大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

最近寒いですね。
いよいよ秋も本格的になってきましたね。

では、どうぞ( ゚∀゚)つ


第三十四話 ヒエンの一日

ヒエンside

 

 

 

俺の朝は早い。

 

 

 

ジリリリリリリリ…ガチャン

 

 

 

「うぅ…眠い…」

 

毎朝、5時に目を覚ます。

 

そして顔を洗い、10分ほどかけて早朝トレーニングにいく準備をする。愛用の黒ジャージを着て、朝ごはんとしてバナナを食べておくことも忘れない。

 

「じゃあ相棒たのむ」

 

「ガウ!」

 

相棒に出力リミッターをかけてもらう。これをかけると体がある程度重りをかけたように重くなる。が、リンカーコアにリミッターかけることで魔力の流れを抑制することができる。

 

この状態でトレーニングや魔力運用の修行を行うと、リミッターを外した際に、自然と魔力の循環や流れを体に覚えさせることができるのだ。それだけでなく魔力最大値も増えることがある。

 

そして準備が整った俺は、ランニングでいつもの高台にいく。高台までは走ってだいたい20分ほどだ。

 

ついたあとはさっそく結界を構築し、トレーニングできる環境を整える。

 

そしてトレーニング開始だ。

 

第一の修行:魔力運用のトレーニング

 

魔力運用とはいってもやることは座禅を組んで、ひたすら体の中で魔力を循環させることである。

 

 

「………」

 

 

グゥー

 

 

しかしずっと座っているほど集中力も持たないので10分ほどで終わらせる。それにしても腹へったな…。

 

第二の修行:魔法のコントロール

 

これもやることは簡単。

射撃魔法で空き缶をずっと撃ち抜くというシンプルな方法だ。このトレーニングはなのはがA'sの第一話でやっていたトレーニングである。それを俺もしているという訳である。

 

俺は射撃魔法フレイムバレットを発動させ、スフィアを一つ生み出す。そして空き缶を空中に投げるとそれをスフィアで何回も当てる。カンカンカンと空き缶にスフィアが何度も当たる音が辺りに響く。

 

「56,57,58,59,60,61…」

 

だがこれをやってみて分かったことがある。

 

地味に難しいのだ…

 

目を閉じて精神を集中させる。

このトレーニングはマルチタスクを使いスフィアを操作し、空き缶をどこに吹き飛ばすかの予測も同時に行わなければならない。

 

とりあえず100回できるまで繰り返す。落としてしまったらまた最初からやらなければならないので嫌でも集中する。まぁそのおかげで魔法操作のコントロールも上がるし、マルチタスクも鍛えられるから問題はないんだけど。

 

第三の修行:太極拳の型の復習&組手

 

そして魔力運用と魔法のコントロールトレーニングが終わったあとは、太極拳の型の復習である。

 

型といっても時間をかけて動作の確認をするだけだ。要は健康的な体操と思ってもらえればよい。それに俺は太極拳に関しては基礎的な動きしか学んでいないから問題ない。決め技なども特にもっていないし。

 

そのあとは分身と軽く組手を行う。

 

俺は拳を素早く放つ。分身は防御に徹し時折、カウンター攻撃を放ってくる。俺はその間合いを見切り、最低限の動きだけでかわし蹴りを放つ。

 

互いに太極拳を使っているからか、カウンター合戦のようになる。

 

太極拳を始め出したころ、近所のお世話になった太極拳の老師から太極拳の真髄は()()()()()()だと教わった。俺達は互いに自分を中心に円を描くように動いている。

 

老師は言った。

 

「よいかヒエン。円を描くとは地球が回るように…ゆったりと無限に……全てを包み込むことじゃ。

 

直線も曲線も、円はあらゆる動きを包み込む。

 

円は心…

 

心も円にならなければ円を描くことはできぬ。

 

怒り、殺気、勝利の欲…それらは単純で脆い直線じゃ。

 

心とは恐れなく、驕りなく、まろやかな心なり。

 

円の心とはすなわち、まろやかな心なのじゃ」

 

当時、俺はこの話を聞いたとき唖然としたのを覚えている。今はもう引退してしまった老師だが、学んだ太極拳の真髄は今でも俺を支えている。

 

何度か老師と練習試合をする機会があったが、全く敵わなかった。フェイトとアルフに武芸を教えていたあのリニスでさえ老師には敵わなかったのだ。

 

俺がリニスを連れていったとき、太極拳教室に入門する前の腕試しとしてリニスと老師が戦ったのだが…

 

リニスが全力で攻撃をしても、老師は最低限の動きだけでかわす。リニスが10の動きで攻撃するならば、老師は1の動きだけでかわす。リニスも諦めることなく体力がなくなるまで戦っていたが、遂には動けなくなり敗けを認めたのだ。

 

そんな驚異の老師であるが、今はゆっくりと余生を過ごされている。つまり俺とリニスが最後の生徒だった。

 

リニスは元が高スペックだからか、老師の教えることをどんどんと吸収していき、1ヶ月ほどで老師が合格を出すほどの実力をつけた。

 

肝心の俺はというと…不器用なため合格が出されるまで1年もの月日がかかってしまった。だがどんなに時間がかかっても老師は優しく教えてくれた。途中からはリニスも指導に加わり、なんとか太極拳の基礎を習い終えたというわけだ。

 

「せい!」

 

俺の拳が分身を貫く。

 

組手を終わらせた俺は時間を確認する。時間は7:30を指していた。そろそろ学校へいく準備をしなければまずい。

 

俺は結界を解除すると相棒に声をかける。

 

「帰るぞ相棒」

 

「ガウ!」

 

相棒は俺の頭の上に乗ってくる…が汗をかいていたのでズルッと足を滑らせた。それを俺はうまくキャッチする。

 

「大丈夫か?帰るぞ?」

 

「ガウ」

 

俺は転送魔法を使い、自分の家へと戻った。

 

 

 

そしてシャワーを浴びて朝食を食べたあと学校へと向かう。もちろん出力リミッターはかけたままだ。

 

通学路を通っていると前のバス停に見慣れた茶髪のツインテールの少女がバスを待っていた。ツインテールの動く様子からみて今日は元気なようだ。

 

「おはよー」

 

「ふぇ…?あ、おはよう!」

 

俺が声をかけると茶髪のツインテールの少女、高町なのははこちらに気付き、輝かんばかりの笑顔で挨拶をする。

 

「レイジングハートの調子はどう?」

 

「…うん。まだまだかかるみたい。ユーノ君が言うには明日には直りそうって」

 

「そっか」

 

あの白い巨人戦から既に2日が経っている。あのあと俺はなのはとユーノを連れて高町家へと向かった。

 

俺は高町家の面々に俺の家で遊んでいるとなのはが疲れて眠ってしまったと説明した。時刻はすでに21時を回っていたため俺は怒られることを予想していたのだが、少し注意を受けるだけで済んだ。

 

信頼されてることを実感し、少し罪悪感が湧いたが、俺も疲れていたため、なのはを桃子さんに預けたあとすぐに帰路に着いた。

 

その翌日…

学校が終わってからなのはから電話がかかってきた。曰く「今から会えないかな?」と。

 

電話を受けた俺は、海鳴臨海公園へと向かった。そこでなのはと会い、あれからあったことを聞いた。

 

あの白い巨人のことはユーノから聞いたらしく、なのはから「助けてくれてありがとう」とお礼を言われた。

 

巨人戦で自分だけ戦えなかったことで思ったこともあるらしく、二度とあんなことがないよう更に訓練にも力を入れるようだ。少し心配していたが、大丈夫そうで安心した。この心の強さがなのはの良いところだろう。

 

そしてケンカしていたアリサとも無事仲直りができたそうで…。お祝いとしてクレープをおごってあげた。

 

「ヒエンくん!ヒエンくん!」

 

「ん?」

 

今までのことを回想していた俺はなのはの呼ぶ声でハッと気付く。

 

「どうしたの?いきなりボーッとして」

 

「あ、いやレイジングハート直りそうで良かったなあと思って」

 

「うん。なんとかジュエルシード探索も明日の夕方から再開できそう」

 

「ああ。連絡くれたら俺も手伝うよ」

 

すると丁度、海鳴小学校行きのバスが到着する。

 

「じゃあね」

 

「ああ。いってらっしゃい」

 

「いってきます!」

 

なのはは元気よく乗り込み、アリサとすずかが座っているいつもの定位置に座る。三人がこちらに手を振ってきたので俺も振り返す。バスが見えなくなるまで見送った俺は学校へとまた登校を開始するのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

学校の授業中でも俺のトレーニングは続く。マルチタスクのトレーニングも兼ねて、心の中でイメージファイトを何度も繰り返している。

 

相手は主になのはやフェイト、アルフにリニスが多い。だが勝てたり敗けたりの繰り返しだ。特にリニスに関しては、敗ける割合の方が多い。あの雌猫、戦闘経験が豊富なのかデータとはいえ俺のやること全てに対応してくるのだ。だが最近はジュエルシードの戦闘経験が役立ってきたのか、その時に使用した戦術を組み合わせてみると、勝てる割合が多くなってきた。

 

何より前より強くなっているという実感が持ててきた。

 

ふはははは(゜▽゜*)

 

待っていろリニス!

今度あの雌猫が帰ってきたらボッコボコにしてやんよ!2年間鬼のような特訓を与えてきた積年の恨み!今こそ晴らさずべきか!!

 

と俺がリニスに対して報復を誓っているといつの間にか授業が終わっていた。

 

やべえ。

聞いてなかったorz

 

と思ったらノートはちゃんととっていた。

 

恐るべしマルチタスク!!!(゜ロ゜ノ)ノ

 

 

 

放課後、俺はいつもの高台へと足を伸ばしていた。

 

なぜなら確認しておかねばならないことがあったからだ。

 

結界を構築したあとバリアジャケットを身に纏う。そして分身を2体ほど呼び出し設置した。

 

そして俺は指示を出す。

 

「じゃあたのむ」

 

分身からオレンジのスフィアが20ほど出された。それと同時に俺の肩の上に相棒が現れる。

 

「相棒どうだ?いけそうか?」

 

「ガウガウ!」

 

問題ないか。

 

そしてスフィアが俺に向けて放たれた。

 

だが俺は一歩も動かない。

 

いや、動く必要がなかった。

 

 

「ガアオオオオオ!!!!」

 

 

なぜなら相棒の咆哮一つでスフィアが石化したのだから。

 

今、相棒がやったことはカテキョーの原作でも使用されていた技であり、ツナの匣兵器ナッツが使用していた技…

 

対象を周囲の環境と調和させる雄叫びを放ったのだ。

 

ナッツとほぼ同じ外見をしている相棒も使えるかと思って試してみたのだが、なんの問題もなく使えた。これは事前に相棒にも聞いていたのでその確認のためでもあった。

 

ではなぜ今まで使わなかったのか?と言われれば…端的に言えば忘れていたのだ。

 

こらそこ!呆れるんじゃない!!

まぁ、気にするなよ((((;゜Д゜)))

 

だがやはり何度も使える代物でもなさそうだ。

 

相棒が咆哮を使ったとき、俺の体から少し力が抜けたのだ。どうやら使う度に俺の体力も消費するようだ。

 

だが使える手札が増えるのは良いことだ。まだまだ試したいものもあるし。

 

そこから俺は日課となっているリニス考案簡単トレーニングを開始した。ちなみに魔力リミッターはかけたままだ。

 

内容はこうだ。

 

ランニング10キロ

腕立て伏せ100回

上体起こし100回

トランクエクステンション100回

スクワット100回

 

某ヒーローアニメの主人公がやっていたトレーニングと少しばかり似ているが気にしてはいけない。あのワンパンヒーローのように毎日とはいかずとも、空いた時間があれば必ずやっている。

 

魔法を鍛えるのも良いが、俺の場合根本的には全て体力が必要なため、こうしたトレーニングも欠かさずやらねばならない。

 

しかし、某ヒーローアニメではこんなの大したトレーニングじゃないと言われていたことがある。

 

だが実際、経験したことがある者から言わせてもらいたい。

 

ふざけるなああぁ!!Σ(゜Д゜)

 

何が大したことないじゃあぁ!毎日やってみたけどランニング10キロなんて日頃運動不足の社会人からしたらどれだけしんどいことか!スクワットや、上体起こし、トランクエクステンションはまだいい!!だが腕立て伏せテメーはだめだ!!毎日、筋肉痛で腕があがらなくてごはんを食べるのにどれだけ苦労したことか!!!!!(切実)

 

失敬。

取り乱しました。

変な電波を受信したか?

俺、まだ社会人じゃないし。

 

これを大したことのないトレーニングだといっていたキャラがいたので意気揚々とやってみたらかなりしんどかったもので…。

 

※筆者は実際にやりました。

 

まぁ何はともあれ、それらのトレーニングをこなすのが俺の日課だった。ちなみにだが平日はいつもこんな感じのローテーションだ。土日もトレーニングをすることはあるが、どちらか必ず1日は休みを入れるようにしている。

 

いやだって1日くらい休みないとそこまでモチベーション上がらないしね…

 

とりあえず今日のトレーニングは早く終わらせよう。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

トレーニングを終わらせた俺は、そのまま家に帰りシャワーを浴びたあと、夕飯を食べた。ちなみにごはんは作るのが面倒だったのでマク〇ナルドのチーズバーガーセットである。

 

そして俺は自室へといき、自宅のノートパソコンを開けた。

 

それは俺のデバイス、ヒッツと協力せねばできないことであった。

 

「よしやるか相棒」

 

「ガウ」

 

俺の目の前には、ある映像があった。

 

そこにはこう書かれていた。

 

『Full Drive System』と。

 




次回はいよいよあの執務官が登場だ!と思う!!

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