大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百七十話 都市本戦二回戦後

第三者side

 

 

 

「あのバカは無事勝ったみたいだな」

 

 

クロノは試合会場で少年の試合を見ていた。

 

 

「少しヒヤッとする場面はあったけど、さすがヒエン君」

 

 

「相手の女の子も相当な使い手だったけどね」

 

 

同じく側にいるエイミィとユーノも一緒に試合を見ていた。

 

 

「次は僕の番か」

 

 

クロノは待機状態にしているデバイスS2Uを眺める。

 

 

「相手はあの『大首領(ビッグドン)』ジョージ・カンノンジだね」

 

 

「確か召喚魔法を操る修行僧……だったな」

 

 

「うん。彼は火の精霊の力で炎を操るの。他にも無機物召喚で操る錬鉄に、激しい修行によって培われた身体を自在に操る身体操作術と、空間を自由に行き来するテレポート。かなりの強敵だよ」

 

 

「……話を聞く限り、本当に同じ人間か疑わしいな」

 

 

「彼の家系はかなり特殊でね、『大首領(ビッグドン)』っていう二つ名も一族を率いる総称みたいなの」

 

 

「カンノンジ一族は召喚魔法に優れた一族で、それぞれ自分の特性にあった四大精霊、火・水・風・土の精霊と契約するんだ。その中でもより優秀な者が『大首領(ビッグドン)』の名を受け継ぐんだよ」

 

 

エイミィとユーノがジョージ・カンノンジの情報をそれぞれ伝える。

 

 

「……それだけ優秀ということか」

 

 

クロノが時計を見ると、試合時間が迫っていた。

 

 

「いくか」

 

 

そしてクロノは、エイミィとユーノを連れて控室へと向かった。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

一方、ティーダも少年の試合を見ていた。

 

 

「やっぱりヒエンが勝ったか」

 

 

「必ずヒエン君は決勝まで上がってくるわよ」

 

 

「そうね。なんせゼスト隊長も太鼓判を押す程だから」

 

 

「上等ですよ。それこそ戦いがいがあるってもんです」

 

 

側にはクイントとメガーヌがおり、二人がティーダのセコンドを努めている。

 

かつてクイントとメガーヌは幾度も都市本戦決勝戦で戦った経験があり、インターミドル常連でもあった。

 

 

「まあ、その前に二回戦を勝たなくちゃいけないけどね」

 

 

「相手は『SM女王(クイーン)』サディ・マッゾリーナだったわね」

 

 

「はい。魔力変換資質『炎熱』と『電気』の炎雷持ちの結界魔導師。デバイスのムチに纏わせて強力な攻撃を繰り出し、さらに複数のバインドを操り意図的に暴発させることで遠距離からの攻撃力不足も補っている。最近では補助魔法に手を出しているようで近接戦闘の強化に励んでいる……らしいです」

 

 

「彼女の弱点は遠距離からの攻撃になるけど……」

 

 

「そこはまあ、試合をしてみないことにはなんとも……っと、そろそろ時間みたいです。行きましょう」

 

 

「「ええ」」

 

 

そしてティーダも、クイントとメガーヌの二人を連れて控室へと向かった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺は今、クロノとその対戦相手であるジョージ・カンノンジの試合を観戦している。

 

 

「ヨガファイヤー!」

 

 

ジョージが口から火球を吐く。

 

 

《Wheel Protection.》

 

 

クロノは青白い渦のシールドを展開させると、火球を跳ね返した。

 

しかし、ジョージは焦ることなく対処する。

 

座ったまま空中を飛翔し、火球をかわすと今度は広範囲に炎を放ったのだ。

 

 

「ヨガフレイム!」

 

 

クロノも後ろ跳びでかわすと、反撃の攻撃を繰り出す。

 

 

《Stinger ray.》

 

 

15個の光弾を操り、ジョージへと向かわせる。

 

 

「ヨガサンサーラ!」

 

 

ジョージは空中を移動しながら、テレポートも駆使して、スティンガーレイを見事にかわしていく。

 

それと同時に、新たに自身の周囲に炎のスフィアを展開させると、四方八方からクロノに向けて放つ。

 

 

「アサルトコンビネーション!」

 

 

《Stinger Assault.》

 

 

クロノはそれらを光弾を増やすことによって、上手く相殺した。

 

ジョージはというとその隙を突いて、腕や足を伸ばして体術を繰り出す。

 

 

「ズームパンチ!」

 

 

「おっと」

 

 

「ズームキック!」

 

 

「見えている」

 

 

しかし、クロノには通用しない。

 

彼は伸び切った腕や足をリングバインドで上手く拘束したのだから。

 

 

「なぬっ!?」

 

 

「むやみやたらに伸ばさない方がいい。隙だらけだ」

 

 

《Blaze Cannon.》

 

 

「ぬおおおおっ!?」

 

 

クロノの高速砲撃が炸裂する。

 

 

ジョージ・カンノンジ

LP25000→21000

 

 

ジョージは真正面から食らい、ダメージを受けてしまった。

 

 

「私の力はこんな物ではない!」

 

 

しかしジョージはすぐに立て直すとテレポートを使い、バインドから抜け出す。

 

 

「ヨガバーナー!」

 

 

「上か!?」

 

 

《Round Shield.》

 

 

そしてクロノの真上にテレポートしたジョージは、強力な炎を繰り出す。

 

咄嗟にクロノはラウンドシールドを展開させる。

 

 

「ヨガブラスト!」

 

 

「今度は下か!?」

 

 

だがジョージの攻撃は止まらない。

 

地面にうつ伏せになりながら、炎を放つ。

 

クロノはそれを飛翔して、なんとかかわす。

 

 

「隙ありだ執務官殿。ヨガボルケイノ!」

 

 

「ぐあ!?」

 

 

クロノ・ハラオウン

LP31000→27000

 

 

だがテレポートを繰り返すジョージの動きを捉えられずに、まともに攻撃を食らってしまった。

 

それからテレポートを駆使し、ジョージはさらにクロノを翻弄していく。

 

どんどんとダメージを蓄積させていくクロノ。

 

 

クロノ・ハラオウン

LP27000→25000→23000→21000→19000

 

 

しかし、彼は諦めていなかった。

 

クロノはテレポートを繰り返すジョージの動きを分析する。

 

 

(さすがは都市本戦常連組……一筋縄ではいかないか。だが、このジョージ・カンノンジの癖はもう見切った)

 

 

クロノはある魔法をセットする。

 

 

(奴があるポイントにテレポートしてきた瞬間が勝負だ)

 

 

「どうした執務官殿?貴方の力はそんなものではないだろう?」

 

 

「……決着はまだついていないぞ。勝ったと判断するには早過ぎるんじゃないか?」

 

 

「ならばお望み通り……決着をつけさせてもらいますよ」

 

 

そしてジョージがトドメをさそうと()()()()()()()にテレポートする。

 

 

「これで終わりです。ヨガインフェルノ……っ!」

 

 

しかし、()()()()()()()()()()

 

 

「これは……設置型バインド!?だがこんな物、テレポートで抜け出せば!?」

 

 

すると、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「なっ!?換装が!?」

 

 

「ストラグルバインド……その効果は相手を拘束しつつ、()()()()()()()()()()。それはバリアジャケットも例外じゃない。しかしその反面、射程や発動速度、拘束力は普通のバインドには随分劣る。力を入れれば僅かな時間にでも破壊出来る。だが……その僅かな時間すら僕は与えるつもりはない」

 

 

クロノはあるモードを発動させた。

 

 

「オーバードライブ展開……真・スティンガーモード」

 

 

クロノの限界突破(リミットブレイク)モード、真・スティンガーモードが発動し、クロノの身体を青い魔力光が包み込む。

 

その効果の正体は、『魔法発動の速度を極限まで研ぎ澄ませたプログラム』である。

 

魔法の発動スピードのみを追求した超高速特化形態で、その発動速度は人間の反射速度すらも凌駕する。

 

つまり、()()()()()()()()()()()するのだ。

 

今のクロノの魔法発動スピードは、かつての管理局の英雄、ギル・グレアムすら凌駕している。

 

当然その分、魔力リソースも他に割けるため魔法の威力もアップしており、さらに今の彼はバリアジャケットの上から魔力を薄く鋭く纏うことで防御能力、敏捷力を極限まで無駄なくアップさせている。

 

しかし、当然脳にかかる負担も人一倍であるためクロノの負担は大きい。

 

使いどころは考えなければならないが、まさにクロノらしいオーバードライブと言える。

 

 

「これで決める。流星光底(りゅうせいこうてい)……シューティングスターブレイカー!!」

 

 

クロノは巨大な青い球体を展開させる。

 

それは流星のように綺麗に(きら)めいていた。

 

 

「に、逃げ場が何処にもない……ぐ、ぐぁあああああああ!!!!????」

 

 

ジョージ・カンノンジ

LP21000→0

 

 

ジョージは青い流星に呆気なく飲み込まれた。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

続けて第三試合……

 

ティーダ・ランスター対サディ・マッゾリーナ。

 

 

「ほらほらほらほら!逃げないと焦げて焼かれるわよぉ!!」

 

 

「ちっ!?うっとおしいムチだ!!」

 

 

ティーダはサディのデバイス、クラッシュチェーンで展開された炎雷鞭をかわす。

 

 

《Shooting Barret.》

 

 

そして得意の二丁拳銃で魔力弾を連射した。

 

 

「フレイムウィップ!サンダーウィップ!」

 

 

だが幾重にも展開された炎と雷のバインドがムチのように放たれ、魔力弾を弾いていく。

 

 

「あはははははは!貴方のそのチンケな魔力弾じゃ私を興奮させることは出来ないわ!!」

 

 

「別にお前を興奮させる訳に放った訳じゃねえ!!」

 

 

《Variable Barret.》

 

 

ティーダは直射型射撃魔法ヴァリアブルバレットを放つ。

 

これは先程のシューティングバレットよりも威力があり、通常の魔力防御に対しての効果も高い。

 

またファントムミラージュの自動詠唱で、連射も可能となっている。

 

ティーダの狙い通り、ヴァリアブルバレットはサディのバインドを突破しサディ本人へと迫る。

 

しかし、そう上手くはいかない。

 

 

「プロテクション!」

 

 

サディの前に炎雷型の障壁が展開され、ヴァリアブルバレットは弾かれてしまった。

 

 

(やっぱり突破は無理か。さすが結界魔導師だけあって障壁がバカみたいに硬ぇ。その上、『炎熱』と『電気』を同時展開させることでムチの威力も大幅にアップしていやがる。あいつに勝つにはもっと強力な魔法を使うしかねえ)

 

 

「何ボーッとしているのかしらあん?楽しい調教の時間はまだ始まったばかりよおおぉぉんん!!」

 

 

そのとき、サディが展開していた炎と雷のバインドをティーダへと放つ。

 

 

「まずはなんとか隙を作るか!」

 

 

《Fake Silhouette.》

 

 

するとティーダはフェイクシルエットを使用し、幻影を数十体展開させる。

 

そしてサディの周りを走り始めた。

 

 

「幻影……珍しい魔法を使うのね!」

 

 

サディのバインドがティーダの幻影を減らしていく。

 

当然ティーダはサディの隙を窺っていた。

 

 

「いくわよおぉ!!フレイムライトニングウゥゥ!!!!」

 

 

サディはムチに炎雷を付与させると、それを周囲に振るう。

 

炎雷ムチは破壊力が凄まじいのか、その余波だけで幻影は消えていく。

 

数十体いた幻影もあっという間に二・三体になってしまった。

 

 

「そのどれかが貴方よね!ならこうするわ!バインドバースト!!」

 

 

サディは幾重にも展開させていたバインドを爆発させる。

 

そして()()()()()()()()()()

 

 

「なっ!?いないですって!?」

 

 

だがそこに()()()()()姿()()()()()()

 

 

「わりぃな。俺は最初から()()()()()()()()()のさ」

 

 

「なんですって!?」

 

 

サディが上を向くと、ファントムミラージュを向けたティーダの姿があった。

 

ティーダはフェイクシルエットを使った直後、オプティックハイドで姿を消し、サディの真上へと密かに転移魔法で移動していたのだ。

 

そしてティーダはカートリッジを射出する。

 

 

「食らいやがれ!ファントムブラスターゼロ式!!」

 

 

《Phantom Blaster Zero Expression.》

 

 

「きゃあああ!?」

 

 

サディ・マッゾリーナ

LP35000→30000

 

 

「このチャンスは生かさない手はねぇ!ファントムブレイズ!!」

 

 

《Phantom Blaze.》

 

 

ティーダはさらにカートリッジを射出し、直射貫通砲撃魔法ファントムブレイズを放つ。

 

 

「きゃああああああ!!!!????」

 

 

サディ・マッゾリーナ

LP30000→22000

 

 

大幅に威力がアップした砲撃魔法の破壊力は凄まじい。

 

サディのライフは一気に減少する。

 

だが彼女は都市本戦常連組の一人。

 

この程度で終わる筈がない。

 

 

「な、舐めないでもらおうかしら……この程度の痛みで私を絶頂させることは出来ないわ!クラッシュチェーン、カートリッジロード!!」

 

 

直後、サディは身体に炎雷魔力を纏う。

 

 

「炎雷モード!そして……エンチャント・フィールドインベイド&ディフェンスゲイン!ブーストアップ・アクセラレイション&ストライクパワー!!」

 

 

そして補助魔法四種により、自らに攻撃力・防御力・機動力をアップ、貫通を付与させた。

 

 

「なっ!?炎雷を纏っただけじゃなく、補助魔法による自己ブースト!?それもフォースブーストだと!?」

 

 

「これが私の奥の手……炎雷モード、そして補助魔法による限界まで高めた自己ブースト。名付けて炎雷フォース。究極にまで強化された鞭捌き……受けてみなさい」

 

 

「ちっ!?プロテクション!!」

 

 

《Protection EX.》

 

 

サディは炎雷を纏い、補助魔法で強化されたムチを振るう。

 

空中にいるティーダは、即座に防御魔法による障壁を展開させる。

 

勿論、カートリッジで強化することも忘れない。

 

しかし、障壁は呆気なく破壊され、強烈な一撃がティーダに炸裂した。

 

 

「ぐっ……があああああ!?」

 

 

ティーダ・ランスター

LP35000→10000

 

 

そのあまりに強力な一撃に、ティーダはリング外まで一気に吹き飛ばされてしまった。

 

 

「ごほっ……がはっ……な、なんつー攻撃してきやがる……」

 

 

ティーダはなんとか起き上がるものの、一撃を食らった箇所はバリアジャケットが吹き飛んでいた。

 

その上、火傷と麻痺のオマケ付きだ。

 

 

「もう勝つには……あれを使うしかねぇ」

 

 

ティーダには切り札が存在する。

 

それを使えば、今のサディにも勝てる可能性はある。

 

いや、もう勝つにはそれしか手はない。

 

ティーダはゆっくり歩きながらリング内へと戻る。

 

サディは余裕を見せながら、ティーダへと笑いかけた。

 

 

「もう終わりね」

 

 

「……うるせぇ。まだ勝負は最後の瞬間まで分かんねぇよ」

 

 

そして試合が再開されると、ティーダは再度幻影を展開させる。

 

 

「フェイクシルエット!」

 

 

「またそれ?芸がないのね!フレイムライトニング!!」

 

 

サディはその場から消えると、見えないスピードでムチを振るう。

 

なんとその場にいた幻影全てが一瞬で消え去った。

 

しかし、ティーダ本体の姿はない。

 

直後、ティーダの声が静かに響いた。

 

 

「ファントムミラージュ……第四形態(モードフォー)、ナイトメアモード」

 

 

《Mode Four Nightmare Mode.》

 

 

ファントムミラージュには四つの形態がある。

 

第一形態がガンズモード。

 

これはティーダが普段からよく使用している形態だ。

 

形状は拳銃型で、上下二連銃身を持つ。

 

銃身下部にはレーザーサイトに似た照準装置が備わっており、カートリッジも搭載している。

 

ティーダはこの形状のまま、よくホルスターに入れて持ち歩いている。

 

ちなみに右腿ホルスターに収められたものが右手用、左腿ホルスターに収められたものが左手用となっている。

 

第二形態がタガーモード。

 

ティーダの近接戦闘形態で、ファントムミラージュの両端の銃口側とグリップ側から魔力刃が伸びる。

 

さらにグリップの周りも魔力刃でガードされているため、頑強である。

 

普段はワンハンドモードで使用することが多く、ツーハンドで使うことは滅多にない。

 

第三形態がスナイパーモード。

 

長距離特化型で、ロングレンジ戦闘用の形態。

 

ガンモードで対処できない長距離戦での牽制・狙撃を行う、遠距離狙撃砲形態だ。

 

二つの銃を組み合わせることで狙撃が可能となる。

 

俺とコンビで組んだミラーの一件では、この形態を使用していた。

 

そして最後の第四形態、ナイトメアモード。

 

姿を消していたティーダは現れると黒いバリアジャケットの上から、さらに黒いローブ付きのコートを着用する。

 

どこぞの十三人いる機関の格好のようだ。

 

これがティーダの限界突破(リミットブレイク)モードであり、オーバードライブである。

 

その効果は、『感覚の拡張強化』で視覚・聴覚・嗅覚・触覚などの“感覚器”の拡大と精度向上に比重が置かれている。

 

これにより、感覚神経を強化する事で人が本来持つ危機察知能力を始めとした“野生の勘”とも言える超感覚的知覚の獲得にも成功し、戦場でのサバイバビリティを飛躍的に高めることにも繋がっている。

 

さらに感覚強化の恩恵により、隠密戦が最もその力を発揮する。

 

環境に合わせて感覚を任意に引き上げることで周囲の状況に的確に対応し、敵対する者には幻覚を見せて惑わせる。

 

まさに相手からしたら悪夢とも思えることから、ナイトメアモードと名付けられた。

 

ちなみに黒いローブを被っているのは、持っている銃を見えなくするためと、ティーダの視線を隠す意味合いも兼ねている。

 

 

「いくぜ」

 

 

オーバードライブを発動したティーダは、さっそく魔法を使用する。

 

 

《Smash Canon.》

 

 

目にも止まらぬ早撃ちで、サディに魔力弾を食らわせる。

 

 

「うっ!?」

 

 

サディ・マッゾリーナ

LP22000→20000

 

 

さらに連射する。

 

 

サディ・マッゾリーナ

LP20000→18000→16000→14000→12000

 

 

「くっ……」

 

 

反撃しようにも的確に身体全体を撃ち抜かれ、身動きを取ることが出来ない。

 

堪らずサディは防御魔法を使用し、ガードする。

 

 

「銃弾の軌道が全く読めない!?それにローブのせいでいつ撃ってくるかも分からない!!まさかこんな隠し玉を持っていたなんて……」

 

 

さらにティーダは魔法を使用する。

 

 

《Shooting Silhouette.》

 

 

複数の誘導弾を撃つと同時に、幻影の魔力弾も展開する。

 

シューティングシルエットは、中に実体を混ぜて使用することで敵を欺くのだ。

 

サディはというと四方八方から魔力弾に狙われ、身動きが取れないでいた。

 

埒が明かないと判断した彼女は、勝負に出る。

 

ティーダをバインドで拘束し、一気に勝負を決めようとしたのだ。

 

だがその目論見は失敗に終わる。

 

対戦相手であるティーダがまたしても消えたのだから。

 

 

「またオプティックハイド!?」

 

 

「悪いがもう終わらせるぜ」

 

 

そのとき、リング中央に巨大な球体が展開される。

 

それは周囲の魔力を吸収し、さらに大きくなっていく。

 

それが十分な大きさになると、ティーダは静かに呟いた。

 

 

泡沫夢幻(ほうまつむげん)……ファントムブレイカー」

 

 

「こ、こんなの……どうしようもないじゃない……キャ、キャアアァァァ!!!!????」

 

 

濃いオレンジ色の球体はサディを呆気なく飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都市本戦二回戦をクロノとティーダの二人も無事勝利し、準々決勝へと駒を進めた。

 

しかし、驚いたのは二人ともオーバードライブをしっかり物にしていたことだ。

 

しかも自分の特性にあった自分だけのオーバードライブである。

 

もうびっくりするほどのオーバードライブのバーゲンセールである。

 

だが、順調だった二人も準々決勝はどうなるかは分からない。

 

なぜなら次の二人の相手は、チャンピオンであるクリストファー兄妹であるからだ。

 

まあ、二人の心配以前に俺も大変なのだが。

 

俺の次の対戦相手は、『花舞剣士(リーフフェンサー)』のカナ・モルフォンとなる。

 

彼女も一筋縄ではいかない強者だ。

 

しかし、ここまで来たら負けるつもりはない。

 

そして俺達は運命の都市本戦三回戦を迎える事となる。




一応、都市本戦常連組はチャンピオン兄妹以外は全員出せたっていう。

では、また( `・∀・´)ノ

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