台風ひどいですね。
現在進行形でやべえです。
では、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
俺は今、ジュエルシードを見つけるために街を散策している。
あの後、なのはを高町家へと送ると、しばらくなのはの部屋でゆっくりさせてもらっていた。
何気になのはの部屋に入るのは今回が初めてだったりする。部屋の内装は可愛らしいピンク色の内装で、いかにも女の子の部屋という感じであった。
前世の世界で画面を通してなのはの部屋は見たことがあったが、まさか入ることができるとは…。
俺は感動にうちひしがれていた。
なんと言えばいいだろうか?自分の好きな芸能人が演じていたドラマのスポットを訪れて感慨にふけっていると言えば分かってくれる人もいるのではないだろうか?
そして俺がキョロキョロと部屋を見ているとなのはに怒られてしまった。
曰く、女の子の部屋はあまり見るものではないと。
全くデリカシーがないんだから!とお言葉をもらい、とりあえず俺は精一杯謝ることでなんとかお許しをいただいた。
最近、本当にこの子に頭が上がらなくなっている。
小学生に怒られる高校生って文面で見るとかなり情けなく見えるよね。
はぁ( ´Д`)
その後、なのはがユーノを連れて部屋へと戻ってくる。ユーノも比較的元気そうである。見たところ大分魔力も戻ってきているみたいだ。
ここで元の姿に戻ったら?と言おうと思ったが想像するだけでかなりカオスなことになるのでやめておいた。それにこれはアースラで大事なイベントだしな。黙っておこう(確信犯)
そして俺となのは、ユーノ、レイジングハートを交えてこれからのことについて話し合う。
ここで俺達はある約束事を決めた。
・ジュエルシードを見つけたらまずは皆に連絡すること。
・無茶無謀な行動は控えること。
・決して一人では無理をしないこと。
主に1人と1匹と1機が俺に向けていい放つ。
こやつら話し合いといっても予め内容を決めてやがったな。
そこで俺は反論する。
「俺は無茶な行動なんてとったことないぞ?」
すると突如なのはから黒いオーラがゆらりと出る。
「へえ~1日で3回も戦闘したことがあるのに?」
「………」
それを言われると何も言えない。
「………やっぱりあれって無茶な行動に入るのでせう?」
日本語が多少おかしくなったが気にしてはいけない。未来の魔王様の威圧が怖いだけである。
「自覚ないの?」
「………ソンナコトナイヨ」
「今度同じことやったらお兄ちゃんとお父さんにしごいてもらうの」
「はい!もう無茶はしません!」
あの二人との鍛練だけは勘弁してください。鍛練だけは避けろ!と超直感もさっきから警鐘をはなっている。これだけであの二人がどれだけ人外なのかがわかる。
「わかった。これからは必ず連絡するからもう勘弁してくれ」
「分かればいいの」
なのはは俺の返事に満足したのか嬉しそうに笑っている。ユーノはそんな様子を見て苦笑いしていた。俺は話の流れを変えようと話題をそらすことにした。
「そういえば最近、ジュエルシードの探索とかしてないな」
「あ、さっきユーノくんとそのことで話してたんだけどね、これからジュエルシード探しにいかない?」
「俺は別に大丈夫だけど…」
俺はユーノをチラッと見る。
そこには体を小さくしてシュンとしているユーノの姿が…。なのははそんなユーノを見てキョトンとしている。
「どうしたのユーノくん?」
「なんだか申し訳なくって」
「えっと…どうして?」
「さっき言ってたでしょ?アリサちゃんとケンカしたって。それは…ジュエルシードの探索とか、魔法の訓練とかでなのはの時間がとられちゃったからで…」
ああー
そういうことか。
なのはとアリサのケンカの原因が間接的に自分にもあると思ってるのか?
なのははそんなユーノを見て、もう仕方ないなぁと苦笑しながら座り直す。
「あのねユーノくん。これはなのはが決めたことだからユーノくんが気にすることなんてこれっぽちもないんだよ。それに魔法の訓練も楽しいし」
「で、でも…」
「大丈夫!アリサちゃんのことは私がちゃんとしてなかったのがダメだったの。だからユーノくんは気にしないで」
「う、うん。ありがとう…」
ユーノは遠慮しながらお礼を言う。
「そうだぞユーノ。別にお前は悪くないんだから。今回のことはなのはがもうちょっとうまくやってれば大丈夫だったはずだし。授業中も上の空だったっていうのもなのはのせいだし、アリサの話を聞いてなかったっていうのもなのはのせいだし、ボーッとしてたのもなのはのせいだ。まぁ、自業自得ってやつだな」
「………あはははは」
なぜだろう?
ユーノが俺から物凄い勢いで下がっている。
「うん。今回は私が悪いし、自業自得だっていうことも分かってるんだけどね…」
俺はその少し小さくなっている声を聞いてビクッとなる。
「別に……そこまで言わなくてもいいんじゃないかなあ」
未来の魔王様が顔を俯かせている。
しかし様子がおかしい。
あれ、どしたの?
「う~……」
ポロポロ
なのはの瞳からポタポタと流れる涙があった。
oh…
泣かせちまったあああああああああああああああああああああ!!!!!
『どうするんですかヒエンさん!?なのは泣いちゃいましたよ!』
《ヒエン…全くあなたという人は…。さっきの仕返しのつもりのようですがマスターはまだ9歳なのですよ?もう少し大人になったらどうなのですか?》
ユーノとレイジングハートから念話が届く。
『はい。全くもってそのとおりです!』
『《だったら早く謝って下さい!/きなさい!》』
「はいぃ!」
俺はビクビクしながらなのはへと向く。するといつの間にか俺の心の中から出ていた相棒がなのはを慰めていた。
「ガウゥ~」
「えへへへ」
なのははライオンモードの相棒をニコニコ笑顔で撫でていた。
さすが相棒…
アニマルセラピーをやらせたら右に出るものはいない。
とそんなことより謝らなければ。
「あー…あの、なのはさん?」
なのははこちらを一切見ようとせず相棒を撫で続ける。
「な、なのはさーん?」
「………」
反応がない。
おおう…めちゃくちゃ気まずい。
俺は思わずユーノとレイジングハートの方を向く。ユーノは腕組みをし、レイジングハートからは物言わぬ雰囲気が漂っていた。
レイハさんあなた機械なのにすごい恐いよ?((( ;゚Д゚)))
二人から『さっさと謝りなさい』的な視線が痛い。レイジングハートは目なんてないけど。
俺は一度深呼吸して落ち着く。
そして言った。
「ごめんなさい!さっきは言い過ぎました!」
「………」
「お、お詫びになんでも奢らせていただくので…」
「………」
「あ、あとは…買い物の荷物持ちだってさせていただきます!」
「………」
「えーと…だからその~」
おおう。
反応がない。
だが俺は諦めずに言葉を紡ごうとしたとき
「…別に気にしてないよ」
反応キタ━(゚∀゚)━!
と内心ほっとしているとなのはがそのまま話す。
「うん。でも1つだけ約束してほしいの」
「な、なんでしょう?」
「さっき決めた3つの約束事必ず守って?」
「え?そんなことでいいの?『ヒエン?/さん?』はい!全身全霊で守らせていただきます!」
「うん。じゃあ許してあげる」
「ありがとうございます」
このあと俺はなんとか許してもらい、皆で散策に出掛けた。そのときに俺は誓った。
女の子は泣かせないようにしようと。あと怒らせないのも。
そして学んだ。
女の子は泣かせるとマジあせる。
あとユーノとレイジングハート怖かったっすorz
とそんなこんなで現在俺はなのはたちとは別行動をしており、一人で街中をうろちょろしている。
俺はケータイの時間を確認する。
時刻は19:43を指していた。
俺はともかく、なのははそろそろ帰した方がよいだろう。小学3年生が出歩くには遅い時間だ。
俺がなのはとユーノに連絡をしようとしたとき丁度念話が届く。
『このあたりだと思うんだけどなぁ…』
『うん……反応は確かに』
思うんだけどさ、念話で話したいことがあるなら二人で話せばいいと思うのだが…
二人の会話を聞いている俺からしたら、盗み聞きをしているようで若干罪悪感が湧いてくる。それとも二人ともどこかの赤い悪魔さんのようにうっかりなのだろうか?うっかりんなのか?
『なのはは家に戻って…ボクとヒエンさんはもう少し探してくから』
あ、俺が探し続けるのは決定事項なんですね。
『…ユーノくん二人で大丈夫?』
なのはさんそれどういう意味かな?
『うん。ヒエンさん頼りになるから』
ふはははは(゜▽゜*)
わかってるじゃないかユーノくん。
任せとけ。
頼りになる皆のヒエンさんが一肌脱ごうではないか!
『わかった。あとよろしくね』
そう言うと二人の念話は終わった。
さて、もうひとがんばりするとしますか。
ヒエンside end
◆◆◆
フェイトside
「確かにこのあたりだ…」
あるビルの屋上に二人の人影があった。いやこの場合は一人と一匹といった方がよいだろうか。
「ちょっと乱暴だけど…魔力流を撃ち込んで強制発動させるよ」
金髪の少女…フェイトが呟く。
「あいつらも近くにいたら見つけちゃうかもしれないけど?」
赤い体毛に覆われた一匹の狼…アルフが言葉を返す。
「大丈夫……わたしが先に封印するから」
「あ、待った。それあたしがやる」
「大丈夫?結構疲れるよ…?」
「フッ…このあたしを一体誰の使い魔だと?」
「……じゃあ…お願い」
「そんじゃー…いくよ!」
アルフの足元に魔方陣が現れる。そして一本の光の柱が空へと解き放たれた。
フェイトside end
◆◆◆
ヒエンside
ドンッ!!
地面を向きながらジュエルシードを探している俺の耳にその音は響いた。
「なんだ?」
俺は空を見上げると、雷がゴロゴロとなっていた。
おかしい。
さっきまで雲ひとつなかったはずだ。なのに急に雲があらわれ雷が鳴り始めた。しかも尋常じゃないほどの威力でだ。
街の人達もザワザワと騒ぎ始めた。
それにこの感じ…
どうやらジュエルシードが発動したようだ。
すると周囲の景色が少し薄暗くなり俺の周りにいた一般の人々の姿が消えた。
これは…ユーノが広域結界を発動させたのか。
俺は周りを見渡す。
すると大きな青い光の柱が空へと迸っていた。
俺はセットアップし直ぐに現場へと向かうがここからだと少し距離がある。
間に合えばいいが…
俺はソニックムーブを使い高速で移動を開始した。
ヒエンside end
◆◆◆
なのはside
同時刻…
ジュエルシードが発動したときなのはもその光を目撃していた。
「……これって!」
そんななかユーノも現場へと向かっていた。
『こんな町中で強制発動…!?』
ユーノは走りながら魔法を使用する。
『広域結界……っっ!!』
ドオオオオオ
そのときユーノを中心に結界が発動した。
「レイジングハート…お願いっ!」
《Standby ready.》
なのははセットアップを完了させ、ジュエルシードへと向かう。
『なのは!ジュエルシードが見える?』
『見える……すぐ近く!』
『この間の魔導師が近くにいる……暴走を始める前に封印……いけるッ!?』
「いけるよ…!レイジングハート!!」
《Canon mode.》
なのははレイジングハートを構えジュエルシードへ向けて砲撃を放った。
なのはside end
◆◆◆
フェイトside
同時刻…
「……結界…!」
結界が発動したとほぼ同時に青い光が空へと迸る。
「見つけた……」
「あっちも気づいてる……フェイト!」
「分かってる!バルディッシュ!」
《Set up.Grave Form Get set.》
「スパークスマッシャー!」
《Spark Smasher.》
時を同じくしてフェイトもジュエルシードへ砲撃魔法を放つのだった。
フェイトside end
◆◆◆
ヒエンside
俺が現場へ到着するとなのはの砲撃とフェイトの砲撃がジュエルシードを挟んでぶつかりあっていた。
え?
あれやばくない?
「「ジュエルシード…封印ッッ!!」」
するとジュエルシードはポツンと佇み、フワリと浮かんでいた。
あ、なんとかなったか…。
良かった。
『やった!なのは早く確保を…』
『させるかよっ!』
そのとき遠目で見ていると、ジュエルシードより少し遠目の道でユーノとアルフが激突していた。
アルフの攻撃をユーノがラウンドシールドで防ぐ。
『君は…!?……あのときの使い魔!!』
『フェイトの邪魔はさせないよっ!』
そしてジュエルシード近くの道でなのはとフェイトが睨みあっていた。
ここで俺が横からジュエルシードを掠めとれば万々歳なのだが……今はそんなことができそうな雰囲気ではなさそうだ。
というよりなのはが納得しない気がする。都合のよいことに皆、ジュエルシードに気をとられて俺の存在を忘れている。
俺はそれを利用して隠れ、傍観することにした。
「こないだは自己紹介できなかったけど……わたしなのは……高町なのは。私立聖祥大附属小学校三年生」
フェイトはバルディッシュをなのはへと向ける。
「ジュエルシードは諦めてって……今度は手加減できないかも……って言ったはずだよ」
「それを言うなら……なんでジュエルシードを集めてるのか教えてって……わたしの質問にも答えてくれてないよね?……お話ししないと言葉にしないと伝わらないことも…きっとあるよ…それに…」
なのははレイジングハートを掴む力をきゅっと入れる。
「それにまだあなた自身から名前も聞いてない!」
フェイトは一瞬悲しそうな顔をする。
しかしバルディッシュを構え自分の周囲に数個のフォトンスフィアを生み出し、なのはへと放った。
《Flier fin.》
なのはは上空へと飛びあがり射撃魔法をかわす。
二人は戦闘体制へと入っていった。俺はミラージュハイドを使用し姿を消して戦いを見守る。
なのはは高速で飛び回り、フェイトのフォトンランサーをかわし続ける。だがスピードはフェイトの方が早く、なのはの隣5メートル程のそばにつく。
そして更に出したフォトンランサーをなのはに向けて撃つ。
なのははそれを立ち止まり、紙一重でかわしディバインシューターを4つ放った。
《Divine Shooter.》
「てぇええい!!」
フェイトも立ち止まり、最低限の動きだけでそれらをかわす。しかしそれこそがなのはの狙いだった。
《Buster Mode! Stun Setting.》(直射砲セット。非殺傷スタン設定)
なのははレイジングハートを構えフェイトに直射砲を放つ。
「シューーーーートッッ!」
フェイトはバルディッシュを一度クルンとまわし前へと向ける。
《Defensor.》
なのはの直射砲がフェイトの防御魔法とぶつかり合う。フェイトはしばらく耐えていたが、負荷がかかっているのかバルディッシュはカタカタと震えている。
やがて耐えきれないと判断したのかフェイトは高速で後方へと離脱する。
そして二人は再び睨み会う。
「………」
「………」
「目的があるなら……ぶつかり合ったり競い合うことになるのは…仕方ないかもしれない。だけど……何もわからないままぶつかり合うのは嫌だ!」
「………」
「わたしも言うよ…だから教えて?なんで…どうしてジュエルシードが必要なのか」
なのははフェイトに自分の心の内を話す。
「わたしがジュエルシードを集めるのは…それがユーノくんの捜し物だから。ジュエルシードを見つけたのはユーノくんで…ユーノくんはそれを元通りに集め直さないといけないから。
わたしは…そのお手伝いで…お手伝いをするようになったのは偶然だったけど…いまは自分の意志でジュエルシードを集めてる。
自分が暮らしてる街や自分のまわりの人たちに危険が降りかかったら……嫌だから。これが…わたしの理由」
フェイトの目が揺らぐ。
「…………わたしは……」
フェイトが答えようとしたとき…
「フェイト!答えなくていい!」
アルフの声が辺りに響いた。
ちなみに俺の鼓膜にも響いた。どんな肺活量してんだあの狼( ´△`)
「ジュエルシードを持って帰るんだろッ!?」
フェイトはハッと思い出したような表情となる。
「優しくしてくれる人たちのトコでぬくぬく甘ったれて暮らしてるガキんちょになんか……何も教えなくていい!」
なのはは唖然とした表情でアルフを見る。
「あたしたちの最優先事項は…ジュエルシードの捕獲だよ!」
そしてフェイトはなのはにバルディッシュを向ける。
「なのは……!」
アルフと対峙しているユーノが心配げな声を出す。
「大丈夫ッ!」
なのはもレイジングハートを構え戦闘体制を整える。
そして二人が再び激突しようとしたとき…
ドクンッ!
ジュエルシードが再び脈を打った。
なのはとフェイトはそれに気が付くとジュエルシードへと高速で近づいていく。
ドクンッ!ドクンッ!
そしてジュエルシードを中心にレイジングハートとバルディッシュが交差する。
ドクンッ!ドクンッ!
そして再び封印しようとしたとき…
ドクンッ!ドクンッ!
それは起こる。
ピシッ ミシッ ピシッ
ジュエルシードを封印しようとしていたレイジングハートとバルディッシュにヒビが入る。
そして…
ドオオオオオォォォォォォォンンンンンンンンンンンンン!!!!!
ジュエルシードが突如暴走を起こした。
さあ暴走したジュエルシードはどうなるのか?
では、また(゜◇゜)ゞ