今回はちょっと短いです。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
プールで25メートル計測を行うこととなったイリヤとミユ。
互いにアイスをかけて勝負することになった二人は意気揚々とプールへと飛び込む。
しかし…
飛び込んだ先にあったのは水ではなく、固い地面であった。
様子がおかしいことに気付いた二人が顔をあげるとそこには…
数多くのビルやマンション、学校といった建物の他、瓦礫の残骸などが漂っている異様な光景であった。
◆◆◆
イリヤside
「えっ………と……ど、どゆこと……?」
イリヤは突然の状況に理解が追い付かず首を傾げる。
しかしそんな状況でも冷静な者はいた。
「イリヤ、この先何があるか分からない。とりあえず転身しておいた方がいい」
そう。
ミユである。
「そ、そうだね。はぁ~」
イリヤは深いため息をつく。
(ああ…また何かややこしいことに巻き込まれたんだなあ)
そして遠い目をするのであった。
本当に心中お察しします。
「まぁ、気にしてても仕方ないか。じゃあさっそくいくよルビー!」
《はいはい~。お任せあれ~》
「こっちもやるよサファイア」
《お任せください》
イリヤはルビーを構え、ミユはサファイアを構えた。
「「コンパクトフルオープン!鏡界回廊最大展開!!」」
《鏡像転送準備完了!万華鏡回路解放!》
イリヤとミユを白く淡い光が優しく包む。
イリヤは全体的に少し淡いピンク色の衣装を纏い、ミユは紫色の衣装を纏う。
そしてそれぞれのカレイドステッキ、マジカルルビーとマジカルサファイアを構えた。
「「魔法少女プリズマイリヤ&ミユ推参!」」
今この異世界に…カレイドライナーの魔法少女達が降り立つのだった。
転身を済ませたイリヤとミユは空中を飛びながら周囲の様子を見て回る。
「うわー……広いね」
イリヤが呟く。
「いったい何なのかなここ?鏡面界に似た雰囲気だけど…」
「ううん。実数境界の格子模様がないし構造物もデタラメ。鏡面界とはまた違うすごく曖昧な空間…」
イリヤとミユはさらに飛びながらキョロキョロと辺りを見回す。
「めちゃくちゃな事態にはもう慣れっこだけどー…今回のはちょっと突拍子もなさ過ぎじゃないルビー?」
《おっとわたしを犯人扱いですかイリヤさん?残念ながら今回わたしは関与しておりませんよ。巻き込まれた哀れな迷い子ちゃんです》
ルビーは羽を器用に動かしながらヨヨヨ…とうまく泣き真似をする。
「ええー…?」
イリヤはいつもルビーのやらかしに巻き込まれており…今回もその類いかと思っていたようだが…どうやら違ったようだ。
「そ、それじゃどうするのー!?」
《さーて、どうしましょう?》
「ちょっとー!」
慌てるイリヤにマイペースに話すステッキルビー。
ミユはそんな二人?の会話を聞きながら今回の原因について考えていた。すると…
《犯人を捜しましょう》
サファイアがふと呟く。
「え?」
ミユは自身のもつ青いステッキに視線を向ける。
《この空間は人為的なものと思われます》
「どういうこと?」
《見たところここは複数の空間が相似性を無視して融合しています。どこかの世界で多次元方向に移動…あるいは膨張展開する何かが起こったと考えるのが自然かと》
《まー次元創生の失敗あたりが原因でしょうね?ねじれ位置の世界がいくつか巻き込まれた感じです。たまにあるんですよねこういうのー。迷惑な話です》
「………」
「??」
サファイアとルビーが現状を分析しながら話している。その話を魔法少女の二人は黙って聞いていた。
ミユはなんとか理解できているようであるがイリヤに関しては、ちんぷんかんぷんといった表情であった。
「あの…こどもにもわかることばではなしてほしいのですが…」
《つまるところここから脱出したかったらどこかにいる犯人さんをサーチ&デストロればいいってわけです》
ルビーが冷静に返す。
が、内容に関しては、魔法少女のステッキとは思えないほどに殺伐としている気がするが…。
《そこは突っ込んじゃダメですよー》
すいません。
「誰に言ってるのルビー?」
《お気になさらずー》
「…へんなのー。でも犯人か…とりあえず呼んでみる?向こうから来てくれるかも」
そしてイリヤは左手を口に近づけ大きな声を出した。
「おーい犯人さーーーーーー……
ズドオオオオオオオオン!!!!!
ん……?」
二人は突如、背後から聞こえてきた轟音にギギギ…と首をゆっくりと回す。
そこには体長7~8メートルはありそうな黒色のクリーチャーのようなものが存在していた。
クリーチャーはニッと笑い、自身の触手を凄い勢いで二人に延ばしてきた。
ズドドドドドド!!!!!!
「うやあぁぁぁーーーーッ!!?」
イリヤは悲鳴をあげながら、ミユは冷静に相手の動きを見ながらかわす。
「なっ…なにコイツ!?」
《うひゃー。不思議空間にクリーチャー…いよいよらしくなってきましたねー!》
ルビーがのんきな声をあげるが、イリヤはすぐに行動に移った。
「ミユ!」
「わかってる!」
イリヤとミユはアイコンタクトを実施。二人は即座にステッキを構えた。
「
「
ミユは魔力弾を、イリヤは魔力の斬撃をクリーチャーへと放った。
ドドンッ!
二人の放たれた攻撃はクリーチャーへと見事に直撃する。
しかし…
ゴボボ…シュウウウウ…
クリーチャーの傷はすぐに塞がってしまった。
「あれっ!?」
そして再び触手の攻撃を放ってきた。
ドドドド!!!!
「効いてない!?」
《泥の群集のようなものでしょうか?あれを倒すには身体を一度に吹き飛ばす出力じゃないと!特にイリヤさんの斬撃じゃなんの効果もありませんね!超役立たずです!》
「うるさいなーもー!」
イリヤとルビーが言い合いをしていたそのとき…
『いくよレイジングハート』
とある声がイリヤ達の耳に届く。
「えっ…」
ゴウン…
するとクリーチャーの遥か上から大きな魔法陣らしきものが見える。
「なにか…来る!」
ギュイイイイイイイ!!!!!!
それは何かエネルギーを溜めるような音。
『ディバイン…』
「イリヤ!!離れて!!」
凄まじい魔力エネルギーを感知したミユは声をあげる。それに反応したイリヤは即座にクリーチャーから離れた。そして数秒後…
『バスター!!!』
ズドオン!!!
遥か真上から放たれたピンク色のビームがクリーチャーに直撃する。
ゴオオオオオオオオオオ!!!!!!!
「…いッ……!?一瞬で…蒸発…!!」
イリヤとミユはその余りの威力に呆然となる。イリヤに至っては空いた口が塞がらないような表情となっている。
「あのっ大丈夫ですかっ!?」
そのとき遥か真上から白い服を着た茶髪のツインテールの少女が降りてくる。そしてその少女はイリヤ達の前にトンと着地した。
その少女はいずれ『不屈のエースオブエース』と言われる伝説の魔導師となる女の子。
一方の銀髪の少女は別世界ではあるが『天の杯(ヘブンズフィール)』と呼ばれる聖杯の願望機として過酷な運命を背負うことになっていた女の子。
二人の少女の視線が交差する。
ここに異世界の魔法少女、高町なのはとイリヤスフィール・フォン・アインツベルンが邂逅した。
次回はオリジナル要素とか入りやすー。
では、また(・∀・)ノ