大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

ここで改めて謝罪を。

前回はあのような前書きを書いて申し訳ありませんでした。

しかし予想外だったのは、思った以上に肯定的な意見が多かったことです。

正直、低評価爆撃や罵詈雑言の嵐が来ると思って身構えていたのですが……ある意味で驚かされました。

そして今更ではありますが、またこの作品の投稿を本格的に開始していきたいと思います。

皆様、改めてどうぞよろしくお願い致しますm(_ _;)m

それでは、本編にいきたいと思います。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百四十ハ話 ようこそミッドチルダへ

第三者side

 

 

 

イリヤ達は少年と弦十郎の模擬戦をトレーニングルームに隣接されている見学スペースで見る事となった。

 

イリヤは街中が再現されるところを見てテンションを上げる。

 

 

「すご〜い!街が出てきたよルビー!!」

 

 

《興味深い技術ですね〜》

 

 

美遊とサファイアも驚く。

 

 

「これは……」

 

 

《まるで魔法ですね……》

 

 

気になったクロが友里へと尋ねた。

 

 

「これって一体なんなの?」

 

 

「これは錬金術で開発されたプログラムを基に、街中をシミュレーターで再現しているの」

 

 

「と、とんでもないわね……」

 

 

友里の答えにクロは純粋に驚いていた。

 

すると、いよいよ少年と弦十郎の模擬戦が始まろうとしていた。

 

 

「オオゾラが一体どこまで司令に食い下がれるか見物だな」

 

 

「三分持てば良い方じゃねえか?」

 

 

翼とクリスが発言する。

 

二人の言葉が気になったイリヤは質問した。

 

 

「あの、司令さんってそんなに強いんですか?」

 

 

「強いなんてものじゃないわ。私達とは、そもそも強さの次元が違うと言った方がいいかしら……」

 

 

「師匠は超人だからね!!」

 

 

イリヤの質問にマリアと響が答えた。

 

 

「超人……」

 

 

イリヤは呟きながら前を見る。

 

両者は十メートルの距離を空けて向かい合っていた。

 

 

「お二人とも準備はよろしいですか?」

 

 

友里の確認に少年と弦十郎は頷く。

 

 

「それでは模擬戦……スタートです」

 

 

そしてついに模擬戦が始まった。

 

先手として少年が砲撃を撃ち込むが、弦十郎は真っ正面からそれを殴り飛ばし、砲撃を打ち消してしまった。

 

 

「「ウソぉ!?」」

 

 

「ありえない……」

 

 

それを見たイリヤとクロは声をあげる。

 

美遊も唖然としていた。

 

周囲の者達は三人の様子を、苦笑いしながら見ていた。

 

少年は続けて攻める。

 

砲撃を目隠しに弦十郎の後方へと回り込み、剛炎の拳で後頭部を殴りつける。

 

しかし弦十郎はそれを片手で防ぐと、カウンターのパンチを繰り出すが、少年には当たらない。

 

続けて弦十郎は右手を手刀の形へと変えると、勢いよく振り降ろす。

 

すると鋭い斬撃の一閃が、少年へと繰り出された。

 

少年は咄嗟にシールドを展開し、斬撃を受け流すと反撃の砲撃を繰り出し、グミ撃ちの要領で次々と連射する。

 

それを見た弦十郎も負けじと連続パンチで全て相殺する。

 

そして隙を見つけて跳躍すると、一気に少年のいる空中へと迫る。

 

弦十郎は一撃必殺の(手加減はしている)パンチを続けて放つ。

 

対して少年もギリギリそれらをかわしていく。

 

 

「オヨ〜!さすがお兄さんです!!」

 

 

「うん。司令の攻撃を全部かわしてる」

 

 

キリシラの二人もテンション高めに応援する。

 

しかしさすがの少年も反撃に移る余裕はないらしく、苦悶の表情を浮かべていた。

 

すると少年は態勢を立て直すために、グローブをブースターに弦十郎から高速で離れるが、弦十郎は高速跳躍で少年の後を追随し始めた。

 

両者がトレーニングルームを高速で()んでいく。

 

それを見ていたイリヤ達は、遠い目をしながら呟いた。

 

 

「ねぇルビー、人間ってその気になれば……生身で空飛べるんだね……」

 

 

《いやいやいや!あれは飛んでるというより、もはや跳んでますよ!》

 

 

「サファイア、風鳴司令は私と同じように空中跳躍をしているの?」

 

 

《いえ、ミユ様の空中跳躍は魔力を足元に纏わせて行なうものに対して、風鳴司令は空中を瞬時に何度も蹴ることで宙に浮いていると思われます》

 

 

「つまり……風鳴司令は自分の身体能力だけで、完全に空を跳んでるってこと?」

 

 

《そうなりますね》

 

 

「バゼットを超える身体能力の持ち主が存在するとは思わなかったわ……」

 

 

イリヤ達は風鳴弦十郎という、とんでもないOTONAの存在を知り、固まっていた。

 

その間も模擬戦は続く。

 

少年は幻影を出すことで流れを変えようとするが、弦十郎には通じず、地面へと蹴り飛ばされてしまう。

 

しかし少年はしっかりと受け身を取ると、四分身を展開させ、攻撃を指示する。

 

四分身は果敢に弦十郎へと攻めていく。

 

これには、さすがの弦十郎も足を止めざるを得ず、対応するしかなかった。

 

その間に本体の少年は、バインドで弦十郎の動きを止めると、その隙を活かして四分身にバーニングアクセルの同時攻撃を仕掛けさせる。

 

だが超人に常識は通用しなかった。

 

なんと弦十郎が声を上げると、当たる直前に四つのバーニングアクセルが掻き消されてしまったのだから。

 

弦十郎曰く、「攻撃の衝撃は、発勁でかき消したっ!」とのこと。

 

不可思議な現象にさらにイリヤ達の目が遠くなるが、弦十郎はそのまま全身から衝撃波を放ち、四分身を消滅させる。

 

恐らくは先程の発勁の応用であろう。

 

しかし、その攻撃直後の硬直を狙って少年が弦十郎の懐へと潜り込んでいた。

 

そして少年は必殺技であるソーラーアクセルを叩き込むことに成功する。

 

これにはシンフォギア装者達も驚く。

 

 

「あ、あの師匠に一撃入れちゃった……」

 

 

「強くなってはいると思っていたが、まさかここまでとは……」

 

 

「な、なかなかやるじゃねえか……」

 

 

「ヒエンも段々、人外染みてきたわね……」

 

 

「というか、あの司令相手に粘ってる時点で凄いデスよ……」

 

 

「誰にでも出来ることじゃない」

 

 

リニスはというと、何やら考えこんでいた。

 

 

(……あの司令相手にオーバードライブを使わずに一撃入れるとは……私の想定以上に強くなっているようですね。この様子であれば、次の相手であるグランガイツ卿とも上手く戦えるでしょう。……ただ、こちらの世界に連れてくるとなると、色々とややこしくなってしまうので、司令にミッドチルダに来てもらう形にしましょう)

 

 

ゼストをシンフォギア世界に連れてくることも考えたリニスであったが、それをすると異世界転移や並行世界のことも話さなければならなくなるため、ややこしくなるのは目に見えているので即座に脳内で却下する。

 

 

「…………」

 

 

そして未来はというと、ボーッと少年の戦う姿を見つめていた。

 

未来の様子に気付いた響が声をかける。

 

 

「どうしたの未来?なんだかボーッとしてるみたいだけど……」

 

 

未来は笑顔で答える。

 

 

「ううん、なんでもないよ。ヒエンさん、元気そうで良かったなあ……って思っただけ」

 

 

「そっか」

 

 

未来の様子に少し違和感を覚えた響であったが、特に変わった様子も見られないため、気にしないことにした。

 

すると、模擬戦を終えた二人がまた戦い始めたことに気付く。

 

 

「あれ……また戦うんだ?」

 

 

響の疑問にリニスが答えた。

 

 

「なんせ、時間があまりありませんからね。少々強引ではありますが、オボン・クレー選手対策にあの子には体力の続く限り、司令とひたすら模擬戦をしてもらいます。司令も喜々として許可してくれたので問題ありません」

 

 

そのとき、一同は思った。

 

 

(((((ス、スパルタ過ぎる……)))))

 

 

淡々と語るリニスに、一同が戦慄した瞬間であった。

 

数時間後、トレーニングルームではうつ伏せに倒れる少年の姿があったそうな。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「死ぬ……マジ死ぬ……」

 

 

「人間そう簡単に死にませんから、安心しなさい」

 

 

俺は司令との『地獄のひたすら模擬戦』を終えると、シャワーを軽く浴びてから、メディカルルームにて、リニスのマッサージを受けていた。

 

俺が使わせてもらったシャワールームは主にエージェント達が使用しているところであり、基本的には男性陣しか使用していない。

 

女性陣は別の場所にあるシャワールームを使うので問題ないらしい。

 

ちなみに『どこからでもドア』が展開されたままのシャワールームは、誰も入らないように現在厳重に閉鎖されている。

 

 

「貴方にはこの後、私達の世界に戻ってそのままゼスト氏、グランガイツ卿と模擬戦をしてもらいます」

 

 

「いやまあ、うん。今更あーだこーだ言わないけどさ、よくゼストさんOKしてくれたな?」

 

 

首都防衛隊の隊長ともなれば忙しいだろうに。

 

それにリリなのの原作知識じゃ、確か今の時期は戦闘機人について調べていたはず。

 

 

「メガーヌさんや、クイントさんに連絡を取ったところ、グランガイツ卿はここのところ全く休みを取っていなかったらしく、良い機会だということで強引に有給休暇を取らせたようです」

 

 

「あー、絶対真面目そうだもんな、あの人……」

 

 

「なので基本的に暇だったらしく、事情を説明したら喜々として引き受けて下さいました」

 

 

「もう既に逃げ出したいんだが……」

 

 

「何を言いますか。司令やグランガイツ卿の腕前の人物にこうして直接鍛えてもらえる機会があるだけでも大変ラッキーだというのに……貴方は一体、自分がどれだけ恵まれた環境にいると思っているんですか?」

 

 

「いや、そうなんだけどさ……」

 

 

まあ、見様によっては俺は大変ラッキーな部類に入るのだろうが……実際受けている立場としては、どこか納得がいかないというか、腑に落ちないというか、微妙な気分になる。

 

そのとき、メディカルルームの扉が開いた。

 

 

「し、失礼します」

 

 

そこには見覚えのある白衣を着た金髪幼女錬金術師、エルフナインの姿があった。

 

 

「あ、エルフナイン。久しぶり〜」

 

 

「お久しぶりです」

 

 

俺とリニスは手を上げて挨拶する。

 

するとエルフナインは笑顔で近寄ってきた。

 

 

「お二人とも、お久しぶりです!!」

 

 

トコトコと近寄ってくる様子は、実に和む。

 

そして気が付けば、俺はエルフナインの頭を撫でていた。

 

 

「ふわぁ……」

 

 

リアルナデポの力を思いしれぃ!!

 

調和の波動全開で、エルフナインをリラックスさせる。

 

最近は仕事続きだと司令達が言っていたし、明らかにワーカーホリックである。

 

この幼女錬金術師は、基本的に頑張り過ぎる。

 

なので司令達に頼んで呼び出してもらい、リニスのマッサージを受けさせようと思ったのだ。

 

ちなみに俺はもう既に受け終わっている。

 

 

「って、なんで僕の頭を撫でるんですかぁ!?」

 

 

エルフナインがハッと我に返り、俺の手を振り払う。

 

俺は事情を説明する。

 

 

「いや、能力を使って全力全開でただリラックスさせただけなんだが……って、それはいいんだ。聞けばエルフナイン、お前、ここのところずっと研究室に閉じこもってばかりいるらしいな?」

 

 

「え?は、はい。最近、脳領域の観測にハマっているんです!!」

 

 

「お、おう。その脳領域の観測とやらが何かはさっぱり分からないが……それは一旦、置いといてだ。さすがにずっと研究室に閉じこもってばかりいるのは、どう考えても身体に悪い。だからお前に来てもらったのは、凝り固まった身体をリニスにほぐしてもらおうと思ってな」

 

 

「マッサージです」

 

 

リニスが手をバキボキと鳴らしながら発言する。

 

するとエルフナインは事情を理解したのか、納得する。

 

 

「そ、そうだったんですね。わざわざ僕のためにすいません」

 

 

「そう思うなら、日々健康的な生活を心掛けんかい」

 

 

「あう」

 

 

俺はエルフナインの頭を軽くチョップしつつ、エルフナインがベッドに横になるのを確認すると、そのまま椅子に座りながら話しかける。

 

リニスはというと、エルフナインのマッサージを行っている。

 

 

「何か趣味とかはないのか?」

 

 

「え!?ええと……その、特には」

 

 

ん?

 

なんかエルフナインの様子が少しおかしくなったような……気のせいか?

 

 

「そうだな。なら未来さんや、調辺りに普段何して過ごしてるか聞いてみたらどうだ?」

 

 

「わ、分かりました。でも、なぜそのお二人を?」

 

 

「俺が思う常識人トップツーがその二人だからだ」

 

 

「常識人……ですか?」

 

 

「考えてもみろ、エルフナイン。響と切歌は基本的にちょっとアホの子だし、翼も少し世間ズレしている。クリスはツンデレでちょっと面倒くさいし、マリアは過保護でもっと面倒くさい。それに引き換え、未来さんと調は相手に合わせて話をしてくれる。この二人ならエルフナインの悩みもすぐに解決するだろうよ」

 

 

と、俺が思うシンフォギア装者達の印象をエルフナインに簡潔に述べてみる。

 

今は装者達がいないからこそ出せる話題である。

 

こんな話をしてるとバレたら、それこそ面倒である……特に翼とマリア。

 

そのとき、ズンッ!と俺の両肩を勢いよく掴む感触が伝わる。

 

その瞬間、俺は悟った。

 

あ、またやってしまった……と。

 

どうやら俺はお喋りに集中し過ぎると、周囲への警戒がおざなりになってしまう傾向にあるらしい。

 

その証拠に()()()()()()()に気付けなかった。

 

 

「ほほう。何やら興味深い話をしているようだなオオゾラ……で、誰が少し世間ズレしていると?」

 

 

「その話、私達も混ぜてもらえないかしら?いいわよねヒエン……で、誰が過保護でもっと面倒くさいのかしら?」

 

 

とりあえず、俺の両肩から人体が出してはいけない音が猛烈に出てるから、手始めにこの二人を宥めることから始めよう、そうしよう。

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

エルフナインの協力もあって、無事翼とマリアの二人をなんとか宥めることに成功した俺は現在、どこからでもドアの前にいた。

 

俺の後方ではリニスとイリヤ達の他に、響、翼、クリス、マリア、切歌、調、未来さんの七人がいる。

 

全員簡単な手荷物を持っている。

 

俺と司令が模擬戦をしている最中に荷物をまとめておいたらしい。

 

シンフォギア世界からは基本的にこの七人が来ることとなった。

 

SONGのことは大丈夫なのか心配になったが、どうやらどこからでもドアを展開させている影響か、通信機器が異世界越しにでも通じるらしく、何かあってもすぐに対応できるように二組編成(Aチーム:響、翼、クリス)(Bチーム:マリア、切歌、調)で分けて行動するらしい。

 

基本的には俺と行動する組と、ホテル待機組で分かれる。

 

それをローテーションで繰り返すのだ。

 

一応、念のために俺とリニスにもSONGから連絡はつくようにしている。

 

風鳴司令は長時間現場を離れる訳にはいかないので、俺との模擬戦は基本的には日帰りでのプランとなる。

 

そして準備が出来たので俺先導の元、どこからでもドアをくぐり、シンフォギア世界からリリなの世界へと戻ってきた。

 

シャワールームから宿泊している部屋へと出る。

 

時刻は昼前であり、俺達が異世界転移してから実に約二・三時間経過していた。

 

響と切歌はキョロキョロと周りを見回しながら、テンションを上げる。

 

 

「な、なんか高そうな部屋に来ちゃったよ!?」

 

 

「デデース!?」

 

 

マリアと翼は少し困惑しながら話す。

 

 

「なんだか異世界に来たって感じがしないわね……」

 

 

「まあ、扉をくぐってきただけだからな……」

 

 

調と未来さんは冷静だった。

 

 

「……一周回って冷静になってきました」

 

 

「その代わり、響達がテンション高いけどね……あははは」

 

 

するとリニスがさっそく話を切り出した。

 

 

「さて、改めまして皆さん。異世界ミッドチルダへようこそ。ここが私達が宿泊しているホテルになります。そうですね……まずは昼食を食べにいきましょうか。チームヒエンの皆もいるでしょうし、そこで皆さんの自己紹介もするとしましょう」

 

 

そしてリニスはイリヤ達に指示を出す。

 

 

「イリヤさん達、先に響さん達の案内をお願いできますか?」

 

 

「任せてください!」

 

 

「分かりました」

 

 

「了解〜」

 

 

イリヤ達は響達を連れていつも食事をしているバイキングコーナーへと向かっていった。

 

このバイキングコーナーは宿泊しているお客専用でそれぞれ個室が用意されている。

 

俺達はその中でも一際大きな部屋を貸し切っているため、よくミーティングなどでも利用しているのである。

 

そして俺達も少し遅れてバイキングコーナーへと向かうことに。

 

俺とリニスはゆっくり歩いていく。

 

すると、前の方から()()()()()()()()が歩いてきた。

 

 

「あ……」

 

 

俺が思わず声を出すと、()()()()も俺達の存在に気が付いた。

 

 

「む……」

 

 

ミッドチルダ最強の騎士……

 

 

 

ゼスト・グランガイツがそこにいた。




次回は響達の自己紹介とゼストさんと模擬戦。

では、また( `・∀・´)ノ

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