続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
無事予選四回戦を勝ち抜いた俺は、いよいよ五回戦、準決勝へと駒を進めた。
俺の次の相手は槍使いの選手らしい。
また詳細な情報はなのは達が集めて来てくれるが、問題は準決勝を勝ち抜いた後だ。
決勝の相手は確実にボンちゃんこと、オボン・クレーだ。
ボンちゃんはこの予選会の中で間違いなく一番の強敵になるだろう。
この二日間の休息期間中にどれだけ対策が打てるかが勝負の鍵となる。
そして現在俺はというと、ホテルに戻ってくつろいでいた。
いやほら、次の試合の対策しなきゃいけないって分かってるんだけどさ……試合直後ってことで燃え尽き症候群みたいになっちゃったのよね。
だから今日はもう休むことにしたのだ。
また明日から頑張る。
という訳でずっと寝ていたのだが……
「寝すぎた……」
時刻は既に夜の八時となっていた。
寝始めたのが夕方の四時頃だったので、実に四時間も寝ていたことになる。
それだけ疲れが溜まっていたのだろう。
「腹減ったな……」
お腹がグーッと鳴る。
夕食の時間はもう終わっている。
誰も起こしにこなかったのは、多分気を遣ってくれたのだろう。
「売店にでも行くか」
とりあえず何か適当にでも腹に入れておきたいと思い、部屋を出ようとしたタイミングで入り口のドアが開いた。
「あら?起きてたのね」
料理を持ったゆりがやってきた。
「他の皆は?」
「温泉に行ってるわ。各々、好きに過ごしてるみたい」
「ふーん」
「夕食まだでしょ?リニスさんが作ってくれたわ」
「悪いな」
そしてゆりが持ってきてくれた夕食をいただく。
冷麺のようだ。
「いただきます」
ズルズルズルッと食べていく。
腹が減っていたからか、物の数分で食べ終わった。
「ごちそうさま」
「少し休憩したら貴方もお風呂に入って、さっさと寝てしまいなさい」
「……全く眠くないんだが」
「今日は二試合もしたのよ?貴方の気付かない内に疲労が蓄積されてるに決まってるでしょ」
「言われてみればそうかも……」
「納得したのなら、さっさと入りにいってきなさい」
「へーい」
オカンのようなことを言って、去っていくゆり。
なんというか、結婚したら絶対教育ママになってそうなイメージがある。
将来、ゆりの夫になる人、ガンバレッ!!
と、ゆりに知られたら半殺しにされそうな事を考えつつ、俺は大人しく温泉に入りに行ったのだった。
◆◆◆
翌日、アンジェ先輩からの呼び掛けで目を覚ます。
『おはようございますヒエン。三・四回戦突破おめでとうございます。調子はどうですか?』
『おはようございます。調子はあまりよくありません。というわけで、おやすみなさい』
『何普通に二度寝しようとしているんですか!?早く起きなさい!もう朝の9時ですよ!!』
『だるい、きつい、しんどい、めんどくさい、動きたくない、ダラダラしたい』
『流れるように否定の言葉しか出てきませんね……。これはあれでしょうか。試合後の反動が今更になって来ているのでしょうか』
『やる気が全くもって出てこないです、はい』
『うーむ……これはリニスに報告して訓練の量を三倍程増やす方向で……』
『おはようございます!爽やかな朝で気持ちいいね!!』
冗談じゃない。
今より訓練量三倍だと?
これ以上訓練量増やしたら、時空管理局武装隊の訓練より厳しくなるじゃない。
『気持ちのいい掌返しありがとうございます。改めて三・四回戦突破おめでとうございます』
『……ありがとうございます』
けっ!
これで天使を名乗るとは片腹痛いわ。
『……訓練量五倍』
『いやほんと、アンジェ先輩のような良い先輩持てて、後輩としては本当幸せです!よっ!大天使!!スーパー天使!!!』
『最初からそう言えば良いのです。それはそうと、三回戦のアオ選手との試合は危なかったですね。四回戦はそうでもありませんでしたが……』
『それでええんかい。いやまあ、アオ選手は能力がシンプルかつ強力だったんでね……予選会の中では一番苦戦しました』
『まさに手に汗握る展開に、ほとんどの歴代プリキュア達がハラハラしながら見てましたよ』
『いや、仕事しろよ……』
『休憩中に見てたので問題ありません』
『さいですか。後から聞いた話じゃ、天瞳流道場のナンバー2らしいですよ?だとしたら、あの強さにも納得です』
『ということは……ナンバー1は、「
『みたいですよ』
『ほほう』
アンジェ先輩、めちゃくちゃ興味持っとる。
というか、歴代プリキュアの中には剣士とか絶対いるよね。
『あ、そうそう。伝え忘れてました。弦十郎から報告があったのですが、やっと響さん達が来れるようになったそうですよ』
『おお!やっとですか!!』
『はい。後始末がようやく終わったとのことです。それで時間があれば、すぐにでも迎えにいってほしいのですが……』
『あ、はい。分かりました。すぐ準備します。一時間後くらいでいいですかね?』
『そこはお任せします。それでは私はそろそろ仕事に戻りますので』
『了解です』
こうしてアンジェ先輩からの呼び掛けは終了する。
ってか思ったけどあの人、いつも仕事してない?
こっちの世界と、プリキュア界じゃ時間の流れが違うのだろうか?
と、そんなことより早く準備せねば。
俺はさっそく着換え、身なりを整える。
テーブルの上には朝食が既に用意されていたので、しっかりと食べてからリニス達の部屋へと向かう。
ノックしてから入ると、メガネをかけたリニスがいた。
何か書いてる様だが……
「おはよーっす」
「おはようございます。良く眠れましたか?」
「うん、バッチリ。あ、アンジェ先輩が響達がようやく来れるようになったから、準備が出来たら迎えに行ってほしいって、さっき言ってたんだけど……」
「ふむ。では、それに私も同行しましょう。久しぶりにSONGの皆さんにも挨拶しておきたいですし」
「了解。でもなんかしてたんじゃないの?」
テーブルの上を見れば、何やら書きかけの紙や、資料らしき物が置いてあった。
「大丈夫です。少々、行き詰まっていたので。また戻ってきたら再開します」
するとリニスはテーブルの上を片付けると、紙や書類を端に寄せた。
「そうか」
俺はそれに何も言わず納得する。
「誰か同行させますか?」
リニスからの質問に答えようとしたとき……
「話は聞かせてもらったわ!!」
クロが勢いよくドアを開け放った。
って、やめんか。
ドアが壊れたらどうする。
そしてクロの後に続くように、申し訳なさそうにイリヤと美遊も入ってくる。
「ヒエン、今からその響って人達、迎えにいくんでしょ?」
「あ、ああ。その前にどこから聞いてたんだ?」
「ヒエンが挨拶したとこからよ!」
「最初からじゃねえか。つまりあれか。俺についていきたいと」
「そうよ!」
クロが胸をはる。
とりあえずちょっとムカつくので、頭をチョップしておく。
「まあいいか。えーと、イリヤと美遊もついてくるってことでOK?」
「はい!クロが何か粗相しないか見張っとかないと!!」
「以下、同じ理由です」
「了解」
イリヤの言葉にクロが突っかかっていったが、いつもの光景なので放っておく。
「なのは達は……今はいいか」
どうせ戻ってきたときに紹介することになるだろうし。
それにあんまり大人数で押し寄せても迷惑になるしね。
とりあえずシンフォギア世界にいく面子は俺、リニス、イリヤ、クロ、美遊の五人でいいだろう。
「そういえば他の皆は?」
俺の質問に美遊が答える。
「部屋でゆっくりしてると思います。まだ10時前ですし」
「そっか」
まあ女の子って準備に時間がかかると言うしな。
「それじゃ、さっそく行こうか」
「え?もう行くの!?」
「うん。あ、何か準備とかいるか?」
俺の提案にイリヤが驚く。
「ううん!大丈夫!ちょっと驚いただけ!!」
イリヤがテヘヘッと、はにかむ。
可愛すぎて吐血しそうになった。
やはり可愛いは正義である(迫真。
「それでは気を取り直して……相棒先生、お願いします」
「ガァウ」
俺の頭の上に相棒が現れる。
「またオーロラ出すの?」
イリヤが首を傾げるが、今回はそうではない。
「いいや出さない。前にそれでエネルギー切れになったからな。だから今回は趣向を変えることにした」
そう。
オーロラという不安定な状態だからこそ、前回はエネルギーを過剰に消費し、戻れなくなったのだ。
ならば答えは簡単。
エネルギーを安定させれば、より安全に異世界転移できるという結論に俺と相棒は至ったのである。
一先ず俺は、リニスの部屋の内風呂のドアへと向かう。
そしてそのドアに手を当て、相棒へと合図を出す。
相棒が咆哮を上げた。
「ガァオオオオオオ!!!!!!」
相棒の四肢についてる虹色の腕輪が光り輝き、その力を発揮する。
するとドアが虹色に光り輝いていた。
そう!
これぞ!!
「ど〜こ〜か〜ら〜で〜も〜ド〜ア〜」(某猫型ロボット風
説明しよう!
これはリニスの内風呂のドアにプリズムフラワーの力を固定させることによって、安全に異世界転移することが可能になったのだ!!
つまりドアさえあれば、いつでも、どこでも、異世界転移できるようになったのだ!!!
決して……
どこぞのピンク色のドアのパクリではないっ!!!!
と、説明すると……
「「「え、ええぇぇぇぇ!?」」」
案の定、驚かれた。
「またとんでもないことを軽いノリでやらかすとは……」
リニスからは、ため息つかれた。
《さすがヒエンさん、相変わらずやらかしますねぇ》
《第二魔法の類いをこんな軽いノリで行使する人を見たことがありません》
愉快型魔術礼装姉妹も唖然としていた。
うん。
まあ、自分でもやらかした感はあるとおもいます。
しかし気にしたら負けやと思うねん。
「という訳で、レッツゴー」
早速とばかりに俺はドアを開けて入っていく。
そして俺が入った先には……
「へ?」
一糸纏わぬ姿の響がいた。
「ん?」
「なっ!?」
「ちょっ!?」
「デデース!?」
「え?」
それだけでなく翼、クリス、マリア、切歌、調の姿があった。
より詳細に言えば、シャワーを浴びているシンフォギア装者達の姿があった。
「……え?」
俺は思わず目を点にさせる。
そして俺の視界の先にいる響は最初はキョトンとしていたのだが、段々と状況を理解してきたのか顔を赤くさせる。
それに反して俺は冷や汗をダラダラと流す。
っていうか前にもこんなことあったような………
「きゃ……」
なんとか状況を打開したかったが、いかんせん時間が足りなさすぎた。
そして現実は非情であった。
「きゃああああああああ!!!!!!」
「キャー!?Σ(゜Д゜)」
俺が最後に見たのは泣きながらボディブローをしてくる響の姿であった。
久々のシンフォギア装者達の登場。
次回は久しぶりの挨拶。
では、また( `・∀・´)ノ