続き書けたで候。
最近、ひろがるスカイプリキュア見てるのですが、歌も変身シーンもカッコいいですよね。
主人公も初音ミクみたいで可愛らしいし。
9月には久しぶりのオールスターズもやるらしいですし、楽しみです。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
俺の前には転身したイリヤがいる。
「
イリヤはクラスカードを使用すると、セイバーリリィのような姫騎士となった。
「いくよ、ヒエンさん!」
「来い!」
「
イリヤが猛スピードで突っ込んでくるが、その手に聖剣はない。
しかし持ち手の形から剣を持っていることが分かる。
俺はイリヤとの間合いに注意しながら、後ろに下がりつつ見えない攻撃をかわしていく。
一般的な片手剣の長さは60cm以上90cm未満で作られている事が多い。
イリヤの聖剣も恐らくだが、そのくらいの長さだと思われる。
たとえ武器の姿が見えずとも、長さがある程度分かればやりようはある。
俺は篭手で剣を受け流すと、カウンターを入れる。
「くっ!?」
しかし、イリヤは俺のカウンターを紙一重でかわすと、後ろへ大きく後退した。
セイバーの直感スキルで俺の攻撃を感じ取ったか。
「さすがヒエンさん……攻撃が全く当たらないよ」
《超直感の精度が最初に会った時と比べ物になりませんね。今のヒエンさんなら、以前戦った黒化英霊のセイバーにも快勝出来るでしょう》
「でもそれって私達に一切勝ち目がないってことじゃない?」
《別にこれは模擬戦ですし、そこまで重く考えなくても良いのでは?むしろ胸を借りるくらいのつもりで挑むべきだと思いますよ》
「……そうだね。ルビー、偶には良いこと言うね」
《何を言うんですかイリヤさん!ルビーちゃんはいつも良いことしか言ってませんよ!!》
「はいはい、そうだねー」
そしてイリヤは再び俺に斬りかかる。
「やあ!」
突進からの横薙ぎ、縦斬り、袈裟斬り、斬り上げが行われる。
だが俺はその全てをかわし、受け流していく。
今のイリヤの強さは、並の魔導師であればとっくに瞬殺されている。
それに余裕を持って対応出来るようになっていることに、俺も確実に強くなっているのだという実感が湧く。
このインターミドルでの一試合一試合が俺を大きく成長させているのだ。
「ギアを上げるよ!ルビー!!」
《アイアイサー!》
するとイリヤの動きが早くなる。
そのスピードはまさに一戦級の剣士のそれであった。
「
イリヤは前方に発生させた竜巻を斬り付け分断すると、5つの小竜巻を放射状に放ってきた。
「変わった攻撃だな!」
俺は後ろへ跳びながら、後退する。
「ヒートカノン!」
そして態勢を立て直し、両手から炎の銃弾を連射する。
小竜巻と炎の銃弾がぶつかり合うが、小竜巻に全て飲み込まれてしまう。
小竜巻の威力が大きいというよりは、その風によって炎の銃弾の威力が削がれた感じに近い。
「はぁあああ!!」
イリヤはそのまま小竜巻を操り、俺へと放つ。
「ちっ……」
俺は防御結界魔法ラウンドガーターを発動させて、全体防御で小竜巻を防ぐ。
「はぁあ!」
しかし、それを好機と見たのか、イリヤが更なるスピードで俺に接近する。
そのスピードはフェイトにも負けず劣らず早かった。
「聖剣解放!」
イリヤは風王結界を解除し、聖剣の力を解放する。
「
続けて高速の3連撃を放ち、防御結界を破壊し、俺へと斬りかかる。
かわしきれないと判断した俺は、クロスガードで攻撃を受け止めるが、光の力を纏った聖剣でイリヤはさらに突進してきた。
「やぁあああああ!!!!」
「ぐぉおおおおお!!??」
イリヤの突進で俺は猛スピードで後ろへと押されるが、炎の質を柔から剛へと切り替え、その突進をなんとか止める事に成功する。
「止められた!?」
イリヤは止められた事に驚いて硬直する……が、俺はその隙をついて零距離で砲撃を放った。
「ヒートバーナーフルパワー!」
「きゃあああああ!?」
イリヤはそのまま吹き飛び、壁に激突する。
そして転身が解けてしまった。
「うぅ……やられた〜」
「イリヤ大丈夫か!?」
俺はイリヤに駆け寄る。
見たところ怪我はなさそうだ。
「あ、うん。大丈夫。物理保護が効いてるから痛くないし」
「なら良かった」
「……最終調整どうだった?私、ちゃんと相手になってた??」
「十分過ぎるくらいなんだが」
なんなら負けも少し覚悟しましたが?
俺はイリヤの頭を撫でながら話す。
「模擬戦の相手をしてくれるだけでも俺にとっては有り難いさ。貴重な経験になったしな」
シグナムや翼、恭也君に美由希さんといった剣士ともよく模擬戦をするが、最近どうしても慣れが出てきてしまっている。
俺にとっても、イリヤとの模擬戦は刺激的で楽しかったのだ。
「試合もうすぐだね」
「ああ。準々決勝までやれるだけのことはやってきた。後は全力を尽くすだけだ」
俺とイリヤはトレーニング施設を出る。
試合は今日の午後からある。
それまでは精神統一でもしていようか。
◆◆◆
そして午後になり、試合開始時刻となった。
『皆様お待たせ致しました!都市本戦3回戦1組目の選手入場です!レッドコーナーからは、昨年のインターミドルベスト4!黒い着物と白い羽織を華麗に着こなす和服美人!巧みに剣技を使いこなす大和撫子!「
向かい側から居合刀を持った白袴の女性が入場して来る。
俺の対戦相手であるカナ・モルフォンだ。
彼女の後ろには、妹のナヲ・モルフォンと予選三回戦で戦ったアオ・セフィラの姿もあった。
「武装形態……
カナは黒い着物に、蝶を思わせる白い羽織を纏う。
そして頭の左右に蝶の髪飾りをつけ、居合刀を装備すると武装が完了する。
「「「「「カナちゃ〜ん!!」」」」」
「「「「「お姉様〜!!」」」」」
カナの応援団であろう団体が横断幕を掲げながら応援している。
ほとんどの者が白袴を着ていることから、天瞳流の門下生だろう。
『ブルーコーナーからは、ダブル変換「炎熱」と「凍結」の使い手でありながら、多種多様な魔法を使いこなすオールラウンダー!額に炎を灯す男!「
そして俺も入場する。
「セットアップ、スピリットフォーム改」
入場しながらスーツ型バリアジャケットへと換装する。
「「「「「ヒエンさん頑張れ〜!!」」」」」
「「「「「ヒエンきゅ〜ん!!」」」」」
俺の方にも勿論、応援団は存在する。
チームヒエンのメンバーに、ボンちゃんとの試合後から俺のファンになったらしいキャンディーズがいる。
どうしよう……試合開始直前なのに、既に心が折れそうなんだが。
「フフフフ……大人気ね」
「……まあな」
カナが話しかけてきたので答える。
「今日は良い試合にしましょう」
「ああ」
俺達は開始線前に並ぶ。
俺は目の前にいる少女を見る。
自然体でリラックスしている。
この様子から見ても、相当場慣れしていることが分かる。
カナの試合は過去の映像が多くあったので、リニス達と共に研究した。
そして彼女自身の事についても、記者のユリナさんから話を聞かせてもらった。
彼女の強さの秘密は剣術の巧さと、その速さにある。
彼女は幼少期から天瞳流で鍛えており、人並み外れた努力と洞察力により、そんじょそこらの相手ならば、魔力なしでも簡単に倒せてしまう程の実力を持つ。
剣術の力量は18歳という若さでは桁外れであり、巷では『女剣豪』とも呼ばれている。
それ故に、相手がどんな戦法を取ろうとも、その洞察力の高さで瞬く間に攻略してしまうのだ。
そして、彼女の最も強味となる速さにも秘密がある。
それは初動から終速まで最高速度で超高速の斬撃や移動を可能にする技術、剣技である。
彼女は運動エネルギーの全てを斬撃や行動に転換する事が可能なのだ。
そもそもの速度自体が人間の動体視力を大きく凌駕しており、そこに魔力強化が加わることで常時最高速度で静止状態からの移行可能というとんでも人間でもあるのだ。
イリヤとの模擬戦ではある程度実力を抑えていたようだし、当時戦ってたイリヤ曰く、
俺が以前戦ったアオ選手も、カナに
『4分4R、規定ライフは40000。二回戦より5000上がります。果たして勝利を手にするのはどちらなのか?戦いのゴングが今……鳴りました!!』
そして、遂に試合が始まった。
俺は両手を向けて、さっそく炎の銃弾をお見舞いする。
「ヒートカノン!」
だがカナは軽く笑みを浮かべると目を閉じ、舞うようにそれらを回避していく。
小手調べで放ったとはいえ、こちらの攻撃を全て紙一重でかわしているのだ。
「
俺は自分を囲うように炎のスフィアを10個セットし固定すると、そこから散弾銃のように魔力弾を放っていく。
いくら避けるのが上手いとはいえ、細かく刻まれた魔力弾はかわせまい。
果たしてどう対処するのか?
「天瞳流抜刀居合……
一瞬、カナの姿がブレると姿が掻き消える。
直後、前から斬られる
ヒエン・オオゾラ
LP40000→39000
それを見た俺は冷や汗が吹き出る。
(今の俺の超直感でも、かわしきれないだと!?)
「あらあら……あれをかわされるとは思わなかったわ」
後ろを振り向くと、カナが笑顔で刀を向ける。
「これは思った以上に楽しくなりそう」
この試合も一筋縄ではいかなさそうだ。
次回は、カナの秘剣が炸裂します。
では、また( `・∀・´)ノ