大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百五十話 隔絶された実力差

俺は額の炎の質を柔から剛へ変えると、さっそく右手を向けて直射砲撃ストレートバーナーを放つ。

 

ゼストさんほどの強者に小技や様子見は無意味。

 

ならばひたすら攻撃あるのみ。

 

 

「ふっ!」

 

 

ゼストさんは槍で砲撃を切り裂くが、俺は今度は左手からストレートバーナーを放つ。

 

いくらゼストさんといえども、攻撃を防いだ直後は動きは止まるはず。

 

 

「食らわん」

 

 

()()()()()()、身体を捻り砲撃をかわした。

 

俺は僅かなその隙をついて、背後からバーニングアクセルを叩き込む。

 

 

「ぬぅ!?」

 

 

ゼストさんに見事攻撃をヒットさせることに成功するが、硬い鋼鉄を殴ったかのような衝撃が俺の右手に伝わる。

 

 

(硬すぎだろ!?)

 

 

「やるな。ならば今度は……こちらからゆくぞ」

 

 

するとゼストさんの両足に山吹色の魔力が集中する。

 

直後、()()()()()()姿()()()()()()()

 

 

「なっ!?」

 

 

(動きの挙動が全く見えなかった!?)

 

 

そのとき、真後ろから槍で刺される未来(ビジョン)が見えた。

 

俺は咄嗟に身体を捻り、槍をギリギリかわす。

 

先程ゼストさんが使った魔法は、一回戦で戦ったカイト君と同じ瞬動術だ。

 

しかしその魔力練度はゼストさんの方が圧倒的に上であった。

 

 

(早すぎる!?)

 

 

今度は前に現れ、連続突きが放たれる。

 

俺は両手にラウンドディフェンダーを展開させて、槍を必死にガードしていく。

 

それから連続で放たれる斬撃の嵐を、死にものぐるいで防いでいた。

 

するとゼストさんが話しかけてきた。

 

 

「忠告だ。全魔力を防御に回した方がいいぞ」

 

 

そのとき、全身に悪寒が走る。

 

見ればゼストさんの身体が山吹色に淡く光っていた。

 

俺は忠告通り、全魔力をバリアジャケットへと回し、クロスガードの構えを取った。

 

そして……

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

「がはぁ!?」

 

 

俺はあまりの威力に意識を失いかける……が、気合いと根性でどうにか耐える。

 

そしてすぐに態勢を立て直すと、空中へと避難する。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

(な、なんてパワーだ……。一回食らっただけで体力を随分と持っていかれた……)

 

 

はっきり言って強すぎる。

 

ザフィーラ以上の防御力に、シグナム以上のスピード、シャマル以上の魔力練度に、ヴィータ以上の攻撃力。

 

今のこの時点で、ゼストさんはヴォルケンリッターの強さを完全に凌駕していた。

 

ベルカの騎士としてはあまりにも完成されすぎている。

 

体感的な強さで言えば、闇の書事件時のリインフォースと良い勝負しているのではないだろうか。

 

正直、今のゼストさんを前にすると、いかなインターミドル出場選手といえど目ではない。

 

あの都市本戦常連組ですら、霞んで見える程だ。

 

それほどまでに()()()()()()()()が、俺とゼストさんの間にはあった。

 

 

(強いとは思っていたが、まさかここまでとは……)

 

 

ゼストさんの強さはStrikerS本編でも言及されていたが、いざ戦ってみると人間離れしすぎている。

 

だが俺とて、今までかなりの修羅場をくぐり抜けてきたのだ。

 

この程度で諦める程、ヤワではない。

 

 

白煙(ホワイトスモーク)!」

 

 

俺は白い水蒸気を生み出し、煙幕のようにばらまくと、分身四体を生み出してからゼストさんへと突貫させる。

 

以前ゼストさんと戦った際に幻影は見破られているため、フェイクシルエットは使えない。

 

この人は気配だけで相手の位置を探るのだ。

 

俺はさらに吹雪の人形(ブリザードロイド)を十体展開させる。

 

今は少しでもゼストさんを消耗させたい。

 

その間、本体の俺はミラージュハイドで姿を隠し隙を伺う。

 

ゼストさんは槍を振るい、氷の人形達を倒していくが人形達はすぐに再生し攻めていく。

 

分身達も攻撃の隙間を縫いながら攻めていく。

 

一体目が射撃魔法で牽制しつつ、ニ体目が砲撃魔法でさらに動きを止め、三体目が捕縛魔法を使用して四肢を拘束しようとし、四体目が近接攻撃を繰り出す。

 

ゼストさんも槍を振るいながら対処していくが、こちらもそれなりに経験してきている。

 

そう簡単に何度も対処されてたまるか。

 

 

「……成長したな。以前戦ったときより戦術の幅が大きく広がっている」

 

 

ゼストさんが呟く。

 

 

「魔法の種類も増えたことで、より安定して戦えているのがよく分かる」

 

 

こちらの動きを分析しているらしい。

 

 

「身のこなしも中々のモノだ。ひたすら相手の嫌な所をついてくる」

 

 

褒められて悪い気はしない。

 

 

「先程から……無性に戦いづらくて仕方がない」

 

 

これは褒められているのだろうか?

 

 

「何より、俺との実力差を知ってなお諦めぬその姿勢……実に見事だ」

 

 

疑ってすいません。

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

そのとき、ゼストさんの纏う空気が変わる。

 

 

 

 

 

 

「今から俺の本気を見せてやろう」

 

 

 

 

 

 

するとゼストさんは、槍を勢いよく地面に突き刺す。

 

 

「ぬんっっっっっ!!!!!!」

 

 

その瞬間、なんと地面から激しい魔力の柱が幾つも噴き出してきた。

 

予想外な攻撃を浴びて、氷の人形達は一気に全滅する。

 

分身達はなんとかかわしていたが……

 

 

「隙ありだ」

 

 

「「「「なっ!?」」」」

 

 

硬直後の僅かな隙を狙われて、高速で切り裂かれてしまった。

 

まさかゼストさんがあんな隠し技を持っていたとは思わなかった。

 

恐らく多対一で戦うときのための大技なのだろう。

 

しかし……

 

 

(隙あり!!)

 

 

隙ができたのはゼストさんも同じ。

 

俺は()()()()高速で攻める。

 

ゼストさんまでの最短距離を一気に詰める。

 

午前中に風鳴司令と地獄の模擬戦を繰り返したことで、できるようになったあの技を繰り出す!!

 

 

劣化(ディテリオレイト)太陽の加速(ソーラーアクセル)!!」

 

 

「っ!?」

 

 

劣化版ソーラーアクセルが、ゼストさんに炸裂した。

 

まだまだ未完成ではあるが、一応形にはなったモノだ。

 

爆発が収まると、煙が晴れる。

 

そこには……

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()

 

 

 

 

 

 

「まさか折られるとはな……」

 

 

咄嗟に槍で防御したのだろう。

 

だがその衝撃までは逃しきれず、槍が折れてしまったのだ。

 

その証拠にゼストさんのバリアジャケットは所々焦げており、地面は陥没していた。

 

 

「強くなったな、ヒエン」

 

 

ゼストさんのその一言が妙に嬉しかった。




次回は軽く特訓回?をダイジェストでお送りしつつ、いよいよ準決勝ですはい。

では、また( `・∀・´)ノ

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