続き書けたで候。
今回はちょっとゼスト戦。
では、どうぞ( ゚д゚ )クワッ!!
目の前にゼストさんが現れた。
某ポケットのモンスターゲームのような言い方になってしまったが、それも仕方のないことと言える。
こうしてゼストさんと会うのも、(こちらの世界の時間軸で言えば)約半年ぶりとなるからだ。
俺は頭を下げる。
「お久しぶりです」
「うむ。久しぶりだな。それにしても……少し見ない間に随分と腕を上げたようだな」
「……やっぱり分かりますか?」
「ああ、俺とて武人の端くれ。だいたいの実力は見れば分かる」
この人も相対するだけで、相手の実力をある程度推し量ることが出来るらしい。
風鳴司令然り、ゼストさん然り、美沙斗さん然り。
見事に人間離れした人達しかいない。
「ご無沙汰しております、ゼスト氏」
「リニス君も久しいな。話はクイントやメガーヌから聞いている。今日はよろしく頼む」
「こちらこそ、今日はよろしくお願いします」
そしてリニスが提案する。
「ゼスト氏、よろしければ一緒に昼食はいかがですか?」
「すまない。もう食べてきてしまってな」
「おやっ?そうだったのですか?」
「ああ、この後のヒエンとのトレーニングのために、少し身体を動かしておきたくてな。だから先に挨拶に伺わせてもらった」
そしてゼストさんは踵を返す。
「では、用は済んだので俺はもう行く。君達はお昼を食べた後にでもゆっくり来るといい。あとは……そうだな。来る前に連絡をくれるとありがたい」
「分かりました」
「では、また後で」
俺達はゼストさんと一端別れると、再度バイキングコーナーへと向かうことに。
そしてバイキングコーナーの扉の前にたどり着くと、中が騒がしいことに気付く。
俺は首を傾げる。
「なんか賑やかだな」
「響さん達ではないですか?」
俺達はソッと中を伺うように扉を開ける。
すると中では……
「私は立花響ッ!17才ッ!誕生日は九月十三日で、血液型はO型ッ!身長は157cmで体重は秘密!趣味は人助けで好きなものはごはん&ごはんッ!あとは彼氏いない歴は年齢と同じッッ!!皆よろしくね!!!!」
響が大きな声で自己紹介していた。
響のあまりの勢いに皆が圧倒されているようだった。
そこへ彼女にいつも通りツッコミを入れる猛者が一人。
「毎度の如く言ってるが……誰もそこまで聞いてねぇ!!」
スパァン!!
「ふぎゃん!」
ハリセンを持ったクリスが響にツッコんでいた。
すると側にいた翼が咳払いをしながら自己紹介していく。
「コホン……えーっ、そこの立花に関しては気にしないでもらえると助かる。それより自己紹介の続きをしようか。私の名は風鳴翼という。ついさっき、こちらの世界に来たばかりで右も左も分からない若輩者だが、皆と仲良く出来ればと思う。よろしく頼む」
そして翼はクリスに視線を向ける。
「雪音」
「私か?あ、あー……雪音クリス。高校三年生だ。どうぞよろしく……」
クリスはハリセンを肩にかけつつ、自己紹介する。
続けてマリア、調、切歌が自己紹介していく。
「マリア・カデンツァヴナ・イヴよ。気軽にマリアと呼んで」
「月読調。よろしく」
「暁切歌デース!皆さんよろしくデース!!」
最後に未来さんだ。
「え、えっと……こ、小日向未来です。そこでノビてる響のルームメイトです。よ、よろしくお願いします」
するとチームヒエンの皆が大きな声で言った。
「「「「「よろしくお願いしま〜す!!」」」」」
シンフォギア組が馴染めるか少し心配していたが、杞憂だったらしい。
まあ、元々ここにいる面子はお人好しな子ばかりだし問題ないだろう。
そうと決まれば俺達もさっさと中へ入ろう。
あ、でも皆に響達のことちゃんと説明しないとダメだよな。
うむむむ…………とりあえず昼飯食ってから考えよう、そうしよう。
◆◆◆
俺は端の方で昼ごはんを食べながら、周囲の様子を伺う。
主にプリキュアのピンク組が積極的にシンフォギア組に話しかけていた。
他にも既に交流のあったなのは達を中心に響達のことを説明しているようだ。
しかしそれにしても……
「女子比率がヤバイ」
約40人近くの女子がいるのである。
ぶっちゃけ、馴染めん(切実。
するとオボンを持った未来さんが俺の側へとやってきた。
「隣いいですか?」
「あ、うん」
そして俺の隣に座った。
どうしたん?
「……かわいい子たくさんいますね」
おおっと?
いきなりジャブを打ってきたぞ?
「えーっと、その……うん」
正直返答に困る。
どう答えろと?
「まあ、いいです」
未来さんはジト目を向けつつ、綺麗に包装されたカップケーキを渡してきた。
「これ、良かったら食べて下さい」
え?
これってもしかして……
「手作り?」
「はい。久しぶりに作ったんですけど、ちゃんと出来て良かったです。味は保証します」
「おぉ〜」
女の子からの手作りお菓子である。
これでテンションが上がらない訳がない。
「ありがとう。後でデザートに食べさせてもらうよ」
「はい」
「お礼ってわけじゃないけど、今度ミッドチルダ案内するよ。結構面白いところ多いんだぞ」
「それじゃあ、その……ぜひお願いします」
「おう。穴場とか教えてあげよう」
そして二人で話していると、どこからか視線を感じたので何気なく見てみると、こちらを興味深そうに見ている幾人もの女子達がいた。
俺は視線に気付かないフリをしながら未来さんとそのまま話す。
反応したら面倒くさいことになるのは目に見えているのでスルーだ。
だからこっちをニヤニヤしながら見るんじゃない!!
あと一部の女子達もハイライト消えた目で見るんじゃない。
怖いから、滅茶苦茶怖いから。
◆◆◆
昼ごはんを食べ終わった後、ゼストさんとの模擬戦のためにトレーニング施設へと向かう。
ここは特殊な結界魔法で構築されており、そのため模擬戦などを行っても壊れないように強固な造りとなっている。
そしてジャージに着替えた俺は、ある広い部屋へと入る。
その部屋の中央では槍を構えて立っている一人の大柄の男性がいた。
言わずもがなゼストさんである。
ちなみに他の者達も部屋の端っこで見学に徹している。
ゼストさんの覇気に驚く者もいるようで、顔を強張らせる者達が続出した。
俺はバリアジャケットに換装すると同時に死ぬ気モードとなる。
ゼストさんも茶色いコートを纏い、鋼色の手甲と脚甲を装備した。
俺達は向かい合う。
「お前とこうして戦うのは嘱託魔導師の認定試験以来だな、ヒエン」
「そうですね。約一年ぶりです」
「どれだけ強くなったか確かめさせてもらうぞ」
「はい。俺も胸を借りるつもりで挑みます」
そして俺とゼストさん共に構える。
「準備はいいか?」
「はい」
「では……ゆくぞ」
「っ!?」
瞬間、強烈な闘気がゼストさんから放たれる。
目の前には猛スピードで槍を突き刺すゼストさんの姿が。
俺は咄嗟に槍を体捌きでかわしながら、ギリギリ受け流していく。
あのときはかわすのに精一杯であったが、今は少し余裕を持って対応できた。
連続で放たれる前に、前へと詰める。
槍はリーチが長いが、一度放つと引く必要がある。
俺はそれに合わせてカウンター攻撃を放つが、手甲でガードされてしまった、
さすがは地上のエース。
そう簡単には攻撃を通らせてくれない。
「ほう」
ゼストさんは感心するような声をあげると、一度後ろへ下がる。
そして話しかけてきた。
「想像以上だ。相当に訓練を積んだようだな」
「ありがとうございます」
あのゼスト・グランガイツからお褒めの言葉をいただけるとは光栄だ。
「ならばここからは、
だからこそ……ここからはさらに気合を入れなくてはならない。
あと一応、聞いておきたい。
「あの、参考までに聞きたいんですけど、認定試験の時はどれくらいの力で戦ってたんですか?」
「五割程だ」
うそん……
あれで半分しか実力を出していなかったと?
「……ちなみに今日の模擬戦ではどれくらいの実力でやる予定なんでしょう?」
「安心しろ。八割程度に抑える」
全く持って安心できないんですが。
それにこの人、切り札にフルドライブがある。
恐らくだがその強化具合は、俺のオーバードライブにも匹敵、いや下手をすれば凌駕するかもしれない。
そう考えると勝てるビジョンが全く見えないんですが……。
そしてゼストさんは槍を構えて言った。
「俺に本気を出させてみろ、ヒエン」
俺とゼストさんとの模擬戦が本格的に始まった。
次回はゼストさん、はっちゃけます。
では、また( `・∀・´)ノ