続き書けたで候。
約一ヶ月ぶりの投稿です。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
『皆様お待たせ致しました!都市本戦1回戦5組目の選手入場です!レッドコーナーからは、ダブル変換「炎熱」と「凍結」の使い手でありながら、多種多様な魔法を使いこなすオールラウンダー!予選では準チャンピオン、オボン・クレー選手をも打ち破り、今一番ノリにノッている額に炎を灯す男!「
スポットライトが当てられると、俺はゆっくり入場していく。
「セットアップ、スピリットフォーム改」
入場しながら、スーツ型バリアジャケットへ換装しつつ会場を見回す。
予選の会場より、少しリングは大きめだ。
『ブルーコーナーからは、冷静沈着なクールガイ!剣と槍を自由自在に使いこなす、その疾風の如き怒涛の攻めは、まさに一流の騎士!今日もそのナイスな美貌で私達を虜にさせてくれるのか!?二剣二槍術の使い手、ベルカの騎士「
向かい側からは、身長185cmはある黒髪の美青年、ディル・オーディスがやってきた。
「セットアップ、モード・ランサー」
彼は騎士甲冑へと換装する。
その背には二本の赤い長槍と短槍があり、服装は黒い軽装であった。
顔を見ると、自信に満ち溢れているのか不敵に笑っていた。
俺はというと、既に死ぬ気モードとなっているので表向きはクールな感じだ。
互いに開始線前に並ぶ。
『一回戦は4分4R、規定ライフは30000となります。果たして勝利を手にするのはどちらなのか?戦いのゴングが今……鳴りました!!』
試合がスタートする。
俺の都市本戦最初の戦いがいよいよ始まった。
「ディル・オーディス!押して参る!!」
相手は騎士らしく、名乗りあげる。
そして、こちらに左手の短槍を向けて、高速突進技を繰り出してきた。
「疾風突き!」
俺は後ろに下がりながら、体捌きでそれをかわす。
続けて右手の槍で突進技を繰り出しながら、左右の槍で連続突きを放ってきた。
「
俺は相手の攻撃を感じ取りながら、紙一重でそれらをかわしていく。
確かに早くて強そうな攻撃ではあるのだが……
(なんか楽にかわせる……?)
「やるな……!」
ディル・オーディスは一端下がると、カートリッジを射出。
そして強力な魔力斬撃を幾度も繰り出してきた。
「
俺はその場から動かずに、最低限自分に当たるものだけをかわしていく。
当たらない場所が予選のときより正確に分かるのだ。
『ヒエン選手、かわす!かわす!かわすうぅぅ!!まるで攻撃が来るところが分かっているかのようにかわしていく!!!』
俺はかわしながらグローブから炎を噴射し、真正面から急接近する。
「なっ!?」
ディル・オーディスは驚く。
俺はそのまま右手を篭手から手甲へ形態変化させると、ビッグバンアクセルを放った。
「ぐぁ!?」
ディル・オーディス
LP30000→25000
直撃を食らい、吹き飛ぶディル・オーディス。
俺は追撃をかける。
「ヒートバーナー」
オレンジの砲撃を放つが、そこはさすがは都市本戦常連組。
焦ることなく対処する。
「モード・セイバー!」
二対の槍が剣へと変わり、砲撃を切り裂いた。
「ジャル!モラル!」
《Yes.Energy charge.》
《Yes.Energy charge.》
二つのデバイス名を叫び、カートリッジを射出すると、魔力を纏わせる。
「
直後、大きなXの形をした斬撃が放たれた。
俺は再度ヒートバーナーを放つが、呆気なく飲み込まれてしまった。
「ちっ……」
思った以上の威力に思わず舌打ちする。
ヒエン・オオゾラ
LP30000→26000
(やはりカートリッジを使用されると、桁外れに威力が上がるな……)
リリなのA`s序盤でも、カートリッジを装備していなかったなのはとフェイトが、ヴィータとシグナムにそれぞれ敗北していることからもその有用性は証明されている。
するとディル・オーディスが接近戦を繰り出してきた。
高速でこちらに斬りかかる。
「秋雨!」
素早い連続突きから、強力な突き上げや斬り上げを行ってくるが、その全てに両手に展開させたラウンドディフェンダーで対処する。
槍の対処法はゼストさんに、剣の対処法はシグナムにそれぞれ模擬戦で嫌というほど叩き込まれた。
ディル・オーディスは同年代の中では、確かに強い部類に入る。
しかし、俺には及ばない。
「チェーンバインド!」
「くっ……両腕が!?」
攻撃直後の切り返しを狙って、ディル・オーディスの両腕をオレンジの鎖で拘束する。
俺は彼の顔の前に右手を向けると、零距離で砲撃を放った。
「ヒートバーナーフルパワー!」
ディル・オーディス
LP25000→19000
ディル・オーディスは、ダメージを受けて吹き飛んでいくとリングアウトした。
『ヒエン選手!ディル選手の動きを完全に封じている!!反対にディル選手は防戦一方だ!!!果たしてこのまま終わってしまうのかあぁぁ!!!!????』
「まさか力の差がここまであるとはな……」
ディル・オーディスは小さく笑いながら呟く。
「君の対策はちゃんとしてきたつもりだったが……私の想定以上にヒエン選手、君は強い……」
俺は無言を貫く。
「予選とは明らかにレベルが違う。オボン・クレー選手との戦いを乗り越えて、一皮向けたか……。そんな選手に全力を賭して挑まないとは、騎士の名折れだな……」
すると、ディル・オーディスは右手に持つ剣を槍へと変えた。
「モード・ナイト……ここからは本気でいかせてもらう」
俺は一言、返した。
「上等」
『試合再開です!!』
ディル・オーディスは、カートリッジを一本射出すると赤い長槍が魔力を纏う。
そしてこちらへ向けて投擲した。
俺は咄嗟にかわすが、その直後、後ろから刺される
見れば赤い長槍は、独りでに動いていた。
「追尾機能か……」
まるっきりゲイ・ボルグじゃないか。
「……余所見とは随分余裕だな!!」
「ぬっ!?」
そのとき、前方から赤い短剣を持ったディル・オーディスが迫っていた。
ヒエン・オオゾラ
LP26000→25000
俺は篭手で受け止め、カウンターを入れようとするが、再度後ろから迫る赤い長槍に意識を取られる。
「またか……!?」
「隙あり!
それと同時に俺へと踏み込み、突きを放ってくるディル・オーディス。
「しまった!?」
その影響で俺は姿勢を崩される。
万事休すかと思われたが、そこで諦める俺ではない。
「こなくそっ!!」
両手のグローブから強引に炎を噴射することで、その場から緊急離脱した。
「ぐあ!?」
そのせいでリングアウトし、勢いよく壁に激突する羽目になってしまったが。
ヒエン・オオゾラ
LP25000→24500
まあ、大ダメージを受けるよりはマシと思おう。
俺がリング内に戻ると、試合が三度再開される。
ディル・オーディスの手には赤い長槍があり、再び投擲する。
俺は額の炎の質を柔から剛へ変えると同時に、マルチラウンドシールドを展開させて真正面から赤い長槍を受け止めた。
「ぬうぅ!!」
1枚2枚とシールドが割れていくが、徐々に威力は衰退していく。
「真っ向から受け止めるとはさすがだな。しかしそのせいで、隙だらけだぞ!!」
ディル・オーディスがこちらへ回り込んでくる。
勿論、そうくることは読んでいる。
「
俺は全力でファーストエディションを使用し、リング内を氷のトゲで覆う。
「これは……!?」
ディル・オーディスは思わず足を止め、赤い短剣を振るいながら、自身に迫る氷を斬っていく。
氷で時間稼ぎしている間に、赤い長槍を封じ込める作業に入る。
シールドは4枚目まで突入していたが、威力は見るからに落ちていた。
俺はそのまま赤い長槍を掴むと、魔力を封印するバインドでデバイスの機能を強制的に停止させる。
オマケにファーストエディションで包み込み、ディル・オーディスが使用出来ないようにもしておく。
「くっ……ジャルが封じられてしまったか。ならばモラル、奥の手だ!!」
《Yes.Moral Saber.》
ディル・オーディスは一端下がると、赤い短剣からカートリッジを四本射出させる。
すると、巨大な赤い魔力刃が真上へと伸びていた。
その長さはおよそ20メートル。
リニスのプラズマセイバーと同等の規模であった。
今の状態でこんなものを食らえば、敗北は免れない。
よって、俺も切り札を切ることにした。
「
俺は黒コートをマントのように身に纏う。
そして右手を向けて、魔力をチャージする。
直後、二つの巨大なエネルギーがぶつかり合った。
「モラル……セイバー!!」
「ヒートバーナー……
巨大な赤い魔力刃と、極限まで強化されたオレンジの砲撃が激突する。
しかし、拮抗は一瞬であった。
魔力刃に一筋のヒビが入ると、やがてそれは全体へと広がっていく。
そして……
「ここまでか……存外呆気ない……」
ディル・オーディス諸共飲み込んだ。
ディル・オーディス
LP19000→0
都市本戦一回戦の勝者は俺であった。
ここで予告。
次回作予定の【大空の炎の力を操る転生者改】ですが、現実来訪、いわゆる現実トリップな形式も入れていこうかなと思ってます。
あるロストロギアの破片が様々な並行世界へと散ってしまい、その破片を取り込んでしまった他作品の主人公又はヒロインが小動物の姿でヒエンの元にやって来るという形ですね。
そこからなのは本編のストーリーにもちょくちょく絡ませていこうと思ってます。
残りの転生者も出したいですし。
一応、言っておくと、あとの転生者も風鳴弦十郎と同じようにその作品の原作キャラです。
まあ、まだ設定軽く練ってるところなのですが……。
では、また( `・∀・´)ノ