魔法少女リリカルなのは×Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ コラボ企画
始まります( *・ω・)ノ
第五十三話 異世界の魔法少女の邂逅Ⅰ
ミーンミーン…
セミの鳴き声が夏の始まりを感じさせる…。
暑い日差しが指す通学路を、冬木市の穂群原学園小等部に通う銀髪の少女イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは特徴的な制服…セーラ服のような白い制服を翻し元気よく登校していた。
「うーあついよぉー」
元気よく登校している………はずである。
《イリヤさんー、そんなにうなだれてると余計にあつくなりますよー》
するとイリヤがかぶっている白い帽子の中から五ツ星型の丸いコンパクトなものが飛んでくる。
「そんな事言ったって暑いものはあついんだよー。なんとかしてよルビー」
《しかたがありませんねぇー》
ルビーと呼ばれたコンパクトなものが淡く光りだした。
《シークレットデバイス!うちわモード!!》
するとなんとルビーからうちわの紙が飛び出した。
「本当に毎度の如く思うんだけど貴方本当に魔法のステッキ?」
《細かいことは気にしちゃダメですよイリヤさん》
そう言いながらルビーはイリヤにうちわを扇ぎ、風を送る。
「あぁーすずしいー」
そしてジリジリと熱くなっているアスファルトを歩みつつ、涼みながら登校していると…
「おはようイリヤ」
背後からイリヤに声をかける少女が一人…
聞き慣れたその声にイリヤは笑顔で振り返った。
「おはようミユ!」
そこにはイリヤと同じ制服を着た大人しそうな少女が立っていた。
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「そういえば今日からプールだね」
「プール…」
イリヤとミユは登校しながら今日の授業から始まるプールを話題に話していた。
「ミユは水着忘れずに持ってきた?」
「うん。昨日のうちに持ち物は確認しておいたから」
ミユは手にもっている白い手提げ袋に目を向けた。
《ミユ様…昨日は何度も荷物の確認を行われておられましたから》
「ちょ…サファイア」
するとミユがかぶっている帽子の中から六つ星型のコンパクトなものが出てきた。
「おはようサファイア」
《おはようございますイリヤ様》
慌てるミユを他所にイリヤとサファイアは挨拶をかわす。
《ほほお~ミユさんってばクールな見た目に反して・か・な・り!楽しみにしていらっしゃったみたいですねえ~》
「ち、ちがっ!ちがうから!!」
ミユは顔を赤くさせながらルビーの言葉を否定する。
「ミユ…そんなに否定しなくても私はわかってるよ」
「イリヤ…」
ミユはそんなイリヤを見てホッとしたような表情となる。
普段から、からかわれ慣れていないミユにとって今まさに声をかけてくれるイリヤは救いの女神に見えていることだろう。…だが非情にも人生はそんなに甘くないのである。
イリヤはミユの肩に手をそっと置く。
そして温かげな視線を送った。
その表情はまるで全部分かってるよと言いたげな表情であった。
「そんなにも………プールに入りたかったんだね!!」
「イリヤー!?」
暑いアスファルトのジャングルでミユの叫びが虚しく木霊するのだった。
そしてそんな慌てるミユをからかいつつ楽しく会話をしていたイリヤはふと思う。
(ああ~平和だなあ~)
彼女が思い返すのは自身が巻き込まれた大きな事件。
(あれからもう二ヶ月も経ったんだなあ)
今の季節は初夏が始まったばかりの7月である。
イリヤは二ヶ月前にとある大きな事件に巻き込まれた。
ある日の夜のこと…
お風呂に入っていたイリヤは突如、浴場に飛来してきたカレイドステッキの人工天然精霊・マジカルルビーにより、強制的?計画的?に契約を結ばされ、魔法少女プリズマイリヤとなる。
そしてカレイドステッキの本来の持ち主である魔術師・遠坂凛(とおさかりん)の命令により彼女と協力し、冬木市に眠っている強力な力を持つクラスカードと呼ばれる物の回収を手伝うことになる。
そんな中…
今回の凛の相方でもありライバルでもある魔術師ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトが、もう一つのカレイドステッキであるマジカルサファイアと契約した少女、美遊(ミユ)を連れてイリヤ達の前に姿を現した。
そしていよいよ本格的に始まった彼女達のカード集めであるのだが…
クラスカードには英霊と呼ばれる英雄を実体化させる能力が施されていた。
クラスカードを集めるには、イリヤと美遊が魔法少女として英霊たちと戦いそして勝利しなければならない。
当初はぎくしゃくしてコンビネーション等もうまくいかない二人であったが、互いに時に協力しながら、時に競い合いながら戦ううちにいつしか、二人に友情が芽生える。
しかしある時…
イリヤが命の危機にさらされ…彼女の中に施されていた封印が解け、強力な魔力を放出する事件が発生してしまう。
イリヤは自分の正体不明の力に恐れ、怖くなってしまいカード回収の任務を放棄してしまう。
美遊はそんなイリヤの心情を察しって、単身で最後のカード回収に挑む。
しかし最後の英霊、バーサーカー:ヘラクレスに苦戦を強いられ、絶体絶命となってしまう。
が、そこに母親に諭され自分の本当の気持ちに気付いたイリヤが再び戦場に舞い戻ったことで形勢は逆転。
イリヤと美遊は協力し、バーサーカーを倒すことに成功。そして遂にカードの回収任務を達成させたのだった。
(いや~あのときは本当にどうなることかと…。それにあのあと
イリヤは自分のこれまでに巻き込まれた
そして空を見上げ、ふと柔らかい表情で笑った。
(私…よく生きてるなあ~)
そんな彼女の目からは一筋の涙が…。今までの自身の歩んできた道を考えると、さらに涙が出てきそうになるイリヤであった。
心中お察しします。
「そ、そういえばイリヤ…クロはどうしたの?」
「へ?……あ、ああ、クロね?」
すると未だルビーにからかわれていたミユがイリヤへと話題を変えることに成功する。その際に、小さくガッツポーズをしていた彼女であるが、ここは言わないのが優しさであろう。
考え事をしていたイリヤは少し慌てる…が、もう一人の妹について考えていた。
「あー…なんか珍しく寝坊したみたいで今日はもう休むって」
「クロが寝坊だなんて珍しい…」
「そうかなあ?どうせ遅くまでマンガでも読んでたんだよきっと」
二人は話しながら歩く。
するといつの間にか小学校の前についていた。
そして二人は自分達の教室へと向かうのだった。
◆◆◆
ところ変わって授業の時間。
その日は一時間目からプールであり、続けて二時間目まであるようだ。
イリヤとミユは更衣室で水着に着替えたあとプールサイドへといく。そして水シャワーを浴びてから綺麗に整列し、座って待っていた。
それからしばらくして彼女達の担任の先生が現れ、クラスの出欠確認を取ったあと準備運動を行った。
そしていよいよプールへと入ることに。
イリヤはプールの手前に座り、足をゆっくりと水の中に入れる。その際にポチャンという音が静かに響いた。
隣にはミユが座っている。
周囲のクラスメイトに目を向けると早く中に入りたそうにしているのか体をウズウズとさせている生徒達が何人もいた。もちろんイリヤもその内の一人であったが。
「じゃあみんなー!ゆっくり入りなさーい!」
そのとき担任の先生からの合図があり、生徒達が一斉に入り始めた。
ザブーン
「わー、冷たあぁぁい」
そう言いながらもイリヤは自然と笑顔になっていた。
イリヤはこういったスポーツが得意なのである。
「みんなー!まずは頭を30秒つけなさーい!」
「「「はーい!!」」」
顔付けを行ったあとは、泳げる子と泳げない子に別れることとなった。
泳げる子達はクロール・平泳ぎ・バタフライ・背泳ぎなどの練習を行い
泳げない子達は、壁に掴まってのばた脚、泳ぐ時の手足の動かし方、ビート板を使っての泳ぎなどを基礎からやっている。
もちろんイリヤとミユは泳げる側である。
その後、ある程度各自課題をこなしたあと25メートルのタイムを計ることとなった。
そしていよいよイリヤとミユの番が回ってきた。
「それじゃタイム計るわよー。二人とも準備いいー?」
「「はーい/はい」」
イリヤとミユはそれぞれ返事をする。
二人ともプール台の上に立った。
そしてイリヤは少し気合いを入れると、隣に立つミユに勢いよく告げた。
「よーっし、勝負よミユ!」
「勝負?」
ミユは首を少し傾げる。
「負けた方はアイス奢りね」
「アイスなら家にストックが2キロくらいあるけど…」
二人はスタートの準備をする。
「それじゃ勝利の味がしないよ!ちゃんとおこづかいで買うの!」
「そういうもの?…了解それじゃ」
スッ
そして…
「位置についてーよーい……スタート!」
ターン
二人は勢いよく飛び込んだ。
ゴ‼
そして勢いよく顔を地面に打ち付け……
ズバーーーーーーーーーーーーーッ
プロ顔負けのヘッドスライディングを……
パタン…
顔面から行うこととなった((((;゜Д゜)))
「いっ………
たああああーいっ!顔中痛い!!なに!?なにこれ!?」
「……………ッッ!!」
イリヤは余りの顔の痛さに悲鳴をあげ、ミユは額を手にあて無言でプルプルと痛みに耐えていた。そして気付く。
「なんで水がなくなって…あれ?」
二人が顔をあげるとそこには数多くのビルやマンション、学校といった建物の他、瓦礫の残骸などが漂っている異様な光景に。
「えっ………と……ど、どゆこと……?」
二人は思わず顔を見合わせるのだった。
どうもお久しぶりです(゜▽゜*)
いよいよ始めることになってしまったぞコラボがー!!
とりあえずうまく書けるか分かりませんがとりあえずしっかりやり遂げたいザマス。
プリズマ☆イリヤが分からない人はアニメを見ましょう。超おもろい。
ちなみに筆者はプリズマイリヤがFate作品にはまるきっかけでした。
では、また(・∀・)ノ