大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続きかけたで候。

今回は再びのボンちゃん登場。

では、どうぞ( ゚∀゚)o彡°


第三百四十一話 オボン・クレー再び

ヒエンside

 

 

 

『予選2組3回戦、激戦を制したのはヒエン選手です!ですが勝者と敗者、双方に惜しみない拍手が送られます!!』

 

 

会場が観客の大きな拍手で包まれる。

 

ほとんどの人が立ち上がって、俺とアオ選手の健闘を称えてくれた。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……か、勝った……」

 

 

俺は息をはきながらリング内に寝転がる。

 

その影響で死ぬ気モードも解けてしまい、気が抜けてしまった。

 

正直、もう立つ気力も残ってない。

 

 

「アオちゃん!」

 

 

「アオ先輩!」

 

 

すると気絶するアオ選手に駆け寄る二人の女性の姿があった。

 

モルフォン姉妹だ。

 

アオ選手が担架で運ばれていくのを心配そうに見つめていた。

 

アオ選手のバリアジャケット、防護服はボロボロになっており、彼女の肌が露わになっていた。

 

少し申し訳なく思うが、真剣勝負の場だったので仕方ないと割り切る。

 

それにインターミドルの試合ではクラッシュエミュレートがキチンと働いているのでよっぽどの事がない限り、大怪我をすることはない。

 

その証拠にエミュレートシステムが解かれると、俺の再現されていた痛みも引いてきた。

 

アオ選手も防護服は解除され、白い袴姿へと戻る。

 

俺もバリアジャケットを解除し、ジャージ姿へと戻った。

 

というか、身体に力が入らないので全く動けないのだが。

 

どうしようこれ?

 

そのときリニス達がこちらに近寄ってきた。

 

恭也君と美由希さんが起きられる気配のない俺をソっと起こしてくれる。

 

 

「起き上がれる?」

 

 

「ごめん、無理」

 

 

「仕方がない。俺がおぶってやろう」

 

 

「お世話になります」

 

 

恭也君と美由希さんに肩を支えてもらいながらなんとか起き上がる。

 

するとリニスがこの後の予定を言ってきた。

 

 

「このあと軽くシャワーを浴びて汗を流したらマッサージをしますよ。そのあと少し仮眠を取れば、午後の試合も万全の体制で臨めるでしょう」

 

 

「あぁー……そういえば午後も試合あるんだった……」

 

 

気持ち的にやりきった感が半端ない。

 

 

「ヒエン」

 

 

そのときリニスが俺を呼ぶ。

 

彼女の視線の先では、なんとモルフォン姉妹がこちらを見ていた。

 

とりあえず失礼のないように一礼しておく。

 

するとあちらも優しげな笑みを浮かべ、一礼してくれた。

 

そして優雅にゲートから出ていった。

 

なんというか……物凄く絵になる姉妹であった(小並感。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

俺はひとまず恭也君におぶってもらって控え室まで戻った後、体力がある程度回復するまで休憩していた。

 

少し動けるようになると、シャワーで軽く汗を流し、そのままリニスのマッサージを受けることに。

 

こやつ俺の修行時代に整体の資格を取っているので、腕前はプロ級なのである。

 

なんともハイスペックな山猫だなあとマッサージを受けながら暢気に考えていた。

 

というか、最後のソーラーアクセルを強化するために、身体中から出る死ぬ気の炎を限界まで収束させたせいか、疲労が凄まじいことになっていた。

 

つまり何が言いたいかというと、呆気なく夢の世界へと旅立ってしまったのである。

 

目が覚めると、軽くニ時間は経っていた。

 

リニスに起こされ、身体のチェックをしてみる。

 

だるかった身体が一気に軽くなっていた。

 

この様子なら、午後の試合もしっかりと戦えそうだ。

 

問題は魔力なのだが、たったニ時間ほどでは10分の1しか回復していなかった。

 

俺の魔力量を100とすれば、現在の魔力量は10くらいであろうか。

 

ギリギリ、バリアジャケットと後1つか2つの魔法を展開できるくらいである。

 

そもそも魔力の回復手段は、二種類しかない。

 

自然回復か、魔力を分けてもらうかの二択である。

 

大多数は睡眠による魔力回復が主となっている。

 

例えば、無印でユーノがフェレットの姿で居たのは、魔力の消費を抑えるためであり、また魔力の大半を失っていたためだ。

 

フェレット形態では怪我の治りが早いという利点もあった。

 

つまり俺も黒猫形態、便宜上キャットフォームとでも呼ぼうか。

 

魔力の回復に努めるのであれば、キャットフォームでいた方が良い。

 

だがそれは()()()()()()……の話である。

 

ここで浮上するのが、もう一つの回復方法。

 

魔力を分けてもらう……である。

 

この方法は、かつて7つのジュエルシードを封印するためにサンダーフォールによる魔力流発生と、それによって起動したジュエルシードの暴走の相手をして消耗し尽くしかけていたフェイトになのはが魔力を分けるために使用した方法である。

 

 

 

ディバイドエナジー。

 

 

 

己の魔力を他者へと分け与える魔法である。

 

手っ取り早く魔力を回復させるにはこの方法しかない。

 

そのことをリニスに相談すると、本人もそれを考えていたようで俺に提案しようとしていたらしい。

 

思い立ったが吉日ということで、さっそくなのは達にお願いしようと応援席へ戻る。

 

すると元気いっぱいのチームヒエンのメンバーが出迎えてくれた。

 

 

「「「「「ヒエンさん!!」」」」」

 

 

さっそくプリキュアピンク組が勢いよくこちらへやってきた。

 

 

「凄かったです!」

 

 

「ヤバかったです!」

 

 

「興奮したよ!」

 

 

「感動したよ!」

 

 

「す、素敵でした!」

 

 

順番になぎさ、咲、のぞみ、ラブ、つぼみのピンク組が発言する。

 

若干、つぼみが周囲に押されている気がしないでもないがスルーしておく。

 

これも人見知りの彼女の成長のためだ。

 

そして肝心の俺もやや押され気味だったので、「お、おう……」としか言えなかった。

 

いやだって圧力凄いんだもん。

 

そこからは揉みくちゃにされながら話していた。

 

なのは達やイリヤ達も声を上げて応援していたようで喉が少し枯れていた。

 

全員俺が来るまで別の選手の試合を見ていたようで、昼ごはんも既に食べてきたらしい。

 

そして俺は肝心の魔力について相談しようとしたとき、()()()()()()()()()が会場の入口から聴こえてきた。

 

 

「アン ドゥ クラァ~♪ アン ドゥ オラァ~♪ アン ドゥ クラァ~♪ アン ドゥ オンドリャァ~♪」

 

 

「「「「「アン ドゥ クラァ~♪ アン ドゥ オラァ~♪ アン ドゥ クラァ~♪ アン ドゥ オンドリャァ~♪」」」」」

 

 

見れば()()()()()()()()()と、()()()()()()()()()()()()()()が列を成して歩いてきた。

 

観客達とチームヒエンのメンバーもいきなりのことに目を点にさせる。

 

 

「な、なんか変な集団来たああぁぁ!?」

 

 

「あれは……何?生物?」

 

 

「ミユ、あれはオカマという人種よ」

 

 

イリヤとクロはともかく、あの美遊でさえも驚きのあまり目を見開いている程だ。

 

 

「なかなか個性的な集団だね……」

 

 

「す、凄いココ……」

 

 

「あんまり目を合わせちゃいけない気がするナッツ……」

 

 

「なんかヤバそうな連中ロプ……」

 

 

「ツッコミ所が満載すぎてむしろどこからツッコんでいいのか分かりまへんわ」

 

 

「キュアプリプ〜」

 

 

コロンは冷や汗をかき、ココ·ナッツ·シロップの三匹はドン引きし、タルトはシフォンをあやしながら遠い目をしていた。

 

他の妖精達は意外と興味津々そうであった。

 

そして俺はというと、気付かれないよう縮こまって気配を消していた。

 

ほら……あの好奇心の塊である妖精達ですら距離を置いてるんだぞ?(一部除く)。

 

あのオカマ集団のリーダーと知り合いなんて思われたくないに決まってんだろ(白目。

 

俺はリニスにも念話で縮こまるように命令する。

 

リニスは呆れながらも命令を聞いてくれる。

 

だから『無駄だと思いますが……』とか言うんじゃない!

 

人生何事もやってみないと分からないダルォオオオオオオ!!

 

だがそんな時に限って、たいてい気付かれるものである(諦観。

 

 

《あら?見なさいボンボーイ。あそこにいるのヒエンボーイとリニスガールじゃない?》

 

 

「ん?あら本当じゃない……オーイ!ヒエンちゃんにリニスちゃん!数日ぶりじゃないのよぅ!!」

 

 

案の定、イワさんとボンちゃんが声をかけてきた。

 

現実は非情である。

 

ボンちゃんの言葉に周囲の観客達がコチラを見る。

 

そしてチームヒエンの皆も一斉にコッチを向く。

 

その目は『えっ?知り合いなの?』と言っているようだった。

 

無性に帰りたくなった。

 

そういえばボンちゃんとの賭けのことについては言ったけど、容姿や外見のことについては言ってなかったや。

 

俺は諦めるように手を上げる。

 

 

「ア、ボンチャンニイワサン……キグウダネ」

 

 

するとボンちゃんがテンション高く話してくる。

 

 

「試合見てたわよヒエンちゃん!凄いじゃない!あのアオちゃんに勝っちゃうだなんて!!」

 

 

「ん?アオ選手のこと知ってるのか??」

 

 

「知ってるも何もあちし、あの子の友達(ダチ)よぅ?」

 

 

「え?マジで??」

 

 

「マジもマジで大マジよぅ!それにしても()()()あの子に勝つなんてやるじゃないのよぅ!!」

 

 

「ん?どういう意味だ??」

 

 

「皆、最初の一回はあの子のショートジャンプに対応できずに()()やられるわ。でもあんたは勝った。それがどれだけ凄いことか分かる?」

 

 

あぁー……なるほど。

 

いやでもそれ、誤解なんだよなあ。

 

 

「えーっと、アオ選手の能力自体は最初から知ってたぞ?それに事前に調べてくれた子達がいるから幾つか対策も打てたんだよ」

 

 

俺はイリヤ達に視線を向ける。

 

三人とも恥ずかしいのか、顔を赤くさせながら視線を逸らしていた。

 

 

「それでもよぅ!実際に戦ったヒエンちゃんなら分かると思うけど、あの子の能力はそんな簡単に攻略できる代物じゃないわ。ショートジャンプ自体、奇襲や不意打ちに有効だし、何よりあの子自身相当強いからねぇ。知ってる?アオちゃんってば天瞳流道場じゃ、カナちゃんに次ぐNo.2の強さなのよぅ?」

 

 

「そうだったのか……」

 

 

道理で強いはずだ。

 

あのカナ·モルフォンの次に強いのだから。

 

 

「あちしでも最初はあの子に対応できずにコテンパンにされたってのに……あんたはやっぱり大した男よぅ!さすがヒエンちゃん!さすがあちしのライバル!さすがあちしの見込んだ男!んがーっはっはっはっは!!」

 

 

ボンちゃんは俺の背中を勢いよく叩きながら笑う。

 

それにしてもボンちゃんって背高ぇな。

 

俺の身長は、この前のインターミドルの健康診断で175cmと判明した。

 

その俺が丁度見上げるくらいの高さである。

 

2m前半くらいであろうか?

 

その後ろで待機しているオカマ達も屈強な見た目をしている者達ばかりだ。

 

平均身長180cmはくだらないと思う。

 

 

「予選の決勝であんたと戦うのが楽しみだわ」

 

 

「あ、ああ。俺もだよ」

 

 

「ヒエンちゃん、あんた()()のことは忘れてないでしょうね?」

 

 

するとボンちゃんが()()()()について言及してきた。

 

俺は顔を引きつからせながら答える。

 

 

「ア、アア。チャントオボエテルヨ」

 

 

チラッとなのは達の方を見ると、物凄い笑顔でこちらを見ていた(一部のみ)。

 

他の者は俺の様子になぜかキョトンとしていた。

 

そのとき超直感が警鐘を鳴らす。

 

ア、ヤバイ(震え声。

 

 

「あんた達!この子が前に言ってたヒエンちゃんよぅ!もう少ししたら()()()()()()()()()()()()()()()()()()キチンと挨拶しときなさ〜い!!」

 

 

そのとき、プリキュアの皆が勢いよくこちらとオカマ軍団を交互に見比べる。

 

なんだったら観客達も見比べている。

 

すると屈強な厳つい乙女達もとい、漢女(おとめ)達が話しかけてきた。

 

野太い声で。

 

 

「アラァ〜カワイラシイオトコノコネェ」

 

 

「タベチャイタイクライコノミダワ〜」

 

 

「ウフフフフ、ナカマニナッタラオネェサンタチイロニシッカリトソメテアゲルワ〜」

 

 

「タノシミネェ」

 

 

「ヒエンキュウウゥゥン」

 

 

ひいいいいいいいいぃぃぃぃ!!??

 

 

「ヒエン君!?」

 

 

「落ち着いて!?」

 

 

俺は思わず近くにいたなのはとフェイトの背に隠れる。

 

な、なんて恐ろしい……。

 

思わず背筋がゾッとしてしまった。

 

今ならカマバッカ王国にいたサンジの気持ちが分かる気がする(白目。

 

 

「この子達はあちしの部下でオカマ仲間のキャンディーズよぅ!全員、オカマ拳法の使い手で師範代よぅ!!」

 

 

 

「「「「「ヨロシクネエェェ!!ヒエンキュウウゥウウゥゥゥン!!!!!!」」」」」

 

 

いぃいいいやあああああぁぁぁぁぁ!!??

 

 

「ヒ、ヒエンさん!?」

 

 

「お、落ち着いてください!?」

 

 

俺は無意識に近くにいたひかりと舞の腰に抱き付く。

 

そして二人の背に隠れるようにガクガクと震える。

 

ダメだ……これはさすがに無理だ……。

 

たとえ死ぬ気モードになったとしても身体の震えは止まらないだろう。

 

いくら死ぬ気になろうが、怖いものは怖いのだ!

 

なんというか本能的に無理というか、生理的に受け付けないというか。

 

すると見かねたリニスがボンちゃんに声をかける。

 

 

「ボンちゃん、ウチのマスターが怯えているのでそろそろからかうのはやめてくれませんか?」

 

 

「別にからかってるつもりはないんだけどねん。たぶん震えてるヒエンちゃんを見たら、保護欲が刺激されたんでしょうねぇ」

 

 

《一応誤解しないように言っとくと、悪い子達ではないっチャブル》

 

 

「それは心得ていますよイワさん」

 

 

《さすがはリニスガールね。見た目で判断しないのは良い事っチャブル》

 

 

リニスとイワさんが話す。

 

 

「まあいいわ。とりあえずあんた達は席に戻ってなさ〜い。あちしはまだヒエンちゃん達と話すことがあるから」

 

 

「ワカッタワ。ボンシハン。ジャアモドルワヨアナタタチ。ジャアマタネ、ヒエンキュン」

 

 

「「「「「マタネェェェェ」」」」」

 

 

するとキャンディーズは去っていく。

 

舞とひかりの後ろ越しにそれを確認した俺は思わず座り込み、大きく息をはく。

 

 

「は、はぁ……こ、怖かった」

 

 

「全く……大丈夫か?」

 

 

「お、おう。ありがとう」

 

 

すると恭也君が肩を貸してくれる。

 

あれ?

 

そういえば恭也君、()()()()()()()()()()

 

あのキャンディーズがこのイケメンを放っておくはずがない。

 

それだけは断言できる。

 

オカマはイケメンが大好きなのだ。

 

まさかこいつ……

 

 

「なあ恭也君、()()()()()()()()()()?ボンちゃんが現れるまでは()()()()()()()()()()()()?」

 

 

すると恭也君は()()()()()()()()言った。

 

 

「別にトイレに行ってただけだ」

 

 

 

ブチッ

 

 

 

その言葉に俺の中の何かが切れた。

 

 

「嘘付けこの野郎!さてはお前、俺を犠牲にして一人だけ安全な所で隠れてやがったな!?」

 

 

思わず彼を怒鳴りつける。

 

たが、それほど怖かったのだ。

 

本能から恐怖したのだ。

 

すると恭也君は冷静に言う。

 

 

「さっきも言ったはずだ。俺はトイレに行っていたんだ」

 

 

相も変わらず同じことを言う。

 

そこで俺は彼女に確認を取る。

 

 

「美由希さん……恭也君の言ってることは本当か?」

 

 

「そこの物陰に隠れてたよ」

 

 

「キサマアァァァァ!!!!!!」

 

 

「美由希!?」

 

 

事前に口止めしていたのだろう。

 

だが相手はあの美由希さんだ。

 

面白そうなことがあればそっちにつくに決まってんだろうが!!

 

 

「おいこら!このギャルゲー主人公が!何がトイレに行ってただ!ちゃんと物陰に隠れてんじゃねえか!?」

 

 

「あのキャンディーズが用があったのはお前だろう。俺を巻き込むんじゃない」

 

 

「ふざけんな!俺一人にあんな連中押し付けやがって!!」

 

 

怖かったんだぞ!?

 

本当に怖かったんだぞ!?

 

この気持ちがお前に分かるか!?

 

 

「はいはい。二人とも落ち着いて。皆、見てるよ」

 

 

ヒートアップしそうになっていたのを、美由希さんが間に入って止める。

 

俺が周りを見渡すとかなり目立っていた。

 

ボンちゃん達はというと、なのは達やイリヤ達、プリキュアの皆と楽しく談笑していた。

 

イワさんはデバイス達と白熱しているのか、何やら議論をかわしていた。

 

二人ともなんか滅茶苦茶仲良くなってるんだけど……はやくね?

 

するとボンちゃんがふと呟く。

 

 

「それよりさっきから気になってたんだけど、ここにいる女の子達って、ヒエンちゃんの愛人かなにかかしらん?」

 

 

「は?」

 

 

「「「「「へ?」」」」」

 

 

ボンちゃんの言葉にチームヒエンの女の子達が目を点にさせる。

 

 

「「「「「え、ええぇぇぇ!?」」」」」

 

 

そしてボンちゃんの言葉の意味が分かったのか、全員勢いよく顔を真っ赤にさせた。

 

 

「話してみて分かったけど、皆良い子達ねぇん。でもちょっと多すぎない?ミッドチルダは重婚OKだけど、まだ幼い子もいるじゃない」

 

 

とりあえず、俺が今すべきことは一刻も早くこのオカマを黙らせることだろう。

 

 

「よしボンちゃん、一旦黙ろうか」

 

 

「ヒエンちゃん、あんたも罪な男ねぇ。しかもこんな可愛い所ばかり押さえて」

 

 

「ねぇ、聞いてる?俺の話ちゃんと聞いてる?」

 

 

「誰が本命なのか知らないけど、全員娶るならそれ相応の覚悟がいるわよぅ」

 

 

「なぁ、わざとか?わざとやってんのか?」

 

 

「でもそうしたらミッドチルダのハーレム王確定ね。ここまで女の子を侍らせてる男はそうはいないわよ」

 

 

「よし!歯ァ食いしばれこのオカマああぁぁ!!」

 

 

俺はボンちゃんが止まらないと悟り、強硬手段に打って出た。

 

仕方ない!

 

だって話しかけても止まらないこいつが悪い!!

 

大丈夫!!!

 

手加減はちゃんとする!!!!

 

後でキチンと謝る!!!!!

 

 

「はぁ!」

 

 

そして俺は死ぬ気モードになって、ボンちゃんの顔面に向けて拳を放つ。

 

俺の拳は真っ直ぐにボンちゃんの顔へと向かう。

 

が、そのときボンちゃんの雰囲気が変わる。

 

 

「アン!」

 

 

俺の拳を片手で受け流し……

 

 

「ドゥ!」

 

 

もう一方の手で手刀を組むと……

 

 

「オラァ!」

 

 

流れるような動作で俺の顔にカウンターを放ってきた。

 

 

「ちっ!?」

 

 

俺はそれを首をひねることで紙一重でかわす。

 

 

「はぁ!」

 

 

「アン!」

 

 

そこから俺はボンちゃんの腹にアッパーを繰り出す。

 

だがまたしても見事に受け流される。

 

 

「ドゥ!」

 

 

そして素早い手技が俺を襲ってくる。

 

それはまるで酔拳のように鮮やかであった。

 

そして驚くべきことにボンちゃんの連撃は、あのゆりの貫手よりも早かった。

 

 

(マジか!?)

 

 

俺はなんとか化頸でそれらを受け流していく。

 

 

「オラァ!」

 

 

「おらぁ!」

 

 

そしてこちらもカウンターを合わせるように拳を放つ。

 

俺達は互いの拳を同時に掴んだ。

 

 

「へぇ、やるじゃないの。あちしの攻撃を全部受け流すとはね……」

 

 

「そっちこそ、よく俺のカウンターに合わせられたな」

 

 

するとリニスとイワさんが止めに入る。

 

 

「ストップです二人とも!こんなところで戦うとは一体何を考えているのですか!?」

 

 

「少し頭を冷やしなさいボーイ達」

 

 

俺とボンちゃんは互いに顔を見合わせ、頭を下げた。

 

 

「すまん、熱くなりすぎた」

 

 

「こっちこそからかい過ぎたわ。ゴメンねん」

 

 

しばらくしてボンちゃんは踵を返し、背中で語る。

 

 

「ヒエンちゃん、もうすぐあちしの試合が始まるから見ていくといいわ」

 

 

そして大声で叫んだ。

 

 

 

 

 

 

「あちしの強さ……その目にしかとやきつけな!!」

 

 

 

 

 

 

そこで俺達はオボン·クレーというオカマの真の強さを知ることになる。




次回こそボンちゃんの試合です。

では、また(`・ω・´)ゞ

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