もうすぐクリスマスですね。
皆さんはどう過ごされますか?
僕はダラダラ家で過ごしたいですね。
水樹奈々さんのライブのBlu-rayでも見るかな~。
では、どうぞ( ゚∀゚)つ
ヒエンside
俺は急に現れた巫女服の女性に声をかける。
「……貴方は?いや、今はそれどころじゃない!今すぐ逃げてください!ここは危険です!!」
俺はこの女性についてある程度予想がついている。隣にいる子狐についてもだ。
だが今はそれどころではない。
ここは危ない。
俺と対峙しているこの二人の白いワンピースの女達からは、底知れぬ何かを感じるのだ。
俺は巫女服の女性をここから離れさせようと言葉をかけるが彼女から返ってきた台詞は予想とは違うものだった。
「心配してくれてありがとうございます。でも大丈夫です。これは私の専門ですから」
「専門?」
そのとき巫女服の女性の前にいた長髪の女がゆっくりと彼女の方向を向こうとした。
すぐに超直感が反応する。
【あいつの顔を見てはダメだ!】と。
俺は行動を起こそうとしたがそれよりも早く動く者がいた。
「くおおぉぉん!!」
巫女服の女性の側にいた子狐から雷が発せられたのだ。
長髪の女は少し吹き飛びうつ伏せに倒れる。
俺はその間に、彼女達へと小走りで近付く。もちろん四つん這いの女への警戒は怠らずに。
「すいません。助けていただいてありがとうございます」
「いえ、大丈夫そうで良かったです。それよりも貴方はここから早く逃げてください。あの人達は危険です」
彼女の様子からしてやっぱりあの女達はただ者じゃないようだ。
「それはどういう『ヒエン応答しろヒエン!』い……クロノか」
「?」
俺が意味深にクロノのことをつぶやくと巫女服の女性は首を傾げる。念話が聞こえていないということは魔力はないようだ。
『ヒエン無事か!?』
『ああ…今の所は大丈夫だ』
『そうか。急に爆発が起こったから…』
ブツッ
そのときクロノからの念話が急に聞こえなくなる。
『クロノ!どうしたクロノ!?』
俺は念話で呼び掛けるが一向に反応がない。まるで無理矢理遮断されたかのように。
「これは……結界!?」
「グルルルル」
そのとき巫女服の女性は驚いたような表情となり、子狐は前方にいる二人の白いワンピースの女達に威嚇の鳴き声をあげる。
俺は周囲を見渡す。
先程までは綺麗な夜空が見えていたが今はそれが見えない。
どうやら閉じ込められたようだ。
俺達、魔導師が扱う結界とは種類が違う。俺達が扱う結界は通常空間から特定の空間を切りとり、時間信号をズラす魔法である。要はその場に存在してはいるが、別空間を作ることによって認識されないようにしているのだ。
だがこの結界は少々違う。
空間を切りとるというよりは、空間自体を囲っているといった方が正しいか。
すると巫女服の女性は一瞬焦ったような表情となるが、少し目を閉じると覚悟を決めたような表情となる。
「貴方は下がっていてください。ここは私と久遠でやります」
「くぉん!」
久遠と呼ばれた子狐は一声鳴くと、ボフンと白い煙に包まれる。するとそこには巫女服を着た金髪のポニーテールの女の子がいた。……頭から可愛らしい大きな狐耳、お尻からモフモフとしている尻尾が生えていたが…。
俺は少し驚いたがこの手のものは既に見慣れている。我が使い魔のリニス、変身魔法を使うユーノ、フェイトの使い魔のアルフのおかげだ。
でもやっぱり……
この子は久遠だったか。
分からない人のために説明するが、この久遠とは俺の前世での恋愛アドベンチャーゲーム『とらいあんぐるハート3』に出てくるキャラクターの一人である。
その久遠の側にいる女性は間違いなく、神咲 那美(かんざき なみ)さんであろう。この女性は退魔師であり霊と対話し説得して天に返す鎮魂術の使い手である。
彼女達がこの場に来たということは、俺達の前方にいる白いワンピースの女二人は確実に霊なのだろう。それも特別、達の悪い…
というか今更ながら本当に俺、ファンタジーな世界にいるなあと自分の現状を再確認する。が、今はそれどころではない。俺は俺の役目を全うしなければならない。
俺は目の前にいる二人の巫女を見る。久遠は力強く睨んでいるが、那美さんは少し震えている。確かこの人は戦い自体が苦手だったはずだ。
そんな彼女がなぜ戦う決意を見せているのか……それは十中八九、俺のせいだ。彼女からしたら俺は無力な一般人なのだろう。普通ならこんな深夜の小学校に不審な男性がいれば声はかけないはずだ。だが彼女は普通に俺に声をかけてきた。
それはなぜか?
なぜなら俺がこの霊の女達に襲われていたからだ。
彼女はよほどのお人好しなのだろう。でなければ他人の俺をこうも必死に助けようとしないはずだ。…それが例え退魔師の仕事であろうと。
彼女は立派だ。
そんな彼女一人だけを戦わせていいのか?
いいや、そんな訳はない。
俺にも戦う力はある。いや、それよりも女の子一人、いや二人を戦わせて男の俺だけ見ているという状況は非常にカッコ悪い。とらいあんぐるハート3の主人公の恭也君だってこの場にいれば確実に一緒に戦っているだろうし。
だったらやることは決まっている。
俺は彼女達の前に躍り出る。
俺が急にそんな行動をとったからか、那美さんと久遠は驚く。
「な!?危険ですから下がっていて下さい!!」
「クー!」
憤慨する二人を安心させるように俺は後ろを振り向き微笑む。
「大丈夫です。ここは俺に任せて下さい」
俺は目を閉じる。
精神を集中させる。
そしてイメージする。
自身の覚悟を炎に変えるイメージを…
俺の思考が段々とクリアになっていく。
そして目を開ける。
そこには死ぬ気モードとなり額に炎がついている俺の姿に驚いている巫女の二人がいた。
◆◆◆
死ぬ気モードとなった俺は、再び前を見据える。後ろの二人が呆然としていたが今はスルーさせてもらう。
白いワンピースの霊の女達は、俺の様子を観察しているようだ。
そういえば…
霊に魔法は通用するのだろうか?似たようなものならばジュエルシードの思念体などと戦ったことはあるが…。
考えていても仕方がない。
まずは先手必勝だ。
俺は右手を奴等へと向ける。
「
炎の鎖が女達を拘束する。
「彼女たちを捕まえた!?」
「クー!?」
後ろの二人が驚いているが俺は気にせず続いて魔法を使う。
「
俺は自身の周囲に10個のスフィアを配置する。そこからオレンジ色の魔力弾が散弾銃のように奴等に降り注ぐ。
そして俺は飛び上がり、両手を上にあげる。両手に5メートルほどの球体が現れ、それを奴等に放った。
「
ドオオオオオオオンンンン!!!!
霊二人を大きな爆発が襲う。俺は那美さんと久遠から少し離れた所に着地する。
さて…
効いてるか?
俺は土煙が晴れるのを待つ。
そして段々と視界が良好になってきたため前方を注意深く観察する。
あの霊二人は…どうなったのか。
俺は奴等のいたところを見ると目を見開く。
そこには爆発の後はあったが、奴等の影も形もなかったのだ。
まさかと思い、俺はすぐ後ろを向く。
だが那美さんと久遠は無事であった。しかし二人の様子が少しおかしい。
「後ろです!」
「クー!」
その言葉を聞いたとき俺は拳に炎を纏い、裏拳の要領で振り向く。
振り向いた瞬間に、裏拳に何かを殴ったような感触が残る。俺は殴ったそれをすぐに確認する。それは四つん這いの女であった。
俺は追撃するため魔法を使う。移動用に開発した新魔法。
「
足元に死ぬ気の炎を纏い、加速する。吹き飛ぶ四つん這いの女の背後をとると更に吹き飛ばす。そして更に追撃をしようとしたが体が急に動かなくなった。
何事かと思い、自身の体を確認すると腕と足、腹を黒い髪の毛で拘束されていたのだ。
俺は拘束されながらも長い髪を延ばす長髪の女の方を向く。女は俺から5メートルほどの距離にいたが、ゆっくりとこちらに近付いてくる。
その行動をさせまいと俺は新たな新魔法を使う。
「
手のひらに円盤状の炎を作る。これはドラゴンボールに出てくるクリリンの技、気円斬をイメージして作った。円盤状のカッターであるため物体を寸断する力をもつ。
俺は
ザン‼
俺はその間にグローブに炎を灯し、体に巻き付いている残りの髪を焼ききる。
とりあえず長髪女を拘束しようとしたとき、後ろから強烈な衝撃が襲ってきた。
「ぐっ!?」
俺はそのままうつ伏せに吹き飛びながらも、受け身を取り体勢を整える。
しかし振り返ったはいいものの更なる衝撃を食らい、後方の手摺に吹き飛ばされる。
「ぐあっ!」
更に追撃は続く。
俺がダメージを受けながらも前を見ると四つん這いの女が、物凄い形相になりながらこちらへと向かっていた。
四つん這いのまま迫ってくるその姿は、まさに幽霊といっても過言ではない。というよりぶっちゃけ気持ち悪い。
それよりも物理耐性のあるバリアジャケットを着ている状態でダメージを受けるとは…凄まじい攻撃力だ。
俺は四つん這いの女を迎え撃つためこちらも特攻を仕掛けた。
ヒエンside end
◆◆◆
那美side
那美は白いワンピースを着た怨霊二人と戦う炎の少年の姿を唖然とした様子で見ていた。
隣にいる久遠も手に汗握るような表情で見ており…というよりむしろ応援すらしている。
「すごい…」
彼は一体何者なのだろう?
普通、悪霊や怨霊といった類いに物理攻撃は効かない。だが彼の放つ攻撃…自分達退魔師が使う霊能力とは別のエネルギーを感じる。いや、むしろ自分の使う霊能力よりももっと濃いエネルギーをあの炎からは感じる。
那美は戦闘が得意ではない。
だがあの怨霊二人に襲われている少年を見た那美はいてもたってもいられず、震える体を抑えながら前へと出た。
彼女は過去に起きた事件を思い出す。
自分のような被害者をもう二度と出さないために彼女は退魔師の道を選んだ。
だからあの少年が自分達の前に出たときは本当に驚いた。
最初は何を危ないことを!?と思っていた那美であるが少年の額から炎が出たときは隣にいた久遠と共に空いた口がふさがらなかった。
そして雰囲気の変わった少年の戦いを遠巻きに見ていた那美であるが、今では少し興奮しながら見ていた。
そんな彼女の隣にいる妖狐の少女、久遠は不思議そうに那美を見る。
「なみ?すこしたのしそう?」
「え」
久遠は小首を傾げながら那美へと話す。
「私、た、たのしそうかな?」
「うん。たのしそう」
那美は自分の顔を両手でペチペチさせながら、何か嬉しそうにこちらを見ている久遠を見る。
「ねぇ、久遠」
「なぁに?」
「もしあの人がピンチになったら……なっちゃったら絶対に助けようね」
「くおんがんばる!」
久遠は両手をグッとさせて意気込む。
那美は再び前方に視線を移す。
少年の勝利を願いながら。
那美side end
◆◆◆
ヒエンside
俺は四つん這いの女との間合いに注意しながら接近戦を仕掛ける。
先制攻撃は俺からだった。
足に炎を纏い、女めがけてスライディングする。しかし女は器用に方向転換し俺の攻撃をかわした。
体勢を整えた俺はそのまま移動した女の上にジャンプする。そしてその場で一回転し、炎を纏った踵落としをお見舞いする。だがこの攻撃もかわされる。
そう。
確信した俺は思わずニヤリと笑う。
俺の攻撃は……魔法は…こいつら怨霊に通用する。いや、この場合魔法ではなく死ぬ気の炎になるのだろうか?
最初は怨霊という未知の敵との遭遇のため手探り状態での戦いだった。
だが
それだけではない。
俺には死ぬ気の炎という特別な力もある。
死ぬ気の炎は、人間の生体エネルギーを圧縮して見えるようにしたものだ。もしかしたら生体エネルギーの中には霊気のような力も含まれているのかもしれない。
そういえば原作のカテキョーでも似たような描写があったのを俺は思い出した。
原作ではツナの最初の対ボスキャラとして出てくる六道骸というキャラがいた。
骸は前世で六道の全てを巡ったとされており、それにより右目に「六道輪廻」という特殊な能力を秘めている。当初はそれらの力や人質などを使い、ツナを追い詰めていくが超(ハイパー)モードに覚醒したツナに次第に追い詰められて行く。
超(ハイパー)モードのツナとの最終決戦で骸は自身の黒いオーラを操り立ち向かうも、最終的には黒いオーラを死ぬ気の炎で浄化され敗北した。
俺は考える。
最後に骸が出していた黒いオーラとは霊力のことではないかと。だとすれば死ぬ気の炎で浄化できたのであれば、同じ原理で奴等も……あの怨霊達も浄化できるのではないだろうか?
だが強力な怨霊とかしている白いワンピースの女達は恐らく、生半可な攻撃では浄化できないだろう。できるとすれば今の俺の最大攻撃、ヒートバーナークラスでなければならない。
そうと分かればなんとしても奴等の隙を作らなくてはならない。
俺は移動魔法
「
だが女の姿が一瞬で消える。
「なに!?」
そして超直感が反応した。
俺は即座にジャンプする。すると背後から突進を繰り出してきた女が手摺に激突した。
ドゴオン!
その音をきいたとき、思わず俺は顔から一筋の冷や汗を流した。
な、なんつー破壊力( ; ゜Д゜)
四つん這い女は「あ、ああ……ああ…」という声を出しながらこちらに振り向く。
俺はその隙を逃さず、右手を前方につきだし砲撃魔法を放った。
「
ドオン!
オレンジ色の砲撃が四つん這い女に直撃した。すると又しても超直感が反応する。その反応の示すままに俺は防御魔法ラウンドシールドを発動させた。
ドゴッ!
すると四つん這い女の頭突きが、ラウンドシールドに激突する。そこから女の連続パンチが炸裂した。
ドドドドドドドドッッッッッ!!!!!
女のパンチが速すぎて途中から残像まで見えだす。俺は死ぬ気の炎で魔法を強化するが女のパンチの破壊力は凄まじく、物理耐性のあるラウンドシールドにヒビまで入る始末だ。
これ以上は不味いと判断した俺は、飛翔魔法を使い上空へ逃れる。だが予想外のことが起こる。
先程まで地面にいた四つん這い女が既に俺の上にいたのだ。
「な!いつのまに!?」
そしてそのまま女の頭突きを腹にくらってしまう。
ドゴッ!
「ぐはっ!?」
そしてそのまま地面に直撃した。
くそったれ…
幽霊にはテレポート能力でもオプションでついてるのかよ!?
そして攻撃は続く。
そのまま馬乗りになった女は俺を殴り続ける。
ドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴン!!!!!!!!!!
俺は拳に炎を纏いクロスガードすることで致命傷を防ぐが、凄まじい衝撃で反撃することができない。
くそっ!
この怪力女!
何とか反撃を試みようとするが、両腕を何かに拘束され、無理矢理ガードを解かされてしまう。
「しまった!?」
四つん這いの女はここぞとばかりに腕に力を入れ、俺の顔向けて拳を降り下ろそうとした。俺は思わず目を瞑ってしまう。
「………」
しかしいつまでたっても思っていた痛みや、衝撃は来なかった。
俺は閉じていた目を開けると、そこには電撃を身に纏っている子狐状態の久遠がいた。
どうやら四つん這い女をその小さな体で吹き飛ばしたらしい。
俺はその間に、自分を拘束している何かを腕力任せに引きちぎる。思った通り長髪女の髪であった。
「くぅん」
久遠が俺に心配そうに顔を向ける。
俺は大丈夫だという意味を込めて自由になった片手で久遠の頭を優しく撫でる。
「くー♪」
久遠は気持ち良さそうに目を細める。
やばい。
この子ものすごくかわいい。
「大丈夫ですか!?」
そのとき那美さんが俺達の元へとやってくる。
「な…なんとか。さっきは助けてくれてありがとな久遠」
「くー♪」
「はぁ…良かった」
俺が起き上がると久遠は嬉しそうに鳴き、那美さんは心底安心したような表情となる。
それよりも…
「あいつらは?」
「そういえばどこに?」
「くーん」
俺達は怨霊二体を探すが姿が見当たらない。結界が解除されていないことから、逃げたわけではないだろう。
というよりも、あいつら二体は俺を完全に獲物として認識したはずだ。だとすれば俺を逃がすはずがない。
「あ、あそこ!」
那美さんが奴等を見つけたようで勢いよく指を指した。俺はその方向を見た瞬間に凄まじい悪寒に襲われた。
なぜなら奴等がいるところは…
俺はそれを確認した瞬間、即座に砲撃魔法を放っていた。
ジュエルシードは想いに反応し願いを歪に叶える。あの凄まじい恨みをこちらに向けてくる怨霊二体の想いを叶えようものなら…大変なことになるのは目に見えている。
しかし…俺の思いとは裏腹にそれは最悪の形で現実となる。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ジュエルシードが暴走を開始したのだった。
vivid strike終わっちゃいましたね。
賛否両論はあるようですが僕は結構良かったと思います。
はぁ~
はやくなのはの映画の時期にならんかのう~
では、また( ・∀・)ノ