大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(・∀・)

続き書けたで候。

では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻


第三百三十話 エリートクラス二回戦後

ヒエンside

 

 

 

『試合終了〜〜!!』

 

 

トドメのダブルヒートバーナーが決まり、テル·ボーを倒して、三回戦進出を決めた。

 

 

『今年も活躍が期待されたテル·ボー選手、まさかの二回戦敗退!そしてヒエン·オオゾラ選手、見事都市本戦出場選手を下し、大金星でエリートクラス二回戦を突破!ヒエン選手のこれからの活躍が楽しみです!!』

 

 

実況の言葉を聞きつつ、静かにリングへと降りる。

 

 

「はぁ……」

 

 

三割くらいの力で撃ったとはいえ、ダメージを負ったのと気力をある程度消耗したせいか、少し疲れてしまった。

 

それにこの一·二回戦で随分と手札を披露してしまったし、次の三·四回戦はさらに厳しくなると思った方が良いだろう。

 

だが今この時だけは……勝利を噛み締めよう。

 

 

「良くやりましたね」

 

 

「なんとかな……」

 

 

俺はリングを降りて退場する。

 

応援席に手を振りつつ、控え室に戻っていく。

 

次の試合は二日後だ。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

控え室に戻り、軽くシャワーを浴びてから応援席へ戻ると、皆が何やら興奮していた。

 

話を聞いてみれば、俺が勝ったことで周りにいた観客達の反応が大層面白かったらしい。

 

周りは完全にテル·ボーが勝つと思っていたらしく、予想外の結果に空いた口が塞がらなかったようだ。

 

なんでも俺達の応援席にイチャモンをつけにきた輩がおり、それで少し嫌な想いをしたそうな。

 

ゆりとリインフォースが対応したことで事なきを得たようで、二人の射殺すような視線と威圧感に早々に退散していったらしい(震え声。

 

しかしどこにでもふざけた奴はいるもんだな……。

 

皆には個人行動だけは絶対にしないように言っておかないと。

 

どこで絡まれるか分かったもんじゃない。

 

そもそもチームヒエンのメンバーには今のところ女子しかいないので、それも絡まれる要因になったのだろう。

 

中には、嫉妬染みた視線を向けてくる者達までいる。

 

主に俺に……orz

 

俺はなんとも言えない気持ちでホテルへと戻っていった。

 

その後、夕食を食べた後、ミーティングを行うことに。

 

議題は勿論、三回戦の相手選手について。

 

俺の次の対戦相手は、天瞳流の居合剣士の少女らしい。

 

都市本戦常連組の一人、カナ·モルフォンの後輩で名をアオ·セフィラという。

 

青い髪をなびかせながら居合刀を振るうその姿は美しく、まさに芸術の域にまで達しているとか。

 

話を聞く限り、また強そうな相手である。

 

明日の二日間の休息期間中にイリヤ達が天瞳流の道場に敵情視察に行ってくれるようだが、少し心配だ。

 

イリヤも俺に負けず劣らず運が悪いからな。

 

できるだけ無理はしないように言っておく。

 

他の皆も四回戦の相手の情報について手分けして調べてくれるとのこと。

 

いや、本当頭上がらないとです。

 

ちなみにクロノとティーダは危なげなく勝ち上がっていた。

 

どちらも1Rで瞬殺しており、テレビで優秀選手として注目されていた。

 

俺も都市本戦選手を破ったということで、注目選手としてピックアップされていた。

 

二つ名はやはりといっていいか、既に広まっていた【氷凍炎焔(アイスフレイム)】であった。

 

まあ、これはこれで気に入ってるので俺としてはいいが。

 

その日の夜はぐっすり眠れた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

翌日、朝起きてしばらくボーッとしているとアンジェ先輩から呼び掛けがあった。

 

 

『おはようございますヒエン。一·二回戦突破おめでとうございます。良く眠れましたか?』

 

 

『おはよ〜ございます〜それなりに〜』

 

 

『まだ寝ぼけていますね……。まあいいです。貴方に伝えなければならないことがあるので、簡潔にお伝えしますね。プリズムフラワーのパワーが溜まったので、残りのプリキュアの皆さんをそちらの世界に転移させようと思うのですが、今日の昼頃空いてますか?』

 

 

その言葉を聞いて意識が覚醒する。

 

 

『あ、はい。空いてます』

 

 

『なら、今日の13時頃、リニスと共に待機しておいて下さい。そのときは広いスペースでなおかつ、周りに人がいない場所でお願いします』

 

 

『あ、そういう。了解しました』

 

 

『話が早くて助かります』

 

 

異世界転移してくるところなんて他人に見せられる訳ないもんね。

 

 

『リニスにはヒッツを通じてもう伝えてありますので、よろしくお願いします』

 

 

『分かりました』

 

 

『それでは私はこれで。また何かあったら連絡します』

 

 

『あ、ちょっと待って下さい。響達はいつ頃来れそうですか?』

 

 

『響さん達の方はもう少しかかりそうです。弦十郎の話では、ようやく落ち着いてきたらしいのですが……』

 

 

『なるほど、了解しました。ありがとうございます』

 

 

響達の方はまだ来れないか。

 

まあ、こっちの世界に戻ってくるときもパヴァリア光明結社の残党やら事後処理やら結構残ってたからな。

 

会えるのはまだまだ先だな。

 

 

『それでは私はこれで』

 

 

『あ、はい。お疲れ様です』

 

 

そしてアンジェ先輩との思念通話は終了する。

 

 

「とりあえず着替えよ」

 

 

すっかり目が冴えてしまったので着替えることにした。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

朝食を食べた後は、リニス考案体力トレーニングをすることに。

 

リニスは用事があるとかで一旦地球へ戻っている。

 

プリヤ組となのは達は対戦相手の情報収集に行っており、今回はハトプリ組がトレーニングの補助をしてくれている。

 

つぼみとえりかが主に食事や飲み物の準備·トレーニングの記録係などをし、いつきとゆりが主に俺のトレーニング相手となっている。

 

俺は筋トレをしながら四人に話を振る。

 

 

「今日の昼頃に皆が来るんだ!?」

 

 

「ああ」

 

 

えりかが元気よく反応する。

 

他の三人もオールスターズの面々が来ると聞いて嬉しそうだ。

 

そういえばずっと気になっていたのだが、俺がこっちに戻ってからあっちの世界では何か変わったことはなかったのだろうか?

 

 

「あっちの世界では、俺が帰ってからは大丈夫だったのか?」

 

 

俺の質問につぼみが答える。

 

 

「新しいプリキュアの皆さんと何度か共闘したことがありますね」

 

 

「新しいプリキュアと共闘!?」

 

 

つぼみの言葉につい筋トレする手を止める。

 

 

「手を止めない」

 

 

「ア、ハイ」

 

 

ゆりに注意され、筋トレを続ける。

 

 

「その話詳しく!」

 

 

「えっとですね……」

 

 

つぼみの話によると俺が帰ってからの約四ヶ月で色々なことがあったらしい。

 

なんでもフュージョンと呼ばれる悪意の塊と横浜みなとみらいで戦ったり、妖精の世界で負の感情が具現化した影と戦ったり、夢の世界で悪夢の怪物:悪夢獣と戦ったりしたらしい。

 

俺は話を聞いて唖然とする。

 

 

(それって思いっきりNew Stageシリーズのボス達じゃないですかヤダー)

 

 

New Stageシリーズとは簡単に言えば、プリキュアオールスターズが活躍する三つのシリーズ物である。

 

その前作にはDX(デラックス)シリーズがあり、俺の前世ではチビっ子達に大変人気であった。

 

どうやらその四ヶ月の期間でプリキュア世界はオールスターズの映画に突入していたらしい。

 

しかし気になることが一つ。

 

DX3の内容だけ出てこないのだ。

 

DX3とは、簡潔に説明するとかつてプリキュア達を苦しめた強敵達が、ブラックホールという黒幕の力で蘇り、世界を繋ぐ奇跡の花【プリズムフラワー】を枯れさせ、世界を暗黒化させる企みを持っており、それらを防ごうとするプリキュアオールスターズと、闇の勢力の戦いの内容が主に描かれている。

 

敵の策によって異世界に飛ばされたプリキュア達は、いつものパートナーや仲間から引き離され、強敵達が作り出した世界に閉じ込められてしまう。

 

最初は息が合わず混乱し、苦戦するプリキュア達であったが、次第に仲間を信じる心で持ち直し、強敵達へと反撃を開始する。

 

奮闘の末、なんとか全員元の世界へ帰還することに成功する。

 

元のパートナー達と無事再会したプリキュア達は、それぞれ因縁のある敵達を撃破していくが、ついに真の黒幕ブラックホールが姿を現す。

 

しかしブラックホールは規格外であった。

 

その名の通り、地球を覆いつくさんばかりのサイズであり、まさにブラックホールの名に相応しかった。

 

ブラックホールは、プリズムフラワーを奪うと、さらにプリキュア達から戦う力を失わせ、無力な存在へと変える。

 

絶望的な状況の中、プリズムフラワーの最後の力を使い、人間と妖精の世界の繋がりを断つ代わりにブラックホールを倒すという最後の手段が妖精達により提示される。

 

別れを惜しんで決断出来ないプリキュア達であったが、断腸の思いでその作戦を受け入れ、最後の変身を行う。

 

プリキュア達はブラックホールを倒すために全ての力を解き放ち、ついにブラックホールを撃退することに成功する。

 

しかし、そこには妖精達の姿はなく、悲しみを堪え、泣き崩れる20人の少女達の姿しかなかった。

 

数日後、皆で集まって遊んでいると、新たなプリズムフラワーの種がこころの大樹に芽生えたことで世界が再び繋がり、妖精達はプリキュア達の元へと戻ってくることになり、めでたしめでたしとなる。

 

これがDX3の内容だ。

 

本来なら時系列としては、DX3を経てからNew Stageシリーズに入るはずなのだが、話を聞く限りではDX3自体がないようなのだ。

 

 

(これってもしかしなくても俺が原因だよな……)

 

 

恐らくではあるが、俺がプリキュア世界に呼ばれたことによって、内容が変わってしまったのだろう。

 

俺が行ったことで、結果的にこころの大樹は守られ、枯れることなく、むしろさらに元気よく生い茂っている。

 

その関係で映画の根幹であるプリズムフラワーの種自体は、俺と相棒が受け継いだことによって、枯れることはなくなった。

 

だがここで避けられない問題が浮上してくる。

 

 

(ということはブラックホールさん、まだご顕在ってことですよね……)

 

 

DX3のボス、ブラックホール。

 

プリキュアオールスターズ史上最強最大のラスボスであり、ある魔女曰く『邪悪の神であり、闇の意思そのもの』。

 

その正体は、プリキュアの敵対勢力である闇の勢力達の邪悪なエネルギーが宇宙で融合して誕生した存在である。

 

うん。

 

もうこの時点で既に意味が分からないよね。

 

かつて戦った黒化英霊やら、ナハトヴァール侵食暴走体、神の力を司る巨大兵器ディバインウェポン、完全体になったアダム·カドモンなどが可愛く思えてくるまである。

 

もし戦おうもんなら、というか確実に勝てん。

 

ブラックホールなんぞ、どう対抗しろと?

 

ってか原作のオールスターズよく勝てたな。

 

びっくりだわ。

 

これは少しアンジェ先輩に忠告しておいた方がいいかもしれない。

 

苦労して世界を守ったのに、簡単に滅ぼされたらでは溜まったものではない。

 

 

(……保険かけとくか。用心するに越したことないし。とりあえずアンジェ先輩に頑張ってもらおう)

 

 

俺はそんなことを考えながら、じっくりとトレーニングを行った。

 

そして時刻は昼過ぎとなり……

 

 

 

 

 

 

「「「「「お久しぶりです!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

オールスターズの面々がインターミドルの応援に駆けつけてくれたのであった。




次回は相手選手の偵察にいったイリヤ達の話。

少年の次の対戦相手の情報を調べるために天瞳流の道場にやってきたイリヤ達ご一行。

しかしトラブルに愛されている系魔法少女イリヤに何も起こらない訳がない。

なぜか話の流れで、天瞳流チームと3対3の模擬戦をすることに。

イリヤ·ミユ·クロの三人が戦います。

では、また∠(`・ω・´)

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