大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

気が付けばもう四十話。

でもなかなか話が進まねぇorz

とりあえずがんばってかきます。

では、どうぞ( っ・ω・)っ


第四十話 続・それぞれの覚悟

アースラside

 

 

 

アースラの情報室にて、時空管理局執務官クロノと、アースラ通信主任兼執務官補佐のエイミィが今回のジュエルシードに関しての情報をまとめていた。

 

そしてそのモニターには、なのはとフェイトの姿が写っていた。

 

「へええ…!これは凄いわ……どっちもAAAクラスの魔導師よ」

 

「ああ…」

 

「魔力の平均値を見ても白い子で127万…黒い子が143万…最大発揮時はさらにその3倍以上…」

 

「…ふむ……」

 

クロノはそれらの情報を見て考え込む。

 

「………クロノくんより…魔力だけなら上回っちゃってるねぇ…?」

 

「魔法は魔力値の大きさだけじゃない…状況に合わせた応用力と的確に使用できる判断力だろ」

 

「それはもちろん…信頼してるよ。アースラの切り札だもんクロノくんは!」

 

いじけるクロノにエイミィは笑顔で返す。

 

この時点でこの二人完全にリア充である。うらやましいかぎりだ。

 

「執務官に着任して3年目なのに実績も成績もすごいし…同じ士官教導センター時代からの友人としても誇り高いよー。お姉さんポジションの私としても自慢の弟だよ!」

 

「はぁ……エイミィ…君と僕は2歳しか歳が離れていないんたが……」

 

ビシッ!とエイミィがサムズアップを見せ、クロノはため息をもらす。

 

そして二人はモニターへと視線を戻した。

 

「しかしまあ…黒い子を逃がしちゃったのは詰めが甘かったね」

 

「……あの時はあの男が邪魔をしたからな」

 

「凄いよね彼。クロノくんと互角に戦ってたんだから」

 

モニターにクロノと戦うヒエンの姿が写される。

 

「魔力値はAAの100万。魔力変換資質『炎熱』と『凍結』。魔力操作に、遠隔制御、スピードの制御も大したものだよ。よっぽど基礎を固めたんだろうね。で、彼に対して一つ気になるところがあったんだよ」

 

「気になるところ?」

 

「彼の額見てくれる?」

 

エイミィはヒエンの顔をアップさせ額の炎を映す。

 

「この炎からなんだけどね、微弱だけど魔力の反応があったの。それで本題はここからなんだけど…この額の炎が大きく燃え上がると、彼の魔力値も上がってたんだよ」

 

「どういうことだ?」

 

「つまりこの額の炎が大きく燃えれば燃えるほど彼の魔法も強化されてるってこと。ほら、ここの魔力値も段々上がってるでしょ?」

 

「本当だ…。しかし額に炎が灯る人間なんて初めて見たぞ?それに戦ってみて分かったが彼はまだ力を隠してる節がある」

 

「まぁ、クロノくんと互角に戦ってたしねぇ~。その影響であの金髪の女の子には逃げられちゃったけど…」

 

「……あのときの状況から鑑みて最善の行動だったと思うが?」

 

「やっぱり可愛い女の子相手だと甘くなるのかな??二人ともクロノくんの好みのタイプだったもんね?」

 

「む…そんな事はどーでもいいし…関係がない!」

 

「そう?ま、クロノくんは優しいからねー」

 

「仕事中だぞエイミィ主任。真面目にモニタリングしろ」

 

「はいはいっと…」

 

するとそのとき扉をノックする音が聞こえてきた。

 

 

 

コンコン

 

 

 

「おつかれさま二人とも」

 

情報室に入ってきたのはリンディ・ハラオウンであった。

 

「あ…艦長」

 

「おつかれさまです」

 

「うん。なかなか大変そうね」

 

リンディはモニターに近づく。

 

「…エイミィ執務官補佐、あの三人の分析の結果はどうかしら?」

 

「はい。こちらに…」

 

「なるほど…。やっぱり凄い子たちね…。これだけの魔力がロストロギアに注ぎ込まれれば…次元震が起きるのもうなずけるわ。この黒い子もすごいけど…特にこの白い子…なのはさんね」

 

モニターにはなのはとフェイトがデバイスを重ね合い、ジュエルシードを互いに封印している映像が写っていた。リンディはモニターを操作し、なのはが砲撃魔法を放っている映像を出す。

 

「彼女が保有するこの莫大な魔力量と瞬間出力…そして優れた遠隔制御能力…。なのはさんは管理局でも全体の5%にすら満たない希有な才能の持ち主かもしれないわね…」

 

クロノが続く。

 

「…最大速度と瞬間加速にこそ優れていますが……設置系や時間差系といった小技を使えないのか使わないのか……これでは動きの速い相手には格好の的になる…」

 

「……避けるのではなく受けて反らす。あるいは正面から受けきる。細やかな動きはせずに攻撃と防御のみに集中しているのね」

 

リンディは冷静に分析する。

 

「確かになのはさんの魔法にはたとえ10発撃たれても…それを耐えきって一発撃ち抜けば逆転できる威力がある。…十分な訓練や経験を積まずに実戦に出ざるを得なかったからこそのスタイルね…。魔法の訓練を始めてひと月も経っていないそうだから」

 

「ええっ!?…それはすごい」

 

「……彼女の愛機は高性能のデバイスのようでした。きっと主人が置かれた状況を考え自らの性能やモードごとの変形機構をそのように特化させて調整しているのだと思われます…。それに」

 

クロノはモニターを操作し、ヒエンの画像を出す。

 

「彼に関してですが、彼女達ほどではありませんが素養は高く才能を感じました。そして実際に戦ったからこそ分かったんですが、明らかに戦い慣れている節があります。恐らく、優秀な師匠でもいるのかと…」

 

「そうね。その事に関しても、念のため彼に聞いておきましょうか?」

 

「了解です」

 

そしてリンディはふとため息をもらす。

 

「…しかし困ったわ……」

 

「何がです?」

 

「…ヒエンくんたち…それだけの素養を持つ魔導師となると…正式な認可を得ずに管理局の管理外の世界…まして魔法の存在が認知されていない世界にこれまでの生活を何一つ変えることなく滞在し続ける…というのは難しいかもしれない…」

 

「…確かに…この第97管理外世界……現地名称は地球…こちらでは厳しいかもしれないですね…」

 

エイミィが心配そうな表情で考え込む。

 

彼女が心配するのも分かる。魔法の存在が認知されていないというのはそれだけでリスクを伴う。

 

外国の歴史で分かりやすくいえば魔女狩りや魔女裁判であろうか?

 

魔女狩りは、魔女または異能者と思われる者に対して裁判や刑罰、暴力や拷問といった迫害を指す。

 

異能の能力を使ったと疑われる者を裁いたり、制裁を加えるといった行為は古代から行われていた。12世紀以降、キリスト教会の主導で行われ、数百万人が犠牲になったと言われている。犠牲者の全てが女性だったわけではなく、男性も多数含まれていたからだ。

 

15世紀には、悪魔と結託し、キリスト教の破壊を企む背教者といった呈で「魔女」の概念が生まれ、そして大規模な魔女裁判が興る。

 

魔女裁判は16世紀後半から17世紀にかけて魔女熱狂とも大迫害時代とも呼ばれた。

 

まぁ、長々と説明してしまったがつまり言いたいことはこういうことだ。

 

魔法と呼ばれる異能力が使えるとばれれば、排斥運動が起こってもおかしくない。

 

地球では魔法の存在は認知されていない。魔法が認知され世間にバレてしまえばその存在を追い出そうとする輩が出てきてもおかしくはないのだ。

 

そんなことになってしまえば、高校生のヒエンはともかく、小学生のなのはは心に大きな傷を負うだろう。

 

それだけ今の地球で魔法という存在がバレることはリスクを伴うのだ。

 

エイミィはそのことを心配していた。

 

「…その件の対応については本件が落ち着いてからでもゆっくりと。今は返答待ちでもありますし」

 

「そうね」

 

「うーんすごく良い子達だし…管理局的にも放っておくにはもったい無い逸材ですよねー」

 

「うるさいぞエイミィ」

 

リンディはふとフェイトとアルフが写っている画像を見る。

 

「あの子たち…ヒエンくん、なのはさん、ユーノくんがジュエルシードを集めてる理由はわかったけど…こっちの黒い子は……どうしてなのかしらね?」

 

「…彼女達はずいぶんと必死な様子でした……なにかよほど強い目的があるのか…」

 

「目的……ね……。まだ…小さな子よね…。普通に育ってれば…まだ母親に甘えていたい年頃でしょうに…」

 

リンディは少し悲しげな表情で呟く。その表情をクロノとエイミィは気遣うように見るのだった。

 

 

 

アースラside end

 

◆◆◆

 

アルフside

 

 

 

アルフは寝室にあるベッドにてフェイトに膝枕をしていた。彼女達の表情は少し憂いを帯びている。

 

「フェイトが悲しんでるとあたしの胸もちぎれそうに痛いんだ…。いつも…あたしも目と鼻の奥がツンとして…どうしようもなくなる…」

 

アルフは涙をポロポロとこぼしながら呟く。

 

「わたしとアルフは…少しだけど精神リンク…してるからね…。ごめんね……アルフが痛いなら……わたしもう悲しまないし…泣かないよ……」

 

「あたしは…っ…フェイトに笑って幸せになってほしいだけなんだ…!!」

 

「ごめんねありがとう……アルフ……」

 

アルフは思う。

 

なぜフェイトがこんなに辛い思いをしなくてはならないのか。

 

なぜこんなにも優しくて頑張り屋の少女が寂しい思いをしなくてはならないのか。

 

アルフはフェイトが大好きだ。

いつだってフェイトのことを一番に考えている。フェイトの幸せを望んでいる。

 

だがフェイトは止まらない。

彼女はどれだけ傷つこうとも、どれだけ寂しい思いをしようとも止まらない。否、止まれない。

 

「でもね…わたし…母さんの願いを叶えてあげたいのは…母さんのためだけじゃない……きっと…自分のためなんだ」

 

 

なぜなら…母親の願いを叶えてあげたいから。

 

 

「わたし自身が母さんを助けたいから…なんだ」

 

 

それが彼女の望みだから…

 

 

そしてその彼女の使い魔は誓う。

 

 

「フェイト約束して…」

 

 

絶対に彼女を守ると。

 

 

「あの人の言いなりじゃなくて……フェイトはフェイトのために……自分のためだけに頑張るって…そしたらあたしは……必ずフェイトを守るから!!」

 

 

守り通して見せると。

 

 

「うん。ありがとうアルフ」

 

 

金髪の少女は少し嬉しそうに微笑むのだった。

 




「Vivid strike」を見て思う。
リンネちゃんの変身シーンが一番エロい気がする(°Д°)

ちなみに主人公の魔力値の数字はテキトーです。(*´・ω・`)b

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