続き書けたで候。
ボンちゃんのオリジナル技いっぱい出ます。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
第一ラウンドが終了し、一分間のインターバルに入る。
美由希さんからスポーツドリンクを受け取ると、恭也君が話しかけてきた。
「あのオカマ……まだ実力を隠しているぞ」
「だろうな。さっきのラウンドも明らかに余力を残してたし」
俺はスポーツドリンクを飲みながら答える。
「試合はまだ始まったばかりだし、とりあえずは様子見ってところなんじゃないかな?」
美由希さんも話しかけてきたので答える。
「だとしたら、ここからが本番だな」
俺はスポーツドリンクを飲み干すと、クシャッと握り潰した。
インターバルがそろそろ終わるので、俺は立ち上がりリングへと向かう。
ヒエン・オオゾラ
インターバル回復+3800
LP21200→25000
相手は世界準チャンピオン。
警戒のしすぎくらいで丁度良い。
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『第ニラウンドゴングですっ!』
第ニラウンド開始直後、さっそくボンちゃんが仕掛けてきた。
「
両手を手刀の構えにすると、青色の小さな白鳥達がこちらに向けて放たれる。
質より量という感じで、視界全体を覆う物量であった。
しかし直射砲故に真っ直ぐにしか来ないため、俺はブリッツアクションを要所要所で使用しながら、攻撃をかわしていく。
「
が、
(直射砲を目隠しに……既に真上に跳んでやがったか!?)
俺は直ぐ様、ヒートバーナーを放ち相殺させようとするが、パワーはビッグスワンの方が強いのか、数秒拮抗しただけで呆気なく飲み込まれる。
「ぐあっ!?」
咄嗟にラウンドシールドを展開させるが、すぐに破壊されてしまい、俺は砲撃を食らってしまった。
『ヒエン選手ダウンー!オボン・クレー選手の強烈な砲撃を食らってしまったあぁ!!立ち上がれるかー!?』
ヒエン・オオゾラ
LP25000→20000
俺は一撃もらいダウンしてしまった。
凄まじい威力の魔力砲だ。
咄嗟だったとはいえ、俺のヒートバーナーを完全に抑え込んだのだから。
さすが世界準チャンピオンは伊達ではないか。
さて、そろそろ起き上がらないとダウン判定で負けてしまう。
『た、立ったー!ヒエン選手、カウント8で立ちましたっ!!』
ダメージを受けてしまったものの、まだまだこれからだ。
このインターミドルの予選で培った戦術や戦い方、その全てを出さなければボンちゃんには勝てそうにない。
やってやる。
『試合再開です!!』
そして再び試合が始まると、俺はさっそく動き出す。
フェイクシルエットで三十体の幻影を出して、ボンちゃんを惑わせる。
まずは試合の流れを掴まなくては。
「来たわねぃ!」
ボンちゃんも俺が攻めてきたことを肌で感じたのだろう。
より一層表情を引き締める。
ここで油断してくれたら楽なんだがな……。
「マスカラブーメラン!」
ボンちゃんは目の下にあるマスカラを投擲する。
二つのマスカラは斬撃効果を持っているのか、幻影を次々と切り裂いていく。
俺は減っていく幻影の中に紛れて背後からボンちゃんへと接近する。
マスカラは今のところ離れたところにあるため、本体の俺に当たることはない。
そして俺は篭手を手甲へと変化させると、勢いよく技を放った。
「
「ぬっ!?」
しかし、ボンちゃんは直前で俺の存在に気が付くと、紙一重でかわした。
「惜しかったわねん」
ボンちゃんはそう言ってくるが……
「いや、想定の範囲内だ」
俺は
「
「ぐげっ!?」
見事クリーンヒットし、ボンちゃんはダメージを受ける。
オボン・クレー
LP25000→24000
俺はもう一体分身を出し、そのまま一緒に攻撃していく。
「鬱陶しいわねェ!」
だがさすがは準チャンピオンなのか、三対一という状況に置いても冷静に対処していく。
しかしライフポイントは徐々に減っていく。
オボン・クレー
LP24000→23500→23000→22500→22000
すると突然、超直感が反応する。
俺は一人攻撃をやめてブリッツアクションを発動させて、真上へと緊急回避する。
「キャッチしマスカラ!」
なんと分身の後方から飛来したマスカラがそのまま直撃したのだ。
分身二体はそのまま消え去ってしまう。
(分身が消える程の威力……あのマスカラ、予想以上に切れ味があるのか)
とは言ったものの、あのマスカラは視認がしやすい分、かわすのは容易い。
いかに攻撃力があろうと、食らわなければどうということはない。
そして戦って感じたのだが、恐らく近接戦闘の技量は、俺よりボンちゃんの方が上である。
二日間の準備期間にて、風鳴司令やゼストさんという超人達とぶっ通しで特訓したことで、俺の動きの最適化はされたものの、やはり才能の差というものはそう簡単には覆せないらしい……とても悔しいが。
しかし差を埋める方法は存在する。
それが分身の存在だ。
分身は還元されれば、俺の中で経験値として蓄積されていく。
魔力消費が激しいのが欠点であるが、分身を少しずつ出しながら戦えば、変幻自在なボンちゃんのオカマ拳法にもいずれ慣れていくはずだ。
そういった点でも分身と一緒に攻めるのは、手数を増やす上でも有利に働くのだ。
やれることは全部やろう。
俺は分身一体を出すと攻めさせる。
本体の俺は後方からの支援に徹する。
「チェーンバインド!」
俺はボンちゃんの四肢を拘束するため、チェーンバインドを展開させる。
空中に浮かび上がる魔法陣から幾つものオレンジの鎖が飛び出す。
するとボンちゃんは両手に魔力を惑わせながら、鎖をバターのように切り裂いていく。
「
そして鋭い斬撃を幾度も放ってきた。
分身はシールドを展開させて防ぐが、ボンちゃんはシールド毎、一刀両断してしまった。
「ギアを上げるわよぅ!!」
後方にいた俺へと高速で迫り、勢いよく跳び上がる。
「お控え・ナ・
そのまま落下の速度を加えながら、足を鞭のようにしならせた蹴りを繰り出してきた。
「ぐぅ!?」
俺はクロスガードでそれを受け止めるが、予想以上に重たい攻撃に思わず苦悶の声を出す。
ヒエン・オオゾラ
LP20000→16500
一撃の威力は、あのバゼットよりも上かもしれない。
「ぐ、ぐぉおおおお!!!!」
俺は雄叫びを上げながらボンちゃんを弾き飛ばす。
俺はそのまま両手を向けてヒートカノンを連射する。
「うぉおおおおおお!!!!」
「オカマダッシュ!!」
ボンちゃんは両足に魔力を纏わせて猛スピードでリング内を走り回る。
「んがっはっはっはっ!!当たらないわよぅ!!!」
そして一気に俺へと再接近する。
「ちぃ!?」
俺はファーストエディションを発動させてリング内全体を凍らせる。
ボンちゃん本人を凍らせてしまえば身動きもとれまい。
「無駄よぅ!!」
だがこちらの動きを読んでいたのか、既に空中にジャンプしてかわしていた。
確かボンちゃんは飛翔魔法の適性はなかったはずだ。
つまり、空中で身動きはとれない。
(とどのつまり……千載一遇のチャンス!!)
俺は両手のグローブから炎を噴射し、ボンちゃんへ接近する。
そして剛炎の拳をお見舞いするが……
「甘いのよぅ!!」
「なにっ!?」
なんとボンちゃんは
そして
「大方、あちしが陸戦型の魔導師だから空中移動できないと思ってたんだろうけど、甘すぎよぅ!あちしの好物タコパフェの生タコよりも甘すぎよぅ!!」
「なるほど……魔法陣か……」
「正解よぅ。トゥシューズのサイズ分、魔法陣を足下に展開させてるの。だから、こうすることも出来る」
ボンちゃんは空中を高速で縦横無尽に跳びながら移動する。
空中跳躍は風鳴司令の専売特許かと思っていたが、そうでもなかった。
「ガハハハハ!行くわよヒエンちゃん!!オカマ拳法……血と汗と涙のルルヴェ!!!」
そしてボンちゃんは、空中を高速で跳びながら移動する。
かなりのスピードで移動しているのか、視界には残像しか映らない。
(早すぎる!?)
そのまま俺の頭上を取ると、回転しながら急降下しつつ、強烈な跳び蹴りを放ってきた。
「あの砂漠の国の
「ぐおっ!?」
咄嗟にクロスガードで受け止めるものの、俺はそのままリングに叩きつけられてしまった。
「ぐあ!?」
ヒエン・オオゾラ
LP16500→9500
『ヒエン選手再びダウン!オボン・クレー選手の強烈な跳び蹴りが炸裂し、リング内に叩き落されてしまったあぁ!!果たして立ち上がれるのかああぁぁ!!!』
「が、がはっ……はぁ……はぁ……はぁ……」
俺はなんとか起き上がろうとするが、フラフラで立ち上がることができない。
「う、うぉおおおおお……」
それでも気力を振り絞り、なんとか起き上がる。
(くそ……迂闊だった……)
まさか空中跳躍を行ってくるとは……
飛翔魔法が使えないからといって空中を直接移動出来ない訳ではないようだ。
俺は立ち上がり、開始線へと戻ると三度試合が再開される。
するとボンちゃんが話しかけてきた。
「悪いけどヒエンちゃん……あんたの動きはもう見切ったわよぅ」
「なに?」
「あんたは確かに強いわ。だけどあちしには勝てない」
「随分思い切ったことを言うじゃないか。ポイントをリードしてるからって調子に乗ってるんじゃないか?」
「あんたとあちしには決定的な差がある。それは戦ってるあんたが一番分かってるんじゃない?」
「……一体何が言いたい?」
「戦闘技術はあちしが上。そのうえあんたの動きの癖はもう見切った。あんたはあちしには絶対に勝てない。それを今から教えてあげるわ」
ボンちゃんは呟く。
「モード・ボンバルディエ。見せてあげるわ。オカマ拳法の、その……
直後、背中についていた白鳥がボンちゃんの両足に装着される。
「ちなみにあんたから見て右がオスで、左がメスよう」
「知らん」
「がっはっはっはっは!まァ、いいわっ!!くらってみなサ〜イ!!!」
するとボンちゃんの両足に魔力がどんどん集束されていく。
そして俺へと高速で突っ込んできた。
「オカマ拳法……
対抗するように、俺も技を放った。
「
しかし……
「無〜駄よーーーう!!!!」
「ぐ……ぐぁああああ!!??」
バーニングアクセルの球体は掻き消され、ボンバルディエの鋭い連続蹴りが俺の腹に直撃した。
ヒエン・オオゾラ
LP9500→500
『ヒエン選手、オボン・クレー選手のボンバルディエに対抗して得意技であるバーニングアクセルを放つも破れる!!そのまま吹き飛び、ライフも一気に危険区域に!?ヒエン選手は大丈夫なのかああぁぁぁ!?』
俺は勢いよくリング外に吹き飛び、壁に激突する。
あまりの攻撃の強さに上半身の服が吹き飛んだ。
「ご、ごはっ……」
腹からこみ上げる気持ち悪さがあり、思わず
(腹に何も入れてなくて良かった……)
吐き気を我慢しながら、ゆっくりとリングへ戻っていく。
フラフラとした足取りではあるが、なんとかリングにたどり着いた。
しかし一発食らっただけでダメージが凄まじい。
これが集束打撃『
「一点に凝縮された本物のパワーってやつは、ムダな破壊をしないものよう。あちしの蹴り一発がライフルの一発だと思えばいいわ。ただし、少々弾は大型だけどねい。だけど、もう終わりみたいねん」
そして再び構え、俺にトドメを刺そうとしたとき……
「そのまま……風穴開けたるわァ!!!!」
ブーッッッ!!!!!!
丁度、第二ラウンド終了のブザーがなった。
次回、予選決勝戦決着。
では、また( `・∀・´)ノ