大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百六十八話 都市本戦二回戦

ヒエンside

 

 

 

今日はいよいよ都市本戦二回戦が開かれる。

 

俺の相手は都市本戦常連組の一人、『美魔女(ビューティーウィッチ)』、クリィム・カリィ。

 

年齢は15歳で、容姿はリリなのvividに登場するファビア・クロゼルグを少し大人にしたかのような印象だ。

 

もしかしたら、ファビアの親類なのかもしれない。

 

 

『皆様お待たせ致しました!都市本戦2回戦1組目の選手入場です!レッドコーナーからは、祖国シュトゥラに伝わる魔女一族の末裔!様々な黒魔法を操る由緒正しき漆黒の魔女!黒い三角帽子と黒いローブ、黒いマントがトレードマーク!「美魔女(ビューティーウィッチ)」、クリィム・カリィ選手!!』

 

 

実況の声が響くと、黒いワンピースを着たクリィムが入場してくる。

 

その手に杖型のデバイス『ディアブロ』を持ち、周囲には使い魔と思われる複数の個性的な悪魔達?が浮かんでいた。

 

正直、彼女のような魔女に会うのは初めてだ。

 

俺達魔導師とは全く違うその魔法体系には、かなり興味が惹かれる。

 

 

「デビルアップ」

 

 

クリィムは杖を掲げて変身する。

 

少し長めの金髪に、黒い三角帽子、黒いローブ、黒いマントの魔女スタイルであった。

 

 

『ブルーコーナーからは、ダブル変換「炎熱」と「凍結」の使い手でありながら、多種多様な魔法を使いこなすオールラウンダー!額に炎を灯す男!「氷凍炎焔(アイスフレイム)」、ヒエン・オオゾラ選手!!』

 

 

そして俺も入場する。

 

 

「セットアップ、スピリットフォーム改」

 

 

入場しながらスーツ型バリアジャケットへと換装しつつ、肩に相棒を乗せる。

 

断じてクリィムの使い魔達に対抗意識を燃やしている訳ではない。

 

俺達は開始線前に並ぶ。

 

 

『4分4R、規定ライフは35000。一回戦より5000上がります』

 

 

彼女と目が合う。

 

身長は俺より低く、160cmもない。

 

だがその目の奥からは、物静かだが熱い闘争心を感じた。

 

 

『果たして勝利を手にするのはどちらなのか?戦いのゴングが今……鳴りました!!』

 

 

そして試合が始まった。

 

先手はクリィムからであった。

 

 

黒炎(こくえん)

 

 

彼女は手始めに自身の周りに、黒い炎のスフィアを展開させる。

 

その数、およそ30。

 

 

放射(ファイア)

 

 

そして、俺へと放ってきた。

 

ひとまず俺は様子見として、後ろに下がりながら黒炎をかわしていく。

 

当たりそうな物は、両手に展開させたラウンドシールドで受け流していく。

 

攻撃力はそれなりにあるのか、シールド越しに地味に重みが伝わってくる。

 

 

『クリィム選手、射撃魔法で果敢に攻める!しかしヒエン選手はうまく防御魔法で受け流しております!!』

 

 

「行きなさい。プチデビルズ」

 

 

すると、彼女の周囲にいた使い魔3匹の内、2匹(骸骨と悪魔)が俺を包囲する。

 

 

「ヒエン・オオゾラ、()()()()()

 

 

それと同時に、クリィムは()()()()()使()()()()()()()()()()()

 

そのとき、超直感が反応する

 

 

《真名認識・水晶体認証終了》

 

 

直後、コウモリが巨大化し、俺を飲み込まんと口を大きく開けた。

 

 

吸収(イタダキマス)

 

 

「っ!?」

 

 

俺は即座にブリッツアクションを発動させて、その場から緊急回避する。

 

すると2匹の使い魔も攻撃を繰り出してきた。

 

両手に爆弾を持ち、こちらへ投げ付けてきたのだ。

 

 

(あの爆弾は食らわない方が良さそうだ……)

 

 

「相棒」

 

 

「ガゥ!ガァアアアア!!」

 

 

俺は奴らの爆弾に変な悪寒を感じると、肩に乗っている相棒に直ぐ様指示を出し、調和の咆哮で無効化させる。

 

続けてリングバインドで2匹を無力化させると、クリィムへと視線を向ける。

 

クリィムはブツブツと何か詠唱を唱えていた。

 

 

「増えよ、自己複体(ドッペルゲンガー)

 

 

すると、悪魔の使い魔の数が増えていく。

 

10、20、30体と次々と増えていき、その数は100体程にまで増えていた。

 

そして、一気に俺へと迫ってきた。

 

 

『おおっと!ここでクリィム選手の使い魔達が勝負を仕掛ける!!』

 

 

「さすがにこれはまずいな……」

 

 

俺は両手を上げて広域砲撃ワイドバーナーを放つ。

 

半数を減らすことには成功したが、残りの半数が一気に迫る。

 

 

炎の分身(ファイアアバター)

 

 

俺は二分身を出し、悪魔の使い魔の相手をさせる。

 

その間にクリィムの方へ向かおうとするが……

 

 

「……魔女の呪いから逃れる術はない。失せよ光明(ブラックカーテン)

 

 

突如、俺の視界が真っ暗になる。

 

 

「ぬっ!?」

 

 

周りを見れば、暗闇が広がっていた。

 

観客やセコンドも居らず、対戦相手のクリィムの姿もない。

 

肌寒さも感じるし、やけにリアルだ。

 

まるでこの世界には、俺一人だけしか存在していないような静寂が場を支配していた。

 

 

「これは……幻覚魔法の類いか?」

 

 

とどのつまり、俺は今、幻を見せられているということになる。

 

恐らく、これが今までの対戦相手を発狂、ギャン泣きさせてきたクリィムの幻覚魔法なのだろう。

 

だがこの程度、俺には通用しない。

 

 

「相棒」

 

 

「ガゥ」

 

 

俺は肩にいる相棒に調和の波動を流してもらうと、俺の世界は元に戻る。

 

直後、俺の視界が捉えたのは大きな口を開けたコウモリの使い魔であった。

 

 

「うおっ!?」

 

 

突然のことに驚くが、コウモリの使い魔は二分身のバインドによって拘束される。

 

ついクリィムに視線を向けると、彼女は驚いていた。

 

 

「……私の幻覚魔法を自力で解いた?」

 

 

思わず彼女の呟きに反応する。

 

 

「……悪いが、この程度の幻覚魔法、俺には通用しない」

 

 

後方に視線を向ければ、3匹の使い魔は二分身によって拘束されていた。

 

俺は右手をクリィムへ向ける。

 

 

「名前を読んで相手を飲み込む魔法に、使い魔を巨大化・増殖させる魔法、そして相手に幻覚を見せる魔法……魔女っていうのは随分、個性的な魔法を使うんだな。他にもまだまだありそうだ。だが、この程度じゃ俺には勝てない。降参するなら今の内だぞ?」

 

 

「確かに幻覚を自力で解いたのは凄い。プチデビルズも拘束したのも大したモノ。だけど……魔女をあまり舐めない方がいい」

 

 

クリィムの目は据わっていた。

 

少し挑発しすぎたか?

 

 

「思わず呪い殺してしまいそうだから……」

 

 

生意気言ってすみません。




次回は魔女っ子の実力、本領発揮。

では、また( `・∀・´)ノ

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