続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
俺はなのはと向かい合っていた。
「いきなり奥の手を使ってくるとはな……それ、大丈夫なのか?」
俺の疑問になのはは答える。
「心配しなくても大丈夫。少し出力を抑えて、長期戦にも対応出来るようにしてあるから。それともう気付いてると思うけど、私の奥の手は他にあるの」
「さっき、リニスに聞いてたやつか?」
「うん」
リニスがなのはに、『リミット
ということは、既になのははオーバードライブを使えると見ていいだろう。
「マリーさんが調整を手伝ってくれてね?私だけじゃなくて、フェイトちゃんも自分だけの切り札を手に入れたんだよ」
「そうなのか。そりゃ、戦うのが余計に楽しみだ」
少なくともインターミドル前のなのはとは、一線を画していると見て、まず間違いない。
恐らくその強さは、都市本戦常連組にも負けるとも劣らない、いや下手すれば凌駕するかもしれない。
油断は禁物だ。
『二人とも、準備は出来ましたか?』
するとリニスから念話が飛んできた。
辺りを見回しても姿が確認出来ないことから、シャマルと共に別空間にいるのだろう。
『問題なし』
『同じくです!』
とりあえず念話で返しておく。
『ルールを確認します。試合はフル装備の1ラウンド一本勝負。ライフ計測はナシ。決着はKOかギブアップのみ。何か質問はありますか?』
俺となのはは首を横に振る。
『ないようなので、試合に移ります。では、双方共に構えて』
俺達は構える。
『それでは……試合始め!!』
そして模擬戦という、戦いの火蓋が切って落とされた。
◆◆◆
先手はなのはからであった。
「アクセルシューター……シュート!」
手始めに20発の魔力弾をセットすると、こちらへ放ってきた。
それを見た俺も射撃魔法で対抗する。
「
俺も15発の魔力弾を放ち、アクセルシューターを相殺しようとするが……
「なっ!?」
なんと、
直後、俺は即座に反転し、グローブをブースターに高速で逃げ回る。
恐らく、エクセリオンフォーム改になっていることで、なのはの全能力が底上げされているのだろう。
だからこそ、
「逃さないよ!」
そのとき、なのはの魔力弾が回り込んで来る。
俺はフェイクシルエットを使い、三十体の幻影を出し惑わせる。
「出たね、お得意のフェイクシルエット!でも、そう上手くは行かないよ!!」
するとなのはは、アクセルシューターの一つに魔力を込めているのか膨張させていく。
そして膨張させたそれを、勢いよく弾けさせた。
「アクセルシューター……アラウンドシフト!」
巨大化した魔力弾から、次々と数十発のアクセルシューターが全方面へと飛んでいく。
幻影達が次々と消えていく。
俺はアラウンドシフトをかわしつつ、内心感心していた。
(なるほど……考えたな。アクセルシューターの一つを巨大な爆弾とすることで、全体攻撃を仕掛けてきたか)
あえて使い捨てにすることで、強力な武器へと早変わりさせた訳だ。
しかも魔力が嫌というほど込められているので、破壊力もあるという。
なんとも凶悪な魔法である。
しかし、魔力操作には結構神経を使うと見た。
俺は額の炎の質を柔から剛へ切り替えると、なのはに向かって突っ込んでいく。
なのはの周りには、全周防護膜いわゆるバリアが展開されており、その周囲にはアクセルシューターの弾幕が張られている。
およそ格闘型が取り得る選択肢を潰す、まさに王道の戦術である。
さすがなのはだ。
俺への対策はバッチリという訳か。
しかしまあ、このまま黙ってやられている俺ではない。
まずはあの厄介な魔力弾から対処するとしようか。
「
俺は自分を囲うように炎のスフィアを10個セットし固定すると、そこから螺旋状に回転させた魔力弾を放っていく。
少なくとも通常の魔力弾では、なのはの魔力弾に対抗出来ない。
ならば質を上げつつ、量も上げつつ、尚且つひと工夫加えて対抗していくしかない。
だって仕方ないじゃない。
魔力弾の量も質も、なのはの方が圧倒的に上なんだから。
俺はアクセルシューターをなんとか相殺しつつ、なのはの周りを動き回り隙を
「アクセルシューター……弾幕集中……シュート!」
しかし、さらにアクセルシューターの数が増える。
20個あった魔力弾は、30個に増えていた。
いや、増えすぎぃ!?
「verバズーカ!」
俺は魔力弾の質を変えると、スフィアを少し大きくさせる。
スピードは少し遅くなるものの、破壊力をアップさせた形態だ。
俺の魔力弾と、なのはの魔力弾が激突する。
俺のverバズーカは破壊範囲が広いため、なのはの魔力弾を複数纏めて吹き飛ばす。
しかし、中々距離を詰められないでいた。
いや、それだけじゃない。
(これは……誘導されている!?)
そして俺の推測は当たっていた。
(この数……40、50、60……いや、下手すればもっと!?)
「アクセルシューター……アバランチシフト!」
「まずっ!?
咄嗟に俺は防御形態を取り、雪崩のようなアクセルシューターの弾幕を、調和の効果で無効化する。
なのはの方に視線を向ければ、額に汗を浮かべていた。
いくらあのなのはと言えども、これだけの魔力弾を操るのはギリギリなのだろう。
というより、体力の消費が半端ないのだが……!?
「結構きつい……けど……ヒエン君も動けない……でしょ?」
まさにその通りであった。
黒衣のマントを解除すれば、魔力弾の数の暴力が俺を襲うだろう。
「その技、使った後ってヒエン君疲れてるもんね?だったら……このまま継続して撃ってたら、直に動けなくなるでしょ?」
そこまでお見通しか。
「悪いけど、このまま決めるよ!見せてあげる!私の新しい力!!」
そしてなのはは叫んだ。
「ブラスターシステム、リミット
すると、なのはの魔力波動が急激に跳ね上がる。
「ブラスタービット起動!」
そして、彼女の側にはブラスタービットと呼ばれるレイジングハートのフレームと同素材で構成されたビットが4基追加される。
その瞬間、まずいと悟った俺はオーバードライブを発動させる。
「オーバードライブ、スピリッツフォーム改!」
直後、4基のビットから強烈な砲撃が放たれた。
「ブラスターシュート!」
「ぐお!?」
オーバードライブを起動した状態でも、衝撃で押される。
俺はセットしていた転送魔法を発動させて、どうにかその場から離脱した。
「はぁ……はぁ……あ、危ねぇ……」
なのはから少し離れた位置、約1キロメートル地点で息を整える。
「あれはやっぱりブラスターシステム……なのはのオーバードライブ……」
ブラスターシステム、又の名をブラスターモード。
なのはとレイジングハートのリミットブレイクモードであり、【最後の切り札】。
外見的な変化は余り無いが、使用者、デバイス、双方の限界を超えた強化を主体としている。
その分、かかる負荷も凄まじいがその強さは計り知れない。
初登場はStrikersからであるが、原作でもシステムの開発自体は前からしていたのかもしれない。
まさかこの世界ではこんなに早く出てくるとは思わなかったが……
そして、それを操る本人はというと、力強い視線でこちらを見ていた。
その視線を受けた俺は、不敵な笑みを浮かべる。
「楽しくなってきた……!」
そして俺は、グローブから炎を噴かせてなのはへと突貫した。
次回、オーバードライブ対決。
では、また( `・∀・´)ノ