大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(・∀・)

続き書けたで候。

ちょっと小癪な戦法使います。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百ニ十九話 続・エリートクラス二回戦

ヒエンside

 

 

 

テル·ボーの球体攻撃が俺に迫る。

 

 

「くっ!?」

 

 

俺は咄嗟(とっさ)に身体を(ひね)ってかわし、奴を見失わないように注意する。

 

奴を見失えば、死角から攻撃されてしまい、対応も難しくなるからだ。

 

それに球体の回転スピードが少しずつ上がっている気がする。

 

つまり時間が経てば経つほど、球体のスピードは増していき、破壊力も上がっていく。

 

纏っている光もスピードとパワーを増長させている一因となっているだろう。

 

 

「厄介だな……ならば」

 

 

俺は右手に炎のエネルギーを集中させ、何度かかわしながらタイミングを測る。

 

そして……

 

 

「ここ!」

 

 

絶好のタイミングで攻撃が来たので、真っ正面から迎え撃つ。

 

俺の炎の拳と球体がぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

ヒエン·オオゾラ

LP13500→11000

 

 

『おーっと!ヒエン選手!テル·ボー選手の攻撃を真っ正面から迎え撃ったが、打ち負けたー!?』

 

 

するとそれを好機と見たのか、テル·ボーは攻めを激化させた。

 

 

「ぐはっ!?」

 

 

ヒエン·オオゾラ

LP11000→8000

 

 

俺は攻撃を何度か食らいながらも両手にラウンドディフェンダーを展開させ、球体を逸らすように受け流していく。

 

 

『ヒエン選手、テル·ボー選手の猛攻に防戦一方だー!両手に盾を形成しているが、それもいつまで持つのかー!!』

 

 

ひたすら球体攻撃を受け流す。

 

都市本戦出場選手を甘く見ている訳ではなかったが、予想以上にやりづらい相手であった。

 

今この瞬間は、攻撃を凌ぐことだけを考える。

 

するとゴングが鳴り、第一ラウンドが終了する。

 

 

『ここでゴングがなった!終始テル·ボー選手優勢であった第一ラウンド!次ラウンドでヒエン選手は巻き返せるかー!!』

 

 

ここからは一分間のインターバルに入る。

 

インターバルでは、ダメージをある程度回復する機能がついている。

 

この程度であれば、全快も可能だ。

 

俺は自陣へと戻り、リニスからスポーツドリンクを受け取ると、質問する。

 

 

「あの球体攻撃……どう思う?」

 

 

するとリニスは答えてくれた。

 

 

「あれは変身魔法の応用です」

 

 

「変身魔法の……応用?」

 

 

「はい。変身魔法は使用者のイメージが具現化されるもの……というのは分かりますね?」

 

 

「うん」

 

 

「変身魔法はイメージが具体的であればあるほど、その効力は発揮されます。故にテル·ボー選手は、無駄を省き、敢えてシンプルさだけを追求することによって、その力を最大限に発揮させています」

 

 

「そうか。球体っていうシンプルさ故の強み……って訳か」

 

 

「はい。さらに球体に電気を付与させることで攻撃力を上げ、周りに極小のサーチャーを展開させておくことで360度見渡せる様にもしているようです」

 

 

「だからあんなに正確無比な攻撃が可能なのか……」

 

 

「あの球体攻撃を真っ正面から迎え撃つのは、あまり得策ではありません」

 

 

「時間が経つにつれて回転速度も上がっていく上に、パワーも上がるからな。攻撃を受けて身に沁みて分かったよ」

 

 

「なら、もう分かっていますね?出し惜しみして勝てる相手ではありません。全力を持ってねじ伏せなさい」

 

 

「ああ、やれる事は全部やってやる」

 

 

大会はまだまだ続く。

 

力を温存できればそれに越したことはなかったが、やはりそう簡単に勝ち抜けるほど、インターミドルは甘くなかった。

 

テル·ボーのあの球体攻撃……要はポケモンで言う、ころがる攻撃だ。

 

あの攻撃への対策も、ぼんやりとではあるが、今思いついた。

 

そろそろインターバルも終わる。

 

俺は席を立ち、リングへと向かう。

 

 

ヒエン·オオゾラ

インターバル回復+5500

LP8000→13500

 

 

受けていた傷も治り、全快となる。

 

俺は拳と掌を合わせて、気合を入れる。

 

このラウンドで決める気で行こう。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

『第ニラウンドゴングですっ!』

 

 

俺は先手必勝として奴を抑え込む。

 

 

「リングバインド!」

 

 

「っ!」

 

 

リングバインドは速度に優れた拘束魔法である。

 

単体での固定力は大したことないが、四肢を拘束することでそれをカバーする。

 

俺はグローブから炎を噴射し、テル·ボーの懐に潜り込み、掌底を繰り出す。

 

 

「!?」

 

 

テル·ボーの顎を吹き飛ばすと、身体が僅かに浮く。

 

その反動でリングバインドが解除されるが、構わない。

 

そこから炎の拳の連撃を奴に入れていく。

 

簡単な話だ。

 

奴が何かする前にこちらから攻撃すればいい。

 

要は殺られる前に殺れだ。

 

そして空中へと吹き飛ばすと、炎の噴射で奴の背後へと回り込み、炎を纏った踵落としでリングへと吹き飛ばす。

 

 

「ぐあ!?」

 

 

テル·ボー

LP13500→6500

 

 

『テル·ボー選手大ダメージ!ヒエン選手試合開始と同時に高速の連打でテル·ボー選手を追い詰める!!第一ラウンドとは打って変わって攻守が逆転だー!!!!』

 

 

俺は追撃と言わんばかりに炎の噴射で再度テル·ボーに接近するが、彼女は右腕のアームキャノンをこちらに向けて氷の砲撃を放ってきた。

 

 

「アイスビーム」

 

 

しかしその攻撃を超直感で感知していた俺は紙一重でかわし、炎のパンチを放つが……

 

 

(手応えがない!?)

 

 

攻撃をした感触がなかった。

 

と、ここで再び超直感が反応する。

 

俺は咄嗟にクロスガードで攻撃を防ぐ。

 

 

「くっ!?」

 

 

それは第一ラウンドと同じ球体攻撃であった。

 

 

「スクリューアタック」

 

 

「なっ……に!?」

 

 

しかもパワーが段違いに上がっており、俺はそのまま押されていく。

 

そしてガードを解かれ、回転の猛打が俺を襲った。

 

 

「ぐ……がああぁ!?」

 

 

強力な衝撃が俺を襲う。

 

まるで身体全体を零距離から均等に殴られたようだ。

 

そして、俺はそのままリング外に吹き飛ばされてしまった。

 

 

ヒエン·オオゾラ

LP13500→5000 

 

 

『ヒエン選手リングアウト!テル·ボー選手のスクリューアタックが決まったあぁ!!ヒエン選手立ち上がれるかあぁ!?』

 

 

「ぐ……ぐぉおおおお!!」

 

 

身体中が痛いが、気合いを入れて立ち上がる。

 

バリアジャケットはボロボロになっており、黒いベストはなくなっていた。

 

俺はゆっくりと戻っていく。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

リングインするとテル·ボーは元の人型に戻っており、こちらをジッと見ていた。

 

あの球体攻撃、スクリューアタックというのか。

 

思った以上に強力な攻撃だ。

 

恐らく次食らえば、ライフポイントはギリギリ残るか残らないかの瀬戸際となる。

 

残り時間はおよそ一分半。

 

ここで決めなければ、はっきり言って勝ち目はない。

 

俺は額の炎の質を柔から剛に切り替える。

 

 

『試合再開ですっ!』

 

 

試合が再開されると、再びスクリューアタックが展開される。

 

 

「ワンパターンだな」

 

 

それを見た俺は即座にフェイクシルエットを使用し、幻影三十体を出す。

 

 

『おお!ヒエン選手が何人も増えた!?テル·ボー選手はどう動くか!!』

 

 

そのとき球体の動きが一瞬遅くなるが、スピードをあげて幻影達に無作為に突っ込んでいく。

 

片っ端から消していく気か。

 

そうはさせまいと俺も幻影を操り、攻撃を食らわないように操作する。

 

その間、本体の俺はミラージュハイドで姿を消しておく。

 

言っておくが卑怯ではない。

 

戦略である。

 

思った通り、奴は戸惑っている。

 

すると予想外の動きに出た。

 

なんと空中を回りながら跳躍するとボムを展開させて、リング内を爆破していくのだ。

 

範囲攻撃に切り替えてきたようだ。

 

しかも回りながら空中跳躍とか反則くさい。

 

 

『テル·ボー選手も負けじとボムで幻影を減らしていく!!』

 

 

だがそう何度も上手くいくと思うなよ。

 

俺はファーストエディションを使用し、リング内の床を凍らせる。

 

 

「零地点突破ファーストエディション……銀世界(シルバーワールド)!」

 

 

するとリングに着地した球体は上手く滑ることができずにスリップしていく。

 

そこでスピードが弱まった所を分身四体を生み出し、砲撃で攻撃する。

 

ここで大事なのは、本体の俺が攻撃をしないことだ。

 

俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「くっ……」

 

 

テル·ボー

LP6500→2000

 

 

『ヒエン選手も負けじと床を凍らせ、スリップしたところを狙い撃ちだ!テル·ボー選手大ダメージ!!』

 

 

テル·ボーは元の人型に戻ると、膝を崩す。

 

だがすぐに立ち上がるとアームキャノンを上へ向け、何十発ものミサイルを撃ち、まとめて幻影を減らしにかかる。

 

 

「パワーボム」

 

 

それだけでなく圧倒的火力を用いて爆撃すると、リング内の幻影達は全滅した。

 

四分身の方は防御魔法を展開させて免れていた。

 

本体の俺も空中にいることで難を逃れていた。

 

それにしてもあの野郎、火力がバカ高過ぎる。

 

どれだけ攻撃手段があるのだろうか。

 

するとテル·ボーは、ブースターを展開させて高速で移動すると、分身にショルダータックルをかます。

 

そして砲身から青色のムチのようなものを展開させて分身を捕らえ、地面に何度も叩きつける。

 

他の分身達もそれを皮切りに、接近戦を挑んでいく。

 

驚いたことに、テル·ボーは接近戦も容易にこなす。

 

特に至近距離からの炎熱の零距離砲撃で、分身はあっという間にやられてしまった。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

最後の分身が息を乱しながら、()()()()()()膝をつく。

 

テル·ボーは無言でそれを見ている。

 

 

『ヒエン選手、分身と幻影を全て倒され大ピンチに!万事休すか!?』

 

 

すると奴は何を思ったのか、分身に話しかける。

 

 

「貴方との勝負は中々に有意義だった。でも……勝つのは私」

 

 

そして砲身を向け……

 

 

「じゃあ、さようなら」

 

 

容赦のない砲撃を放った。

 

そして()()()()()()

 

 

「なっ……これって!?」

 

 

それを見たテル·ボーは驚きの声をあげる。

 

そして()()()()()()俺はミラージュハイドを解除すると、()()()()()テル·ボーへ向けて放った。

 

 

「悪く思うなよ……ダブルヒートバーナー!!」

 

 

「あ、あああぁぁぁぁぁぁ!!!!????」

 

 

テル·ボー

LP2000→0

 

 

俺の相棒であるヒッツを模した巨大な剛の炎に

テル·ボーはあっけなく飲み込まれてしまうのだった。

 




途中から分身に戦わせて相手に勝ったと思わせてからの……ブレイカークラスの砲撃で仕留める鬼畜戦法で勝利。

セコイトカイワナイデネ。

では、また∠(`・ω・´)

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