大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(・∀・)

続きかけたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三百ニ十四話 予選突破

第三者side

 

 

 

『ゼッケン80番、154番の選手、Aリングに向かって下さい』

 

 

なのは達は、少年の選考試合を今か今かと待ちわびていた。

 

そして少年の番号が呼ばれたとき、一気に盛り上がる。

 

 

「おお!呼ばれた!お兄ちゃんの番号が遂に呼ばれたよフェイト!!」

 

 

「うん。分かったから落ち着いて姉さん」

 

 

アリシアははしゃぎ……

 

 

「いよいよ始まるよ!ミユ!!クロ!!」

 

 

「イリヤのテンションがいつになく高い……」

 

 

「子供ねぇ」

 

 

イリヤはテンションを上げ……

 

 

「うおおおお!漲ってきたあぁ!!」

 

 

「えりかが大変なことになってます……」

 

 

「仕方ないよ。かく言う僕も少し興奮してるし」

 

 

「地球では絶対に見られない競技だものね」

 

 

えりかが興奮していた。

 

それぞれのチームのムードメーカー的存在の者達は、インターミドルの盛り上がりに影響を受けていた。

 

そうこうしている内にAリングに向かっている少年とリニスを見つける。

 

 

「ヒエンさんー!頑張って下さ〜い!!」

 

 

「がんばれー!!」

 

 

「負けんじゃないわよー!!」

 

 

皆で一斉に声をかけると、少年は手を上げて答えた。

 

するとつぼみは気付く。

 

少年の対戦相手に。

 

 

「も、もしかしてあの坊主頭の大きな方が……ヒエンさんの対戦相手なのでしょうか?」

 

 

「でかっ!?めっちゃでかっ!?」

 

 

皆が驚くのも無理はない。

 

2メートルはありそうな大柄で坊主頭のマッチョマンであったからだ。

 

 

「あの子は【壊し屋】リチャード·マッスル。15歳以下の格闘大会で何度も優勝経験のある実力選手よ」

 

 

するとつぼみの呟きに答えるように解説する声が。

 

一同が目を向けると一人の女性と、一人の少女がいた。

 

 

「リンディ提督、アルフも」

 

 

フェイトが嬉しそうに呼ぶと、二人は挨拶した。

 

 

「皆さんごきげんよう。試合にはなんとか間に合ったみたいね」

 

 

「皆おはよう……うへぇ〜走りすぎて脇腹痛い」

 

 

全員この二人とは面識がある。

 

少年のマンションの部屋の隣に住んでいるのがハラオウン家であるため、顔合わせは楽に済んだのである。

 

 

『それではAリング選考試合を始めます。Aリング、ゼッケン80vsゼッケン154……レディ·ゴー!!』

 

 

ここで試合開始のゴングがなった。

 

 

「あ、試合が始まった!」

 

 

リンディ達も空いてる席に座り観戦する。

 

先に仕掛けたのは相手選手のリチャードで、少年に拳の連撃を打ち込んでいく。

 

だが少年は攻撃を見切っているのか、うまくかわすと懐に潜り込み、リチャードの腹に一発パンチを放った。

 

 

「凄〜い。ヒエンさん、かわすのうまいね」

 

 

「また強くなってるわね」

 

 

すずかとアリサが感心するように声を上げる。

 

 

「しかし相手選手も中々のようです」

 

 

ここで冷火が呟く。

 

相手選手のリチャードは大して効いていないのか、すぐに反撃の攻撃を繰り出す。

 

 

「タフな人やね」

 

 

「相当に鍛えこまれていますね。並大抵の攻撃は効かないでしょう」

 

 

はやてとリインフォースも分析する。

 

ここで少年が攻撃に移る。

 

リチャードの蹴りを受け流すと、そのまま顔面に跳び膝蹴りを食らわせた後、肩を踏み台にし、大きく跳び上がると、彼の頭に踵落としを繰り出した。

 

 

「うわあ……ヒエンさん容赦ない」

 

 

「いや、あれだとまずい」

 

 

少年の攻撃にイリヤが引くが、美遊は冷静に状況を理解していた。

 

なんとリチャードがすぐに体勢を立て直し、空中で身動きの取れない少年に攻撃したのだ。

 

咄嗟にクロスガードで防ぐ少年であったが、大きく吹き飛ばされてしまった。

 

リチャードはトドメとばかりに右腕を光らせ、少年に迫る。

 

 

「あれって……」

 

 

「うん。相手選手は決める気だね」

 

 

フェイトの疑問になのはが答える。

 

対して少年は動きを止め、小さく構えると呼吸を始めた。

 

 

「あれ?あの呼吸……」

 

 

「彼もここで決めるみたいね」

 

 

最初に気付いたのは武道経験のあるいつきと、ゆりの二人であった。

 

そして決着は一瞬でついた。

 

 

『はぁ!』

 

 

『コオォォォ……フンッ!!』

 

 

少年はリチャードの攻撃を紙一重でかわすと同時に、弾丸のように打ちだした突きを放ったのだ。

 

 

『あ……があ………っっ』

 

 

少年の突きを食らったリチャードは膝をつき、そのままうつ伏せに倒れた。

 

 

『Aリング選考終了!勝者ゼッケン80番!!』

 

 

「おお!勝ったー!!」

 

 

「さすがヒエンさん!!」

 

 

会場が盛り上がる。

 

 

「今のは……雷声(らいせい)ね」

 

 

「雷声?ゆりさん、それはヒエン君がさっき使ってた技の名前?」

 

 

リンディがゆりに話を振る。

 

ゆりは答える。

 

 

「はい。彼は基本的に対人戦闘では空手や柔術、中国拳法にムエタイといった多種多様な武術の技を使用しますが、主だった武術は太極拳です。そして太極拳にも奥義が存在します」

 

 

「その奥義というのが……さっき使用した雷声?」

 

 

「はい。特殊な呼吸法で横隔膜を振動させて身体を一つの弾丸とする太極拳の秘法……なんですが、まさか体得していたとは」

 

 

「それはリニスさんが教えたんでしょうね」

 

 

「リニスさんが?」

 

 

「ええ。リニスさん武道の達人だから」

 

 

ゆりとリンディが少年の方に視線を向けると、セコンドのリニスと何かを話していた。

 

しばらくして話し終わったのか、二人がこちらに顔を向ける。

 

すると少年は片手をあげてサムズアップを決めるのだった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺は選考試合をなんとか勝ち抜くと、そのままクロノとティーダの試合を見ることにした。

 

クロノはCリーグ、ティーダはEリーグで試合で、セコンドにはクロノにエイミィ、ティーダにはメガーヌさんがついている。

 

先にクロノの試合があるようだ。

 

ちなみに二人のゼッケンの番号はクロノが556番、ティーダが1032番だ。

 

クロノの相手は両手剣のアームドデバイスを持っている学生らしき少年である。

 

対してクロノは、黒いストレージデバイスのS2Uを持って試合に望んでいた。

 

 

『それではCリング選考試合を始めます。Cリング、ゼッケン556vsゼッケン689……レディ·ゴー!!』

 

 

初めに動き出したのは学生の少年だった。

 

先手必勝とばかりにクロノに斬りかかる。

 

だがクロノは冷静にそれらの斬撃を受け流していく。

 

その動きには随分と余裕があった。

 

 

(クロノのやつ、闇の書事件のときよりも、動きの洗練さに磨きがかかってる)

 

 

俺はクロノの動きを冷静に分析する。

 

相手選手も決して弱くはないのだが、クロノには劣る。

 

そもそもクロノ自身、あのなのはとフェイトをも未だに寄せ付けない強さを持っているのだ。

 

それは執務官としての戦闘経験、冷静な判断力からくるものだ。

 

するとここで試合に動きがあった。

 

クロノが相手の剣を弾き飛ばしたのだ。

 

そしてその隙をついて軽めのブレイクインパルスを当て、相手に膝をつかせた。

 

 

『Cリング選考終了!勝者ゼッケン556番!!』

 

 

ものの数分で試合の決着がついた。

 

続いての試合はティーダだ。

 

試合は既に行われており、相手は生粋のシューターなのか遠距離から射撃魔法で攻撃していた。

 

それに対抗するようにティーダも銃型のデバイス:ファントムミラージュで射撃魔法を展開させていた。

 

両者共に素早く動きながらの銃撃戦で会場も盛り上がる。

 

するとここで一瞬、相手の動きが止まる。

 

ティーダの魔力弾が顔にかすったのだ。

 

そしてその一瞬の隙を見逃すティーダではなかった。

 

クイックドロウ、いわゆる早撃ちで相手選手が止まった瞬間に高速弾を連射し、その意識を速やかに奪ったのだ。

 

 

『Eリング選考終了!勝者ゼッケン1032番!!』

 

 

俺は二人の強さを見て思考する。

 

 

(クロノは近接戦闘の練度が以前に比べて格段に上がってる。だとすれば、魔法の腕も相当に上がっているはず。ティーダは二丁拳銃の射撃型魔導師。近接戦闘もこなせると仮定すれば、双剣双銃(カドラ)型の魔導師ってところか)

 

 

そう考えると、どっちも確実に強いじゃないですかヤダー。

 

もし二人と戦うことになれば、苦戦することは必須であろう。

 

でもこっちだって今まで色んな奴と戦って、必死に訓練して、死に物狂いで強くなったんだ。

 

絶対に優勝してやる。

 

自信を持て。

 

俺は心の強さだけは誰にも負ける訳にはいかないのだから……。

 

そしてその後、俺達は合流し、客席にいる皆の所へと戻った。

 

それからしばらくして、選考の結果が出る。

 

俺、クロノ、ティーダは無事にスーパーノービスからのスタートとなった。

 

要はあと一回勝てばエリートクラス、予選突破となるのだ。

 

初参加選手がここより上のスタートになることはないので、間違いなく最良の結果といえる。

 

本来なら、選考試合が終わった段階で今日の試合は終了なのだが、今回のインターミドルは初の男女混合ということで参加人数が過去最多となっているため、スケジュールの都合上、そのまま予選の試合はスタートとなる。

 

先にノービスクラスの選手達から試合が始まっていく。

 

ここからは特に制限などもないので、自分の力をフルに発揮できる。

 

それぞれのリングで多種多様な魔法が飛び交う。

 

予選とはいえ、インターミドルには様々なタイプの選手が出る。

 

観客からしたら、見るだけでも十分楽しめる。

 

現になのは達もそれぞれのグループに分かれて、試合の見学に行っているほどだ。

 

そして俺はというと、公開されたトーナメント表を見ていた。

 

俺の対戦相手は、モッブ·キャラオという選手らしい。

 

なんというか無性にツッコミたい名前であるが、スルーしておく。

 

 

『ゼッケン80番:ヒエン·オオゾラ選手、ゼッケン208番:モッブ·キャラオ選手、Aリングに向かって下さい』

 

 

「あ、呼ばれた」

 

 

俺は立ち上がる。

 

するとリニスはもう準備出来ているようで近くにいた。

 

 

「行きましょう」

 

 

「おう」

 

 

そのままAリングへと向かう。

 

先程と同じリングのため、迷う事なくついた。

 

相手はもうついてるらしく、既にリングで待っていた。

 

グレー1色の装備で固めた同い年くらいの少年であった。

 

グレーのジャケットに、グレーの長ズボン、杖もグレーだった。

 

どれだけグレー好きなのだろうか。

 

髪はさすがに黒だったが。

 

格好から判断するに射撃型か砲撃型の魔導師か?

 

とりあえずこちらも準備を開始する。

 

 

「セットアップ」

 

 

バリアジャケットを纏い、死ぬ気モードとなる。

 

俺の額に炎がついたところで相手選手が驚く。

 

同時に会場もざわついた。

 

俺は特に気にせずリングへと上がる。

 

審判がこちらをチラチラ見てくるが、注意はしてこないのでまあ、大丈夫だろう。

 

 

「度肝を抜いてやりなさい」

 

 

リニスが一言、言ってきたので答えた。

 

 

「任せろ」

 

 

間もなく試合が始まろうとしていた。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

「Aリング、ゼッケン80vsゼッケン208……レディ·ゴー!!」

 

 

審判の合図で試合が始まった。

 

 

「先手必勝!フォトンバレット!!」

 

 

《Photon Bullet.》

 

 

先攻は相手選手からであった。

 

グレーのスフィアが10個セットされると、こちらにマシンガンの如く、魔力弾が放たれる。

 

俺は化勁の応用で、魔力弾を体捌きで受け流しながらかわしていく。

 

高速で放たれるが、直線的なため楽にかわせる。

 

 

「くっ!?これならどうだ!!」

 

 

すると今度は誘導弾に切り替えたのか、銃座となっていたスフィア自体を操り、こちらに向かわせる。

 

しかし、なのはやクロノの射撃魔法に比べれば遅い。

 

遅すぎる。

 

こんなもの防御魔法を使うまでもない。

 

 

「なぜ当たらない!?」

 

 

相手は焦りながら魔力弾を操っていく。

 

時間が経つにつれて、その操作精度も下がっていく。

 

隙だらけだ。

 

俺はオレンジのスフィアを一つ配置すると、それを素早く動かしていく。

 

 

「フレアレイ」

 

 

高速の光の弾丸で相手の魔力弾を一気に破壊する。

 

 

「なっ……俺のフォトンバレットが!?」

 

 

全ての魔力弾を破壊し終えると、フレアレイは輝きを失いそうになるが、弾丸強化のキーワードを唱えて再度強化する。

 

 

「フレアショット!」

 

 

そのまま相手に何度も高速でぶつけていく。

 

 

「がっ!?ぶっ!?ごはっ!?」

 

 

それは一種のリンチのようでもあったが、これはあくまでも試合のため、気にしてはいけない。

 

 

「ぼ、防御だ!!」

 

 

《Photon Barrier.》

 

 

すると彼の身体全体を包むように薄い魔力フィールドが展開され、フレアレイを防ぐ。

 

 

「こ、これならどうだ!!」

 

 

《Photon Bind.》

 

 

今度は複数の魔法陣が現れ、そこからグレーの鎖が多数出てくる。

 

俺は加速魔法ブリッツアクションを発動させると、その場を消えるようにリング内を小刻みに移動していく。

 

一瞬発動するだけならば、身体に負担がかかることはない。

 

 

「く、くそおぉぉお!!」

 

 

《Photon Arrow.》

 

《Photon Sword.》

 

《Photon Lancer.》

 

 

するとリングの空間を埋めるように魔力の弓矢、剣、槍が展開されたことでブリッツアクションの使用を中止する。

 

 

「そこだ!!」

 

 

そして動きを止めたことで、一斉にそれらが俺へと殺到する。

 

さすがにこれらを食らうとまずそうなので、防御結界魔法ラウンドガーターを使用する。

 

モッブ選手の攻撃魔法が炸裂するが、俺の防御結界を破壊するまでには至らない。

 

 

「見かけによらず頑丈みたいだな!だけどこれで終わりだ!!」

 

 

《Photon Smasher.》

 

 

すると動きを止めた俺へと砲撃魔法フォトンスマッシャーが迫る。

 

だが俺は焦ることなく、ラウンドガーターを解除すると、グローブに炎を灯す。

 

こんなもの警戒するまでもない。

 

俺はフォトンスマッシャーを思いっきり殴り飛ばし、消し飛ばした。

 

 

「な、なにいいいぃぃぃ!?」

 

 

まさか砲撃を殴り飛ばすとは思わなかったのか、モッブ選手は驚き、声を上げる。

 

俺はその間にグローブから炎を噴射して高速で彼に迫り、炎の蹴りを腹にぶち込んだ。

 

 

火炎の(フレイム)……蹴撃(スパイク)!」

 

 

「ぐ、ぐぁあああ!?」

 

 

モッブ選手はそのまま壁際まで吹き飛び、気絶してしまった。

 

 

「Aリング試合終了!勝者ゼッケン80番!!」

 

 

俺はさほど苦戦する事なく試合を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合が終わった後、急にもよおしたのか、俺はリニスに一言、言ってから急いでトイレの個室へと駆け込んだ。

 

すると()()()()から変な声が聞こえてきた。

 

 

 

「アン ドゥ クラァ~♪ アン ドゥ オラァ~♪」

 

 

 

それはリズミカルに聞こえてきた。

 

 

 

「アン ドゥ クラァ~♪アン ドゥ オンドリャァ~♪」

 

 

 

それはリズミカルに歌っていた。

 

 

 

「所詮~~~んこの世は~~~男と~女~♪しかし~~~オカマは~~~男で~女~♪だ~~か~~ら~~♪最強!オカマウェ~イ♪あー最強!!オォ~~カマ~~ウェ~~イ~♪」

 

 

 

俺の対戦相手予定のオカマ……

 

オボン·クレーと思われる選手が機嫌良く隣の個室で歌っていた。




次回、オボンちゃんと話します。

では、また( ゚д゚ )クワッ!!

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