続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
俺はいよいよインターミドル都市本戦四回戦、準決勝に挑む。
『皆様お待たせ致しました!都市本戦4回戦1組目の選手入場です!レッドコーナーからは、ダブル変換「炎熱」と「凍結」の使い手でありながら、多種多様な魔法を使いこなすオールラウンダー!3回戦では「
スポットライトが当てられる中、俺はゆっくりと入場していく。
バリアジャケットには既に換装しており、死ぬ気モードにもなっている。
会場を見渡せば、席は全て埋まっており、それだけこの試合が注目されている事が分かる。
テレビ放送でも視聴率は高く、ワイドショーでも専用のコーナーがある程だ。
「まあ、それも当然か」
俺は小さく呟く。
今日の相手は三年間無敗の女子チャンピオン、ダイヤモンド・クリストファー。
凍結の魔眼の使い手で、オーバーSランクにも匹敵する魔力の持ち主。
彼女はあのクロノをも破った強敵だ。
「だからって、負ける気はさらさらないけどな」
『続きまして、3回戦では強敵「
白いワンピースを着た銀髪の美少女が姿を現す。
「
ダイヤモンドは入場しながら防護服へと換装する。
白い純白のドレスを纏い、
右目を保護する黒い眼帯が大きく目立つ。
俺達は向かい合う。
「ようやく……会えた」
「ん?」
「貴方とは……ずっと戦いたいと思っていた」
「チャンピオンにそう言ってもらえるとは光栄だな」
「貴方は……自分が思ってる以上に注目されていると……知った方がいい」
「どういう意味だ?」
「貴方は人を惹き付ける……良い意味でも、悪い意味でも」
俺がさらに話を聞こうとすると、実況の声が響いた。
『4分4R、規定ライフは50000。三回戦より10000上がります。果たして勝利を手にするのはどちらなのか?戦いのゴングが今……鳴りました!!』
そして試合開始のゴングがなった。
「それじゃ……いくよ」
先手はダイヤモンドからであった。
「グレイシャー、射撃」
《Hail Storn.Fire.》
話の続きは気になるが、今は試合に集中した方が良さそうだ。
俺は額の炎の質を柔から剛へ切り替えると右手を出し、広域砲撃ヒートバーナーフルバーストでまとめて吹き飛ばす。
そのままオレンジの砲撃がダイヤモンドへ迫る。
「グレイシャー、砲撃」
《Hail Storm.》
白銀の砲撃と激突するが、広域砲撃故にオレンジの砲撃が撃ち負ける。
俺は真上へ飛んでそれを回避する。
「
続けて俺は15発の魔力弾を展開させて時間差で放つ。
「グレイシャー、少し多めで」
《Hail Glaze.》
こちらと同じ数の氷の塊が放たれ、いとも簡単に相殺される。
俺は空を飛び回りながら、さらに射撃魔法を放っていく。
「verマシンガン!」
自身の周囲に10個の炎のスフィアを固定し、マシンガンのように放つ。
威力は軽めであるものの、連射性に優れており、相手に反撃する暇を与えない。
ダイヤモンドの氷の塊をすり抜け、直撃させていく。
しかし彼女の周囲には霧が帯状に漂い、ダイヤモンドを囲いこむように展開されていた。
霧が魔力弾をガードし、見事に防いでいた。
(あれはクロノの試合でも使ってた氷の霧か)
言うなれば、某忍者漫画の砂の
あれを突破するには霧を丸ごと吹き飛ばすか、霧が追い付かないスピードで攻撃するしかない。
「verバズーカ!」
一応、一番威力の高いバージョンに切り替えてみるものの効果は薄い。
俺は同時に放たれる氷の塊に気をつけながら、ダイヤモンドと距離を取る。
そして右手を向けて砲撃魔法ヒートバーナーを放つ。
このままチマチマ攻撃してても意味はないので、大技で様子を見る。
「グレイシャー、相殺」
《Snow Storm.》
ダイヤモンドも砲撃を放ち、俺の攻撃を相殺する。
俺は四分身を出し、四方向からヒートバーナーを放つ。
「グレイシャー、完全防御」
《Ok Boss.Icicle.》
さすがに氷の霧だけで防御するのは無理と判断したのか、防御魔法を使用すると、彼女を囲うように氷柱が現れる。
ヒートバーナーは氷柱に阻まれ、ダイヤモンドへダメージを与える事が出来ない。
だが俺はその隙を突いて、彼女の真上に回り込んでいた。
右手の篭手を手甲に変化させ、
氷柱を破壊し、そのまま攻撃するとダイヤモンドは杖で受け止める。
ダイヤモンド・クリストファー
LP50000→45000
「やるね……でも、攻撃直後は隙だらけ」
《Snow Smasher.》
「ちっ……」
俺はクロスガードで白銀の砲撃をガードする。
身体全体がダメージでヒリヒリするが、耐え切れない訳ではない。
ヒエン・オオゾラ
LP50000→45000
俺は四分身に念話で引き続き、攻撃を指示する。
四分身は両手のグローブに炎を灯して、近接戦闘を仕掛ける。
ダイヤモンドは杖を駆使して、四分身の攻撃を受け流していく。
しかし、近接戦闘も出来るとは正直言って意外であった。
俺の中では典型的な砲撃魔導師のイメージが強かったからだ。
彼女はそのまま杖をバトンのようにクルクルと回しながら、素早い身のこなしで四分身をいなす。
だがライフは、徐々にではあるが確実に減っていく。
ダイヤモンド・クリストファー
LP45000→44800→44600→44400→44200
「さすがに分が悪いか……なら、こうしようかな」
《Blizzard Roid.》
すると、ダイヤモンドは新たな魔法を発動させる。
それは俺もよく使用する魔法であった。
「
彼女の周囲にダイヤモンドの形をした氷の人形が現れる。
『激しい射砲撃から始まった今回の試合!一見、ヒエン選手優勢に思われたが、ここでダイヤモンド選手が氷の人形を展開させたぁ!!しかもこれはヒエン選手の使用するブリザードロイドだあぁぁ!!!』
その数およそ100体。
俺は操れて10体が限界なのだが、ダイヤモンドは軽くその10倍を操っていた。
「この魔法、初めて使ったけど便利……だね。ただ……思ってるより……魔力消費が激しいけど」
「操作魔法の適性は俺よりも圧倒的に上か……嫌になるぜ、全く」
その他の魔法資質も俺より確実に高いだろう。
そもそも俺は全ての適性があるとはいえ、その数値はほぼ平均値を地で行く。
なのはやフェイト、はやてのような主人公組や、クロノやティーダのようなエリート、カナやボンちゃんのような都市本戦常連組、チャンピオンであるクリストファー兄妹のような自分の強味と言えるものが俺にはない。
だからこそ、それを補うために手数を増やし、オールラウンダースタイルで戦っているのだが。
話に戻ろう。
ブリザードロイドの特性を考えれば、普通に戦っても氷の人形故にすぐに再生する。
その厄介さを俺はよく知っている。
ならば、破壊力のある魔法で一気に殲滅するしかない。
俺は四分身に指示を出し、各自で対処させる。
四分身は広域砲撃ワイドバーナーを放ち、氷の人形達を一掃する。
『ヒエン選手!氷の人形に分身で対抗!強力な砲撃で一掃していく!!だがダイヤモンド選手も新たな人形を形成して立て直す!!』
しかし、倒してもさらなる人形が形成されていく。
ならばその間に本体を叩くしかない。
俺は真上からダイヤモンドへと奇襲をかける。
操作魔法というのは魔力リソースが大きく、操るのには幾分か意識を割く必要がある。
その証拠に
いくらチャンピオンと言えど、
だが今はそれが隙となる。
「貴方がここで仕掛けてくる事は……分かっている」
《Hail Smasher.》
しかし、さすがは女子チャンピオン。
俺が仕掛けてくるのもしっかりと読んでいた。
今から防御は間に合わない。
なら、迎撃しかない。
俺は即座に額の炎を最大限にまで燃え上がらせ、技を放つ。
「
ダイヤモンドのヘイルスマッシャーと、俺のバーニングアクセルが激突する。
至近距離でぶつかり合ったことから、爆発が起こり互いにダメージを受けた。
ヒエン・オオゾラ
LP45000→35000
ダイヤモンド・クリストファー
LP44200→34200
そして更なる攻撃を仕掛けようとした所で……
ブーッッッ!!!!!!
第1ラウンド終了のブザーがなった。
次回はいよいよ魔眼発動。
では、どうぞ( `・∀・´)ノ