大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

お久しぶりです。

やっと書けました。

最近、仕事忙し過ぎてガチで書く暇がない……。

早くインターミドル編完結させたいです。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百七十六話 都市本戦三回戦後

第三者side

 

 

 

『試合終了ォオオ!激戦を制したのはヒエン選手!!カナ選手を下し、準決勝進出〜!!!』

 

 

共に少年の試合を見ていたティーダとクロノは、息を静かに吐いた。

 

 

「すげ……あの『花舞剣士(リーフフェンサー)』に本当に勝っちまいやがった……」

 

 

「カナ・モルフォンは明らかに局のエースレベルに匹敵する。是非とも欲しい人材だ」

 

 

「多分スカウトは無理じゃないっすか?ほら、剣士ってなんか頭の固そうなイメージあるじゃないっすか」

 

 

「……あのバカ経由で嘱託魔導師の試験だけでも何とか受けさせられないものか」

 

 

クロノがウンウン唸っていると、横にいるティーダは呆れたように呟いた。

 

 

「クロノ執務官……いつまでも唸ってないで準備しないと。ほら、もう試合時間ですよ?」

 

 

「む……そうみたいだな」

 

 

クロノが時計を見ると、彼の試合時間が迫っていた。

 

 

「相手は女子チャンピオン、対策は大丈夫なんですか?」

 

 

「ああ。チャンピオン故にデータならいくらでもあったからね。バッチリだよ」

 

 

「クロノ君〜そろそろ時間だよ〜」

 

 

そのとき、クロノのセコンドであるエイミィとユーノがやって来る。

 

 

「クロノ、準備の方は大丈夫?」

 

 

「誰に物を言っている?大丈夫に決まっているだろう、フェレットもどき」

 

 

「だから僕はフェレットじゃない!何度言えば分かるんだ!僕はれっきとした人間だ!!」

 

 

「二人とも、会う度にそのやり取りやってるよね〜」

 

 

エイミィは微笑ましく二人のやり取りを見守る。

 

 

「だけど、時間がもう迫ってるからやり取りは歩きながら頼むよ〜」

 

 

「そうだな。ほら、僕の荷物を持て。さっさと行くぞ、フェレットもどき」

 

 

「それくらい自分で持てよ!」

 

 

「君は僕のセコンドだろう?なら、選手を支えるのは君の仕事だ」

 

 

「これじゃ、ただのパシリじゃないか!!」

 

 

クロノとユーノは言い合いを続けながら歩いていく。

 

軽く文句を言いながらも、ユーノはクロノの荷物を持って歩いていく。

 

クロノもそんな彼をチラ見しながら、ペースを考えてゆっくりと歩く。

 

なんだかんだ言いながら、仲の良い二人である。

 

そんな二人の後ろ姿を苦笑いで見ながら、エイミィはティーダに声をかけた。

 

 

「じゃあ私達はそろそろ行くよ。ティーダ君も次の試合頑張って」

 

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

そうしてクロノ達は控え室へと向かった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

試合時間となり、クロノはエイミィとユーノを引き連れて入場する。

 

 

『皆様お待たせ致しました!都市本戦3回戦2組目の選手入場です!レッドコーナーからは、今まで圧倒的な実力で勝ち上がってきた15歳の若き執務官!今日も冷静沈着に相手を圧倒するのか!?「漆黒賢者(ブラッキーワイズマン)」!クロノ・ハラオウン選手!!』

 

 

「セットアップ、スティンガーモード改」

 

 

クロノは自身のデバイスであるS2Uを起動させると、黒い防護服へと換装する。

 

クロノも少年と同様に既にフルドライブを使いこなせる様になっていた。

 

それ故に実力も今まで以上に上がっており、未だになのはとフェイトの二人を寄せ付けない実力の持ち主でもある。

 

 

『続いては、チャンピオンに君臨すること早三年!未だ負けなし!美しい銀髪を(なび)かせ、可憐な純白ドレスをクールに着こなすご令嬢!「氷姫(アイスプリンセス)」!ダイヤモンド・クリストファー選手!!』

 

 

氷装(ひょうそう)

 

 

ダイヤモンドは入場しながら防護服へと換装する。

 

白い純白のドレスを纏い、三叉槍(さんさそう)を思わせる鋭い白い杖を右手に持つ。

 

中でも右目を保護する黒い眼帯が大きく目立っていた。

 

両者は静かに向かい合う。

 

 

『4分4R、規定ライフは40000。二回戦より5000上がります。果たして勝利を手にするのはどちらなのか?戦いのゴングが今……鳴りました!!』

 

 

そして試合開始のゴングがなった。

 

 

「先手必勝だ」

 

 

《Stinger Ray.》

 

 

先手はクロノからであった。

 

クロノは射撃魔法スティンガーレイを発動させる。

 

自身の周囲に10個の青いスフィアを生み出すと、ダイヤモンドへと勢いよく放った。

 

 

「グレイシャー、完全防御」

 

 

《Ok Boss.Icicle.》

 

 

ダイヤモンドはデバイスであるグレイシャーに指示を出すと、彼女を囲うように氷柱が現れる。

 

すると青いスフィアは氷柱に阻まれ、ダイヤモンドへダメージを与える事が出来ない。

 

 

「グレイシャー、射撃」

 

 

《Hail Storn.Fire.》

 

 

そして反撃とばかりに(ひょう)を思わせる数多の氷の粒が展開されると、青いスフィアを相殺し、そのままクロノへと狙いを定める。

 

 

「アサルトコンビネーション!」

 

 

《Stinger Assault.》

 

 

それを見たクロノは周りに数多の少し小さな青いスフィアを展開させると、同じく相殺させる。

 

 

《Blaze Cannon.》

 

 

続けて、砲撃魔法で追撃をかける。

 

フルドライブで強化された青い砲撃がダイヤモンドに迫る。

 

 

「グレイシャー、こっちも砲撃」

 

 

《Yes.Hail Storm.》

 

 

負けじとダイヤモンドも白銀の砲撃を放つ。

 

両者の砲撃が激突し、爆発が起こる。

 

 

 

ドガァアアアアアアン!!!!!!

 

 

 

『クロノ選手とダイヤモンド選手、両選手のさっそくの激しい射砲撃の応酬!この試合も開始直後から盛り上がっております!!』

 

 

その様子をクロノは前を見据えながら、ジッと観察していた。

 

 

(さすがは女子チャンピオン……フルドライブを展開している僕の砲撃をなんなく相殺してきた。やはりそう簡単には勝たせてもらえないか……)

 

 

クロノは思考する。

 

 

(彼女の魔力ランクはオーバーSランク。あのリーゼ達と同等、若しくはそれ以上の魔力量の持ち主。そして恐らくその実力も……彼女達以上かもしれない……。それだけインターミドル三年間無敗のチャンピオンというのは偉業に等しいレベルだ)

 

 

ダイヤモンド・クリストファーという少女は、12歳でインターミドルに初出場してからの三年間、ずっと無敗でチャンピオンとして君臨している。

 

 

(相手は文字通りの天才……だが、だからこそ挑む価値がある)

 

 

クロノは気合を入れる。

 

 

(それに彼女には()()()()()()()。まずは()()()()()()()()()()とね)

 

 

 

「それじゃ、さっそく下剋上といこうか」

 

 

《Stinger Blade.》

 

 

クロノは数十本の青い魔力刃を展開させると、前方へと広範囲に放つ。

 

煙が晴れておらず、姿が見えないからこその範囲攻撃である。

 

しかし……

 

 

「あれを防ぐか」

 

 

煙が晴れると、無傷のダイヤモンドの姿があった。

 

ダイヤモンドを守るように、彼女の周囲には霧のような物が囲っていたのだ。

 

 

「お返し」

 

 

《Hail Blade.》

 

 

そして、霧は氷の剣群へ変化すると、勢いよくクロノに放たれた。

 

 

(氷の造形スピードが想定よりも早い!?)

 

 

加速(アクセル)!」

 

 

《Accel Fin.》

 

 

クロノは高速機動補助魔法アクセルフィンを発動させる。

 

これは加速と方向転換のために使用される魔法で、足の外側に二枚、足の内側に一枚の青い羽が展開されている。

 

なのはもよく使用していることから、中々使い勝手の良い魔法でもある。

 

クロノは高速移動しながら、ヘイルブレイドをかわしていく。

 

 

「もう一度だ」

 

 

《Stinger Blade.》

 

 

そして再度スティンガーブレイドを数十本展開させると、ヘイルブレイドとぶつけ合う。

 

青い魔力刃と氷の剣群の激突で、リング内のあちこちで小規模な爆発が起こる。

 

 

「……なら、こうする」

 

 

《Iceberg.》

 

 

ダイヤモンドは高速で動き回るクロノの動きを抑制するために、リング中央に氷山のような大きさの氷の塊を生み出す。

 

直後、それを勢いよく落下させた。

 

 

「無茶苦茶だな!?」

 

 

リング全体を覆う大きさの氷塊に思わず悪態をつく。

 

クロノは移動をやめると、左手を上げて防御魔法マルチラウンドシールドを展開させる。

 

五枚の巨大な魔法陣で氷塊を受け止めるが、かつてない程の質量がクロノを襲う。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

(な、なんて重さだ!?このままじゃ押し潰されるのは時間の問題だ!あの体力馬鹿じゃあるまいし、とてもじゃないが僕では受け止めきれない!!)

 

 

クロノは瞬時に氷塊の破壊を決断する。

 

右手に持つ杖を氷塊へ向ける。

 

 

《Impact Cannon.》

 

 

クロノは直射貫通砲撃魔法インパクトカノンを放つ。

 

熱量を持った青い砲撃は、真っ直ぐに氷塊の中心を貫き、真っ二つにした。

 

だが、この明確な隙を見逃す程、チャンピオンは甘くなかった。

 

 

「隙だらけ」

 

 

《Snow Storm.》

 

 

ダイヤモンドは杖をクロノに向けると、白銀の砲撃を放つ。

 

 

「くっ!?」

 

 

咄嗟にクロノはラウンドシールドを展開させて砲撃を防ぐが……

 

 

「無駄」

 

 

ダイヤモンドは魔力をさらに込め、砲撃の威力をアップさせた。

 

 

「ぐ、ぐあああああ!?」

 

 

ラウンドシールドは破壊され、クロノは砲撃に飲み込まれると、リングアウトしてしまった。

 

 

クロノ・ハラオウン

LP40000→30000

 

 

『ダイヤモンド選手の砲撃が、遂にクロノ選手を捉えたああぁぁぁ!!』

 

 

「……やってくれるね」

 

 

クロノはなんとか起き上がる。

 

見ればバリアジャケットの所々が凍っていた。

 

クロノは飛翔魔法でリング内に戻る……と、ダイヤモンドが静かに話しかけてきた。

 

 

「クロノ執務官、貴方は強い。だけど……私には勝てない」

 

 

「……そういう事は試合に勝ってから言ってもらおうか、女子チャンピオン」

 

 

ダイヤモンドの挑発と言わんばかりの言葉に、クロノの目に闘志が宿る。

 

両者の試合はまだ始まったばかりである。




次回、クロノの試合決着つきます。

次はもっと早く投稿頑張ります。

出来れば一ヶ月以内かな。

では、また( `・∀・´)ノ

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