続き書けたで候。
お久しぶりです。
やっと書けました。
時間がかかって申し訳ありませんでした。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
『第二ラウンドゴングですっ!』
ラウンド開始直後、カナが動きを見せた。
「桜花、限定解除……
カナの居合刀、桜花の刀身が美しい桜色へと変わっていく。
それと同時に、カナの身体を桜色の魔力光が優しく包み込む。
彼女から感じられる魔力波動が桁違いに強くなった。
「デバイスの出力を解除したのか」
「桜花の正式名称は、桜魔花極。真の力を解放した桜花の力……見せてあげる」
ゾワリ……
「……オーバードライブ!スピリッツフォーム改!!」
悪寒を感じた俺はオーバードライブを直ぐ様発動させる。
直後、俺は斬り飛ばされていた。
「ぐおおおっ!?」
ヒエン・オオゾラ
LP40000→36000
反応出来たのは、ほぼ奇跡のようなものだった。
咄嗟に篭手でガードしたものの、勢いよくリング外へと吹き飛ばされる。
炎の逆噴射でなんとか体勢を立て直し、リング内へと戻る……が、カナの姿は既にどこにもなかった。
「っ!?」
その直後、真上から斬り落とされる
「ちぃっ!?」
瞬間、俺はソニックムーブとブリッツアクションを同時発動させて、一瞬で超加速状態に入る。
身体に強烈なGがかかるが、最初に比べればずっと負担は少ない。
極限まで強化されるオーバードライブの恩恵だ。
しかしこの魔法、名前がないと不便である。
便宜上、この超加速魔法をソニックアクションと命名することにする。
『きゅ!』
すると、心の中にいるナハトが簡易的にではあるが、ソニックアクションの術式を急遽作成してくれたらしい。
これで極僅かではあるが、時間短縮にも繋がる。
俺の背後には、桜花を振り下ろしたカナの姿があった。
リングには地割れでも起こったのかと思うほどの斬撃の跡が、くっきりと残されていた。
ただでさえ、高い威力を持つカナの斬撃の威力が相当えげつないことになっている。
魔力を薄く纏っているからか、斬れ味が余計に鋭くなっており、まるで某海賊漫画の武装職の覇気を纏っているかのようだ。
そのカナにも幾分か変化が見られた。
背中にはピンク色の羽根が生えており、まるで蝶を彷彿とさせる姿であった。
居合剣士なので陸戦型かと思っていたのだが、どうやら飛行適性もあるらしく、空戦も出来るらしい。
それに感じられる魔力波動の強さからして、強化具合は俺の方が上のようだが、カナの限定解除には安定性が見られる。
言うなれば、カナの今の状態はなのはとフェイトが使用していたフルドライブ
「
俺は炎の質を柔から剛へ切り替えると、早速ファーストエディションを使用し、空間内に氷の大剣群を展開させる。
数百本はあろうかという氷の大剣がカナの真上から降り注ぐ。
その直後、カナはその場から消え去った。
「逃さない!」
俺はカナが移動したとされる場所に、次々と氷の大剣を降ろしていく。
リング内だけでなく、リング外にも降ろす。
カナは現在空を飛んでおり、リングアウトすることはない。
ならば必然的に叩き落とすしかない。
「はっ!」
氷の大剣群を至る所に振り下ろしていくが、ある一点の場所だけが桜色に瞬いた。
「第六秘剣・
その瞬間、氷の大剣群が吹き飛んでいく。
秘剣でまとめて吹き飛ばしたらしい。
ということは当然……
「攻撃が来るよなっ!」
「第一秘剣・
巨大な桜色の斬撃が横一線で飛んでくる。
「ソニックアクション!」
それを俺は超加速魔法ソニックアクションを発動させて回避する。
「第三秘剣・蜃気楼!」
と、同時にカナも秘剣を使用し、超スピードで俺へと接近する。
障壁を足場にしたようだ。
俺達はリング内を光の塊となって幾度も激突する。
スピードは互いに高速を超え、超高速となる。
オレンジとピンク色の光の軌跡が、一瞬とも言える間に何度もぶつかり合う。
「はあっ!」
「きゃっ!?」
そして
互いにダメージを受けているものの、その大きさは彼女の方が大きかった。
その証拠に、身に纏う防護服は彼女の方がボロボロであった。
無数に
「
俺はリング内外に小さな氷の
氷の大剣群ではダメージを与えられないと悟った俺は、カナの攻撃を阻害する方向に切り替えたのだ。
氷の礫の大きさはテニスボール程であり、戦闘技術が命ともいえる居合剣士の技を繰り出す邪魔が出来る程度には上手くいっていた。
ヒエン・オオゾラ
LP36000→7750
カナ・モルフォン
LP40000→6080
そしてその差は互いのダメージとして、如実に現れていた。
いつの間にか、俺のライフポイントが彼女を上回っていたのだ。
それだけではない。
俺のオーバードライブの真髄は『能力の極限化』だ。
リンカーコアから送られてくるあふれる魔力を体の中だけでなく、バリアジャケットにも回し、ひたすら循環させることで全体的な能力を極限にまで引き上げる。
そのため、身体に負担がかかるほどの魔力量でも利用することが可能なのだ。
だが、当然肉体にかかる負荷も半端ではない。
その上、魔力消費も激しい。
しかし、それを抜きにしても得られるメリットはかなり大きい。
攻撃魔法の威力は必然的に上がるし、肉体強化の度合いもフルドライブの比ではない。
より分かりやすく言えば、某海賊漫画の麦わらの船長の強化技、ギア
あのデューンやリインフォースともまともに戦えるようになるのだから、その効果は言わずもがなである。
それに初めて使用したときよりも、改良に改良を加えているので、強化度合いは最初の頃に比べれば幾分か下がってしまうが、代わりにその安定性は保障されているので、出力を間違えて俺の肉体が自滅してしまうということもない。
そんな今の俺に……
「はぁ……はぁ……話には聞いていたけど、凄まじい強化ね。あのボンちゃんの魔力集束にも匹敵するぐらいのレベル……桜花の出力を解除した今の私の全てを凌駕してる……」
カナは肉迫していた。
「いや、スピードに関してはカナの方が僅かに上だ。まさか俺のオーバードライブを超えてくるなんてな」
俺がカナに速度で上回れたのはソニックアクションのおかげである。
それを抜きにすれば、スピード一点に関して言えば今のカナは俺を上回っている。
(全く、大した奴だ……)
俺はカナという規格外の女剣士のポテンシャルに感心する。
しかし、こちらにも問題はあった。
オーバードライブの恩恵とはいえ、超加速魔法ソニックアクションの使用の継続は身体に相当の負荷がかかるのか、
それにアイスボムを周りに散りばめているので魔力は常に垂れ流し。
正直、これ以上の使用はあまり望ましくない。
対してカナの方も限界を超えた強化の影響か、息を大きく乱していた。
俺から受けたダメージもあるのだろう。
防護服もボロボロで、彼女の綺麗な肌が所々見えている。
すると俺達の視線が合う。
その瞬間、俺達は自身のやるべき事を理解した。
互いに小さく笑い合うと、俺は右手の篭手を手甲へと変化させ、カナは居合刀を更なる桜色へと変化させる。
「カナ」
「ええ、分かっているわ。決着をつけましょう」
互いに溜めの姿勢へと入る。
俺はアイスボムを解除すると同時に、右手に魔力を集束させ、
カナは居合刀へと魔力を薄く鋭く、
互いに時間をかけて溜めた一撃を解き放つために。
「「スゥー……フゥー……」」
俺達は深呼吸をしながら意識を集中させていく。
そして、遂にその時が来た。
「真・
「
互いの限界を超えた最高の一撃が放たれた。
爆音が響いた直後、俺の視界を白い光が覆う。
俺達は互いに吹き飛んでいた。
「がっ!?カ、カナは……?」
俺はなんとか起き上がる。
そのとき俺が見た光景は……
ヒエン・オオゾラ
LP7750→50
カナ・モルフォン
LP6080→0
『試合終了ォオオ!激戦を制したのはヒエン選手!!カナ選手を下し、準決勝進出〜!!!』
だがこのときの俺はまだ知らなかった。
ティーダとクロノがまさか敗北するなんて……。
次回は軽くティーダとクロノに触れつつ、準決勝へ。
では、また∠(`・ω・´)