大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

クロノvsダイヤモンド決着。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百七十七話 続・都市本戦三回戦後

第三者side

 

 

 

『試合再開です!』

 

 

試合が再開されると、クロノはさっそく魔法を使用する。

 

 

《Stinger Snipe.》

 

 

「いけ!」

 

 

誘導制御型射撃魔法スティンガースナイプを発動させ、一発の魔力光弾を展開し、ダイヤモンドへと向かわせる。

 

 

「グレイシャー、防いで」

 

 

《Ok Boss.Ice Sheet.》

 

 

すると、ダイヤモンドはある防御魔法を発動させる。

 

彼女の周囲には霧が帯状に漂い、ダイヤモンドを囲いこむように展開されていた。

 

クロノは魔力光弾を操作し、幾重にも攻撃するが、攻撃が当たる瞬間に霧が収束され、その(ことごと)くが防がれていた。

 

 

(自動防御(オートガード)か。ならば……)

 

 

「スナイプショット!」

 

 

クロノは弾丸加速のキーワードを唱える。

 

直後、魔力光弾は少し大きくなると先程よりも早いスピードでダイヤモンドへと向かう。

 

その様子を見ながらクロノは分析する。

 

 

(あの霧……防御するときに僅かだが、薄くなる箇所がある。恐らく、攻撃を防ぐ際に体積を集中させる必要があるんだろう。なら、スティンガースナイプの数を増やせば、自ずと突破出来る筈!!)

 

 

「スティンガースナイプ・シューティングシフト!」

 

 

クロノは魔力光弾をさらに三つ増やし、ダイヤモンドへと放った。

 

前後左右からダイヤモンドに青い魔力光弾が迫る。

 

 

「これは……ちょっと予想外……」

 

 

クロノの思惑通り、四方向からの(たゆ)()く続く攻撃によって、徐々に霧の量が少なくなっていく。

 

そして……

 

 

「ここだ!」

 

 

「っつ……中々やる」

 

 

ダイヤモンド・クリストファー

LP40000→38500

 

 

遂に魔力光弾の一つがダイヤモンドにヒットした。

 

クロノの奮闘に会場は盛り上がる。

 

 

『今度はクロノ選手の攻撃がダイヤモンド選手を捉えたあぁぁ!!』

 

 

「でもこっちも……やられっぱなし……じゃない」

 

 

《Frozen Glaze.》

 

 

ダイヤモンドは上空に杖を掲げると、リング全体に雨氷を思わせる数多の氷を降らせる。

 

その影響で、四つの魔力光弾は消滅させられた。

 

当然、その脅威はクロノにも迫る。

 

 

「くっ……なんて量の氷だ」

 

 

クロノはラウンドシールドを使い、雨氷をガードする。

 

しかし、ダイヤモンドの攻撃は止まらない。

 

 

「こういうのは……どう?」

 

 

《Snow Slide.》

 

 

続けて彼女は霧を一点に集めて凝固させていく。

 

それを見たクロノは表情を引きつらせた。

 

 

『なんと雪崩だああぁぁ!ダイヤモンド選手、リング内で雪崩を引き起こしたあぁぁぁ!!』

 

 

雪崩が起こったからだ。

 

上空から強烈な雪崩がクロノに襲いかかる。

 

 

「……魔力に物を言わせた物量攻撃か!オーバーSランクというのは本当に理不尽だな!!嫌になる程にっっっ!!!」

 

 

「そんなに褒められても……困る……」

 

 

「褒めてない!皮肉だ!!」

 

 

クロノは雪崩に向けて杖を向ける。

 

そして強力な砲撃を放った。

 

 

《Blaze Cannon Full Burst.》

 

 

広域砲撃で雪崩を相殺したのだ。

 

だが完全には相殺出来ず、幾つかの氷塊がクロノにヒットした。

 

 

「くっ……さすがに全て相殺するのは無理か」

 

 

クロノ・ハラオウン

LP30000→28000

 

 

だが唯でやられるクロノではない。

 

動きを止めていたダイヤモンドにある魔法を発動させていた。

 

 

《Ring Bind.》

 

 

リングバインドでダイヤモンドの四肢を拘束していたのだ。

 

 

「む……いつの間に……」

 

 

「悪いね。僕の一番得意な魔法はバインド系なんだ」

 

 

クロノはその隙に魔力チャージすると、そのままダイヤモンドへ強力な砲撃を放った。

 

 

「くらえ!」

 

 

《Blaze Cannon Explosion.》

 

 

青い砲撃の波がダイヤモンドへと迫る。

 

 

「さすがに迎撃は……無理か……グレイシャー、防御お願い」

 

 

《Ok Boss.Ice Crystal.》

 

 

透明なクリスタルがダイヤモンドを包み込む。

 

直後、青い熱量砲撃が直撃した。

 

クロノの強烈な砲撃によって、徐々にクリスタルにヒビが入っていく。

 

 

「くっ……」

 

 

ダイヤモンドは魔力を込めてヒビを修復する。

 

 

「はぁあああ!!」

 

 

クロノも魔力をさらに込め、クリスタルを破壊しようと奮闘する。

 

どちらもさらに魔力を込めていく。

 

だがここで僅かに差が出始める。

 

再びクリスタルにヒビが入り始めたのだ。

 

魔力量はクロノよりダイヤモンドの方が多いが、魔力制御はクロノの方が上らしい。

 

というのもクロノは長年の修練の賜物もあって、()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

それは不器用だったクロノが、ゆっくりとではあるが、一つ一つ出来る事を増やしていった結果にほかならない。

 

逆にダイヤモンドは天才故に、なんでも卒なく器用にこなせた。

 

それは魔力コントロールも例外ではない。

 

だがそれ故にクロノ程、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それらの差であった。

 

さらに分かりやすく水道で例を言うとすると、魔力量(貯水量)はダイヤモンドの方が上だが、魔力制御(蛇口)から出る魔力運用量(水量)はクロノの方が上なのだ。

 

そして……

 

 

「……少し……甘く見ていた」

 

 

ダイヤモンド・クリストファー

LP38500→25000

 

 

遂に砲撃がダイヤモンドの防御を突破した。

 

 

『クロノ選手の砲撃がダイヤモンド選手のクリスタルの防御を打ち破ったああぁぁぁ!!!』

 

 

その直後、第一ラウンド終了のブザーが鳴る。

 

だが二人の激突に会場はさらに盛り上がり、歓声が鳴り止まない。

 

 

『両者の一歩も引かぬ魔法戦に目が離せません!!!』

 

 

クロノはレッドコーナーへと戻る。

 

ユーノから水を受け取り、エイミィからタオルを受け取る。

 

 

「調子良さそうだね」

 

 

「ああ。だが油断は禁物だ」

 

 

クロノは水を少し口に含む。

 

 

「彼女、まだ()()を使ってないもんね」

 

 

エイミィがダイヤモンドへと視線を向ける。

 

ダイヤモンドも丁度水を飲んでいる所だった。

 

 

「次のラウンドで確実に使ってくるだろう。その時に間違いなく決着がつく」

 

 

「クロノ君もオーバードライブ……使うつもりだよね?」

 

 

「当然だな。使わなければ彼女に勝つことは不可能だ」

 

 

「真・スティンガーモードは脳への負担が凄まじいから少なくとも使っていいのは第ニラウンドだけね?それ以上は、棄権してでも止めるから」

 

 

「分かってるさ」

 

 

エイミィの真剣な様子で話す。

 

それにクロノは肩を竦めて答えた。

 

 

「じゃあ行ってくる」

 

 

クロノ・ハラオウン

インターバル回復+12000

LP28000→40000

 

 

ライフポイントが回復する。

 

そして、クロノはリングへと向かった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

開始直後、ダイヤモンドに動きがあった。

 

右目を保護していた眼帯を外したのだ。

 

すると、現れたのは美しい碧眼であった。

 

クロノが呟く。

 

 

「遂に出たか……凍結の魔眼!」

 

 

「クロノ執務官……誇っていい。私にこの眼を使わせたのは……クソ兄貴にカナ、ボンちゃんに続いて……貴方で四人目……」

 

 

「それは光栄だね」

 

 

「私は今から……本気でやる。だから貴方も……本気を出せ」

 

 

直後、凄まじい程の魔力流の嵐が巻き起こる。

 

それは最早、吹雪と言っても言いほどの規模であった。

 

 

『ついにダイヤモンド選手の魔眼が解放されたあぁぁぁ!!その影響でダイヤモンド選手の周りが凍っています!!!』

 

 

(なんという魔力波動の強さだ!?力を解放した影響で周りにまで影響を与えるとは!?)

 

 

魔力というのは感情と直結している。

 

何かに強烈な怒りを覚えたり、悲しみや苦しみといった負の感情に飲まれたり、自分が窮地に立たされたときなどに魔力が覚醒し、周りに影響を及ぼすことがある。

 

強すぎる力は身を滅ぼす。

 

自身の感情を上手くコントロールしなければ、己の力に飲み込まれるからだ。

 

彼女の凍結の魔眼も、その類いの力であった。

 

 

「オーバードライブ展開……真・スティンガーモード」

 

 

クロノの限界突破(リミットブレイク)モード、真・スティンガーモードが発動し、クロノの身体を青い魔力光が包み込む。

 

それを見たダイヤモンドも呟いた。

 

 

「グレイシャー……限定解除……」

 

 

自身のデバイスであるグレイシャーの機能を解除する。

 

魔眼を解放した彼女の力を通常の機能では受け止めきれないからだ。

 

 

『クロノ選手も切り札であるオーバードライブを展開!!両者の試合はいよいよ最終局面へと突入だあぁぁぁ!!!』

 

 

「それじゃ……いくよ……」

 

 

(来るっ……!!)

 

 

《Hail Storm Plus.》

 

 

強化された白銀の砲撃がクロノへと迫る。

 

 

《Blaze Cannon Full Power.》

 

 

クロノは即座にノーモーションで撃ち返す。

 

青色と白銀の砲撃が再度ぶつかり合い、強烈な爆発が起こる。

 

 

《Ice Field.》

 

 

直後、ダイヤモンドが仕掛ける。

 

彼女はリング内を氷のフィールドへと変えたのだ。

 

 

「これは……!?」

 

 

一秒にも満たないスピードでリングを凍らされたクロノは身動きが取れなくなる。

 

 

《Ice Bound.》

 

 

さらに氷の正四面体へと閉じ込められ……

 

 

「まずい!?」

 

 

「撃ち貫け」

 

 

《Cmryogenic Refrigeration.》

 

 

それと同時に超強力な白銀の直射砲撃魔法が放たれた。

 

 

《Trans Porter.》

 

 

即座にクロノは転送魔法を発動させ、真上へと転移する。

 

しかし、少し掠ってしまったのかライフポイントが減少していた。

 

 

クロノ・ハラオウン

LP40000→31500

 

 

(掠っただけでこの威力……先程よりも攻撃力が格段に増している!?)

 

 

「これは一気に決めるしかないな!」

 

 

《Stinger Blade Execution Shift.》

 

 

「スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!」

 

 

中規模範囲攻撃魔法、数百本の魔力刃スティンガーブレイドの一斉射撃により、ダイヤモンドに狙いを定め放つ。

 

魔力を大幅に消耗してしまうものの、確実に敵を葬る威力のある魔法だ。

 

 

「ファイア!」

 

 

するとダイヤモンドは杖を正面へ構えると、左目を閉じる。

 

右目にある()()()()()()()()()()()していく。

 

 

「範囲指定、対象確認」

 

 

そして、それは起こった。

 

 

 

 

 

 

「凍てつけ、絶対零度(アブソリュートゼロ)

 

 

 

 

 

 

その瞬間、全ての魔力刃が氷り、砕け散った。

 

 

「なん……だと……」

 

 

クロノは予想外の光景に思わず硬直する。

 

 

「余所見してていいの?人体冷凍術(クライオニクス)

 

 

ダイヤモンドがそう呟くと、クロノは首から下を氷漬けにされてしまう。

 

 

「くっ!?しまった!?」

 

 

クロノ・ハラオウン

LP31500→23050

 

 

「クロノ執務官……貴方は強かった……。そんな貴方に……敬意を評して……この魔法で沈める」

 

 

ダイヤモンドは杖を上へ掲げると、大きな白銀の球体を展開させていく。

 

それはまるで透明な結晶のように透き通っていた。

 

球体は膨張し、やがてリング全体を覆う程の大きさとなった。

 

 

 

 

 

 

完全結晶(パーフェクトクリスタル)

 

 

《Perfect Crystal.》

 

 

 

 

 

 

超巨大な白銀の球体がクロノへと放たれ……

 

 

 

 

 

 

「ぐ、ぐああああああああ!!!???」

 

 

 

 

 

 

そして意識を失った。

 

 

 

 

 

 

クロノ・ハラオウン

LP23050→0

 

 

 

 

 

 

『試合終了ォオオ!勝者は女子チャンピオン、ダイヤモンド選手!!クロノ選手を下し、準決勝進出を決めた〜!!!』

 

 

 

 

 

 

勝者はダイヤモンドであった。




次回は主人公の元へ、かつて戦った選手達がやってくる。

では、また( `・∀・´)ノ

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