大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百六十六話 ブラスターシステム

ヒエンside

 

 

 

俺はなのはと向かい合っていた。

 

 

「いきなり奥の手を使ってくるとはな……それ、大丈夫なのか?」

 

 

俺の疑問になのはは答える。

 

 

「心配しなくても大丈夫。少し出力を抑えて、長期戦にも対応出来るようにしてあるから。それともう気付いてると思うけど、私の奥の手は他にあるの」

 

 

「さっき、リニスに聞いてたやつか?」

 

 

「うん」

 

 

リニスがなのはに、『リミット(ワン)までなら良い』と言っていたが、恐らくブラスターモードのことだと思われる。

 

ということは、既になのははオーバードライブを使えると見ていいだろう。

 

 

「マリーさんが調整を手伝ってくれてね?私だけじゃなくて、フェイトちゃんも自分だけの切り札を手に入れたんだよ」

 

 

「そうなのか。そりゃ、戦うのが余計に楽しみだ」

 

 

少なくともインターミドル前のなのはとは、一線を画していると見て、まず間違いない。

 

恐らくその強さは、都市本戦常連組にも負けるとも劣らない、いや下手すれば凌駕するかもしれない。

 

油断は禁物だ。

 

 

『二人とも、準備は出来ましたか?』

 

 

するとリニスから念話が飛んできた。

 

辺りを見回しても姿が確認出来ないことから、シャマルと共に別空間にいるのだろう。

 

 

『問題なし』

 

 

『同じくです!』

 

 

とりあえず念話で返しておく。

 

 

『ルールを確認します。試合はフル装備の1ラウンド一本勝負。ライフ計測はナシ。決着はKOかギブアップのみ。何か質問はありますか?』

 

 

俺となのはは首を横に振る。

 

 

『ないようなので、試合に移ります。では、双方共に構えて』

 

 

俺達は構える。

 

 

『それでは……試合始め!!』

 

 

そして模擬戦という、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

先手はなのはからであった。

 

 

「アクセルシューター……シュート!」

 

 

手始めに20発の魔力弾をセットすると、こちらへ放ってきた。

 

それを見た俺も射撃魔法で対抗する。

 

 

火炎の銃弾(フレイムバレット)……ファイア!」

 

 

俺も15発の魔力弾を放ち、アクセルシューターを相殺しようとするが……

 

 

「なっ!?」

 

 

なんと、()()()()()()()()()()()

 

直後、俺は即座に反転し、グローブをブースターに高速で逃げ回る。

 

恐らく、エクセリオンフォーム改になっていることで、なのはの全能力が底上げされているのだろう。

 

だからこそ、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「逃さないよ!」

 

 

そのとき、なのはの魔力弾が回り込んで来る。

 

俺はフェイクシルエットを使い、三十体の幻影を出し惑わせる。

 

 

「出たね、お得意のフェイクシルエット!でも、そう上手くは行かないよ!!」

 

 

するとなのはは、アクセルシューターの一つに魔力を込めているのか膨張させていく。

 

そして膨張させたそれを、勢いよく弾けさせた。

 

 

「アクセルシューター……アラウンドシフト!」

 

 

巨大化した魔力弾から、次々と数十発のアクセルシューターが全方面へと飛んでいく。

 

幻影達が次々と消えていく。

 

俺はアラウンドシフトをかわしつつ、内心感心していた。

 

 

(なるほど……考えたな。アクセルシューターの一つを巨大な爆弾とすることで、全体攻撃を仕掛けてきたか)

 

 

あえて使い捨てにすることで、強力な武器へと早変わりさせた訳だ。

 

しかも魔力が嫌というほど込められているので、破壊力もあるという。

 

なんとも凶悪な魔法である。

 

しかし、魔力操作には結構神経を使うと見た。

 

俺は額の炎の質を柔から剛へ切り替えると、なのはに向かって突っ込んでいく。

 

なのはの周りには、全周防護膜いわゆるバリアが展開されており、その周囲にはアクセルシューターの弾幕が張られている。

 

およそ格闘型が取り得る選択肢を潰す、まさに王道の戦術である。

 

さすがなのはだ。

 

俺への対策はバッチリという訳か。

 

しかしまあ、このまま黙ってやられている俺ではない。

 

まずはあの厄介な魔力弾から対処するとしようか。

 

 

剛炎の銃弾(ブレイズバレット)verライフル!」

 

 

俺は自分を囲うように炎のスフィアを10個セットし固定すると、そこから螺旋状に回転させた魔力弾を放っていく。

 

少なくとも通常の魔力弾では、なのはの魔力弾に対抗出来ない。

 

ならば質を上げつつ、量も上げつつ、尚且つひと工夫加えて対抗していくしかない。

 

だって仕方ないじゃない。

 

魔力弾の量も質も、なのはの方が圧倒的に上なんだから。

 

俺はアクセルシューターをなんとか相殺しつつ、なのはの周りを動き回り隙を(うかが)う。

 

 

「アクセルシューター……弾幕集中……シュート!」

 

 

しかし、さらにアクセルシューターの数が増える。

 

20個あった魔力弾は、30個に増えていた。

 

いや、増えすぎぃ!?

 

 

「verバズーカ!」

 

 

俺は魔力弾の質を変えると、スフィアを少し大きくさせる。

 

スピードは少し遅くなるものの、破壊力をアップさせた形態だ。

 

俺の魔力弾と、なのはの魔力弾が激突する。

 

俺のverバズーカは破壊範囲が広いため、なのはの魔力弾を複数纏めて吹き飛ばす。

 

しかし、中々距離を詰められないでいた。

 

いや、それだけじゃない。

 

 

(これは……誘導されている!?)

 

 

そして俺の推測は当たっていた。

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

(この数……40、50、60……いや、下手すればもっと!?)

 

 

「アクセルシューター……アバランチシフト!」

 

 

「まずっ!?形態変化(カンビオフォルマ) 防御形態(モードディフェーザ)!」

 

 

咄嗟に俺は防御形態を取り、雪崩のようなアクセルシューターの弾幕を、調和の効果で無効化する。

 

なのはの方に視線を向ければ、額に汗を浮かべていた。

 

いくらあのなのはと言えども、これだけの魔力弾を操るのはギリギリなのだろう。

 

というより、体力の消費が半端ないのだが……!?

 

 

「結構きつい……けど……ヒエン君も動けない……でしょ?」

 

 

まさにその通りであった。

 

黒衣のマントを解除すれば、魔力弾の数の暴力が俺を襲うだろう。

 

 

「その技、使った後ってヒエン君疲れてるもんね?だったら……このまま継続して撃ってたら、直に動けなくなるでしょ?」

 

 

そこまでお見通しか。

 

 

「悪いけど、このまま決めるよ!見せてあげる!私の新しい力!!」

 

 

そしてなのはは叫んだ。

 

 

「ブラスターシステム、リミット(ワン)、リリース!」

 

 

すると、なのはの魔力波動が急激に跳ね上がる。

 

 

「ブラスタービット起動!」

 

 

そして、彼女の側にはブラスタービットと呼ばれるレイジングハートのフレームと同素材で構成されたビットが4基追加される。

 

その瞬間、まずいと悟った俺はオーバードライブを発動させる。

 

 

「オーバードライブ、スピリッツフォーム改!」

 

 

直後、4基のビットから強烈な砲撃が放たれた。

 

 

「ブラスターシュート!」

 

 

「ぐお!?」

 

 

オーバードライブを起動した状態でも、衝撃で押される。

 

俺はセットしていた転送魔法を発動させて、どうにかその場から離脱した。

 

 

「はぁ……はぁ……あ、危ねぇ……」

 

 

なのはから少し離れた位置、約1キロメートル地点で息を整える。

 

 

「あれはやっぱりブラスターシステム……なのはのオーバードライブ……」

 

 

 

ブラスターシステム、又の名をブラスターモード。

 

 

 

なのはとレイジングハートのリミットブレイクモードであり、【最後の切り札】。

 

外見的な変化は余り無いが、使用者、デバイス、双方の限界を超えた強化を主体としている。

 

その分、かかる負荷も凄まじいがその強さは計り知れない。

 

初登場はStrikersからであるが、原作でもシステムの開発自体は前からしていたのかもしれない。

 

まさかこの世界ではこんなに早く出てくるとは思わなかったが……

 

そして、それを操る本人はというと、力強い視線でこちらを見ていた。

 

その視線を受けた俺は、不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「楽しくなってきた……!」

 

 

そして俺は、グローブから炎を噴かせてなのはへと突貫した。




次回、オーバードライブ対決。

では、また( `・∀・´)ノ

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