったが、ミユのセリフに思わずカチンときたのか声をあげた。

 

「そ、そんなことありません!ヒエンくんはすごいんですから!生命力はゴキブリ並みにあるんです!そう簡単にやられたりしません!例え地球が滅んだって絶対生きてます!!」

 

《マスター…かばっているつもりなのでしょうが、そこまで言われると逆にヒエンが哀れに思われますよ?》

 

「にゃ!?」

 

レイジングハートのツッコミになのはは、あわあわと慌てる。その様子を他の三人は呆れたように見ていた。

 

 

 

閑話休題(そんなことより)

 

 

 

《それよりもどうするんですー?このままじゃヒエンさん追い込まれちゃいますよー?ライダーは宝具を展開しているみたいですし》

 

ルビーが話をふる。

その言葉に全員意識を切り替えた。

 

「見たところ普通の攻撃は効いてないみたいだった」

 

《おそらくライダーからあふれでる魔力によって並みの攻撃は打ち消されているのだと思います》

 

ミユとサファイアが分析する。

 

「そうすると……まずはライダーさんの動きを止めないとダメですよね…」

 

「それだけじゃない。高速で動き続けてるヒエンのスタミナが持たない。今はなんとかかわし続けてるみたいだけど……あんなの長続きしない。いつ集中力が切れてもおかしくない」

 

なのはとフェイトも分析する。

 

「確かに……でも相手は宝具を展開してて下手に近寄ることもできないし…どうすれば…」

 

イリヤも考える。

 

四人とも必死に考え続ける。

 

「うーん………あっ」

 

するとなのはが声をあげた。

 

三人はなのはの方へ向く。

 

「どうしたのなのはちゃん?」

 

「イリヤさん。そういえばライダーさんと一度戦ったことあるんですよね?」

 

「うん。それがどうかし……あっ」

 

するとイリヤが何かに気づいたのか声をあげた。なのははそれに気づきながらも質問を続ける。

 

「あの……どうやって()()()()()()()?」

 

なのは達はこの話を皮切りに作戦を練っていった。

 

 

 

なのはside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「うお!?」

 

俺はもう何度目かも分からない突進を必死にかわす。改めて思う。超直感があって本当によかった。

 

でなければとっくの昔にやられている。

 

こっちもなんとか反撃したいがいかんせん、奴の動きが速すぎて攻撃に移る暇がない。

 

唯一やれることといえば設置型バインドを仕掛けるくらいなのだが……あまり成果は出ていない。

 

そもそも宝具というのがこんなに強力なものだとは思わなかった。宝具発動前であれば俺達にも打つ手はあるのだが……まさか戦う前から発動しているとは…

 

くそったれが!

常時発動しているせいかこっちの攻撃は常に纏っている魔力にかき消されてしまうし、さらに強力な攻撃をしようとしてもライダーがスピードをあげてその攻撃ごと叩き潰そうとしてくるし…

 

つーか!

もう5分くらい飛び続けてるけど魔力切れとかスタミナ切れとかないんですかねライダーさん!!

 

「ヒヒイィー!!!」

 

ペガサスがそれに答えるように鳴き声をあげる。

 

うん。

なさそうだね。

というよりそのペガサス鼻息荒くして俺のこと睨んでるし…

 

このやろう!

捕獲して桜花賞とか天皇杯とかのG1レース出すぞクラアーΣ(゜Д゜)

 

これだから英霊とかいうチートは!

 

ちくしょー

こっちは神経張りすぎて集中力もそろそろ切れてきたっていうのに…

 

「ブルルル!」

 

するとライダーとペガサスがひとつの光になって突っ込んでくる。

 

なんか今までと違うパターン!?

 

俺はそれを右手から炎を噴射することで強引に横にかわす…が少しだけ右肩をかすってしまう。

 

「あ、あつ!?」

 

するとかすった部分から焦げくさい臭いが…

 

(ね、熱をもってるだと!?じょ、冗談じゃない。あんなの食らったら熱いじゃすまないぞ…)

 

俺の背中から冷や汗が流れる。

 

(まずい…。これ以上は正直かわしきれない。どうする!?)

 

俺が必死に打開策を模索していると…

 

 

 

『………くん!』

 

 

 

うん?

なんだ?

 

 

 

『………ンくん!』

 

 

 

声?

 

 

 

『……エンくん!』

 

 

 

もしかして…

 

 

 

『ヒエンくん!』

 

 

 

この声は…

 

 

 

『ヒエンくん大丈夫!?』

 

 

 

なのはか!

 

 

 

『なんとか大丈夫』

 

俺は前にいるライダーを警戒しながら念話を返す。

 

『よ、良かった…』

 

なのはから心底安心したような返事が返ってきた。声の声音からしてまた心配をかけてしまったようだ。

 

『と、とりあえず……今から作戦を伝えるから良く聞いて?』

 

『何か手があるのか!?』

 

俺は思わず反応する。

 

『うん。私たちがライダーさん、の背後から攻撃するからヒエンくんにはライダーさんの動きをなんとか止めてほしいの』

 

『あ、ああ。正直ギリギリだがなんとかやってみる』

 

『ごめんね。私たちも今そっちに急いで向かってるから。そっちにつき次第援護する!!』

 

ライダーは再び一つの光になり俺に突っ込む。

 

俺はソニックムーブを使い、その場から高速で移動した。そして光をかわしながら念話を続ける。

 

『了解。なぁ、なのは?一つだけ聞いてもいいか?』

 

『なに?』

 

『その作戦で確実にいけそうか?』

 

『うん絶対大丈夫。だから……信じて?』

 

俺は今、食らったら重傷になるだろう攻撃を振るわれ、絶体絶命のピンチに陥っているにも関わらず笑っていた。

 

当然だろう。

妹分が必死に考えてくれた作戦なんだ。

それだけで俺にとっては信じる価値は十分にある。

 

『ああ!任せたぞ!!』

 

そして俺はライダーの動きを止めるためにマルチタスクを駆使して頭を回し始めた。

 

 

 

 

 

 

俺はソニックムーブで直線に逃げる。

 

その後ろを一つの光が追いかけてくる。

 

俺はそれを確認しながら一つの魔法を発動させる。魔力が正直心配だが出し惜しみをしている場合じゃない。

 

まずは隙をつくらないと!

 

 

「フェイク・シルエット!」

 

 

俺の周りに幻影が10人ほど現れる。俺と幻影は混ざるように動き回り、様子を見た。すると光は一度少し止まると戸惑うような反応を見せる。だが近くにいる幻影に突っ込みそれが消えると、周りの幻影を攻撃するようになった。

 

 

(なるほど。どれが本物かは判断がつかないと。ならこれならどうだ?)

 

 

「零地点突破・ファーストエディション……白煙(ホワイトスモーク)

 

 

俺はさらに幻影が半分減ったころを見計らって白煙を出す。周りが見えなくなったところで光は少し止まった。

 

 

(よし!今のうちに!!)

 

 

その様子を離れた所から見ていた俺は別の魔法を発動させた。

 

 

「ミラージュハイド」

 

 

俺は姿を消す魔法ミラージュハイドで透明となる。

 

 

それと同時に幻影の姿も消した。

 

 

するといきなり消えた俺に戸惑ったのか、光となっていたライダーは元のペガサスの姿へと戻った。

 

 

(おお、止まってくれれば御の字だと思ってたのに…元に戻ってくれるとは)

 

 

内心うまくいったことに驚いていた。

 

あの光の攻撃は非常に強力だ。それも一発食らえばこちらが再起不能になりそうなほどに。だがその強力な反面、魔力の消費量もかなりのはず。

 

おそらくだが、姿が見えない俺をそのまま探すのはあの光の形態ではキツいと判断したのだろう。だがこちらからすればラッキーだ。

 

俺はさらに魔法を発動させる。

 

 

凍結の鎖(フリーズバインド)!」

 

 

ライダーの背後にいくつものオレンジ色の魔法陣が現れる。そこから蒼白の色をした鎖が放たれ、ライダーを拘束した。

 

俺はその氷の鎖でライダーを何重にも拘束する。それこそ二重三重にも。さらにライダーの周りに何個もの魔法陣を出し、ペガサスの前足、後ろ足など拘束できるところは何重にも拘束する。だが…

 

 

「き、きつい」

 

 

さすが英霊といったところか。

 

 

何重にも拘束しているのに強引に解こうとしてくる。

 

 

それに……別の意味でも少々きついといいますか。

 

 

鎖に締めつけられてるライダーの姿がその…なんというか……かなり扇情的というか妖艶的というか。男子高校生には刺激が強いというか。

 

 

 

まぁ、簡単に言えば……

 

 

 

誠にけしからん状態ということですな!!!!!щ(゜▽゜щ)

 

 

 

そんなとき俺に天使と悪魔の囁きが聞こえた。

 

 

 

【もうちょっとだけ鎖…強く締めちゃえよ?】と天使が。

 

 

 

【そうだよ。何を遠慮することがある?

奴は敵だ……ならば少し…ほんの少し…鎖を締め付ける力をあげても何も問題はないだろう】と悪魔が。

 

 

 

そして天使と悪魔に負けた俺はほんの少しだけ鎖の力を強めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あん」

 

 

 

 

 

 

 

 

その声をきいたとき俺に衝撃が走った。

 

 

 

 

 

 

そして自動的に死ぬ気の炎が柔から剛へと変わり、魔力量の最大値も上がった気がする。

 

 

 

 

 

 

言うなれば…

 

 

 

 

 

 

一段階強くなった気がする。

 

 

 

 

 

 

その証拠に俺にかかるバインドの負担も少し軽くなった。

 

 

 

 

 

 

大人の階段ちょっと登っちゃったかな!?(゜▽゜*)

 

 

 

 

 

 

フハハハハハハ

楽しくなってきたぜーー!!!とテンションをあげてるところに…

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってるのかな…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか…俺の隣に来ていた未来の魔王様の声が聞こえたときこう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

(あ、人生終わった)

 

 

 

 

 

 

 

 

「レストリクトロック」

 

《Restrict Lock》

 

 

「ライトニングバインド」 

 

《Lightning Bind》

 

 

「ルビー拘束!」

 

《了解ですー》

 

 

そのとき遅れてやって来たフェイトとイリヤが俺達に合流し、ライダーをさらにそれぞれのバインドで拘束した。

 

そしてイリヤがミユへと大きな声で合図を出した。

 

 

「ミユお願い!!」

 

 

「了解!!」

 

 

拘束されているライダーの後方から紫の魔法少女が高速で突っ込んでいく。

 

 

「クラスカード『ランサー』……限定展開(インクルード)

 

 

そしてサファイアを紅き槍へと変え…勢いよく突いた。

 

 

刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルク)!!」

 

 

 

グサッ‼

 

 

 

そしてミユが突いた槍は見事ライダーに直撃した。

 

 

「ガ…」

 

 

紅き槍はライダーの心臓をひとつきにしていた。そしてライダーは体から金色の粒子を出しながら消滅していった。

 

 

 

そして…

 

 

 

『ヒエンくんはあとで私と二人でOHANASHIしようね♥』

 

 

 

俺の消滅も決定したのだった。

 




こないだ書きたい話の内容をいろいろまとめて、見ながら考えてたらあることに気づきまして。

このまま書く予定のやつを全部書こうとしたら、このペースだと下手したら200~300話くらいになることが判明しました((((;゜Д゜)))

ど、どうしよう…。

と、とりあえずなんとか無印だけでも終わらせますorz

では、また(・∀・)ノ

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