続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
激励に来てくれたカナ達と、ケーキを食べながらしばらく談笑すると彼女達も満足したのか笑顔で帰っていった。
それから俺は腹ごなしに少し動いてから、ダイヤモンドのことについて調べる事にした。
動画サイトに上げられているダイヤモンドの動画を日付の近い順から片っ端に見ていく。
さすが三年間無敗の女子チャンピオンというだけあって、かなりの動画数であった。
しかし、魔眼を使ってる試合が中々見つからない。
「……魔眼なしでも十分強いな」
魔眼を使わずとも、相手を瞬殺している。
どの試合もほぼ1ラウンドで終わらせているのだ。
すると、ある試合を見つける。
「これは去年の都市本戦の試合か」
女子の部の準決勝。
カナ対ダイヤモンドの試合であった。
第2ラウンドまでは両者共に様子見なのか、特に目立った動きはない。
だが勝負が動いたのは第3ラウンドからであった。
『桜花、限定解除……桜魔花極。行くわよ、ダイヤちゃん』
『魔眼解放、グレイシャー限定解除……望むところ』
カナは俺の試合と同じように桜花の出力を解除し、ダイヤモンドは魔眼解放と同時にグレイシャーの出力も解除する。
先に仕掛けたのはカナであった。
カナはダイヤモンドの魔眼を超スピードで動く事で自身への干渉を防いでいた。
(なるほど……凍結の魔眼は見る事でその効果を発揮する。要は見えなければ、その効果を発揮する事は出来ない)
だがダイヤモンドも負けじと規格外の力を発揮する。
魔眼を解放したことで、魔法の発動スピードが格段に早くなっているのだ。
なんと数秒で数百数千ともいえる氷の欠片がリング内を覆っているのだから。
ダイヤモンドは俺と同じように空間内を氷で埋めることで、カナの超スピードを封じようとする。
しかも全部サボテンのような形でトゲトゲしいため、カナは常にダメージに晒されていた。
カナも秘剣を駆使してダイヤモンドへの攻撃を試みるが、莫大な魔力量からくる防御力も相当なもののようでダメージ差は僅かではあるが、両者のライフ差を徐々に広げていた。
それはカナ自身も分かっていたのか、最後の勝負に出た。
『これで決めるわ!終の秘剣……桜花閃舞!』
カナは
『がはっ……さすがだね……だけど……私の勝ち』
だが、ダイヤモンドはそれに耐え切った。
『相変わらず……頑丈……ね』
『ギリギリだったけど……ね』
『今度こそ……勝つわ』
『勝負なら……いつでも……受ける』
カナは体力の限界であったのか倒れる。
勝者はダイヤモンドであった。
俺は動画を消して溜息をはく。
「はぁ……半端ないな、ダイヤモンド・クリストファー」
同じ凍結の魔法を使う人物なら、俺は闇の書事件でギル・グレアムと戦ったことがある。
奴も強かったが、これだけは言える。
ダイヤモンド・クリストファーは、あのギル・グレアムよりも間違いなく強い。
少なくとも魔眼を解放した後の魔法の発動スピードは、ギル・グレアムをも凌駕する。
しかも氷の使い方が俺よりも圧倒的に上手い。
「魔眼の攻略か……」
ダイヤモンドに勝つには、カナのように超スピードで動き回るのは当然として、勝負の鍵を握るのはやはりオーバードライブであろう。
俺は考える。
ダイヤモンドはなのはのような砲撃魔導師のタイプだが、冷火のように氷の造形魔法も使うため、基本的に攻撃の手数も多い。
氷や雪を利用した拘束魔法や物量攻撃、そして膨大な魔力に物を言わせた圧倒的な防御力。
攻撃力に秀でたカナの秘剣を耐えていた事からもそれは分かる。
魔眼を攻略するには、魔眼を使わせないのが一番だが……
「それが出来れば苦労はしないんだよなぁ……」
少なくとも今回の相手も一筋縄ではいかない猛者である。
「あ、超スピードで思い出したけど、ソニックアクションを使ったとしても、今のままじゃ身体への負荷が……『きゅ〜』……え?」
ふとソニックアクションの身体への負荷が心配になったが、心の中にいるナハトさん曰く、もう心配はないらしい。
術式の改良はとっくに済ませており、俺の身体に負荷がかかることはもうないとのこと。
さすがナハトさん。
仕事が早い。
ただフルドライブ時の姿では身体への負荷が変わらず凄まじいため、ソニックアクションはオーバードライブ時の専用魔法となった。
「そういえば、昨日のクロノの試合まだ見てないや」
さっそく思い出した俺は、記録係であるなのは達の元へと訪ねることにした。
◆◆◆
「これだよ」
「サンキュー」
なのは達の泊まっている部屋に訪れると、リリなのチームが勢揃いしていた。
なのは達と共にデバイスで録画したクロノの試合を見る。
ほのか達の言っていた通り、第1ラウンドはクロノ優勢で試合が進んでいたが、第2ラウンドからは終始ダイヤモンド優勢であった。
魔眼を解放したダイヤモンドの魔法の発動スピードはコンマ1秒程であり、昨年のカナとの試合よりも幾分か早くなっていた。
クロノもオーバードライブで対抗し、スティンガーブレイド・エクスキューションシフトを展開させるが、ダイヤモンドの
それによって隙を付かれたクロノは、ダイヤモンドの
俺は頭を悩ませる。
「うーん……一度でも捕まるとやばいな」
「そうだね。その間に威力の高い砲撃でやられちゃうかも」
「でも氷の造形魔法にも気を付けないと」
「多彩な攻撃であっという間に追い詰められるなぁ」
俺の後になのは、フェイト、はやてが続く。
「さすがチャンピオンってところかしら。都市本戦常連組の中でも頭一つ抜けてるわね」
「王者の風格って言うのかな?余裕も感じるよね」
「まさに一芸に秀でた人って感じ」
アリサ、すずか、アリシアも続く。
「まいったな……攻守のバランスが良すぎる」
なんというか明確な隙がない。
今までの相手は自分の強味や、長所を活かした戦略や戦術で俺との試合に臨んでいた。
俺はそこから垣間見える相手の弱点や短所を突くことで、なんとか勝利をもぎ取ってきた。
「これは純粋なパワー勝負になるかもな……」
ううむ。
これ、勝てるか?
「なあ、いざというときリミッター外しちゃ……「「絶対駄目!!」」……ですよね」
なのはとフェイトから即座に却下された。
「リミッター外したら反動で2・3日動けなくなるやろ?」
「リニスからもよっぽどのことがない限り、外しちゃ駄目って言われてるでしょ!ナハト!命令されても絶対外しちゃ駄目だからね!!」
「きゅ!」
はやてとアリシアからも要注意を受けた。
ちょっと言ってみただけやん。
「はいはい。馬鹿な事言ってないで対女子チャンピオンの作戦考えるわよ」
「皆で考えたらきっと良い案も浮かびます!」
話が脱線しそうになっていたのをアリサとすずかが、軌道修正してくれる。
「そうだな。皆、思ったことどんどん言ってくれ」
そうして俺は数時間程、なのは達と対ダイヤモンドの作戦を話し合った。
翌日、朝のトレーニングを済ませた後、引き続きダイヤモンドの試合の動画を見ながら対策を考えていると、部屋の扉が開いた。
「急に済まないな、ヒエン」
俺の部屋を訪ねてきたのはクロノだった。
「クロノ、お前動いても大丈夫なのかよ?」
「昨日一日休んでたから大丈夫だ。それより今日は君に用があって来た」
俺に用事?
なんぞや?
「今から僕と戦え」
その手には白いカード型のデバイス、待機状態のデュランダルがあった。
次回は久しぶりのvsクロノ。
では、また( `・∀・´)ノ