クロノ君が出るといったな。
あれは嘘だ!
すいません。まだ出せなかったです。
では、どうぞ(*´・∀・)つ
ヒエンside
カタカタカタカタカタカタ…カタン
「ふう~。こんなもんか?」
俺は自室にてパソコンと向かい合っていた。
「相棒どうかな?」
「ガルル」
相棒がモニターを出し、俺の作ったシステムをチェックする。
「ガウ」
ふむふむ。
まだ改良するところはあるけど、大元はこれで良いと。
了解。
もう朝になってるし、続きは学校から帰ってからにするか。
俺は時計を見る。
04/27 05:24
と表示されていた。
「ふわぁ~ねみい~」
と俺は大きくアクビをする。昨夜からずっとパソコンをいじっていたため眠気が凄まじい。すると相棒が俺の頭の上に乗ってくる。
「ガオ」
うん?
じっとしてて?
別にいいけどなにするつもりだ相棒?
すると相棒が突然小さく鳴いた。
「ガア!」
「…………」
俺はそのままジッとしている。しばらく待ってみるが、大して何も起こらない。
俺はたまらず声をかける。
「なあ相棒、何かしたのか?」
「ガオ?」
うん?
まだ眠いって?
そりゃ今日は徹夜したから眠いに決まって………ってそういえば眠くない?
いつの間にか眠気がなくなってる!?
「も、もしかして相棒…調和の能力使ったのか?」
「ガオ♪」
おおう。
調和って応用力たかすぎやしませんかね?
でもまあ、つまりこれで調和の能力は他にも使えることは証明されたわけだけど…
それって俺にも使えるのか?
「ガオガオ」
当然て…
どうすればいいんだよ?
「ガウガウ」
イメージすればいいって?対象物があればそれを包み込んで浄化するイメージ…ねぇ。
「ガオ♪」
なるほど。
そこは大空の属性っぽい効果だな。
『全てに染まりつつ全てを飲み込み包容する大空』とも言われているくらいだし…まぁ、機会があればためしてみるか。
とりあえず今は顔洗って朝飯でも食べよう。
◆◆◆
朝飯を食べたあとテレビを見ながら俺はゆっくりしていた。
プルルルルルル
電話?
珍しいなこんな早くから。
誰だ?
「はい大空です」
「お久しぶりですヒエン」
こ、この声は!?
「リニスか?」
「はい。少し心配していたのですが元気そうですね」
「そっちも元気そうで。それよりどうしたんだよこんな朝早くに?というか今はどこにいてるんだ?」
「あ、今はそちらは朝でしたか。すみません失念していました。私は今イギリスにいるのですが、もう少しで日本に帰る予定でしたのでその連絡にと思いまして」
「え!?帰ってくんの!?」
な!?
予定では半年後じゃなかったか!?
まずいぞ…
こんなときにリニスに帰ってこられたらどんな影響があるか…
「………私が帰ったら何か不都合なことでもあるのですか?」
「ア、アハハハ…ソ、ソンナコトアルワケナイジャナイデスカ。ワアーイボクトッテモウレシイー」
「…片言になっていますよ?」
おおう。
電話の向こうからも分かるほどのこのプレッシャー……
完全に怒ってるうううううううううううううう((((;゜Д゜)))
「全く…大方、私が帰ってくるから今の俺の自由な生活が~とか思っているのでしょう?」
「そ、そんなわけないって!」
あながち間違ってないですけど!
「なのはからも聞いていますよ?最近はマシになったみたいですが、前まではコンビニ弁当や外食ばかりしていたと」
「………はい」
そういえばなのは、リニスと連絡取り合ってたね。色々あってすっかり忘れてたよorz
「まぁ、1週間後には戻りますから。不健康な生活はくれぐれも送らないように!」
「分かったよ。子供か俺は。あ、そういえば父さんと母さんは元気か?」
「はい。お二人とももう出掛けてしまわれましたが何か伝えておきましょうか?」
「あ、そっか。じゃあ無理はしないで体に気を付けてって伝えといてくれ」
「分かりました。じゃあまたかけますねヒエン」
「ああ、またなリニス」
ピッ
「……………」
どうしよおおおおおおお!!!!!!!
俺はリビングのソファの上にダイブしゴロゴロと転がる。
予想外だよこれ!?
どうすんだよこれ!?
どうすればいいんだよこれ!?
焦りすぎて某忍者マンガの火影の孫みたいな口癖になっているがそれほどにまで焦っている。
1時間後…
とりあえず時間をかけて落ち着くことに成功した俺は、画期的な作戦を思い付いた。
ふふふふふふふ。
これなら大丈夫さ。我ながらすごい作戦を思い付いたものだぜ。
その名も!
『成り行き任せ大作戦!!!』
もうその場のノリに合わせてなんとかするしかない。
とりあえずそろそろ時間がヤバイから学校いこう。
学校へいく冷静さは残っていたんだなと自分でもビックリしていた。
ちなみに相棒はそんな俺の様子を呆れた目で見ていたそうなorz
◆◆◆
その日の俺は死んだ魚の目のような表情をしていたそうで、クラス中の人達から心配された。担任の先生からも無理はしないようにと言われた。
というか気付いたら放課後になっていた。
クラスメイトや友人達からも話しかけられたり、質問されたりしていたようで…しかしそこは問題なく普通に答えていたようだ…全く覚えていないが。
これも日頃のマルチタスクのトレーニングの賜物だろう。こんな形で成果を確認するとは思わなかったが。
そんな俺だが今は一人になりたくて屋上へと向かっていた。
屋上の扉を開けると、綺麗な夕暮れが目に映った。
「はぁ~」
そのままゴロンと寝転がる。
夕暮れで少し暗くなっている空を見る。
「………」
このまま悩んでても仕方ないよなあ。リニスが帰ってくることでどんな影響があるかなんて今から考えても分かるわけないし…
今さらではあるが、リニスは俺にはフェイトやアルフのことを一言も喋っていない。それを知らないはずの俺がリニスのことをフェイトやアルフに言うと、厄介なことが起きるのは目に見えている。
だからこそ、下手な行動はとらないように俺なりに注意してきたわけだが…
「があああああああ!!ああ、もうやめだやめだ!!悩むなんて俺らしくない!!」
なんとかなる!
前向きに考えろ!
プラスに考えれば戦力が1人増えることになるし…
とりあえず悩むのはもうやめよう。
まぁ、今日は色々あってちょっと疲れたな。
さっさと帰って寝るか。
俺はカバンを持ち、自宅へと足を進めるのだった。
ヒエンside end
◆◆◆
なのはside
4月27日 PM17:05
海鳴市 住宅街
学校が終わったなのはは真っ直ぐに自宅へと帰っていた。そのとき、見知った小さな動物の姿が彼女の視界に入った。
「ユーノくん!」
ユーノはなのはの肩に飛び移る。口には紅い宝石レイジングハートを咥えていた。
「レイジングハート…直ったんだね…よかった」
《Condition Green.》
「また…一緒にがんばってくれる…?」
《All right…my master.》
なのはは少し照れながら返事を返す。
「これからもよろしくねレイジングハート…」
ここに白い魔法少女が再び復活した。
なのはは人気のない公園へと向かう。
真っ直ぐに帰るつもりではあったがレイジングハートが直った今では、魔法の感覚を取り戻すために練習が必要だと感じたようだ。
「じゃあユーノくん結界お願い!」
「うん。封時結界!」
ユーノが手をポンと叩くと公園を結界が包む。
「よし、やるよレイジングハート!」
《All right master.》
2時間後…
周囲はすっかり暗くなり電灯に灯りがついている。
「はーっはーっ」
なのはは息を上げながら杖を振るう。
「な…なのは…大丈夫…?」
「大丈夫……なんだけど……ちょ……ちょっと……疲れた……」
ドテッ
「なのは……!?」
なのはは疲れが溜まったのか倒れてしまう。
「…やっぱりまだいっぱい練習して…頑張らないとダメだね」
「お願い……悲しい顔しないで…」
ユーノはなのはを慰めるように頬をペロリと舐める。
「もともとはボクが原因でなのははそれを手伝ってくれてるだけなんだ……。なのははすごくちゃんとやってくれてる…」
「…ユーノくんそんな事言ったら怒るって言ったでしょ?もうジュエルシード集めは私がやりたくてしてる事なんだからね?」
「うん……わかったよなのは」
「うん!」
そのときガサガサと近くの草むらが動く気配がする。
なのはとユーノはビクッと体を反応させるとおそるおそる後ろを見る。
(ど、どうしよう!?誰かに魔法見られてた!?)
(そんな!?結界はかけたはず!もしかしてあの二人組か!?)
なのはは一般人に魔法が見られたのかと、ユーノはフェイトとアルフの二人組がこちらに来たのかとそれぞれ危惧していた…のだが
「ここらへんでなのはの魔力反応が…あ、いたいた。おーい二人ともー」
そこには学生服を着たヒエンの姿があった。
なのはside end
◆◆◆
ヒエンside
なんでさ?
俺は今のこの現状に物凄く困惑していた。
「もうヒエンくん!ビックリさせないでよ!」
「そうですよ!驚いたじゃないですか!」
なぜか俺はなのはとユーノの目の前で正座させられていた。
いやもう一度言うけどさ
なんでさ?
俺は帰ってる途中で、なのはの魔力の気配を感じたので様子を見に行った。そこは公園だったので気配が感じる方に進むと、草むらを抜けた先に二人がいたので声をかけただけなのだが…なぜか怒られていた。
うん。
冷静に自分の行動を振り返ってみたけど俺はなにもしていない。
なぜ俺は怒られているのだろう?
「あのー、二人とも?とりあえず冷静になりませぬか?なのはもそんなに怒ったらシワ増えるぞ?ユーノもストレスで毛抜けるぞ?」
「レストリクトロック!」
「チェーンバインド!」
さらに悪化した。
「ヒエンくん私まだ小学三年生だよ?」
「兄さん僕、ストレスなんて欠片もありませんよ?」
おおう。
怖いよ。
二人から黒いオーラがみえるよ。
なんか地雷ふんじゃったよ。
と、とりあえず誤解を解かねば!
「お、落ち着け二人とも。ちょ、ちょっと場を和ませようとしたジョークだよ。それよりレイジングハート直ったんだな」
「露骨に話逸らしたの」
なのはさんそれは言わない約束です。
「その、なのはの魔力の気配を感じたから心配でちょっと様子を見に来たんだよ。ほら、レイジングハートまだそのとき直ってるて知らなかったし」
「…そうだったんだ」
「すいません。てっきり僕たちをからかうために草むらからきたのかと」
え?
なに、俺ってそんな印象もたれてるの?
「だって私のこと普段からからかってくるでしょー?」
なのはが俺をジト目で見てくる。
あー
それはそうですね。
だって反応おもしろいんだもん。
「別に今回は純粋に心配だったからさ、でもまあ…まぎらわしいことしてごめん」
「……こっちこそバインドかけちゃってごめんなさい」
「僕もすいませんでした」
2人と1匹が互いに頭を下げあうといった奇妙な構図が生まれていた。
とりあえずバインドを解いてくれたら嬉しいなあ。
「あ、ごめん。すぐ解くね」
なのはとユーノはバインドを解除したので俺は立ち上がる。
「さて、そろそろ暗くなってきてるし送るよ二人とも」
「え?いいの?」
「いいも何もなのは、かなり疲れてるだろ?おぶってやるから少し寝ときなさい」
「うー私もう子供じゃないよおー」
なのはが手を上げて講義しているが小学三年生は十分子供です。
「ほれ、ユーノも乗れ」
「あ、はい」
ユーノが俺の頭の上に乗ってくる。
君何気にそこ気に入ってるよね?そういえば相棒も俺の頭の上によく来るが、そんなに乗り心地がいいのだろうか?
そんなことを考えながらも俺はなのはをおぶるために腰を下げる。
なのははしぶしぶ俺の背中におぶさる。
「じゃあ帰るか」
「うん/はい!」
5分後…
「スー…スー…」
しっかり寝てますやんなのはさん。
俺はなのはを起こさないように静かに歩く。
「ユーノ?」
「はい?」
「レイジングハートはもう大丈夫そうか?」
「はい。もうすっかり元通りですよ」
「そうか。良かった」
ふむ。
これでとりあえずハプニングが起こっても大丈夫そうだな。
「あの兄さん?」
「どした?」
「なのはのことなんですけど…」
「なのはがどうかしたか?」
「ちょっと疲れが溜まってるみたいで…」
「あーそっか」
最近、忙しかったしなあ。
それにまだ魔法と出会って約三週間ほどしかたってないし、そろそろ疲れが溜まってきててもおかしくない。
「そうだな。ジュエルシード探索はしばらく俺に任せてなのはには、もう二、三日しっかり休むように伝えといてくれ」
「分かりました。その…色々すいません」
ユーノがペコリと頭を下げる。
「いいよいいよ。しっかり休むのも小学生の仕事さ。それにこの子はただでさえ頑張り屋だからな。休めるときにしっかり休んでもらわないと」
「ふふ。確かにそうですね」
「お前もだぞユーノ」
「え、僕もですか?」
「ああ、それと簡単なトレーニングもしちゃダメだからな?それだとしっかり疲れがとれん。これを機にお前さんもしっかり休め」
「分かりました」
そうこうしている内に高町家の門の前にたつ。
何度も見てるけど相変わらずでけぇなあ~
高町家って意外とお金持ちだよね。
とりあえずをインターホンを押そうとしたときガラガラと扉があく音がする。
するとそこには桃子さんがいた。
「あら?」
「あ、どうも」
俺は頭を下げる。
「どうしたのヒエンくん?」
桃子さんは優しげな笑みを浮かべてこちらを見てくる。俺はジーッと桃子さんの顔を見る。本当になのはとそっくりだなあ~。
「私の顔に何かついてる?」
桃子さんが目をパチクリとさせ、人差し指を顎にさしながらこちらに聞いてくる。
この人天然だ!?
何気に男がぐっとくる動作を自然とやるとは…とそんなことよりなのはを渡さなければ。
「あ、なのはちゃんが寝ちゃいまして」
「え?あ、本当ね~。グッスリ寝ちゃって」
桃子さんがなのはの頬を指でつつく。
「とりあえずあがって?そうだわ。晩御飯まだだったらうちで食べていかない?」
「え?いいんですか?」
「ヒエンくんも家族みたいなものですもの。遠慮しないの」
「あ、ありがとうございます」
とりあえず俺はなのはを桃子さんに預け、高町家におじゃまする。
ユーノを頭に乗せたままリビングへ向かうとそこには、恭也君、美由希さん、士郎さんがテレビを見ていた。
「あ、ヒエンくんいらっしゃい」
美由希さんが最初に反応した。
「やあいらっしゃい」
士郎さんが手を上げて挨拶してくれた。
「どうしたんだこんな時間に?」
恭也君は俺にお茶を準備してくれた。
「あーっと、お邪魔します。実はなのはちゃんが寝てしまって送り届けに」
「そうなんだ。まあゆっくりしていってよ~。あ、ユーノこっちおいで~」
「キュ!」
ユーノは俺の頭の上から美由希さんの胸へとダイブする。
ちょっと羨ましいなあなんて思ってない。
そこになのはを寝かしつけた桃子さんが降りてきた。
「さぁ、皆ごはんにしましょう。今日はカレーよ~」
おお!
カレー!!
俺は一気にテンションが上がった。
俺は席に座る。すると相棒もいつの間にか美由希さんに抱えられ、隣の席に座っていた。
「気のせいか?ヒエンの目が輝いているような…」
「あははは…」
恭也君と美由希さんが何か引いている気がするが俺は気付かないふりをした。
そんなことよりカレーだ!
あ、でも…
「なのはちゃんはどうしましょう?」
「なのははあとで起こして、私と一緒に食べるから大丈夫よ」
そうか。
それなら安心だ。
「はい。たくさん召し上がれ~」
俺の目の前に大盛りのカレーが置かれる。カレーの良い匂いが俺の食欲を刺激する。
「いただきます!」
俺は美味しく高町家のカレーをいただいた。しかし、食べ過ぎてお腹を壊してしまい動けなくなり、高町家でその日お世話になった。ちなみに高町家のカレーは甘口でした。
切実に思う。
翠屋のシュークリーム食べてみたい!