大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

今日からトロピカルージュプリキュアの映画しますね。

ハートキャッチプリキュアとコラボですって。

見に行かねば(迫真。

今回は、軽くシンフォギア組とのお話回です。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百四十六話 シンフォギア世界再び

第三者side

 

 

 

 

「という訳で、レッツゴー」

 

 

少年が異世界転移するため、リニスの内風呂のドアを『どこからでもドア』に変えると、意気揚々と入っていく。

 

それを後ろから見ていたイリヤは、すぐに止めにかかる。

 

 

「ちょ、ちょっとヒエンさん!どこに繋がってるかも分からないのに、そんないきなり行ったら危ないよ……って、いっちゃった……」

 

 

しかし止める間もなく、少年はさっさと行ってしまった。

 

 

「危機意識がなさすぎる……」

 

 

「大丈夫じゃな〜い?ヒエンには超直感があるし、危険がないか確認するために、率先して行ったんでしょ、きっと」

 

 

美遊はどこか呆れながら、クロはどこか楽観的に言う。

 

するとリニスが三人を急かす。

 

 

「ほら三人とも、ボーッとしてないで私達も行きますよ。私の経験上、もう事は起こってるでしょうから」

 

 

「リニスさん、それは一体どういう意味で?」

 

 

イリヤが質問すると、リニスは淡々と答えた。

 

 

「これまであの子が異世界転移して何も起こらなかったことなどありませんので」

 

 

「「「あぁー」」」

 

 

妙に納得してしまうプリヤ組であった。

 

 

「じゃあイリヤ先頭よろしく〜」

 

 

そして当然のようにクロに切り込み隊長させられるイリヤ。

 

 

「ちょ、ちょっと背中押さないでよクロ!」

 

 

遅れて扉に入ること十数秒、イリヤ達が扉の先で見た物は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボブカットの茶髪少女、立花響にボディブローをされている少年の姿であった。

 

 

「ヒエンさーん!?」

 

 

イリヤが堪らず声を上げる。

 

周りを見渡して見ればシャワーを浴びているであろう女性達がこちらを驚いた様子で見ていた。

 

 

「……な、なんかこの感じ、デジャブを感じる」

 

 

《デジャブもなにもこのシチュエーション、なのはさんのときと、全く同じなんですよイリヤさん》

 

 

「あぁ!そうだー!!なのはちゃんのときと丸っきりおんなじだー!!!!」

 

 

ルビーの指摘でデジャブの正体に気付くイリヤ。

 

 

《しかしヒエン様は、お風呂場に縁がありますね。何か理由があるのでしょうか?》

 

 

「多分、女難の相があるんだと思う。でなければこんなに続けて、お風呂場には出ない」

 

 

サファイアと美遊はというと、冷静に場を分析していた。

 

その状況にクロがツッコむ。

 

 

「いや貴女達、何冷静に分析してるのよ?あとイリヤにルビー、恥ずかしいから騒ぐのやめなさい。はぁ……この状況どうにかしてよ、リニス」

 

 

「……思った通り、事が既に起こっていましたか」

 

 

額に手をつきながら呆れるリニス。

 

そしてこの状況で、シンフォギア組で一番の年長者であるマリアが最初に再起動した。

 

 

「ちょ、ちょっとリニスさん!これは一体どういうことなのかしら!?なぜヒエンがいきなりシャワールームの壁から出てくるの!?そしてこの子達は何者!?」

 

 

「落ち着いて下さいマリアさん。事情を説明するのでまずは服を着てください。他の皆さんもです」

 

 

響達は渋々頷く。

 

 

「あとは……ヒエンを起こすだけですね。丁度良い。シャワーを使いますか」

 

 

リニスは少し弱めで冷水を出すと、少年の顔にソッと当てる。

 

 

「わっぷ」

 

 

少年は目を覚まし、勢いよく起き上がる。

 

 

「……響の胸ぇ!?」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「あ、あわわわわ……」

 

 

当の響はというと、顔を赤くし、胸を隠しながらリニスの陰に隠れる。

 

 

「久しぶりに会ったと思ったら、開口一番、一体何を口走りながら起きてんだお前はっ!?」

 

 

クリスがついツッコむ。

 

 

「え?クリス……って、おうふ……」

 

 

少年はというとキョロキョロと周りを見回し、ようやく現状を理解する。

 

女性陣全員から絶対零度の視線をいただいているということに。

 

 

「……とりあえず貴方は、皆さんが着替えるまで向こうを向いていなさい」

 

 

「イエス・マム!」

 

 

なんだかグダグダな再会であった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

久しぶりのシンフォギア世界で最初に俺を待っていたのは、響の強烈なボディブローだった。

 

一撃で意識を刈り取られたので、その威力はさすがの一言である。

 

響さんよ、お主、世界を狙えるぜ。

 

アニメ化するなら、タイトルは確実に『明日の響』か『響の一歩』であろう。

 

そして俺はというと、懐かしきSONGのメインルームの中央にて正座しながら事の様子を見守っていた。

 

 

「は、初めまして!イリヤスフィール・フォン・アインツベルンです!イリヤって呼んでください!!」

 

 

「ミユ・エーデルフェルトです」

 

 

「クロエ・フォン・アインツベルンよ。クロでいいわ」

 

 

今は軽くお互いの自己紹介タイムをしていた。

 

俺とリニスはシンフォギア組のことはもう知っているので、主にプリヤ組とシンフォギア組の自己紹介となっている。

 

しかしまさかイリヤ達と響達が邂逅する日が来ようとは、お兄さんビックリだよ。

 

 

「私は立花響!よろしくねイリヤちゃん!ミユちゃん!クロちゃん!」

 

 

「私は風鳴翼という。よろしく頼む」

 

 

「雪音クリスだ」

 

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴよ。よろしくね」

 

 

「暁切歌デース!切歌って呼んでほしいデス!!」

 

 

「月読調。仲良く出来たら嬉しい」

 

 

シンフォギア組の自己紹介が終わると、リニスが話を切り出した。

 

 

「改めて、皆さんお久しぶりです。風鳴司令もお久しぶりです」

 

 

「うむ。元気そうで良かったぞリニス君。それとヒエン君も」

 

 

「どうもです」

 

 

風鳴司令も元気そうで良かった。

 

緒川さんや、友里さん、藤尭さんも相変わらず元気そうだ。

 

エルフナインは研究室に籠もっているらしく、この場にはいない。

 

俺達がこの世界を去ってから、約二週間ばかり経っているようで、暗躍してきたパヴァリア光明結社も瓦解し、あとはその残党を捕らえるだけとなっているらしい。

 

 

「しかしそれはそうと、いきなり驚いたぞ。まさかシャワールームの壁から出てくるとは……」

 

 

「俺も予想外過ぎてびっくりです」

 

 

まさかシャワールームに出るとか誰も予想できないじゃない?

 

というか、女性陣からの視線の痛いこと痛いこと。

 

あの元気娘の響ですら、半眼で見てくるほどだ。

 

俺は響と目が合うと、先程のシャワールームでのことが鮮明に思い出される。

 

響のくっきりとした身体のラインに、程よい大きさの胸、柔らかそうなお尻に、鍛えられた太もも。

 

いかん、想像したら顔が熱くなってきた。

 

 

「って、ヒエン!貴方、鼻血出てるじゃない!!」

 

 

想像しすぎて鼻血出た。

 

マリアがポケットティッシュを持っていたのか、俺に渡してくる。

 

とりあえず、ティッシュを丸めて鼻につめる。

 

 

「お前は一体何を思い出してんだ!?」

 

 

クリスが顔を赤くさせながら、再度ツッコんでくる。

 

というか響だけじゃなく、全員の裸姿を鮮明に覚えている。

 

男子高校生のエロに対する記憶力なめんな。

 

たとえ一瞬だろうが、俺の脳裏には響達の姿がしっかりと焼き付けられている。

 

だが、この話はしない方が良さそうだ。

 

半殺しにされてもおかしくない。

 

だってシンフォギア装者全員、滅茶苦茶顔を真っ赤にさせてるんだもの。

 

めっさ気まずいでござる。

 

そのとき……

 

 

「こんにちは〜」

 

 

こ、この声は……

 

 

「あ、未来!」

 

 

俺がこの世界で最も恐れているあのお方が、おいでになられた。

 

響の嫁こと、小日向未来さんその人である。

 

というか、なぜこのタイミングでいらっしゃる!?

 

響の裸を見たなんて知られたら、ミックミクにされる!?

 

するとこちらの様子に気付くと、未来さんは驚きの声を上げる。

 

 

「え!?ヒエンさん!?」

 

 

「や、やあ、未来さん、久しぶり」

 

 

こちらの世界では約二週間ぶりだが、俺の体感時間ではだいたい約一ヶ月ぶりくらいである。

 

未来さんはキョロキョロと周りを見回すと、戸惑ったように声をあげる。

 

 

「この状況は一体……」

 

 

「あ、えっとね……」

 

 

しかしこの状況で俺が何かできる訳もなく、響が未来さんに耳打ちしながら説明する。

 

響は恥ずかしいのか、耳まで真っ赤である。

 

俺はというと、死刑囚のような気持ちで響が説明を終えるのを待っていた。

 

すると説明を聞いた未来さんが()()()こちらを向く。

 

 

「ヒエンさん……」

 

 

ひぃ!?

 

間違いない。

 

確実に怒っておられる。

 

だって魔王なのは、女王つぼみと同じく、黒いオーラが身体中から迸ってるんだもの。

 

名付けるなら破壊神ミクである。

 

やばい。

 

イメージピッタリすぎる。

 

 

「皆の裸を見たって……本当ですか?」

 

 

「ア、ハイ」

 

 

「うふふふふふ……そうなんですかぁ……」

 

 

未来さんがゆらりと俯きながら、こちらに徐々に近付いてくる。

 

その表情は見えない。

 

そして俺の側まで来ると、小声で耳打ちしてきた。

 

 

「あ・と・で……ゆっくりOHANASHI聞かせて下さいね?」

 

 

「イエス・マム」

 

 

恐怖で身体が硬直して全く動けませんでした(震え声。

 

後で聞いた話だが、他の皆も未来さんの迫力で一歩も動けなかったそうな。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

気を取り直して……

 

話の流れで俺達がこの世界を去ってからの話となった。

 

インターミドルの最終調整をしていたことから始まり、イリヤ達を助けにいったこと、現在のインターミドルの状況を話すこととなったのである。

 

俺?

 

俺は引き続き正座だよチクショウ。

 

 

「それで三人ともヒエン君の手伝いをするために……偉いねぇ」

 

 

響が感心するように声をかける。

 

 

「い、いえ!ヒエンさんには何度も助けられてるので、いい加減恩返ししなきゃって思ってて。それになんだかんだで楽しいですし」

 

 

イリヤが照れるように言う。

 

 

「色んな選手がいて、色んな魔法も見れて……興味深い物が多いです」

 

 

美遊も興味ありげに言う。

 

 

「インターミドルって見応えあって面白いわよ。ルビー、サファイア、大会の映像ここの人達にも見せてあげたら?」

 

 

クロがルビーとサファイアに提案すると、二機は素直に答えた。

 

 

《アイアイサー》

 

 

《映像展開します》

 

 

巨大モニターに俺の今までの試合映像が映される。

 

地区選考会からスーパーノービスまでの予選会に、エリートクラス一回戦のカイト・マーク選手、ニ回戦のテル・ボー選手、三回戦のアオ・セフィラ選手、四回戦のショウ・リード選手などの強敵達との戦いも勿論流れた。

 

響達も興味津々に見ている。

 

特に翼がアオ選手に興味を持ったのか、しきりに聞いてきた。

 

俺が終始ギリギリの戦いをしていたのがビックリしたらしい。

 

今思い返しても短距離転移(ショートジャンプ)は、本当に脅威だった。

 

アオ選手があの強さでナンバー2ということは、彼女より強いカナ・モルフォンはどのくらい強いのだろう?

 

セイバーの力を宿したイリヤと戦ってる映像は見たが、まだ全力ではなかったように思える。

 

これはもしかしたら、現在の俺の奥の手であるオーバードライブを使わなければならない場面が、いつか出てくるかもしれない。

 

だが正直に言えば、あまり披露したくはない。

 

インターミドルは世界中(正確には時空管理局の管理世界内に限られるが)で、放送されている。

 

俺は嘱託魔導師とはいえ、曲がりなりにも管理局員だ。

 

自らの手札をかざすのは、あまり得策とは思えない。

 

オーバードライブは、本当にもうどうしようもないくらい追い詰められたときに使用することにする。

 

すると話題はいつの間にか、俺の次の対戦相手となっていた。

 

 

「次は予選準決勝なのよね?対戦相手は誰なの??」

 

 

マリアが聞いてくるので、俺は答える。

 

 

「槍使いとしか聞いてないから、まだ詳しくは知らない」

 

 

「それ、大丈夫なの?」

 

 

マリアが心配そうにするが、リニスが答えた。

 

 

「相手の名前くらいなら、一応知ってますよ?」

 

 

俺は聞いてみる。

 

 

「なんて名前?」

 

 

「ニードル・デュプル。それが次の貴方の対戦相手の名前です」

 

 

ふむ。

 

知らんな。

 

全くもって聞いたことがない。

 

 

「私もまだ詳しくは知りませんが、ここまで勝ち上がってきたのです。それなりの相手と思った方が良いでしょう。それに問題はそれだけではありません。サファイア」

 

 

《存じております》

 

 

リニスの一声でサファイアが巨大モニターにある選手を映す。

 

 

「「「「「「「……オカマ??」」」」」」」

 

 

響達は目を点にさせる。

 

モニターにはボンちゃんが映っていた。

 

 

『オカマ……なめんじゃねえええ!!!!!!』

 

 

ボンちゃんの必殺技、白鳥アラベスクのシーンが流れる。

 

 

「この選手の名はオボン・クレー。オリジナル戦技、オカマ拳法の使い手で去年のインターミドル準優勝者であり、ヒエンの予選決勝の相手でもあります」

 

 

リニスの説明にシンフォギア組が驚く。

 

 

「準優勝者って、世界で二番目に強いってこと!?」

 

 

「ヒエンさん、そんな凄い人と戦うんだ……いや、容姿から見ても色々と凄いけど」

 

 

「映像からでも分かる。この者、相当強いぞ」

 

 

「つーか、またキャラの濃さそうな奴だな……」

 

 

「オカマって初めて見たわ……」

 

 

「し、調!あのオボン・クレーって人、なんか色々と凄いデス!!」

 

 

「うん。オカマ道……まさに背中で語ってる……」

 

 

順番に響、未来さん、翼、クリス、マリア、切歌、調が発言する。

 

やはり皆もボンちゃんのキャラに圧倒されているようだ。

 

と、ここでリニスが続けて発言する。

 

 

「風鳴司令、一つお願いがあります」

 

 

「む、何かね?」

 

 

「二日ほど、ヒエンの組手の相手をしてもらえませんか?」

 

 

は?

 

え?

 

ちょっと待って。

 

今この山猫、サラリと恐ろしい提案をしたんだけど。

 

 

「一応理由を聞いてもいいかな?」

 

 

「オボン・クレー選手の操るオカマ拳法は、変幻自在で多種多様な技があることが予想されます。司令は確か我流の拳法を習得していましたよね?」

 

 

「なるほど。この選手対策故の人選という訳か」

 

 

「はい。聞けば響さんは司令に弟子入りして、僅かな期間で強くなることに成功したとか」

 

 

リニスが響に視線を向けると、響は笑顔で答える。

 

 

「はい!師匠に師事したおかげで、戦いの基礎・基本を教わることができました!!」

 

 

響の言葉を聞いて、リニスは発言する。

 

 

「司令の実力を見込んで、頼んでいます。どうかこの子を鍛えてはもらえないでしょうか?」

 

 

「ふむ。君達には以前から、お世話になりっぱなしだからな。その借りが返せるのならば、俺でよければ喜んで力を貸そう」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

リニスは頭を下げる。

 

なんだかトントン拍子で話が進んでいく。

 

帰っていい?

 

 

「ヒエン君、頼まれたからにはビシバシ鍛えていくからな。覚悟しておくように」

 

 

「ア、ハイ」

 

 

そうだよね。

 

帰れないよね。

 

あぁ……今すぐ帰りたい。

 

 

「それとヒエン、言い忘れていましたが、貴方には風鳴司令の他に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がいます」

 

 

「は?もう一人??」

 

 

え?

 

OTONAだけで手一杯なのに?

 

さらにもう一人?

 

 

「貴方もよく知ってる人物ですよ。ミッドチルダで()()()()使()()と言えば、たった一人しかいないでしょう?()()()()()()()()()()ですよ」

 

 

おい……ミッドチルダにいる最強の槍使いって……もしかして……

 

 

「ゼストさん……か?」

 

 

「ご名答」

 

 

そしてリニスは言った。

 

 

「貴方にはこの二日間、風鳴司令とグランガイツ卿の二人とひたすら模擬戦をしてもらいます」

 

 

「……俺に死ねと?」

 

 

まさかの、リリなの世界最強の騎士と、シンフォギア世界最強のOTONAと二日間模擬戦をする予定が立てられたのであった。




次回はリリなの世界最強の騎士と、シンフォギア世界最強のOTONAが相対します。

では、また( `・∀・´)ノ

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