大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

少し幕間っぽいやつ。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百五十四話 少しの憂鬱

第三者side

 

 

 

プリキュア世界の希望ヶ花市のとある植物園にて、とある少女達が集まっていた。

 

ここにいる少女達は、新たに誕生した四組のプリキュアの少女達であった。

 

 

「早く始まらないかなあ〜」

 

 

「響、少しは落ち着いたら?」

 

 

茶色の腰まで届くロングヘアが特徴の少女、北条響(ほうじょうひびき)と、オリーブ色のロングヘアが特徴の少女、南野奏(みなみのかなで)が会話する。

 

 

「だっていよいよ準決勝だよ?この二日間、気になって仕方なかったんだから」

 

 

「気持ちは分かるけど……」

 

 

ソワソワする響の様子を、苦笑いしながら見る奏。

 

 

「私もワクワクする気持ち、なんとなく分かるわ」

 

 

「こっちの世界にはない催し物だものね」

 

 

暗い紫色のロングヘアが特徴の少女、黒川エレンと、オレンジ色のショートボブで、アンダーフレームの伊達眼鏡をかけている少女、調辺(しらべ)アコが話す。

 

この四人の少女が、六代目プリキュアの『スイートプリキュア♪』である。

 

砂漠の使徒の壊滅後、最初に生まれたプリキュアだ。

 

 

「私も早く見たいよ〜」

 

 

「そやな〜」

 

 

「うん……!早く見たい!!」

 

 

マゼンタ色の髪を両サイドを小さく纏め、リボンで留めている少女、星空みゆきと、前髪にヘアピンを付け、後ろ髪は一本に束ねている少女、日野あかね、黄色のエアリーヘアが特徴で、頭部にはカチューシャを付けている少女、黄瀬やよいが会話する。

 

 

「みゆきや、あかねは分かるけど……やよいちゃんまでイキイキしてる!?」

 

 

「なんでもインスピレーションが刺激されるらしいですよ?これまでもヒエンさんの試合を見ていて、創作意欲が止まらないらしいですから。加えて私もヒエンさんの戦い方は、とても参考にしています」

 

 

「炎だけでなく、氷の使い方も絶妙だからねヒエンさん……」

 

 

緑色の髪が特徴で、後髪をリボンでまとめている少女、緑川なおと、紺色のストレートヘアが特徴で、髪をヘアピンで留めている少女、青木れいかも話す。

 

この五人の少女が、七代目プリキュアの『スマイルプリキュア!』である。

 

彼女達も、砂漠の使徒壊滅後に生まれたプリキュアだ。

 

 

「次はどんな人が相手なんだろう?」

 

 

「今までヒエンさんの相手になった人達、物の見事にタイプがバラバラだものね」

 

 

「でもその分、見応えがあって楽しいですわ」

 

 

後ろ髪がカールしたマゼンタ色のハーフアップポニーが特徴の少女、相田マナと、側頭部の髪の一部を三つ編みにした紺色のロングヘアが特徴の少女、菱川六花(ひしかわりっか)、シニヨンを二つにまとめた茶色の髪が特徴の少女、四葉(よつば)ありすが会話する。

 

 

「ええ、見ていて分かる。ヒエンさんって人、見る度に強くなってる」

 

 

「でも驚きましたわ。その殿方、確か並行世界の地球から来ていたのですよね?それもたった一人で」

 

 

青紫色のショートヘアが特徴の少女、剣崎真琴(けんざきまこと)と、茶髪のロングヘアが特徴の小柄な少女、(まどか) 亜久里(あぐり)も話す。

 

この五人の少女達が、八代目プリキュアの『ドキドキ!プリキュア』である。

 

同じく、砂漠の使徒壊滅後に誕生したプリキュアだ。

 

 

「そうみたいだね。聞いた話じゃ、丁度一年前にこっちに来たとか?」

 

 

「た、たった一人で!?見知らぬ世界に!?それで敵と戦って……世界救ったの!?」

 

 

「世間じゃ、先輩プリキュアの皆を率いて戦ったって言われてるよね〜」

 

 

「そう言われて納得できる強さは……確かにあるわね」

 

 

濃いマゼンタ色のポニーテールが特徴の少女、愛乃めぐみと、青色のロングヘアが特徴の少女、白雪ひめ、ショートヘアの茶髪が特徴の少女、大森ゆうこ、紫色のロングヘアが特徴の少女、氷川(ひかわ)いおなが会話する。

 

この四人の少女達が、九代目プリキュアの『ハピネスチャージプリキュア!』である。

 

彼女達も同じく、砂漠の使徒壊滅後に誕生したプリキュアである。

 

この四組のプリキュアは、それぞれ裏で暗躍する闇の勢力と戦っており、先輩プリキュア達とも共闘したことがある。

 

その関係で少年のことは事前に先輩プリキュアから聞いており、今回のインターミドルを観戦することになっていたのだ。

 

すると、お茶とお菓子を持ってきた花咲薫子が発言する。

 

 

「そうね。いい機会だし、貴方達にもヒエン君のことは軽く説明しておいた方がいいわね」

 

 

「「「「「薫子さん!!」」」」」

 

 

そして薫子は少年について説明する。

 

少年が並行世界の住人で魔導師であること、時空管理局という組織に所属し、様々な任務を行っていること。

 

そこから、この世界にやってきた当初のことを説明する。

 

 

「地球を守護しているこころの大樹を狙ってダークプリキュアという闇の戦士がやってきてね?つぼみ達も応戦したのだけど、当時はプリキュアに成り立てで未熟だったこともあって、あっという間に追い詰められてしまったの。そのとき、つぼみ達を助けてくれたのがヒエン君だったわ。この世界に来たばかりで右も左も分からないはずなのに……そんなこと知るかと言わんばかりに果敢に戦いを挑んでね?今思うと、お人好しにも程があるわね……」

 

 

薫子はさらに説明する。

 

 

「それでひとまず行く宛のない彼を、私達の家に居候として置くことになったのだけど……出会った当初から凄い子でね?彼の扱う魔法は超科学のようなものらしいのだけど……デバイス、要は魔法の杖のような物が同時に電子機器の役割も担っていてね、その機能を駆使して、希望ヶ花市のホームページにハッキングすると、あっという間に自分の戸籍を偽造してしまったの。私達と少し話しただけで、ここが自分の知る世界ではないことにもすぐに気が付くし、自分の置かれている立場や状況から冷静に判断して、これから自身のやるべきこと、すべきこともすぐに決めてしまうし……なんと言えばいいかしら?こういった出来事に、凄く場慣れしている感じだったわね……」

 

 

それから少年がつぼみ達ハートキャッチプリキュアと協力しながら、宇宙からの侵略者、砂漠の使徒と戦っていったことを話す。

 

そして一緒に戦っていくにつれて、少年がこちらの世界へ来た原因も判明する。

 

 

「ヒエン君がこっちの世界に来たのは、歴代プリキュア達が彼を呼び出したからなの」

 

 

薫子は続ける。

 

 

「こころの大樹の守護と、砂漠の使徒の壊滅。それが彼女達が彼を呼び出した理由。そしてヒエン君は見事その要望に答えたという訳。時間がないから軽く説明したけど……気になるなら、試合が終わった後にでも彼のことを説明しましょうか?」

 

 

「「「「「ぜひ!!」」」」」

 

 

少女達は一斉に頷いた。

 

噂の魔導師ヒエンのことが気になって仕方ないらしい。

 

すると何を思ったのか、いおなが手を上げて質問する。

 

 

「あの、質問いいでしょうか?」

 

 

「どうぞ」

 

 

「ひとつ気になったのですが、そもそもこころの大樹とは一体なんなのでしょうか?」

 

 

薫子は答える。

 

 

「簡単に言うと、こころの大樹は地球の命そのもの。そして、この地球に住む生き物全ての心の中には、一輪の花が咲いているの。その花のことを、こころの花と呼び、そのひとつひとつのこころの花は、地球の命を司るこころの大樹と繋がっている。つまり……人々や生き物が幸せなら、世界は生命力に溢れ、こころの大樹の葉はさらに生い茂り、逆に不幸なら自然そのものが荒廃し、こころの大樹も枯れてしまう」

 

 

「待ってください。ということは、砂漠の使徒のデューンがこころの大樹を狙っていたのは……」

 

 

「そう。こころの大樹そのものを滅ぼしてしまえば、世界は滅亡する。地球を侵略するにはこれ以上ないほど、うってつけだったという訳。だからヒエン君、彼には感謝してもしきれないのよ」

 

 

薫子の視線の先には、空中モニターに映る少年の姿があった。

 

間もなく試合が始まろうとしていた。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

 

ヒエンside

 

 

 

予選五回戦、準決勝を無事勝利した俺は決勝へと駒を進めた。

 

そしてリニス達と共に観客席で応援しているチームヒエンの皆と合流するが、そこで俺を待っていたものは……

 

 

「詰めが甘すぎます」

 

 

リニスからのお説教であった。

 

 

「途中までは良かったです。ニードル選手の動きを完璧に封殺していましたから。ですが、最後の最後で油断しましたね?」

 

 

「う……」

 

 

「敵に止めを刺すまで油断するなと何度も言ってるはずですが?そして油断した結果、一瞬の隙をつかれて追い詰められてしまった。あのとき、咄嗟にヒッツの調和の咆哮で無力化出来たから良かったものの、下手をすれば負けていたのはこちらの方だったのですよ?」

 

 

「むむむ……」

 

 

「敵を前に油断するなど愚の骨頂。もっと自分を律することができる人間になりなさい」

 

 

「はい……」

 

 

「だいたい貴方はですね……etc.」

 

 

説経されること十数分……ようやく解放された。

 

 

「だはぁー」

 

 

俺は応援席で溜め息をつく。

 

反省会長過ぎるよ、リニスさん。

 

ってか、勝ったのにダメ出しはないんじゃないかな?

 

俺は褒められて伸びるタイプなんだが。

 

 

「お疲れ様」

 

 

するとスポーツドリンクを持ったリインフォースが俺の隣にやって来る。

 

 

「ありがとう」

 

 

俺はそれを受け取ると、少しだけ口に含む。

 

うむ、テラウマス。

 

 

「次はいよいよ決勝戦だね。相手は世界代表戦準優勝者。勝てそうかい?」

 

 

「絶対勝つ。というより、死んでも負けられない」

 

 

「オカマの件だね?」

 

 

「本当、その節はすみません」

 

 

今思えば、なぜ俺は安易に賭けの約束をしてしまったのだろう。

 

いや、でも普通オカマにならなきゃいけなくなるとか予想できなくない?

 

そもそも、そんな内容をぶち込んできたボンちゃんが悪いのであって、俺は何も悪くないと思うのだが。

 

 

「ふと思ったのだが……」

 

 

するとリインフォースが呟く。

 

 

「もし君とオボン・クレー選手のどちらかが決勝前に負けていたら……この賭け事はどうなっていたんだろうね?」

 

 

あー……確かに。

 

でもそうなってたら、賭け事自体は無くなってたと思う。

 

 

「多分、賭け事自体無かったことになると思う。あくまでも、俺とボンちゃんが直接勝負して決めることに意義があるから」

 

 

そこらへんはボンちゃんも俺と同意見だろう。

 

相手と直接勝負せずに決まる勝負事などやる意味がない。

 

 

「そうかい」

 

 

リインフォースは納得がいったのか、静かに頷いた。

 

そして俺はスポーツドリンクをちびちび飲みながらリインフォースと話していると、リングに見知った選手がいることに気付く。

 

噂のボンちゃんであった。

 

どうやら、今から準決勝の試合が始まるらしい。

 

相手は女性選手のようで槍使いであった。

 

試合が始まると、終始ボンちゃん優勢の試合で進められた。

 

得意のオカマ拳法主体で攻めつつ、牽制として射砲撃も使いながら徐々に相手にダメージを蓄積させると、高速移動魔法や捕縛魔法で相手を翻弄してから、最後に大技でトドメを刺した。

 

タイプとしては、ボンちゃんは俺のようなオールラウンダー寄りの選手である。

 

しかし本質は格闘型の選手であるため、格闘系の技中心で攻めてくるだろう。

 

そして、その中でもボンちゃんの技で一番に警戒しなくてはならないものがある。

 

その技の名が……

 

 

 

集束打撃『爆弾白鳥(ボンバルディエ)

 

 

 

である。

 

爆弾白鳥(ボンバルディエ)はボンちゃんの両肩にある白鳥をつま先に装着し、その鋼の(くちばし)で鋭い蹴りを放つ技だ。

 

その一点に凝縮されたパワーは、鋼の壁すら簡単に貫通するほどの破壊力がある。

 

ワンピース原作でもボンちゃん本人が使用しているが、魔力を纏っている分、こちらの世界のボンちゃんの方が攻撃力・破壊力共に上だろう。

 

もし食らえば、一撃でやられる可能性も否めない。

 

故に思う。

 

 

(これ、下手したらオーバードライブ使わないといけないかもしれんなあ……)

 

 

俺は午後から始まるであろう試合に少し憂鬱になるのであった。




次こそいよいよ決勝戦。

vsボンちゃんです。

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