大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

351 / 394
どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

今回の襲撃、話の展開に関してですが、賛否両論ありました。

正直、中には厳しい意見もありました。

が、ストーリーの都合上、内容を変更することはありません。

で、今回なぜこの展開になったかの訳を話します。

では、どうぞm(_ _)m


第三百三十八話 襲撃の訳

第三者side

 

 

 

クロは先制攻撃を仕掛ける。

 

自身の周囲に剣を投影し、勢いよく射出する。

 

それらを仮面の三人組は回避する。

 

それを機に、二人はそれぞれの相手へと突貫する。

 

 

「それじゃヒエン、負けんじゃないわよ!」

 

 

「互いにな!」

 

 

クロは勢いのあるスタートダッシュで怪人お面男へと迫る。

 

少年はというと、両手のグローブから炎を噴射して狐のお面男二人組へと向かっていった。

 

 

「はぁ!」

 

 

クロはまず小手調べとして正面から斬りかかり、怪人お面男は雷の魔力刃でそれを受け止める。

 

二人は高速で斬り結ぶ。

 

 

「なかなかやるじゃない!」

 

 

「それはこちらの台詞です」

 

 

クロはあらゆる角度から攻めていくが、怪人お面男はそれらを的確に防ぎ、捌いていく。

 

 

(この男……妙ね)

 

 

そんななか、クロは怪人お面男に違和感を抱いていた。

 

 

(殺気がない……というより、攻撃してくる意思を全く感じない。まるでこちらの力量を試しているかのような戦い方……)

 

 

クロは視界の端で両手に持つ干将·莫邪の刃が少し欠けるのを確認すると、それを消し去り、新たに片手剣を六本投影し、投げ付ける。

 

 

雷の槍(サンダーランサー)

 

 

すると怪人お面男は自身の周囲に雷の槍を展開させると、勢いよく射出する。

 

両者の攻撃が相殺される。

 

さらに怪人お面男は数多の雷槍を展開させ、クロへと放った。

 

 

「マルチショット」

 

 

複数の雷槍がクロへと迫るが、クロは黒白の双剣で雷槍を斬り落としていく。

 

 

「く……面倒ねぇ!じゃあこっちも弓兵(アーチャー)の本領見せつけてあげようかしら!!」

 

 

そして後ろへ下がりながら黒い洋弓を投影し、破壊力のある弓矢を幾度も放つ。

 

クロの放った弓矢は雷槍を突き破り、怪人お面男へと迫る。

 

しかし、男は冷静に対処する。

 

 

「……凄まじい威力ですね。一本一本の威力は砲撃魔法にも引けを取らない」

 

 

弓矢を紙一重でかわしながら、時には正面から斬り落としながら対処していく。

 

クロはそれを見て戦慄する。

 

 

「ったく、どいつもこいつも……バゼットといい、こいつといい、どうして真っ正面から対処できるのかしら!?」

 

 

クロはさらに弓矢を放つが、怪人お面男は巧みな体捌きでかわしていく。

 

 

「私としては、貴女のその純粋な戦闘力の高さに驚いているのですが……優れた剣術に弓術といった大人顔負けの戦闘技術に、こちらとの間合いを常に意識する冷静な判断力。まるで歴戦の戦士と戦っているようです」

 

 

「それ、数時間前にも言われたわ!」

 

 

そしてクロは大きく後退すると、特別製の弓矢を投影する。

 

魔力を多く含んだそれをクロは放った。

 

 

「ですが……」

 

 

しかし怪人お面男はそれすらかわし、クロの背後へと回り込んだ。

 

 

「年相応なせいか、まだまだ甘い所もあるようだ」

 

 

「高速移動!?」

 

 

そしてクロへと斬りかかる。

 

しかし間一髪、転移魔術でかわすことに成功する。

 

 

「ふぅ……あっぶないわねぇ」

 

 

クロは思わずため息をつく。

 

それを見た怪人お面男は驚く。

 

 

「なんと、あの一瞬でそんなところに……私と同じ高速移動……いや、瞬間移動ですか」

 

 

「まあ、似たようなもんね」

 

 

クロは干将·莫邪を投影すると構える。

 

 

「おや?弓術はもう終わりですか?」

 

 

「貴方相手に遠距離からチマチマやってもこれ以上は無駄だと思っただけ。でも隙があり次第、強力なの叩き込むから油断しないことね」

 

 

「これはこれは……用心せねばなりませんね」

 

 

「その余裕、今すぐ崩してあげる!!」

 

 

クロは干将·莫耶を投擲(とうてき)し、それと同時に斬り込んでいく。

 

 

「甘い」

 

 

だが怪人お面男は投擲をかわすと、雷の魔力刃で迎え撃ち、クロと高速で剣戟(けんげき)を繰り広げる。

 

すると怪人お面男は、クロが僅かに笑みを浮かべていることに気付く。

 

 

「何を笑って……うっ!?」

 

 

そのとき、男の背中に痛みが走る。

 

視界の端で確認すれば、黒白の双剣が男の背中を斬り裂いていた。

 

 

「これは双剣が……ひとりでに!?」

 

 

その隙にクロが仕掛ける。

 

 

鶴翼二連(かくよくにれん)!」

 

 

「くっ!?」

 

 

怪人お面男はギリギリかわすが、僅かにお面にヒビが入る。

 

クロはすかさず連撃を繰り出す。

 

振り下ろした双剣を斬り上げ、横薙ぎ、突きを放つ。

 

怪人お面男も雷の魔力刃で応戦するが、防戦一方であった。

 

 

「はぁああああ!!」

 

 

「これは少々……予想外ですね」

 

 

さらにクロは、新たな干将·莫耶を投げつけ、徐々に怪人お面男を追い詰めていく。

 

 

「はっ!!」

 

 

攻めの一手を緩めずに、怪人お面男を吹き飛ばす。

 

 

「これで決める!!」

 

 

そして決め手として、クロはある一対の剣を投影する。

 

それはケルト神話に登場する魔剣の一種で、英雄フェルグス·マック·ロイの愛剣でもあり、無尽に伸縮する刃。

 

その名は『稲妻』を意味し、一説にはカリバーンやエクスカリバーの原形ともいわれ、それらに並ぶ名剣であるともされる螺子(ねじ)状の剣。

 

 

偽·偽螺旋剣(カラドボルグIII)!!」

 

 

螺旋剣(カラドボルグ)が怪人お面男に炸裂した。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

爆発音が同時に響く。

 

俺のソーラーアクセルで狐のお面男二人組が吹き飛んだ。

 

見ればクロの方も勝利したらしく、もう一人のお面男も吹き飛んでいた。

 

煙が晴れていく。

 

壁際まで吹き飛んだ奴らはグッタリとしていた。

 

一応手加減はしておいたから大丈夫だとは思うが……俺は警戒したまま、徐々に近付いて行く。

 

お面は割れていたというより、完全に消し飛んでいた。

 

 

「あいたたたた……まさか二人まとめて吹き飛ばされるとは」

 

 

「中々の威力だな……」

 

 

すると()()()()()()()()が聞こえてきた。

 

奴らの顔が認識できる程の距離に近付くと、俺は驚愕する。

 

 

「美由希さん!?恭也君!?」

 

 

なんとそこには見覚えのありすぎる二人がいたからだ。

 

 

「あ、あはははは……ひ、久し振り」

 

 

「……久し振り」

 

 

二人はどこか気まずそうに言う。

 

 

「ヒエン!ちょっとこっち来て!!」

 

 

するとクロが俺を呼んできたのでとりあえず向かうと、こちらも見覚えのありすぎる人物が座り込んでいた。

 

 

「リニスまで……」

 

 

「さ、さっきぶりです……」

 

 

何が何だかサッパリであった。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

一言で言うと、ドッキリであった。

 

本来であれば、三回戦のアオ·セフィラ対策の助っ人として来た高町兄妹であったが、リニスとアンジェ先輩の話を聞いて、面白そうということで今回の襲撃という名のドッキリに協力したらしい。

 

リニスが用意した特別製の仮面を被ることにより、姿形を変えて俺と戦ったのだ。

 

なんでも、俺が人質を取られた状態でも冷静に戦えるかどうかの確認がしたかったそうだ。

 

人質となっていた者達の中には今回のことを予め聞いていた者達が何人か居り、申し訳なさそうに話してきた。

 

まあ、彼女達は巻き込まれた側なので仕方がない。

 

だが問題はこちらだ。

 

 

「それで……何か申し開きはあるか三人共?」

 

 

俺の目の前には正座している三人の男女がいる。

 

言わずもがな、リニス、恭也君、美由希さんの三名である。

 

ドッキリが悪いこととは言わない。

 

俺だってそういうイベント事は大好きだ。

 

ドッキリを主体としたバラエティ番組だってよく見る。

 

だが今回はやり方が不味すぎた。

 

さすがにこちらの世界に来たばかりの子達を驚かすのはダメだろう。

 

それに人質も問題だ。

 

ぶっちゃけ心臓に悪すぎる。

 

 

「いえ、何もありません……」

 

 

「同じくありません……」

 

 

「すまなかった……」

 

 

三人が申し訳なさそうに謝罪する。

 

 

「さすがにこれはタチが悪すきるぞ。俺はまだ別に良いとしても応援に来てくれた子達を巻き込むのはどうなんだ?だいたい……」

 

 

そしたら、出るわ出るわの不満の嵐。

 

気付けば、十数分間は叱っていた。

 

イリヤ達やプリキュアの皆が止めるまでノンストップで話していたらしい。

 

無意識って怖い(小並感。

 

通りでリニス達の顔色が悪くなっていると思った。

 

でもまあ、特訓の協力はしてもらうのは当然として、何か罰的な物を三人に与えておかないといけない……が、そう簡単に思いついたら苦労はしない。

 

とりあえず手始めに、リニスには皆に謝罪させたうえで、全員分の食事やら遊び代やら出させることにした。

 

こやつは金持ちだから問題ない。

 

むしろ日頃の特訓の恨みから全部使わせる勢いで……ゲフンゲフン。

 

あとは恭也君と美由希さんに関しては、同じく謝罪させた後、インターミドル中は俺の執事とメイドとして活動してもらうことにした。

 

二人とも今は夏休み中だから時間的にはなんの問題もないし、翠屋も日頃から手伝っていることから、執事やメイドも問題なくこなせるだろう。

 

試しに執事服とメイド服を着せてみたら二人とも美形だからか、やたらと似合っていた。

 

しかし、この二人をアゴで使える日が来ようとは、人生とは分からないものだ。

 

一体何を命令してやろうか(ゲス顔。

 

全くもって楽しみである(愉悦。

 

とまあ、そんなこんなで一応は落ち着いたので、オールスターズの案内はハトプリの面々に任せて、俺は本来の目的であるイリヤ達の敵情視察についての話を聞くことにした。

 

 

「なんとか情報は手に入りました。ルビーお願い」

 

 

《アイアイサー。では皆さん、こちらにご注目下さい》

 

 

ルビーが変形してプロジェクターのような物を出すと、空中にモニターが展開される。

 

毎度思うんだけどさ、君本当にマジカルステッキ?

 

ステッキに普通こんな機能ついてないよね?

 

するとそこには天瞳流道場の面々と試合をするイリヤ達の姿があった。

 

なかでも特に驚いたのがイリヤがセイバーのクラスカードを用いて、インターミドル常連選手であるカナ·モルフォンに勝利したことだ。

 

姫騎士となったイリヤは、Fate/goに登場するセイバーリリィを彷彿させた。

 

続いて美遊も得意の魔力砲と捕縛魔法でカナの妹であるナヲ·モルフォンと引き分けた。

 

そして最後のクロ対アオ·セフィラの試合。

 

クロは投影魔術を用いて得意の白兵戦を仕掛けつつ、剣を大量に投影して射出する物量戦法で攻める。

 

しかし相手のアオ選手も負けてはいない。

 

強力な居合術の使い手でありながら、武装を換装させることで小太刀や弓まで使いこなす。

 

さらには彼女の稀少能力(レアスキル)であろう能力、短距離転移(ショートジャンプ)まで持っている。

 

クロも転移魔術を駆使して一進一退の攻防が続くが、勝負を制したのはアオ選手であった。

 

クロは英霊エミヤの力を宿しているのもあって戦闘技術は一流であるが、まだ駆け引きが未熟なためか、不利になると少しゴリ押しする印象が見られる。

 

今回はその隙をつかれてしまったのだろう。

 

だがそれを抜きにしてもサーヴァントとも言えるクロに勝利したのだからアオ·セフィラの強さは相当なものと言える。

 

するとクロが一言呟いた。

 

 

「気をつけなさいヒエン。この女、強いわよ」

 

 

「……だろうな。ただ問題はこのショートジャンプをどう攻略するかだな」

 

 

これ、リボーンの夜の炎のショートワープにそっくりだと思う。

 

下手したらバミューダみたいに不意打ちで仕留められて終わるなんてこともあり得る。

 

するとリニスが言う。

 

 

「安心して下さい。策ならあります」

 

 

「策?」

 

 

俺が聞き返すと今度は高町兄妹が話す。

 

 

「私達に任せてよ!」

 

 

「そのために俺達がここに来た」

 

 

二人から策を聞くと……俺は頭を抱えて叫んだ。

 

 

「んな無茶苦茶な!?」

 

 

そして数分後、アオ·セフィラ対策の地獄の特訓が幕を開けた。

 

ぶっちゃけ、あれは特訓ではない。

 

最早イジメである。

 

しかし残念なことに明日も特訓はある。

 

その日の夜、もう一人のドッキリの首謀者であるアンジェ先輩に八つ当たりしたのは言うまでもない。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

「ごちそうさま。先に部屋に戻って休むわ。皆、お休み」

 

 

少年は晩御飯を食べ終えると、部屋へと一足先に戻る。

 

少女達は少年に挨拶をし終えると、食事に戻る。

 

するとリニスが静かに少女達の前に立った。

 

 

「皆さん、少しだけよろしいでしょうか?」

 

 

食事を取っていた少女達は何事かと思い、リニスに視線を向ける。

 

 

「まずは改めて謝罪を。今回、皆さんには私達の騒ぎに付き合わせたこと、又、怖い目に合わせてしまったこと、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

 

 

リニスは頭を下げる。

 

少女達は気にしてないと苦笑いで言う。

 

そのことに安心したリニスは話を続ける。

 

 

「優しい言葉、ありがとうございます。ですが今回私が、いえ私達が騒ぎを起こしたのには、深い理由があるのです。その理由を今からご説明致します」

 

 

するとリニスは空中モニターを展開させる。

 

そこにはある新聞記事が載っていた。

 

 

「これは数日前に掲載された新聞記事です。記事の内容は……【インターミドル有名選手への襲撃】……です」

 

 

リニスは説明する。

 

 

「今回のインターミドルは史上初の男女混合ということで参加選手も過去最多となっています。()()()()チャンピオンになったときの名声の高さも今までの比ではありません。()()()()()、良からぬことを考える輩も存在します。有名選手を対戦前に襲撃、再起不能にすることによって勝ちを拾おうとする者。その選手の情報を他者へと売りつけ一儲けしようと企む者。今までのインターミドルでも少なからず被害はあったのですが……恐らく今回のインターミドルで被害件数は増大するでしょう」

 

 

誰かが息を飲んだのか、ゴクリと言う音が響く。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

リニスは皆を見回す。

 

 

「あの子はインターミドル内で最も警戒されている最重要選手の一人です。よって襲撃を受ける可能性は十分に考えられます。それだけではありません。場合によっては、貴方達も巻き込まれる可能性はあります。だからこそ私達は確認したかった。あの子が冷静に戦えるかどうかを」

 

 

リニスは説明を続ける。

 

 

「結果は上々でした。が、心配事が消えた訳ではありません。私が皆さんに言いたいことは二つ。一つ目は決して一人では行動せず、グループで行動すること。二つ目は戦闘準備は決して怠らないこと。下手をすれば戦闘に巻き込まれる可能性もあります。皆さんなら心配いらないと思いますが、用心だけはしておいて下さい。私達も貴方達の安全には全力を尽くします」

 

 

すると少女達も事の重大さが分かったのか、気合いを入れる。

 

 

「後、皆さんにお願いがあります。この事はどうかヒエンには内密に。今はインターミドルに集中させてあげたいので」

 

 

少女達は了承する。

 

そして話は終了したので、リニスは空中モニターを消し、美由希の元へと戻る。

 

すると美由希が小声でリニスに話しかけた。

 

 

「恭ちゃんから報告です。ヒエン君は無事部屋に戻って休んだようです」

 

 

「了解です。引き続き、ヒエンの護衛よろしくお願いします」

 

 

「任せて下さい」

 

 

リニスは、少年の安全のために念には念を入れて、高町兄妹を護衛として雇っている。

 

それだけでなく、チームヒエンの護衛のためにヴォルケンリッターも手配していた。

 

あとは少年だけでなく、クロノやティーダも狙われる可能性はあるため、ハラオウン家やナカジマ家とは情報交換も兼ねて定期的に連絡を取り合っているのだが、そこまでしてもリニスは心配で仕方がなかった。

 

そんな彼女の心配を他所に、時間は無情にも進んでいく。

 

そして三回戦の日がやってきたのだった。




とまあ襲撃の訳は、インターミドル八百長勢が潜んでいる可能性があるということでした。

それを危惧したリニスが自ら変装して戦うことで、実際に襲撃を受けた際に、冷静に対処できるか確認をしたかったからです。

少しふざけていたのは、主人公を心配させないための演技です。

どうかこれで納得してください(懇願。

次回は三回戦。

vsアオ·セフィラ戦。

では、また(`・ω・´)ゞ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。