大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

お久しぶりです。

書けたので投稿します。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百六十九話 続・都市本戦二回戦

ヒエンside

 

 

 

黒雷(こくらい)

 

 

クリィムの持つ杖から、激しい黒い雷が広範囲に放たれる。

 

俺は両手から炎を噴射し、真上へとかわすが……

 

 

「行って」

 

 

「マジか!?」

 

 

直後、巨大化した蝙蝠(こうもり)の使い魔がさらに上から落下してきた。

 

 

「ぐおおおっ!?」

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP35000→33000

 

 

ズンッと強烈な衝撃が俺を襲う。

 

なんとか両手で受け止めたことで潰されることはなかったものの、その重さが半端ではない。

 

体感的には数トンはくだらない。

 

 

黒薔薇(くろばら)

 

 

続けてリングを覆うように、黒い薔薇が展開される。

 

動けない俺は、そのまま黒薔薇に拘束されてしまった。

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP33000→32000

 

 

『クリィム選手、黒雷と使い魔の援護によってヒエン選手の動きを止め、黒薔薇で見事に拘束!ヒエン選手はこのピンチをどう乗り切るのか!?』

 

 

「こんなもので……俺を拘束出来るだなんて思うなよ」

 

 

俺は全身から勢いよく炎を噴出させると、黒薔薇を焼いていく。

 

さらに巨大化蝙蝠を砲撃で吹き飛ばし、無事脱出を果たした。

 

 

「別にこれで貴方を拘束出来るとは思ってない。ただ少し時間を稼げれば……それで良かった」

 

 

「なに?」

 

 

「これの詠唱には少し時間がかかるから。黒龍変化(ドラゴンアップ)

 

 

するとクリィムの身体に変化が起こる。

 

彼女の身体から黒い煙が吹き出し、勢いよく包み込む。

 

そして煙が天高く伸びると、それは姿を表した。

 

 

 

 

 

 

「グォオオオォォォンンッッッ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

『おおーっと!クリィム選手がドラゴンへと変化したああぁぁぁ!!果たしてその強さは如何ほどのものなのかああぁぁぁ!!!』

 

 

「黒いドラゴン……」

 

 

大きさは約二十メートル程であろうか。

 

鱗に覆われた爬虫類を思わせる体に、鋭い爪と牙を(そな)え、しばしば口や鼻から炎や毒の息?を吐いている。

 

変身魔法で変わっているのか、大きさや質量からしても相当な魔力を消費しているはず。

 

俺も変身魔法は使えるが、とてもじゃないがドラゴンのような巨大生物にはなれない。

 

せいぜいなれたとしても大型犬が限界だ。

 

それを涼しい顔で使いこなすクリィムは相当の使い手である。

 

 

「名付けるなら……クリィムドラゴンってとこか」

 

 

「グルルルルル……グゥアアアァァァ!!!!」

 

 

するとクリィムドラゴンはこちらへ視線を向けると、黒いブレスを繰り出してきた。

 

 

「いきなりかよっ!?」

 

 

俺は即座に砲撃魔法ヒートバーナーを放ち、相殺を試みる。

 

しかし、拮抗したのは一瞬だけでオレンジの砲撃は黒いブレスに呆気なく飲み込まれてしまった。

 

咄嗟にラウンドシールドで防御するものの、凄まじい熱気と衝撃が伝わってくる。

 

俺は額の炎の質を柔から剛に切り替え、魔法を強化する。

 

なんとか防ぎきったものの、今の攻撃だけで相当強化されていることは実感出来た。

 

 

「グルォオオオオ!!!」

 

 

続けてクリィムドラゴンは黒い魔力を纏うと、鋭い爪の連撃を繰り出してきた。

 

俺は超直感を駆使して、攻撃をかわしていく。

 

 

「これは悠長にしてる……場合じゃ……ないな!」

 

 

俺は攻撃をかわしながら、クリィムドラゴンの四肢をリングバインドとチェーンバインドの二重捕縛魔法(ダブルバインド)で拘束する。

 

そしてその隙をついてビッグバンアクセルを叩きこもうとしたのだが……

 

 

「なにっ!?」

 

 

なんとクリィムの使役している残りのプチデビルズ2匹が、俺に飛びついてきたのだ。

 

骸骨は俺のグローブに触れるとグローブを花びらの輪っかに変えてしまい、悪魔は両手に爆弾を持つとこちらに投げつける。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP32000→31500

 

 

爆弾を食らってしまった俺は少し吹き飛ぶ。

 

 

「しまっ……ぐぁあああああ!?」

 

 

その直後、強烈な熱気に襲われリング外まで吹き飛んでしまった。

 

 

『ヒエン選手、クリィム選手のブレスを食らい大ダメージ!立ち上がれるかあぁ!?』

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP31500→20000

 

 

「くっ……あの使い魔達が……厄介だな……」

 

 

俺は倒れながらもなんとか起き上がる。

 

クリィムドラゴンと戦う前に、まずはあの使い魔達の動きを封じなければならない。

 

俺はリング内に戻る。

 

クリィムドラゴンは、俺が戻るのを待っているのかジッとしていた。

 

どうやら理性はあるらしく、澄んだ瞳でこちらを見ていた。

 

よくある物語や二次創作などではドラゴンに変身した者は、精神を支配され暴走しがちになるが、クリィムドラゴンはそういった様子は一切見られない。

 

 

「つまりそれだけ完璧に制御してるってことか」

 

 

舐めていた訳ではないが、少々侮っていた。

 

ここからは少し本気を出そう。

 

試合が再開されると、俺は三分身を呼び出し、それぞれプチデビルズを対処させる。

 

今、奴らに構っている暇はない。

 

俺は花の輪っかに変えられた篭手を再度構成し直すと、高速で接近し、クリィムドラゴンの背後を捉える。

 

そしてビッグバンアクセルを放った。

 

 

「グルゥウ!?」

 

 

クリィム・カリィ

LP35000→32000

 

 

ダメージを与える事に成功する。

 

思った通り、身体が巨体故に小回りはきかないようだ。

 

しかし防御力はあるようで、ビッグバンアクセルでも僅か3000ポイントしか減らせない。

 

身体の強固さはボンちゃん並だ。

 

そこから俺はスピードで翻弄しつつ、今度はバーニングアクセルでダメージを与える。

 

 

「グルルウゥウウアアァァ!!!???」

 

 

クリィム・カリィ

LP32000→26000

 

 

『さすがはヒエン選手!クリィム選手の動きを冷静に見極め、確実にダメージを与えていく!これに対してクリィム選手はどう対応するのか!?』

 

 

クリィムドラゴンは倒れる。

 

最初は驚いて不意を突かれたものの、落ち着いて対処すれば問題はなかった。

 

プチデビルズもバインドで捕えているし、後は動けないクリィムドラゴンに止めを刺すのみ。

 

 

「くっ……」

 

 

するとドラゴン形態でいるのは不利と判断したのか、倒れながらクリィムは元の姿に戻る。

 

ダメージがあるのか、それに比例して彼女の黒いローブも少し破けていた。

 

 

「……並の選手なら、この姿を見ただけで萎縮して動けなくなるのに、貴方は普通に対処した。正直、想像以上……」

 

 

「それは此方の台詞なんだけどな」

 

 

「だから全力で相手してあげる。来て、プチデビルズ」

 

 

直後、拘束されていたプチデビルズが強制的にクリィムに呼び寄せられる。

 

 

「何をするつもりだ……?」

 

 

悪魔合身(デビルユナイト)……姿態編成(シェイプシフト)

 

 

直後、プチデビルズがクリィムに吸収されると強烈な光が発せられる。

 

それと同時にクリィムから感じられる魔力が跳ね上がった。

 

光が収まると、そこには成長したであろう大人モードのクリィムの姿があった。

 

 

「その姿は?」

 

 

悪魔合身(デビルユナイト)……プチデビルズと合体した私の真の力」

 

 

「要は完全体ってことか」

 

 

「そう。貴方には奥の手を使わないと勝てないと判断した」

 

 

そしてクリィムは杖を構えると、魔法を発動させた。

 

 

這え穢れの地に(グラビティブレス)

 

 

「うおっ!?」

 

 

そのとき、強烈な重さで俺は地面に叩きつけられる。

 

 

「これは重力発生系!?ミッドやベルカのモノとは随分違うな……!!」

 

 

ミッドやベルカの重力系魔法は()()()に使用するモノに対して、クリィムの使用するこの重力系魔法は()()()()に作用している。

 

しかも結構な重さだからか、全く持って動けない。

 

 

「これで決める。暗黒弾」

 

 

続けてクリィムは黒色の球体を生み出し、どんどん膨張させていく。

 

そして50メートルはあろう巨大な球体が俺にむけて放たれた。

 

 

「っ……オーバードライブ!!」

 

 

咄嗟に俺はオーバードライブを発動させ、その際に発生した強力な魔力波動で重力魔法そのものを吹き飛ばす。

 

それと同時にブリッツアクションを発動させて緊急回避した。

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP20000→17500

 

 

少し掠ってしまったものの、結果オーライだ。

 

 

「追いなさい。箒星(ほうきぼし)

 

 

するとクリィムは自身の周囲に無数の箒を展開させると、俺へと放ってきた。

 

箒は加速し、高速で迫る。

 

俺は超直感を駆使しつつ、グローブの炎を微調整しながら箒群をかわしていく。

 

 

「フレアレイ!フレアショット!!」

 

 

そして5つの光弾を展開、一気に加速させて箒群を破壊していく。

 

 

「箒星乱れ撃ち」

 

 

だがクリィムは破壊を上回る展開スピードで次々と箒を生み出し、空間が箒で埋まっていく。

 

ならばこちらも量には量で対抗する。

 

 

氷結(フリージング)ver(ブルーム)!!」

 

 

俺も氷の箒群を生み出すと、勢いよく撃ちだした。

 

 

「いけ!!」

 

 

クリィムの箒群と、俺の氷の箒群が激突する。

 

リングの真ん中で互いの箒がぶつかり合い、爆発が起こる。

 

全ての箒群が無くなると、クリィムが箒の上に立ちながら突っ込んでくる。

 

 

「暗黒剣」

 

 

その手には黒い剣が展開されていた。

 

俺も炎の剣を右手に展開させると、暗黒剣を受け止める。

 

 

 

ガキン!!!!!!

 

 

 

「魔女が剣を使うとはな」

 

 

「魔女が接近戦を不得手としているのは昔の話」

 

 

それから互いに高速で移動しながら斬りかかる。

 

甲高い音が辺りに幾度も響き渡る。

 

剣の腕は予選時に戦ったアオ・セフィラ選手よりも劣るが、十分戦えるレベルである。

 

 

「はっ!」

 

 

俺は果敢に斬りかかる。

 

クリィムも俺の斬撃をうまく受け流しつつ、攻撃してくるがこちらも超直感で相手の動きを感じ取り、紙一重でかわす。

 

そこでクリィムが勝負を仕掛けてきた。

 

 

()ぜなさい」

 

 

暗黒剣を爆発させると、足に黒い魔力を纏わせて俺を蹴り飛ばす。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

俺は咄嗟に受け身を取って態勢を立て直す。

 

 

「なっ!?」

 

 

しかし、見上げると既に空中には超巨大な漆黒の球体が展開されていた。

 

 

「私の全魔力をこの球体に込めた。ちなみに言っておくと逃げても無駄。このリング全体を覆うくらい訳はない」

 

 

「誰が逃げるか。むしろ真正面から打ち破ってやるよ」

 

 

「なら、望み通り呪い殺してあげる!漆黒新星(ブラックノヴァ)!!」

 

 

「押し返す!ヒートバーナー超爆発最大出力(ハイパーイクスプロージョンフルパワー)!!」

 

 

俺は今出せる最大出力の砲撃で放たれたクリィムの攻撃を迎え撃つ。

 

 

悪魔合身(デビルユナイト)と、オーバードライブを解放した両者の激しい戦いもいよいよ大詰め!果たして勝者はどちらなのか!?』

 

 

オレンジの砲撃と漆黒の球体がぶつかり合うが、こちらが徐々に押されつつあった。

 

 

(くっ!?なんて魔力量だ!?)

 

 

ブラックノヴァに込められている魔力量が尋常ではないほどに強い。

 

クリィムが悪魔合身(デビルユナイト)で強化されているのもあるだろうが、少なくとも彼女の魔力量はなのはやフェイト以上にあると見ていい。

 

 

「だけど……俺をやるには程遠い!はぁあああああああ!!」

 

 

しかし、それだけで俺には勝てない。

 

俺は額の炎の出力を最大にすると同時に、魔力を全て込める。

 

死ぬ気の炎と、魔力のW強化で最大限にまで砲撃を高める。

 

するとオレンジの砲撃は膨張し、漆黒の球体を一気に押し返した。

 

それを見たクリィムは唖然としていた。

 

 

「な、なんて強化度合い……普通なら身体が壊れてもおかしくないのに……耐久力が人間のそれじゃない……」

 

 

強化されたオレンジの砲撃はクリィムを飲み込んだ。

 

 

クリィム・カリィ

LP26000→0

 

 

『試合終了ォオ!勝者はヒエン選手!!クリィム選手との撃ち合いを制し、見事勝利を手にしました!!!』

 

 

都市本戦二回戦は俺の勝利で幕を閉じた。




次回は三回戦、準々決勝。

では、また( `・∀・´)ノ

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