続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
俺は額の炎の質を柔から剛へ変えると、さっそく右手を向けて直射砲撃ストレートバーナーを放つ。
ゼストさんほどの強者に小技や様子見は無意味。
ならばひたすら攻撃あるのみ。
「ふっ!」
ゼストさんは槍で砲撃を切り裂くが、俺は今度は左手からストレートバーナーを放つ。
いくらゼストさんといえども、攻撃を防いだ直後は動きは止まるはず。
「食らわん」
俺は僅かなその隙をついて、背後からバーニングアクセルを叩き込む。
「ぬぅ!?」
ゼストさんに見事攻撃をヒットさせることに成功するが、硬い鋼鉄を殴ったかのような衝撃が俺の右手に伝わる。
(硬すぎだろ!?)
「やるな。ならば今度は……こちらからゆくぞ」
するとゼストさんの両足に山吹色の魔力が集中する。
直後、
「なっ!?」
(動きの挙動が全く見えなかった!?)
そのとき、真後ろから槍で刺される
俺は咄嗟に身体を捻り、槍をギリギリかわす。
先程ゼストさんが使った魔法は、一回戦で戦ったカイト君と同じ瞬動術だ。
しかしその魔力練度はゼストさんの方が圧倒的に上であった。
(早すぎる!?)
今度は前に現れ、連続突きが放たれる。
俺は両手にラウンドディフェンダーを展開させて、槍を必死にガードしていく。
それから連続で放たれる斬撃の嵐を、死にものぐるいで防いでいた。
するとゼストさんが話しかけてきた。
「忠告だ。全魔力を防御に回した方がいいぞ」
そのとき、全身に悪寒が走る。
見ればゼストさんの身体が山吹色に淡く光っていた。
俺は忠告通り、全魔力をバリアジャケットへと回し、クロスガードの構えを取った。
そして……
「がはぁ!?」
俺はあまりの威力に意識を失いかける……が、気合いと根性でどうにか耐える。
そしてすぐに態勢を立て直すと、空中へと避難する。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
(な、なんてパワーだ……。一回食らっただけで体力を随分と持っていかれた……)
はっきり言って強すぎる。
ザフィーラ以上の防御力に、シグナム以上のスピード、シャマル以上の魔力練度に、ヴィータ以上の攻撃力。
今のこの時点で、ゼストさんはヴォルケンリッターの強さを完全に凌駕していた。
ベルカの騎士としてはあまりにも完成されすぎている。
体感的な強さで言えば、闇の書事件時のリインフォースと良い勝負しているのではないだろうか。
正直、今のゼストさんを前にすると、いかなインターミドル出場選手といえど目ではない。
あの都市本戦常連組ですら、霞んで見える程だ。
それほどまでに
(強いとは思っていたが、まさかここまでとは……)
ゼストさんの強さはStrikerS本編でも言及されていたが、いざ戦ってみると人間離れしすぎている。
だが俺とて、今までかなりの修羅場をくぐり抜けてきたのだ。
この程度で諦める程、ヤワではない。
「
俺は白い水蒸気を生み出し、煙幕のようにばらまくと、分身四体を生み出してからゼストさんへと突貫させる。
以前ゼストさんと戦った際に幻影は見破られているため、フェイクシルエットは使えない。
この人は気配だけで相手の位置を探るのだ。
俺はさらに
今は少しでもゼストさんを消耗させたい。
その間、本体の俺はミラージュハイドで姿を隠し隙を伺う。
ゼストさんは槍を振るい、氷の人形達を倒していくが人形達はすぐに再生し攻めていく。
分身達も攻撃の隙間を縫いながら攻めていく。
一体目が射撃魔法で牽制しつつ、ニ体目が砲撃魔法でさらに動きを止め、三体目が捕縛魔法を使用して四肢を拘束しようとし、四体目が近接攻撃を繰り出す。
ゼストさんも槍を振るいながら対処していくが、こちらもそれなりに経験してきている。
そう簡単に何度も対処されてたまるか。
「……成長したな。以前戦ったときより戦術の幅が大きく広がっている」
ゼストさんが呟く。
「魔法の種類も増えたことで、より安定して戦えているのがよく分かる」
こちらの動きを分析しているらしい。
「身のこなしも中々のモノだ。ひたすら相手の嫌な所をついてくる」
褒められて悪い気はしない。
「先程から……無性に戦いづらくて仕方がない」
これは褒められているのだろうか?
「何より、俺との実力差を知ってなお諦めぬその姿勢……実に見事だ」
疑ってすいません。
「
そのとき、ゼストさんの纏う空気が変わる。
「今から俺の本気を見せてやろう」
するとゼストさんは、槍を勢いよく地面に突き刺す。
「ぬんっっっっっ!!!!!!」
その瞬間、なんと地面から激しい魔力の柱が幾つも噴き出してきた。
予想外な攻撃を浴びて、氷の人形達は一気に全滅する。
分身達はなんとかかわしていたが……
「隙ありだ」
「「「「なっ!?」」」」
硬直後の僅かな隙を狙われて、高速で切り裂かれてしまった。
まさかゼストさんがあんな隠し技を持っていたとは思わなかった。
恐らく多対一で戦うときのための大技なのだろう。
しかし……
(隙あり!!)
隙ができたのはゼストさんも同じ。
俺は
ゼストさんまでの最短距離を一気に詰める。
午前中に風鳴司令と地獄の模擬戦を繰り返したことで、できるようになったあの技を繰り出す!!
「
「っ!?」
劣化版ソーラーアクセルが、ゼストさんに炸裂した。
まだまだ未完成ではあるが、一応形にはなったモノだ。
爆発が収まると、煙が晴れる。
そこには……
「まさか折られるとはな……」
咄嗟に槍で防御したのだろう。
だがその衝撃までは逃しきれず、槍が折れてしまったのだ。
その証拠にゼストさんのバリアジャケットは所々焦げており、地面は陥没していた。
「強くなったな、ヒエン」
ゼストさんのその一言が妙に嬉しかった。
次回は軽く特訓回?をダイジェストでお送りしつつ、いよいよ準決勝ですはい。
では、また( `・∀・´)ノ