大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

一ヶ月ぶりに投稿。

鬼滅にハマりすぎて遅くなってしまいました。

皆さんは映画はもう見ましたか?

僕はまだ見てないので早くみたいです。

と、話はここまでにしておきましょう。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第三百十八話 ちょっとプリズマ☆イリヤ 2wei(ツヴァイ)!⑨

第三者side

 

 

 

ハートキャッチプリキュアのキュアブロッサムこと、花咲つぼみは猫になっている。

 

なぜ彼女が猫になっているかというと、以前、彼女達の世界を守るために共に戦った魔導師の少年がインターミドルという大会に出るので、()()()()応援に来たためである。

 

この猫の状態は、プリキュアになっているときにしかなれないため、彼女は現在も変身中である。

 

妖精であるコッペから教えを乞い、わざわざ修得したのである。

 

そしてキュアアンジェの力で少年の住む世界へとやってきたハートキャッチプリキュア御一行。

 

少年の近くに転移することに成功した四人もとい四匹は、事情を知っているヒッツの協力で彼と合流することに成功する。

 

久しぶりに見た彼は、少し背が伸びていた。

 

テンションが上がる四匹。

 

そのまま彼の住むマンションへとやってきた。

 

だがそこで彼女達を待っていたのは、驚愕の連続であった。

 

シャワーを浴びていた少年の身体に刻まれていた無数の小さな傷跡と、二つの大きな刺し傷や切り傷に、新たな敵と思われる者と戦っている映像……さらにはお兄様と彼を慕う少女がいたり、彼の元の世界へ戻ってからの足跡(そくせき)を見たりと、(せわ)しなく過ごしていた。

 

そこからインターミドルの会場の下見も兼ねて異世界ミッドチルダへ向かうことに。

 

久しぶりに会うナカジマ家の面々や、ランスター兄妹との再会で嬉しそうに笑う少年を見て嬉しそうにするつぼみ達であった。

 

その後、地球へと戻ってきた少年は一人物思いに屋上のベンチに座っていた。

 

無理もないとつぼみは思う。

 

インターミドル都市本選常連の個性の強すぎる選手達に加え、彼の知り合いでライバルでもあるクロノとティーダまで大会に出るのだから。

 

心配になったつぼみ達は彼に近寄るが、件の彼は「ひまなのか?」と言ってきたので、思わず四匹共にその顔を引っ掻いてしまった。

 

相変わらずデリカシーに欠ける彼の対応であったが、どこか本人らしいと安心しているのも事実であった。

 

そして様子を見守っていると、急に彼が頭を抑えて声を上げた。

 

 

「イリヤ……!?」

 

 

彼の尋常ではない様子に焦るつぼみ達。

 

すると彼は相方であるオレンジの小ライオンに声をかけると、前方に虹色のオーロラを展開させる。

 

それを見たつぼみ達は直感的に少年の背中へと捕まる。

 

少年が一瞬狼狽するが、一緒にオーロラをくぐり抜けることに成功する。

 

オーロラをくぐり抜けると、紫色の派手な衣装を纏った少女を地面に叩きつけようとしているスーツの女性が目の前にいた。

 

少年は直ぐ様スーツの女性、バゼットを殴り飛ばし、紫色の衣装の少女、美遊を保護する。

 

その後、つぼみ達は美遊と共に少年の転送魔法でイリヤとクロと呼ばれる瓜二つの少女の側に移動させられる。

 

そして少年とバゼットの戦いを見守る。

 

少年はつぼみ達と共に戦ったときよりも、さらに強くなっていた。

 

だが恐るべきはそんな強くなった少年と互角に戦うバゼットの驚異的な強さであった。

 

側にいるイリヤ達も固唾を飲んで見守る。

 

二人の一進一退の攻防が続き……ついに決着がつく。

 

 

「おりゃああああ!!」

 

 

「ぐぁあああ!?」

 

 

少年のバーニングアクセルがバゼットへと炸裂したのだ。

 

その後は、バゼットを脅迫もとい、話し合いで仲間に加えると、紆余曲折あって二週間こちらの世界で滞在することになった。

 

それはつぼみ達も例外ではなかった。

 

その日の夕食として出された高級キャットフードを食べ終えたつぼみ達は、一ヶ所に集まって話し始めた。

 

ちなみに周囲にはニャーニャーとしか聞こえていない。

 

 

『大変なことになりましたね……』

 

 

『まさか別の並行世界に来ることになるとは思わなかったよ……』

 

 

つぼみとえりかが呟く。

 

 

『ヒエンさんがこっちの世界に来たのはイリヤちゃん達を助けるため……だったんだね』

 

 

『ええ。後先考えないで行動する所は相変わらずだけど……。そのせいで戻れなくなってしまったし』

 

 

いつきとゆりも話す。

 

 

『でも困ったわね。他の世界に来た影響かしら?こころの大樹との繋がりがなくなってしまったのよ』

 

 

『あ、本当です』

 

 

ゆりの言葉につぼみが反応する。

 

 

『これじゃ、連絡できないね』

 

 

『大人しくヒッツちゃんのプリズムフラワーのエネルギーが溜まるのを待つしかないね』

 

 

えりかといつきも反応する。

 

彼女達はこころの大樹と自身のこころの花によるパスを繋げることによって、キュアアンジェとの思念、プリキュア世界にいる仲間達に映像を送っていた。

 

しかしそのパスが切れてしまったことによって、それらは不可能になってしまった。

 

今頃、映像が途切れたことによって大慌てになっている頃だろう。

 

 

『……今はヒエンの様子を見守るしかなさそうね』

 

 

『そうですね。今、正体をバラしても混乱させるだけでしょうし』

 

 

『しばらくはこのままってことだね』

 

 

『食事は美味しいし、ブラッシングも気持ちいいし、お風呂も最高!ここの猫生活をもう少し楽しむとしますか!』

 

 

話し合いの結果、猫生活を楽しみつつ、少年の様子を見守ることとなった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

そしてこの世界に来て数日、少年は執事服を着て業務に取りかかる。

 

といっても、エーデルフェルト家は現在再建中なのでやることは実は少ない。

 

オーギュストの補助をする形で仕事を手伝っている。

 

午前中に仕事を終わらせると、午後は自由時間となるので、少年はいつも体力トレーニングをやっていた。

 

しかしその日はどこかへ行っていたのか、トレーニングを行う時間がいつもより遅かった。

 

つぼみ達は隠れて少年の様子を見る。

 

 

「ふぅぅぅぅ」

 

 

少年は養成ギブスをつけて、ひたすら筋トレを行っている。

 

だがその様子をずっと見ていたつぼみは、違和感を感じていた。

 

 

(あれ?今日はいつもよりトレーニングの量が少ない?それに身に纏う雰囲気もどこか刺々しいような?)

 

 

そして少年はトレーニングを終わらせるとホテルへと戻っていく。

 

つぼみは足早に去っていく少年の後ろ姿をどこか不安そうに見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

『『『ヒエン(さん)の様子がおかしい?』』』

 

 

『はい』

 

 

さっそくつぼみは、三人もとい三匹に相談する。

 

ホテルの一室で四匹はベッドの上でくつろいでいた。

 

 

『私は別に普通に見えたけどなぁ』

 

 

『僕も』

 

 

えりかといつきには、特に変わりのないように見えたらしい。

 

だがゆりは考え込む素振りをする。

 

 

『言われてみれば、今日は朝から表情が固かったわね』

 

 

するとゆりも少年の様子に違和感を感じていたようだ。

 

つぼみは話す。

 

 

『特に根拠はないんですけど、ただ……今のヒエンさんを見てると、とても不安なんです。まるでどこかに戦いにいくかのような、物々しい雰囲気を感じて……』

 

 

『あながち間違いでもないかもしれないわね。今日一日、彼の様子を見てみましょう』

 

 

ゆりの提案に頷く一同。

 

少し離れた所で二匹一組に別れ、少年の監視をすることになった。

 

少年には超直感があるため、あまり近すぎると気付かれてしまうからだ。

 

その日、お風呂を終えた少年は部屋へと戻る。

 

その様子を離れた所から見るつぼみ。

 

ゆりとペアを組み、二匹とも別の場所から少年の監視をしている。

 

ちなにえりか、いつきは部屋で休憩の時間帯だ。

 

そして時間も深夜に差し掛かり、そろそろ解散しようかとなっていたとき、外で監視していたゆりからテレパシーで連絡があった。

 

変身している間であれば、仲間内で使用できるのだ。

 

 

『三人とも今すぐ外に来なさい。彼に動きがあったわ』

 

 

つぼみは急いで、休憩していたえりか、いつきの二人も慌てて外に出る。

 

するとバリアジャケットを纏った少年が人目を避けるように、コソコソとホテルを出ていく姿を目撃する。

 

少年がいたであろう部屋に目を向ければ、分身なのだろう……もう一人の少年が部屋で待機していた。

 

 

『追うわよ』

 

 

『『『はい!!』』』

 

 

ゆりの指示で本体の少年の方を追っていくつぼみ達。

 

少年はしばらく進むと、二人の人物と待ち合わせをしていた。

 

 

(き、綺麗な人達です……!?)

 

 

桜色の和服に赤色の羽織を羽織った美女に、黒色のワンピースを着た美女がいた。

 

 

『ヒエンさんって、知り合いに綺麗な人、多いよね……』

 

 

えりかの呟きに全員同意する。

 

すると、つぼみ達の聴覚が少年と美女二人の会話を捉える。

 

 

『お待たせしました』

 

 

『大丈夫よ。私達もさっきついた所だから』

 

 

『……さっさと行くぞ』

 

 

(こんな時間に一体どこへ?)

 

 

つぼみの疑問を他所に三人は無言で歩いていく。

 

しばらくすると、丘らしき所につく。

 

そこには西洋風の建物があった。

 

窓ガラスが割れており、そのまま放置されている箇所が何個もあった。

 

三人はその建物の敷地へと入っていった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺達は間桐家の前にいた。

 

なぜか俺の付き添いとして鮮花さんと式さんの二人もついてきている。

 

二人は洋館を見て呟く。

 

 

「ここ、嫌な感じがするわ。なんというか、良くない物が集まってる。それに臭いもひどい……」

 

 

「負の想念ってやつだな。この付近一帯が怨念染みた雰囲気でごった返していやがる」

 

 

魔術師としての感覚を持つ鮮花さんに、感受性の鋭い式さんが、辺り一帯の空気をそう評価する。

 

確かにこの洋館が見える付近に差し掛かったときから、妙に寒気を覚えていた。

 

恐らく曰く付きの土地なのだろう。

 

俺は空気を変える意味合いも込めて、敷地内へと踏み込む前に、ずっと気になっていたことを二人に聞いた。

 

 

「あの、どうしてお二人とも俺についてきてくれたんですか?下手すれば危険なことになるかもしれないのに」

 

 

すると二人は呆れた表情をしながらこちらに言ってきた。

 

 

「……貴方がそれを言う?」

 

 

「……幹也の言う通りの奴だな」

 

 

「はい?」

 

 

二人は理由を説明する。

 

 

「私と式は、兄さんに貴方のことを頼まれたのよ」

 

 

「要するにお前一人じゃ不安だから、おもりに来たわけだ」

 

 

「お、おもり……」

 

 

どうやら心配した幹也さんが二人に口添えしたらしい。

 

いやまあ、この二人がいれば百人力どころか千人力だけどさ。

 

 

「と……おい、無駄話してる場合じゃなさそうだぞ」

 

 

すると洋館のドアが勝手に開き、中から一人の老人が現れる。

 

 

「さっそく現れたわね」

 

 

「みたいですね……」

 

 

俺達がここへ来ていることは既に間桐臓硯に知られていたのだろう。

 

俺は瞳を閉じて精神を集中させると、死ぬ気モードとなる。

 

そして拳と掌を勢いよく合わせて言った。

 

 

「行きましょうか」

 

 

「ええ」

 

 

「ああ」

 

 

俺達は間桐家の敷地内へと足を踏み入れた。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

俺達の前に杖を持った小柄な老人が現れる。

 

その身に纏う雰囲気は、只者ではないことを物語っていた。

 

そう。

 

この老人を一言で例えるのであれば、醜悪。

 

存在自体が嫌悪感で構成されているような、嫌な感覚。

 

それが初めて間桐臓硯という男と邂逅した俺の印象であった。

 

小柄な体駆と侮ってはいけない。

 

こいつの存在は既に人ではない。

 

自身を構成する全てを蟲へと変え、五百年もの時を生きながらえてきた、正真正銘の妖怪なのだから。

 

 

「……カッカッカ。こんな時間にやってくるとは随分常識外れな連中じゃのう」

 

 

臓硯は俺達の存在を認知すると、一歩ずつ近付いてくる。

 

奴が歩くごとに、キチキチと嫌な音がその身体から漏れる。

 

それに奴から漂う刺激臭、というより悪臭が酷い。

 

身体が腐敗しているのだろう。

 

正直、気味が悪い。

 

 

「まずは名前、ここに来た経緯を聞かせてもらおうかのう」

 

 

俺は奴へと話しかける。

 

 

「俺の名は大空氷炎。ここに来た経緯はあんたを倒しに来た、間桐臓硯」

 

 

「ほう?儂を……倒す?カカカカカ。面白いことを言う小童じゃ」

 

 

「言っておくが冗談なんかじゃないぞ。でなきゃ、わざわざこんな時間にここまで来たりしない」

 

 

「最近の若い者は、年寄りへの礼儀というものがまるでなっておらんのう」

 

 

「礼儀?笑わせるなよ間桐臓硯。あんたのような外道にそんなものは必要ない」

 

 

「外道とな?ふん。炎の小僧、貴様はどのような根拠があって、そのようなことを言う?」

 

 

この糞爺……。

 

どの面下げてそんなことが言えるんだ。

 

そして俺はここに来た真の目的を奴に告げた。

 

 

 

 

 

 

「間桐桜」

 

 

 

 

 

 

奴の皺くちゃの顔が、ピクリと歪む。

 

 

「彼女を大人しく解放しろ」

 

 

「カカカカカカカ!どこの馬の骨とも知れん小童が来たとは思うておったが、まさかその目的が、我が孫娘ときたかっ!!これが笑わずにいられようか!!!」

 

 

臓硯は俺の言葉に耳障りな笑い声を上げ、白目のような瞳でこちらを睨む。

 

 

「桜の解放とは、可笑しなことを言う奴じゃ。大方、桜の容姿に惹かれてここまでやってきたのじゃろうが、儂が桜に何をしたと言うんじゃ?見ず知らずの小僧に殺されるようなことをした覚えがまるで無いんじゃがのう? 」

 

 

「下手な演技はそこまでにしておけよ、間桐臓硯。あんたが彼女を利用していることは既に分かってる。それに正直、あんたの言い分なんざどうでもいいんだよ」

 

 

俺は奴に威圧するように、グローブに炎を灯す。

 

 

「ここで俺達に倒されるんだからな」

 

 

俺の言葉に反応するように、側にいる鮮花さんと、式さんが構える。

 

鮮花さんは両手にはめた火蜥蜴(ひとかげ)の革の手袋、式さんは腰に差した片刃のナイフだ。

 

 

「カカカカカ……。尻の青い小童共めが。よかろう。そこの小僧は魔術の実験台として骨の髄まで貪り尽くし、女子共は蟲の胎盤として地下で飼い殺してくれるわっっ!!」

 

 

すると臓硯は、杖で地面を叩く。

 

たったそれだけの動作で、奴の足下に出来た影が揺らめく。

 

その直後、影から何かが這い出してくる。

 

それは蟲の幼虫であった。

 

それも一匹二匹ではなく、地面を埋め尽くさんばかりの数であった。

 

幼虫達は一気に脱皮や羽化を繰り返し、大きな異形の姿へと変貌する。

 

甲虫や多足類、蜂や蛾、(さそり)といった多種多様な蟲がいた。

 

これが間桐、いやマキリの得意とする蟲の使い魔達だ。

 

庭を埋め尽くさんとばかりの数の暴力、軍勢と呼ぶに足るほどの蟲達が俺達を取り囲む。

 

それと同時に臓硯の身体から、気色の悪い魔力の波動が放出される。

 

互いに戦闘態勢を取った。

 

 

「さてと、蟲退治といきますかっ!燃やし尽くしてやるわ!!」

 

 

「精々楽しませてくれよ、蟲共」

 

 

鮮花さんは両手にはめた火蜥蜴の革の手袋から小さな火の粉を撒き散らし、式さんはナイフを逆手に構えて、直死の魔眼を発動させる。

 

それに習うように俺も額の炎の出力を上げて、奴へと告げた。

 

 

「間桐臓硯!お前を死ぬ気でぶっ飛ばす!!」

 

 

遂に俺達と間桐臓硯との戦いの火蓋が切って落とされた。

 




主人公達と、間桐臓硯の戦いを見守るカラフル猫四匹達。

主人公達は、間桐臓硯を次第に追い詰めていくが……

では、また(・∀・)ノ

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