大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ( ゚д゚ )クワッ!!


第三百三十五話 久方ぶりの

第三者side

 

 

 

「……ん?イリヤ??」

 

 

「あ、起きた?」

 

 

クロが目を覚ますとそこは医務室のようなところであった。

 

側にはイリヤがおり、備え付きの椅子に座っていた。

 

 

「あれ?私なにして……」

 

 

「アオさんとの試合が終わって気絶しちゃったんだよ。覚えてない?」

 

 

「あー……そういえばそうだったわね。はぁ、負けちゃったかあ」

 

 

「別に良い勝負だったと思うけど。それにそのデバイス、実戦で試すの初めてだったんでしょ?」

 

 

側にある机の上にブレスレット型デバイスが置いてあった。

 

 

「まあねぇ。思ってたより使いやすいわよこれ。非殺傷設定もしっかり効いてたし」

 

 

「でも私、正直クロが負けると思ってなかったよ」

 

 

「私も負ける気なんてなかったんだけどね……」

 

 

クロの表情が少し沈む。

 

すると気分を入れ替えるようにイリヤが話題を変える。

 

 

「そういえばお腹空いてない?もうすぐお昼だし、せっかくだから皆で食べに行こうって話になってるんだけど」

 

 

「まさかあいつらと?」

 

 

「うん。カナさんが良かったらって」

 

 

「まあ、別に構わないけど」

 

 

そこでクロが気付く。

 

 

「そういえばミユは?」

 

 

「ミユなら今ヒエンさんに連絡してるところ。そろそろ戻ってくると思うけど」

 

 

すると医務室のドアが開く。

 

見れば美遊が入って来たところであった。

 

 

「今戻った」

 

 

「噂をすれば影ね」

 

 

「クロ、起きたんだ」

 

 

「おかげさまでね」

 

 

二人が軽く話す。

 

そこから数分三人で談笑していると、カナ達が様子を見に来た。

 

 

「クロエちゃん、気分はどう?」

 

 

「……少しボーッとするけど問題ないわ」

 

 

「そう、良かったわ。なら、お昼になったらこの近くに美味しいご飯屋さんがあるから、お疲れ会も兼ねて皆で一緒に食べに行きましょう」

 

 

その後、体調が回復したクロを連れてイリヤ達六人は、カナの奢りで日本食専門のご飯屋へと行くことに。

 

模擬試合を終えたからか、六人共に気軽に話せる間柄となっていた。

 

そしてご飯を食べ終えたイリヤ達は、道場前で解散することに。

 

 

「色々ありがとうございました。ご飯までご馳走になっちゃって」

 

 

「いいのいいの。私達も良い経験させてもらったしね」

 

 

二人は仲良く話す。

 

側にいるナヲと美遊も話していた。

 

 

「次は勝つ」

 

 

「それは私の台詞」

 

 

そして残ったクロとアオはというと、それらの様子を少し離れた所から見ていた。

 

 

「青春って、こういう事を言うのかしらね」

 

 

「何、年寄りくさいこと言ってるんですか。まだ子供のくせに」

 

 

「子供以前に乙女よ。乙女にも色々思うところがあるの。貴女のそういう、いちいちツッコむ所、妙にオバさんくさいわよ?」

 

 

「だ、誰がオバさんですか!?私はまだ15歳です!!」

 

 

「はいはい。ごめんなさ〜い。しっかし、互いの戦績は1勝1敗1引き分けか〜。勝ち越せなかったわねぇ」

 

 

クロが呟くと、呆れたようにアオが返した。

 

 

「私達はこう見えても道場内で上位に位置する強さを持っています。そう簡単に勝てると思われては困ります。というか、私としてはその私達と互角以上にやり合った貴女達の事が気になるのですが……」

 

 

「良い女には秘密がある物よ?」

 

 

クロがウィンクしながら言う。

 

幼いながら妖艶な雰囲気を醸し出していた。

 

アオは額を抑えて呟く。

 

 

「なぜ私より幼いのにこんなに色気があるのですか……」

 

 

そして話すこと数分、彼女達は解散した。

 

別れ際にアオから少年へ『良い試合をしましょう』と伝言を頼まれた。

 

イリヤは気分良く歩きながら帰る。

 

 

「いや〜予想外なこともあったけど、無事ミッションが遂行出来て良かった〜」

 

 

「私達も色々収穫あったしね」

 

 

「そうねぇ。私も色々課題が見えてきたっぽいし」

 

 

すると美遊がイリヤに話しかける。

 

その手には剣士(セイバー)騎兵(ライダー)魔術師(キャスター)狂戦士(バーサーカー)の四枚のクラスカードがあった。

 

 

「イリヤ、これ」

 

 

「ん?なあにミユ?それは……クラスカード?」

 

 

「とりあえず、この四枚があれば火力不足も補えると思う」

 

 

「え?でもミユは……」

 

 

「私はこの二枚を使わせてもらう」

 

 

美遊の反対の手には槍兵(ランサー)暗殺者(アサシン)のクラスカードがあった。

 

それを横から見ていたクロは納得する。

 

 

「うん、バランスとしてはそれが妥当じゃない?ミユなら火力不足の心配もないし」

 

 

そこにサファイアとルビーも便乗する。

 

 

《そうですね。ミユ様は遠·中·近全ての距離で対応できますので丁度良いかと。それに今はこちらの世界の魔法に興味を持たれていらっしゃるので、そちら方面でもカバーできるかと》

 

 

《私もそれには賛成ですねー。火力は魔法少女の花形といっても過言ではありませんから》

 

 

イリヤは渋々クラスカードを受け取る。

 

 

「皆がそこまで言うなら……持っときます」

 

 

そうこうしている内に拠点にしているホテルについたイリヤ達。

 

そして美遊の案内の元、少年の所へ向かっていると予想外の光景があった。

 

 

「こ、これって一体どういう状況〜!?」

 

 

なんと少年がたくさんのぬいぐるみらしき物に揉みくちゃにされていたのだ。

 

そしてなぜか周りには大勢の美少女達がいた。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

午前のトレーニングを終えた俺は、ホテルのトレーニング施設の一つであるグラウンドでハトプリの面々と共に待機していた。

 

なぜかというと、いよいよプリキュア世界からオールスターズの面々が応援に来るからだ。

 

そして相棒の額の紅の宝石から投影されているアンジェ先輩が話し始めた。

 

 

『では、始めます』

 

 

その言葉を皮切りに前方に虹色のオーロラが展開される。

 

すると見知った顔が現れた。

 

 

「おお!なんか不思議な感じ!!」

 

 

「はしゃぎ過ぎちゃダメよ、なぎさ」

 

 

「ヒエンさんに会えるの楽しみです」

 

 

なぎさ、ほのか、ひかりの初代MHチームが現れ……

 

 

「別世界のパン食べてみたいね!」

 

 

「気になるところ、そこなんだ……」

 

 

咲、舞の二代目SSチームに……

 

 

「ミッドチルダどんなところかなぁ!楽しみぃ!!」

 

 

「そうですねのぞみさん!」

 

 

「はしゃぐのはいいけど、アンタ達は絶対に一人で行動しちゃダメだからね!」

 

 

「小説のネタに困ってたから今回の応援は丁度良かったわ〜。ヒエンさんはネタの宝庫だし」

 

 

「ほどほどにね……」

 

 

「こんなんで大丈夫なのかしら?」

 

 

のぞみ、うらら、りん、こまち、かれん、くるみの5GoGo!チームに……

 

 

「ミッドチルダって魔法の世界だから空飛ぶ絨毯(じゅうたん)とかあるのかなあ?」

 

 

「どうなのかしら?あったら便利だとは思うけど」

 

 

「あったら素敵だよねぇ」 

 

 

「重量オーバーで落ちないかが心配ね」

 

 

ラブ、美希、祈里(いおり)、せつなのフレプリが現れた。

 

皆の視線が俺の方へと向く。

 

俺は手を上げ、軽く挨拶した。

 

 

「よっ、久しぶり」

 

 

それに皆が答えた。

 

 

 

「「「「「お久しぶりです!!」」」」」

 

 

 

こうして俺達は再会した。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

「皆さん!」

 

 

「やっと来た!」

 

 

「案内しないとですね」

 

 

「そうね」

 

 

つぼみとえりか、いつき、ゆりがオールスターズの元へと向かう。

 

それと入れ替わるようにひかりと舞が俺の元へとやって来た。

 

 

「ヒエンさん」

 

 

「元気そうで良かったです」

 

 

「ん、二人も変わらず元気そうでなにより」

 

 

ハトプリの面々以外で一番関わったプリキュアはこの二人だ。

 

学園祭で知り合ってからは、ほぼ毎日メールをしていた気がする。

 

俺は会話する。

 

 

「つぼみから聞いたよ。俺が帰ってから新しいプリキュアと何度か共闘したんだって?」

 

 

「あ、はい。その色々ありまして……」

 

 

「でも皆でちゃんと解決できましたから大丈夫ですよ?」

 

 

俺は言う。

 

 

「困ってたらアンジェ先輩経由で呼んでくれたら良かったのに。みずくさい」

 

 

すると二人はジト目をする。

 

なんでさ?

 

 

「呼んだら絶対無茶するじゃないですか」

 

 

「それでまた大怪我するに決まってます」

 

 

「人をそんなドMみたいに言うのやめてくれない?」

 

 

なめんなよ?

 

俺を誰だと思ってんだ?

 

ヒエンさんだぞ?

 

 

「私達全員、砂漠の使徒との決戦で振り回されたときのこと、まだ忘れてませんからね?」

 

 

「本当あのときはどれだけ心配したか……」

 

 

「その節は誠に申し訳ございませんでした」

 

 

調子に乗ってすみません。

 

やはり彼女達には頭が上がらない。

 

あれ?

 

知り合った当初もこんな感じじゃなかった?

 

すると二人は神妙な顔でさらに話す。

 

 

「ヒエンさん……」

 

 

()()()()()()()()()()()()()ありませんか?」

 

 

ん?

 

どういう意味かと思い、聞き返そうとするとドドドドドという何かが駆けてくるような音が聞こえた。

 

なんだ?と思い、目を向けると何かがこちらに向けて全速力で突っ込んできていた。

 

え?

 

あれってもしかして妖精達?

 

 

 

 

 

 

「「「「「ヒエーーーン!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

そしてものの見事に、妖精軍団が俺の顔面に飛び込んできた。

 

 

「ギャー!?」

 

 

総勢約十匹の妖精が俺の顔に群がる。

 

 

「もがもが!?」

 

 

い、いかん!?

 

呼吸が全くできん!?

 

酸素を!!

 

空気を!!

 

我にいいぃぃぃ!?

 

 

「あ、貴方達!ヒエンさんに久しぶりに会えて嬉しいのは分かるけど、もう少し落ち着いて!?」

 

 

「ヒエンさんが呼吸できなくなってるから!?」

 

 

するともう一組の声が響く。

 

 

「こ、これって一体どういう状況〜!?」

 

 

イリヤ達の声が聞こえた。

 

戻ってきてたのか、ってそうじゃない。

 

早くこいつらを引き剥がさねば窒息死する。

 

俺は咄嗟に死ぬ気化すると、顔にへばりついてる妖精達を強引に引き剥がしていく。

 

潜在能力を解放し、身体能力をアップさせる。

 

こいつら、ちっちゃいのにへばりつく力がとんでもない。

 

とりあえず呼吸はできるようになった。

 

そして俺はチェーンバインドを発動させて妖精達を確保した。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……死ぬかと思った」

 

 

視線を向けると、見覚えのある妖精達がこちらを嬉しそうに見ていた。

 

 

「ヒエンひどいですぅ」

 

 

「これ早くほどくですぅ」

 

 

「そうでしゅ」

 

 

「それ解いたら、お前らまた群がってくるから却下」

 

 

ハトプリのパートナー妖精、シプレとコフレ、ポプリがいた。

 

こういうときは妖精達をまとめる年長者に話を振るに限る。

 

 

「おいコロン、妖精達の手綱はちゃんと握ってくれてないと困るんだが?」

 

 

「無茶言わないでくれたまえ。これだけの数の妖精を僕一人だけでまとめきれる訳がないだろう……」

 

 

俺の話に不満顔で文句を垂れる紫の妖精がいた。

 

っていうか、他にも年長者系の妖精いるじゃない。

 

ほら、ココとかナッツとかタルトとか。

 

しかし、その件の三匹は後ろの方で見学していた。

 

おい。

 

 

「まあ何はともあれ、久しぶりだな」

 

 

「元気そうで安心したよ」

 

 

俺達は互いに笑い合う。

 

やはり妖精の中ではコロンが一番大人びているから話しやすい。

 

すると……

 

 

「あの〜そろそろ私達にも気付いてほしいんですけど!?」

 

 

「ん?」

 

 

視線を向けると、頬を膨らませたイリヤがいた。

 

その後ろの方では美遊とクロが興味深そうにこちらを見ていた。

 

あー……説明しないとダメよね。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

「あーっ……こちら別の並行世界から俺の応援に駆けつけてくれたプリキュアの皆さんだ。こっちがそのプリキュアを支える妖精達」

 

 

俺はイリヤ達にオールスターズの皆を簡単に紹介していた。

 

一人一人紹介していくと時間がかかるので、そこらへんは各個人に任せるとする。

 

そしてイリヤはというと、芸人張りのリアクションで驚いていた。

 

 

「め、滅茶苦茶綺麗で可愛い系な人ばかり!?それに妖精って本当に実在したんだ!?」

 

 

「初めて見た」

 

 

「私も初めて見たわ。それにしても随分といるのね。十五人くらい?」

 

 

美遊とクロも乗っかる。

 

俺は説明する。

 

 

「転移するためのエネルギーがやっと溜まってな、皆さっき来たばかりなんだ」

 

 

「あ、思い出した!この人達、ヒエンさんの記憶の追体験で見た人達だ!!」

 

 

イリヤが叫ぶ。

 

そしてどうやらプリキュアの皆もイリヤ達のことは知っているようだった。

 

あれ?

 

でも俺、オールスターズの面々にはイリヤ達のこと説明した覚えないんだけど?

 

一体どういうことだ?

 

すると突然、側にいた舞とひかりが声をかけてくる。

 

 

「それでヒエンさん……」

 

 

「私達一つ確認しておかなきゃいけないことがあるんですけど……」

 

 

そのとき彼女達の声は小さく響いた。

 

 

 

 

 

 

「「私達になにか秘密にしてること……ありませんか??」」

 

 

 

 

 

 

なぜだろう?

 

二人の周りの気温だけ少し下がった気がする。

 

なんというか、あのおしとやかな舞とひかりからは想像できないような迫力を感じるのである。

 

なのはやつぼみが周囲に有無を言わせぬプレッシャーを放つとしたら、この子達の場合、静かな殺気とでも言おうか、獲物を仕留める狩人、まさに(ワシ)(タカ)を彷彿とさせるのだ。

 

俺は助けを求めようと周りに目を向けるが、既に誰もいなかった。

 

全員離れた所に避難していた。

 

どうやら一瞬で異常を察知したらしい。

 

判断能力高すぎない?

 

とりあえず内心ビクビクしながらも、当たり障りのない返答をしておく。

 

 

「べ、別に何もない……」

 

 

「本当に?」

 

 

「ほ、本当に……」

 

 

「そうですか……」

 

 

すると舞とひかりは、俺の肩の上にいる相棒を手に取ると、アンジェ先輩にポツリと話しかける。

 

 

『どうしたのですかお二人とも?は、はあ。それは可能ですが……あー……なるほど。そういうことでしたら、分かりました』

 

 

何をしているのか気になるので見ていたら空中にモニターが投影される。

 

なんだろうと思い見てみると、俺が映っていた。

 

 

「は?俺??」

 

 

見てみれば冷火とカラフル猫四匹の姿もあった。

 

これってあれじゃん。

 

いつぞやの冷火に話してたときの日のやつじゃん。

 

これがどうしたというのか。

 

すると画面の俺と冷火は会話する。

 

 

 

『……ちなみに世界の命運を懸けた戦いに今まで何度巻き込まれたのですか?』

 

 

 

『四回……かな』

 

 

 

『巻き込まれ過ぎですっっ!!』

 

 

 

『いやまあ、うん。否定はしない』

 

 

 

『ちなみに並行世界から応援に来るプリキュアの皆さんは、このことを知っているのですか?』

 

 

 

『いや、言える訳ないだろ。お人好しが服着て歩いてるような女の子達だぞ?帰ってすぐに事件に巻き込まれたなんて知ったら絶対関わってくるに決まってる。というか説明がめんどくさ……ゲフンゲフン……ややしこいだろ』

 

 

 

『今、めんどくさいと言いかけましたね』

 

 

 

『…………』

 

 

 

『……話しておいた方が良いと思いますが』

 

 

 

『いいか冷火、世の中にはこんな言葉があるんだ。……バレなきゃいいんだよおおぉぉ!!』

 

 

 

映像が終わる。

 

 

 

「…………」

 

 

 

なぜだか冷や汗が止まらなかった。

 

 

 

だがこれだけは理解できた。

 

 

 

またやらかした。

 

 

 

ひかりと舞はこちらを見る。

 

 

 

案の定、目のハイライトが消えていた。

 

 

 

「ヒエンさん……言いたい事、分かりますよね?」

 

 

 

「ハイ」

 

 

 

「じゃあ……話して、くれますよね?」

 

 

 

「ハイ」

 

 

 

体は自然と正座していた。

 

 

 

本能的にはこの二人に逆らってはいけないと判断したらしい。

 

 

 

このあと久方ぶりのOHANASHIをすることになった。

 

 

 

ナンテコッタイ。




次回は特訓と思いきや謎の仮面をつけた二人組の襲撃が!

小太刀を持った二人組であった。

一体どこの戦闘民族なんだ!?

では、また( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン

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