大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続きかけたで候。

今回はボンちゃんの試合です。

では、どうぞι(´Д`υ)アツィー


第三百四十ニ話 オボン・クレーの強さ

ヒエンside

 

 

 

俺達はボンちゃんが立ち去るのを見送る。

 

その後ろ姿は、さすがはオカマの中のオカマ。

 

誠に絵になっていた。

 

サムズアップしながら去っていくその姿に妖精達は度肝を抜かれたのか、目を必要以上に輝かせていた。

 

チームヒエンのメンバーの何人かもボンちゃんの迫力に圧倒されたのか「オカマって凄い……」と唖然としていた。

 

ボンちゃんの背中には『オカマ(ウェイ)』と書かれた白いマントが羽織られており、今は私服姿のようで、かなりラフな格好をしていた。

 

私服にマントは欠かさないらしい。

 

そして完全にボンちゃんの姿が見えなくなる。

 

キャンディーズの元へと戻ったのだろう。

 

と、ここで新しく応援に来たメンバー達から先程の俺とボンちゃんとのやり取りを根掘り葉掘り聞かれることとなった。

 

俺は先日のボンちゃんとのやり取りを素直に伝えたら……

 

 

「「「「「試合に負けたら……オカマにならなきゃいけなくなったあぁぁ!?」」」」」

 

 

案の定ツッコまれた。

 

俺は弁明する。

 

 

「いや、あのですね?ボンちゃんに『あちしと賭けをしてみない?』って言われたんで、面白そうだから承諾したら、その、後からそのことを言われて仕方がなかったといいますか……不可抗力といいますか……」

 

 

すると女性陣が反論する。

 

 

「そういうのはちゃんと確認してから承諾してください!」

 

 

ひかりが声を荒げ……

 

 

「そもそも安易に賭け事しちゃダメです!」

 

 

舞がプンプンと怒り……

 

 

「……ここで断ったら男のプライドがどうとか、考えてたんじゃないんですか?」

 

 

りんが呆れたように言い……

 

 

「あまり皆に心配かけちゃダメですよ?」

 

 

祈里(いのり)が諭す様に叱った。

 

 

「ハイ。マコトニモウシワケアリマセンデシタ」

 

 

この時点で俺の精神は既にボドボドであった。

 

すると何を思ったのか、なのはも加勢してきた。

 

 

「もっと言ってあげて下さい!普段からこういった物事に巻き込まれるというか!自分から突っ込んでいくというか!うううぅ……にゃあああああぁぁぁ!!!!」

 

 

「ちょっと待ってなのはさん!?イライラしすぎて野良猫みたいになってるから!?」

 

 

それを見たアリサも加勢する。

 

 

「もっと言ってやんなさいなのは!このアンポンタン、隙あらば色んなことやらかすんだから!!」

 

 

「アリサさんもちょっと待って!?それだと俺が普段から問題しか起こしてないように聞こえるんだけど!?」

 

 

「普段の自分の私生活を鑑みなさいよ!?」

 

 

二人の少女からもツッコミを受けることになる。

 

 

「……自業自得だよヒエンさん」

 

 

「これはフォローできない」

 

 

「墓穴を掘ったわねぇ」

 

 

そしてイリヤ達からも辛辣(しんらつ)な一言をもらう始末。

 

本格的に俺の精神がさらにボドボドになりかけたとき、救世主は現れる。

 

 

「皆、落ち着いて。とりあえず他のお客さんの迷惑になるから声のトーンを落とそうか……」

 

 

リインフォースであった。

 

しかしその顔は()()()()()であった。

 

その笑顔を見たとき、全員で勢いよく首をブンブンと縦に振っていた。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

『皆様大変長らくお待たせ致しました!予選2組エリートクラス4回戦、一組目の入場です!レッドコーナーからは、昨年は惜しくも世界代表決勝戦にてチャンピオンヴォーラスに破れ準優勝となってしまった我らがオカマの中のオカマ!得意の「オカマ拳法」で今年こそチャンピオンを目指します!「新人類(ニューカマー)」オボン·クレー選手!!』

 

 

「「「「「ボンちゃあぁん!!!!!!」」」」」

 

 

「「「「「シハアァァァン!!!!!!」」」」」

 

 

観客とキャンディーズが一斉に声を上げる。

 

 

「やってやるわよぉおおお!!」

 

 

歓声を受けたボンちゃんは気合いを入れる。

 

 

「いくわよイワさん!」

 

 

《やってやりなボン·ボーイ!》

 

 

「オカマアップ!」

 

 

ボンちゃんがバリアジャケットへと換装する。

 

顔は独特のメイクに変わり、青いワイシャツの上から白鳥のコートを着用する。

 

そこから青いカボチャパンツに、トゥシューズを装着するとセットアップもとい、オカマアップが完了する。

 

背中には大きな文字で『オカマ(ウェイ)』と書かれていた。

 

その格好はONE PIECEに登場するMr.2ボン·クレーに完全に酷似していた。

 

最後にイワさんがボンちゃんの胸の中へと吸収されていく。

 

補助制御型は使用者と一体となることでその力を発揮する。

 

その能力の主は、魔力の管制·補助を行うことである。

 

ある意味、ミッドチルダ式のユニゾンデバイスみたいなものであろうか。

 

続けてボンちゃんの対戦相手の選手が入場してくる。

 

 

『ブルーコーナーからは、華麗なる芸術家にして華麗なる氷の貴公子!その鮮やかな肉体美は世の女性達を虜にする!今宵もそのイケメンフェイスで数々の女性を落としてしまうのか!「冷淡創造(クールクリエイト)」クルウ·クリシュナー選手!!』

 

 

すると取り巻きと思われる数人の女性を引き連れた上半身裸の白銀髪の青年がやってくる。

 

 

「応援ありがとう!可愛い小猫ちゃん達!!」

 

 

青年は髪を軽く巻き上げると、観客席に向けてウィンクする。

 

 

「「「「「いや〜んクリシュナー様あぁぁ〜」」」」」

 

 

驚くべきことにそのウィンクを受けた観客(全員美女)は気絶してしまった。

 

それを見た俺は、思わずチームヒエンの面子に目を向ける。

 

 

「……気絶しませんからね?」

 

 

俺の視線の意図を察知したのか、代表してつぼみが答える。

 

 

「お、おう」

 

 

俺は何も言えずに前に向き直った。

 

するとすずかが呟く。

 

 

「……インターミドルに出場する選手ってキャラが濃い人ばかりだね。普通の人はいないのかな?」

 

 

「普通の人はいないんじゃないかなあ〜」

 

 

それにアリシアが同意する。

 

心なしか全員が俺にジト目を向けている気がする。

 

だが俺は負けない。

 

せめてもの抵抗で言った。

 

 

「俺は普通だ……」

 

 

しかし返答はなかった。

 

解せぬ。

 

 

「あはははは……。そ、それにしてもクリシュナー選手ってなぜか裸だよね。大丈夫なのかな、あれ」

 

 

すずかが苦笑いしながら、話を振る。

 

なんか気遣わせてごめんね。

 

するとすずかの疑問に、フェイトとはやてが答える。

 

 

「大丈夫だよ。寒そうに見えても魔力を纏ってるから」

 

 

「要は全身に見えない鎧をつけてるようなもんかなあ」

 

 

「そうなんだ」

 

 

二人の話に耳を傾けながら前を見る。

 

いよいよ試合が始まる。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

『四回戦は4分4R規定ライフは18000。三回戦よりライフが3000上がります。そして両者が並びました』

 

 

ボンちゃんと、クリシュナー選手が開始線に並んだ。

 

 

『果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか?戦いのゴングが今……鳴りました!!』

 

 

そして戦いのゴングが鳴った。

 

先手はクリシュナー選手からであった。

 

 

「いくよ醜いオカマ君。氷塊(アイスランプ) (スピア)

 

 

幾つもの氷の塊を生み出すと、形状を槍へと変え前方へと打ち出した。

 

それを見たボンちゃんは不敵な笑みを浮かべ、動き出す。

 

 

「はっ!甘いのよぅ!!」

 

 

するとボンちゃんは両手で手刀を組み、魔力を纏わせると技を繰り出した。

 

 

「オカマ拳法……うらぶれ白鳥(スワン)舞踏会!」

 

 

真っ正面から氷の槍を打ち砕く。

 

 

「喰らうがいいわ!イケメンちゃん!!」

 

 

そしてそのまま白鳥の形をした魔力砲を放った。

 

 

「そいつはご遠慮しておこう。氷塊(アイスランプ) (ウォール)

 

 

だがクリシュナー選手は、即座に氷の壁を生成することでそれを防ぐ。

 

 

「どんどんいくよ。氷花弁(アイスペタル)

 

 

続けて壁から氷の花弁を打ち出した。

 

 

「ぬっ!?」

 

 

散弾銃のように放たれたそれらに思わずボンちゃんも攻撃を止めて、回避行動に移る。

 

 

氷蔓(アイスバイン)

 

 

しかしクリシュナー選手は、氷の壁からさらに氷の蔓を向かわせ、ボンちゃんを拘束しようとする。

 

 

「ちぃ!?面倒ねん!?」

 

 

ボンちゃんは後ろに下がりながら、巧みに氷の蔓をかわしていく。

 

 

「残念だが、そこは射程距離だよオカマ君。氷塊(アイスランプ) (レイン)

 

 

しかしクリシュナー選手の攻撃は止まらない。

 

即座にボンちゃんの真上に無数の氷柱(つらら)を展開させると、一気に落下させる。

 

氷柱による串刺し攻撃、氷の花弁、氷の蔓の拘束攻撃が絶え間なく繰り出されることによって、ボンちゃんはリング端に追い詰められてしまった。

 

しかしボンちゃんの真の強さが発揮されるのはここからであった。

 

なんとボンちゃんは両足に魔力を付与させると、右足を軸に急にクルクルと回り始めたのだ。

 

 

「ジョ~~ダンじゃ、なーーーいわよーーーーう!この程度の攻撃であちしを追い詰めたと思ったら大間違いよぅ!!」

 

 

そして、勢いよく氷の波状攻撃を迎撃し始めたのだ。

 

 

「回る!回るっ!!回るあちしっ!!!オカマ拳法……あの夏の日の回想録(メモワール)!!!!」

 

 

高速回転したボンちゃんの蹴りは、一寸違わずそれらを撃ち落としていく。

 

ボンちゃんの制空圏内に入った瞬間に、氷の攻撃がことごとく無力化されているのだ。

 

そして氷の波状攻撃を全て受け切った。

 

クリシュナー選手は思わず声を上げる。

 

 

「そ、そんな無茶苦茶な方法で僕の華麗な攻撃を全て防いだというのか!?」

 

 

「いくわよぅ!」

 

 

そしてボンちゃんは回りながら勢いよく跳んだ。

 

 

「飛ぶ!飛ぶっ!!飛ぶあちしっっ!!!オカマ拳法……あの冬の空の回想録(メモワール)!!!!」

 

 

しかしクリシュナー選手は、すぐに意識を切り替える。

 

 

「落ち着け……僕は華麗なる芸術家にして華麗なる氷の貴公子。こんなオカマなんかに負けるはずがない!負けていいはずがない!!氷塊(アイスランプ) 猛斬撃(スラッシングアタック)!!」

 

 

そして強力な一筋の氷の斬撃をボンちゃんへ向けて放った。

 

対してボンちゃんも落下の勢いを乗せた蹴り技で迎え撃つ。

 

両者の攻撃が激突した。

 

 

「この醜いオカマがあぁぁぁ!!!!!!」

 

 

「オカマなめんじゃねえぇぇ!!!!!!」

 

 

そして見事打ち勝ったのはボンちゃんであった。

 

ボンちゃんの強力な蹴りでクリシュナー選手は、顔面から地面に叩きつけられる。

 

 

クルウ·クリシュナー

LP18000→10000

 

 

『クリシュナー選手大ダメージ!?オボン·クレー選手の強烈な蹴りが炸裂したあぁぁぁ!!』

 

 

ボンちゃんは一気に畳み掛ける。

 

 

「アン!ドゥ!オラァ!!」

 

 

「がっ!?ごはっ!?」

 

 

ボンちゃんの連続攻撃が決まる。

 

基本的にボンちゃんは掛け声に合わせた攻撃の三発1セットで放つ型を基本とし、回避されても柔軟な動きで相手の軌道を捉えることで、次の攻撃へと繋げていく。

 

そのしなやかさこそ、オカマ拳法の真髄であろう。

 

クリシュナー選手は、防戦一方であった。

 

ボンちゃんの近接攻撃を受けてみるみるライフポイントが減っていく。

 

 

クルウ·クリシュナー

LP10000→8500→6000→4500

 

 

「この……調子に乗るな!氷風(アイスブリーズ)!!」

 

 

クリシュナー選手も相手に手を向け強力な氷風を放ち、ボンちゃんにダメージを食らわせた。

 

 

「ちっ……」

 

 

オボン·クレー

LP18000→16500

 

 

見ればクリシュナー選手のデバイスはグローブ型のデバイスであった。

 

キャロやルーテシアのようなブーストデバイスなのだろう。

 

と、ここで勝負が動く。

 

 

「見せてやる。氷の貴公子最大の攻撃を!!」

 

 

「その心意気や良し。オカマたるもの売られたケンカは買うのが道理。かかって……こいやっ!!」

 

 

そしてクリシュナー選手が動いた。

 

 

氷塊(アイスランプ) 巫女(シュラインメイデン)!」

 

 

すると二体の氷の巫女を自身の前に生成すると、その口から強烈な吐息が繰り出される。

 

 

「くらえぇ!我が最大攻撃……氷の吐息(サインオブアイス)!!」

 

 

それを見たボンちゃんも足に魔力を循環させると大きく跳び上がり、強烈な蹴り技を真っ正面から放った。

 

 

「オカマ拳法……白鳥(はくちょう)アラベスク!!」

 

 

ボンちゃんは流星の如く、一点集中の連続キックを氷の吐息へと叩き込む。

 

クリシュナー選手もボンちゃんを落とそうと、氷の吐息の出力を上げる。

 

だが世界代表戦準優勝者は強かった。

 

 

 

 

 

 

「オカマ……なめんじゃねえええ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

その瞬間、白鳥アラベスクがクリシュナー選手の顔に炸裂した。

 

彼は勢いよく吹き飛び、壁に激突する。

 

そして白目を向きながら気絶してしまった。

 

 

クルウ·クリシュナー

LP4500→0

 

 

『試合終了〜〜!!勝者はオボン·クレー選手!!見事なTKO勝利ですッ!!!!』

 

 

試合はボンちゃんの快勝で幕を閉じた。




次回はエリートクラス4回戦。

相手はゴーレムマイスターです。

では、また( `・∀・´)ノ

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