お盆休みも終わりですねー
ああー
ダラダラしてえー
では、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
俺となのはは、ゆっくりと上空へと上がっていく。
なのはがレイジングハートを構えゆっくりと俺に向けた。
くるか!
「いくよ!」
《Divine Shooter》
するとなのはの回りにピンク色のスフィアが5つ現れる。
それらが一斉に俺へと放たれた。
「シュート!」
俺は両手に炎を灯し、前に噴射することで後ろに下がる。それをスタートダッシュとして高速で飛び始めた。
すると俺の肩の上にいるヒッツから思念がとんでくる。曰く、先程の5つのスフィアが俺の後を追ってきているとのこと。
なるほど誘導弾か…
するといつのまにか2つのピンク色のスフィアが前に回り込んでいた。
俺は即座に方向転換をする。
飛ぶ方向は真上!
俺は急上昇する。
すると真下から爆発音が聞こえた。
おそらくスフィア同士がぶつかったのだろう。
俺はその隙をつき高速でなのはへと接近する。
なのはも接近する俺へと気付いたのかレイジングハートを構え、力強い眼差しでこちらを見ている。
俺は右拳に炎を灯し、そして放った。
「
「レイジングハート!」
《Protection》
ガキン!
俺の炎の拳がなのはのプロテクションに阻まれる。
思ってたよりずっと硬い!
俺は更に左手にも炎を灯し連打を放つ。
「
ドドドドドドド!!!!!!!
肉体強化した拳でピンク色のシールドに炎の拳を叩き込む。だが破壊どころか、ひび割れすら起こらない。
フェイトのときはうまくいったが、やはりなのはの方が防御力は上らしい。
それにしても硬すぎだろ…
プロテクション自体はそこまで難しい魔法ではなく、魔導師であれば誰もがよく使っている初歩的な魔法だ。だが、なのはが使うことによって高い魔力と防御出力により強固な防御力を持つようになっている。
俺がふとなのはに目を向けると、なのはが目を閉じていることに気付く。
それを見た瞬間、超直感が反応した。俺はその反応に任せて行動する。プロテクションを足場に、その場でバク宙をする。
すると1発の誘導弾が俺の下を通り抜けた。
あ、危ねぇ…
俺は接近戦を諦め距離を取る。
射撃魔法には射撃魔法だ。
「
俺は自身の周囲にオレンジ色の誘導弾を5つ展開し、なのはに向けてそれぞれ時間差で放つ。なおかつ上下左右バラバラに。
するとなのはは再びディバインシューターを5つ放ち、俺のverミサイルを何事もなかったかのように相殺した。
マ、マジっすか…( ; ゜Д゜)
俺は驚愕した。
当たり前だ。
狙いを絞らせないようにバラバラに放ったのにも関わらず、なのはは息を吸うように…普通に迎撃したのだから…
だがボーッとしている暇はない。
俺はすぐに切り替え、さらに射撃魔法を放つ。
だったら迎撃できないほどの量で打つ!
「
俺はバージョンを切り替え、再び射撃魔法を連射で放った。
するとなのはは右手を前方に突きだした。
《Round Shield》
ピンク色の少し大きな魔方陣がオレンジ色のスフィアの連射を防ぐ。
あれは俺もよく使用する防御魔法ラウンドシールド。
魔法陣を使用した円形の盾を作り出す防御魔法。魔方陣がある一方向のみの防御だけだが、その分防御力は非常に高い。魔力弾への防御に優れており使用する魔導師も多い。
だがそれは一方向だけであり多方向から攻めれば防御を抜くことも可能だ。
俺は
高速移動魔法ソニックムーブ。
瞬間的に加速することで多方面からなのはを狙う。
俺はなのはの後ろに回りこみ、スフィアを放つ。
だがなのはもそれは予想していたらしく、俺の射線上から逃れるために高速で飛び始めた。
《Flash Move》
俺はなのはを追いかけ、なのはは俺に背をとらせまいと互いに高速で飛び回る。
必死に追いかけるが彼女の飛行技術は高く、紙一重の所でかわされてしまう。
飛行魔法は本来、精密な魔力コントロールを必要とする技術である。だが彼女はまだ魔法を始めて1週間とちょっとだが、その僅かな期間でもう大空を自由に駆け回っている。…本当に凄い才能だ。
だが俺はなのはのバックをとることに成功する。
(よし、とった!)
そして攻撃を決めようとしたそのとき…
その場で動きを固定されてしまった。
(これは……設置型バインド!?)
《Restrict Lock》
「やった!成功したよレイジングハート!」
《流石です。マスター》
まさか…
背後をとらせたのは俺をバインドで拘束するため!?
するとなのはは俺にレイジングハートを向け魔力チャージを開始する。
「悪いけどこれで決めるよヒエンくん!ディバイーン…」
《Divine…》
まずい!?
俺はなんとか逃れようともがくが、なのはのレストリクトロックはびくともしない。
落ち着け。
今はこれを破壊する時間はない。今は防御に集中するんだ。
俺は目を閉じて集中する。
すると俺の両手の炎が青色に変わり、やがてそれは氷へと変化する。
「零地点突破・ファーストエディション」
それと同時になのはの砲撃が放たれた。
「…バスター!」
《…buster!》
桜色の光の奔流が俺に迫ってきた。
ヒエンside end
◆◆◆
なのはside
「やった?」
なのはは警戒を続けながら前を見据える。
手応えはあった。
だが相手はあの少年だ。
油断だけはしてはいけない。
フェイトとの邂逅から約1週間程がたつ。あのときからなのははずっと魔法の特訓をしてきた。ユーノからは魔法の基礎と応用を学び、レイジングハートからは戦いの心構えや戦略などを学んだ。
多少厳しいこともあったが、魔法を学ぶこと自体はなのはにとっても楽しかったので全く苦ではなかった。
そしてそれらがようやく形となってきた今日のこの日、少年に模擬戦を挑んだ。
今まで見てきた少年の戦っていたデータを基にレイジングハートが少年の戦闘データを作ってくれたのだ。そしてその仮想戦闘データ相手に何度も心の中でイメージファイトしていた。
初めは何度も敗けていたが、一撃入れられるようになってからは段々と勝てるようになった。そして勝率8割が保てるようになったころ、頃合いと見て模擬戦を挑んだというわけだ。
(ほぼイメージ通り…。イメージファイトじゃこの戦術で勝てたけど…)
徐々に煙が晴れてくる。
なのはは何があっても対抗できるように構えておく。
だがその目は驚きで染まる。
彼女の見た光景は、大きな氷を盾に砲撃を防いだ少年の姿だった。
なのはside end
◆◆◆
ヒエンside
「
あ、あぶなかった…
ラウンドシールドや、フレイムシールドだったら確実に貫通してた…。
咄嗟とはいえやればできるものだな。
やったことは簡単だ。
両手を封じられている俺は身動きがとれない。なので両手に灯してる炎を即座に氷へと変え、それを前方に盾として出した。前に出すだけなら両手が動かずとも明確なイメージだけで済む。なので特に問題はなかった。
砕けないように思いっきり魔力を送ったが、思っていた以上に頑丈にできていた。どうやら魔力を送ると氷も強化されるらしい。
意外な戦闘データがとれた。
それに思っていた以上にファーストエディションは使い勝手のよいものかもしれない。
俺は呆然としているなのはに反撃を開始する。
付け焼き刃になるが、思い付く限りの魔法を試してやる!
「
俺は自分の周りに氷の銃を精製し、それらを一斉になのはへと放つ。
「!?」
なのはは咄嗟にラウンドシールドで防ぐ。
だが俺の攻撃はそれだけじゃない。
「
銃を防いだと思ったのもつかの間、氷の鳥の集団がなのはの後方から迫る。
なのははディバインシューターを8つほど生成し迎撃する。氷の鳥はディバインシューターに当たり崩れていく。
だがそれも予想の範疇だ!
俺は砕け散った氷を操り、鎖へと変え、なのはを拘束する。
「
「う、うそ!?」
《M,master!?》
その間に俺は死ぬ気の炎の出力を上げレストリクトロックを破壊する。俺の炎には『調和』が付与されている。なので出力をあげ調和の効果を強化すれば、バインドを破壊するなどたわいもない。
といっても『調和』が付与されるのは俺の使うオリジナル魔法(この場合フレイムやブレイズ系かな?)だけに限られる。見たところ、氷でも使えそうな気はするが…。いや使えるだろう。あれも死ぬ気の炎なのだから。
俺はソニックムーブを使い、なのはへと急接近する。そして右手を彼女の前で止めた。
「チェックメイトだなのは」
彼女は俺のその言葉を聞くと、ショボンと俯き…
「ま、参りました…」
《降参です》
心なしか彼女の感情を表すかのようにツインテールも下へと項垂れている。少し罪悪感が湧くが勝負なのだから仕方がない。
それよりも僅か1週間で魔法をこれほどまでに扱うことに驚きだ。だがこっちも丸々2年、魔法と関わってきているのだ。そう簡単に敗けるわけにはいかない。
『はい。模擬戦終了です!お二人とも反省会するのでベンチまで戻ってきてください!』
するとユーノから模擬戦終了の念話が届く。
まぁ、まずはゆっくり反省会を始めるとしよう。
◆◆◆
俺たちは高台のベンチへと戻ってきた。
そして反省会を始めようと思ったのだが…
「うう~」
なのはが何故か頬を膨らませていた。
ハムスターみたいでかわいい。
「ど、どうしたのなのは!?」
ユーノが俺の頭の上でワッチャワッチャと慌てている。落ち着けよユーノ。っていうかなんで俺の頭の上?
「ずるい」
俺とユーノは首を傾げる。
なんのこっちゃ?
「氷も使えるなんて聞いてないよ!」
「あ、あー…」
まぁ、そりゃ誰にも言ってないし…
「え、えーっと…」
参った。
こういうときどう言えばいいか全くわからん。
「いいもん!次は絶対勝つもん!」
「あ、ああ」
どうやらなのはの中で自己完結したようだ。まあ反省会が終わったら何か奢ってあげよう。
「じゃあ反省会始めようか。ユーノ俺たちの試合はどうだった?」
まずは審判のユーノに話を聞く。こういうのは第三者に聞くのが一番だ。
「はい。まずなのはからですが、魔法を始めた最初の頃に比べて雲泥の差です」
「ああ、それは俺も思った」
魔法を始めた当初に比べると、魔法もしっかりと安定していたし、射撃魔法の誘導や、砲撃の破壊力も申し分なかった。
「まだまだ荒削りな所はありますが、慣れていけば自然と安定していくと思います」
ユーノと俺のべた褒めな評価を聞いてなのはは、「えへへへ」と照れくさそうに笑っていた。それに比例するようにツインテールもピョコピョコと揺れている。
その様子を見て、なのはが段々と三毛猫に見えてきた俺はきっと重症なのだろう。
「ヒエンさんは実際に戦ってみてどうでしたか?」
「ああ、正直なところ何度もヒヤッとさせられたよ。何回か敗けも覚悟した」
「「ええっ!?」」
俺の評価を聞いて、なのはとユーノが驚愕していた。
え?なにその反応?
「だって澄ました顔で普通に対処してたから余裕なのかなって」
「はい。いつものように冷静沈着だったので…」
「………」
まあ戦闘時は意識が切り替わってるから(汗)。普段通りの俺が出ていればきっと慌てふためいてることだろう。
「最後の方は私のバインドも簡単に破壊されちゃったし」
「そうだよね。あれは僕もビックリしたよ。少し見てたけど、一瞬ヒエンさんの額の炎が大きくなってたんだ」
《あのとき大きなエネルギーを感知しました》
1人と1匹と1機が集まって話し合っている。
あれ?
これ反省会だよね?
なんで俺はぶられてんの?
「ヒエンくん!」
「は、はい?」
「ヒエンくんの魔法詳しく教えて!」
「え?前に話さなかったっけ?」
「魔法を強化するっていうことしか聞いてないの!」
あー
そういえば簡単にしか言ってなかったっけ…
「分かった。話すから落ち着いてくれ」
そして俺は死ぬ気の炎について話した。
「というわけだ」
「「………」」
俺は死ぬ気の炎について分かっていることを一通り話した。
死ぬ気の炎とは、人間の生体エネルギーを圧縮し視認できるようにしたものであり、7つの属性があるということ。
俺の炎はそのうちの1つ大空属性であり『調和』の効果を司っていること、そして魔法の強化ができるということを話しておいた。
「ふぇぇ~すごいのお~」
「し、死ぬ気の炎……」
なのはが目を輝かせ、ユーノがポツリと呟く。
「死ぬ気の炎は生体エネルギー、つまりは体力を消費するから魔法とは別のエネルギー体系になる…のかな?俺の場合は魔力変換資質に含まれてるから、魔法にもその効果が付与されるんだと思う」
「これはレアスキルですよヒエンさん!」
「まぁ、そう……なるな…」
「はい!なりますよ!他にもヒエンさんみたいに死ぬ気の炎を使える人はいないんですか?」
「ああ、俺は少なくとも見たことがない」
まぁ使えたとしたら十中八九、俺と同じ転生者だろう。
「分かりました。ありがとうございます」
「それよりなのはは戦ってみてどう感じた?」
俺はなのはに話を切り出す。
「うん。成長してる実感はあったよ。でも今のままじゃまだあの子には勝てないと思う」
「そうか。レイジングハートは?」
《マスターと同じ見解です。まだまだ研鑽が必要かと》
「そうか。俺の意見は少し違うな。俺は前にあの子と1度戦ったことがあるんだが、もう少し速いスピードに慣れればなのはにも十分勝機はあると思う」
「「『………』」」
俺はなのはに自分の考えを言ってみる。
実際に戦ったことがある俺からしてみれば、もう少し経験を積めば勝率も上がるはずだ。
しかしなのはとユーノ、気のせいでなければレイジングハートまで唖然としているように見える。
どうしたよ?
「なにさらっと重要なこといってるの!?」
「いつ戦ったんですか!?」
『AIの私でも流石に言葉が見つかりません』
「………」
しまったああああああああああああああああああああああああ!!!!!?????
そういえば報告するの忘れてたーorz
「………ワ、ワスレテタワケジャナイヨ」
とりあえず抵抗として予防線を張っておくことしか俺にはできなかった。
早く無印書き終えたいごわす。