続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
「ドラゴニック……スラッシャー!」
ニードル選手が高速でこちらに突っ込んでくる。
俺は篭手を手甲に変化させると、真っ正面からそれを迎え撃った。
「
ドラゴニックスラッシャーと、バーニングアクセルが激突する。
少し拮抗するが、俺は額の炎の質を柔から剛へ切り替え、バーニングアクセルの威力を底上げする。
「おりゃあぁぁぁぁ!!!!」
そして、そのままドラゴニックスラッシャーを打ち破り、ニードル選手を殴り飛ばした。
「ぐ、ぐぁああああ!!??」
ニードル選手は壁まで吹き飛び、リングアウトした。
ニードル・デュプル
LP20000→16000
『ニードル選手、リングアウトオォ!ヒエン選手真っ正面からドラゴニックスラッシャーを打ち破り、ニードル選手を殴り飛ばしたああぁ!!!!』
俺は肩を回しながら調子を確かめる。
この二日間、格上の超人二人と徹底的に模擬戦をしたことによって、俺自身の無駄な動きがなくなった気がする。
常に命の危機を感じるような攻撃を受け続けてきたからだろう。
身体が自然としなやかに動き、なおかつ予備動作も最小限、僅かな日数でも密度の濃い時間を過ごしたこともあり、目の前の攻撃に対する集中力が増したのだ。
集中力の向上は、動作の素早さと正確性を生む。
すなわち、最低限の力と所作で技を繰り出せるようになり、技の威力が大幅に上がったのだ。
ここに来て風鳴司令やゼストさんとの模擬戦の成果が、如実に現れていた。
するとニードル選手が険しい表情をしながら、リング内へと戻ってくる。
そして試合が再開される。
「ドラゴニック……スラッシュ!」
赤い斬撃が横一線に放たれる。
俺はグローブから炎を噴射して、真上へと回避する。
「逃さない!」
すると、その後を追いかけるようにニードル選手が迫る。
「ドラゴンファング……セカンドモード!」
そのとき、ランスの形態が変わる。
槍の側面に噴射口のようなものが追加されると同時に、小型化され取り回しされやすくなる。
続けて槍先を分解すると、ユニットを四機展開させて、勢いよくこちらへと迫ってきた。
俺は咄嗟にフェイクシルエットを使用し、幻影を三十体展開させながら、グローブをブースターに高速で逃げ回る。
四機のユニットからは赤いレーザーが放たれ、ニードル選手も目につく幻影を片っ端から消し去っていく。
『ニードル選手!ランスの形態を変えてヒエン選手を追い詰めていく!!反対にヒエン選手、ここからどう反撃するのか!?』
てっきり近接戦闘中心かと思っていたんだが、遠距離攻撃もできるんだな。
しかもランスの形態を変えて、エネルギーの発動を任意に行うことによって機動力も大幅に向上している。
だがそれでも、俺にはなんの脅威にも感じなかった。
以前戦ったギル・グレアムの方が何倍も強かったからだ。
奴はユニットを完璧に使いこなし、ノーモションで強力な魔法を繰り出してくるため、一切気が抜けなかった。
それに比べれば、正直ニードル選手の操作技術はまだまだ拙いし、攻撃も読みやすい。
警戒には値しない。
幻影が残り十体を切ったところで、俺は反撃に出る。
幻影の中に分身を四体紛れ込ませ、ユニット四機を破壊させたのだ。
「ユニットが!?」
ニードル選手は焦る。
その隙に本体の俺は高速で飛び回る彼の背後を取り、再びバーニングアクセルを食らわせた。
「ぐあ!?」
ニードル・デュプル
LP16000→12000
『ニードル選手ダウンンンン!ヒエン選手圧倒的だあぁぁぁ!!』
俺は追撃をかける。
両手を上げて炎を収束させ、巨大な十メートルほどの炎を生み出すと、そのまま下にいるニードル選手に向けて放った。
「
巨大な爆発が彼を襲う。
俺はその爆風を利用して離れると、さらに追い打ちをかける。
「ショートバーナー!」
両手から速射砲撃ショートバーナーを放つ。
放ちまくる。
「だだだだだだだっっっっっ!!!!」
グミ撃ちを繰り返す。
そしてある程度撃ち終わると様子を見る。
『ヒエン選手の追い打ちが次々と決まる!果たしてニードル選手は無事なのかあぁ!?』
「ふぅ……ふぅ……ふぅ……」
ニードル・デュプル
LP12000→2050
するとランスを盾にして俺の攻撃を防いでるニードル選手の姿があった。
僅かにライフも残っていた。
『なんとニードル選手生き残っていたあぁぁ!防御魔法を展開させてしぶとく生き残っていたああぁぁぁ!!』
だがさすがに虫の息であり、あと何発か攻撃を食らわせれば俺の勝ちだ。
俺はそのまま攻撃を続行しようとする……が、突如ニードル選手が槍を掲げると、一瞬光に包まれた。
「うっ!?」
その光をもろに見てしまった俺は視界を奪われてしまう。
「ドラゴニック……フラッシャー!!!!」
「ぐっ!?」
そして真下から突撃してきたニードル選手の突進攻撃の直撃を貰ってしまった。
ヒエン・オオゾラ
LP20000→16500
さらにそのまま反対側に回り込まれ、リングに叩きつけられてしまう。
「がはっ!?」
ヒエン・オオゾラ
LP16500→12500
「ドラゴニック……クラッシュ!」
極めつけにランスの先端から直射法をもらい、追撃ダメージまで貰ってしまった。
ヒエン・オオゾラ
LP12500→7000
『おおっと!?このまま不利かと思われたニードル選手!一瞬の隙をつき、あっという間にヒエン選手にダメージを負わせた!ヒエン選手万事休すかあぁ!?』
「これで決めるぞファング!サードモード!!」
《Yes,master.Third mode.》
そしてニードル選手は俺から距離を取り、カートリッジを数本射出すると、紅蓮の炎をその身に纏う。
ランスの形状も少し変化する。
これで終わらせるつもりなのだろう。
俺も起き上がると、篭手を手甲に変化させて
だが先に準備を終えたのはニードル選手であった。
彼は槍の噴射口で加速し、俺へと肉迫する。
「ドラゴニック……クラッシャー!!!!」
彼の目は勝ったと確信していた。
だがその直後、その目は困惑へと変わる。
「ガァアアアア!!!!!!」
俺の肩に現れた相棒が、
「なっ……!?」
ニードル選手は突然のことに狼狽するが、もう遅い。
「
直後、俺の必殺カウンターが彼に炸裂した。
ニードル・デュプル
LP2050→0
『試合終了〜!ヒエン選手のKO勝利ですッ!!』
俺は無事、予選決勝へと駒を進めた。
次回はいよいよ決勝戦。
ヒエンVSオボン・クレーの戦いです。
では、また( `・∀・´)ノ