大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

約二週間ぶりです。

ちょっと仕事忙しくて、これからなかなか更新できないかもです。

申し訳ないです。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第三百十五話 ちょっとプリズマ☆イリヤ 2wei(ツヴァイ)!⑥

ヒエンside

 

 

 

「二人とも反省しているのかしら~?」

 

 

「「誠に申し訳ありませんでした……」」

 

 

俺の前には、仁王立ちするアイリさんと正座をして頭を下げる二人の男女の姿があった。

 

イリヤの兄である衛宮士郎と、メイドのセラさんだ。

 

ちなみになぜ士郎を呼び捨てにしているかというと、本人から許可をもらったからである。

 

同い年だからね!

 

この二人のシュークリームいや、料理への熱すぎる情熱を真っ正面から浴びてしまった俺は、段々と強くなっていく揺さぶりに耐えきれず意識を失ってしまったのだ。

 

いやほんと段々と瞼が重くなっていくんだもの。

 

例えれば、強烈なGの影響で意識が失われるブラックアウトのようなものである。

 

意識を失っていたのは数分程だったらしく、今はソファーで休ませてもらっている。

 

暴走した二人を止めてくれたのはアイリさんであった。

 

二人の名前を呼んだ瞬間、目の笑っていない笑顔で威圧したのだ。

 

そして俺は、その笑顔に大変見覚えがあった。

 

そう。

 

なのはがOHANASHIするときの魔王モードと非情に酷似しているのである。

 

側で見ている俺も冷や汗が止まらない。

 

 

「二人とも我を無くしすぎだよ……」

 

 

「あそこまで熱くなるなんてねぇ」

 

 

「驚いた」

 

 

イリヤ、クロ、美遊の三人が話す。

 

いやほんと、マジでそれ。

 

なぜこの二人が我を無くしていたかというと、俺が以前イリヤに異世界の帰り際に渡したシュークリームが原因だった。

 

家の人達も一緒に食べられるようにと、俺はイリヤに少し多目に渡したのだが、そのシュークリームを食べた二人が一騒動起こしたらしい。

 

このシュークリームをどこで手に入れたのかとか、誰が作ったのかなど、あらゆる質問をされたとイリヤが遠い目をしながら話してくれた。

 

当然イリヤは、翠屋のシュークリームの詳細など分からないのでとぼけたらしいが。

 

そしてそこから士郎とセラさんによる翠屋のシュークリームの味の再現が始まったのだが、これが予想以上に難航していたようで、ある程度までは再現できたようだが、完全にはまだできていない。

 

桃子さんの作るシュークリームは、彼女秘蔵の特別レシピからなる代物である。

 

翠屋をタマに手伝う俺や、バイトリーダーを任されるリニスですら、未だに再現できない程なのだ。

 

桃子さんは料理の基礎や、作り方のコツは嬉々として教えてくれるが、この秘蔵のレシピだけは断固として教えてくれない。

 

このレシピは桃子さんの今までの集大成であるため、おいそれと教える訳にはいかないのだそうだ。

 

そういえば以前、「翠屋を本気で継ぐ気があるなら教えてあげるわ」と良い笑顔で言われたのを思い出した。

 

俺はそういった事情を二人に教える。

 

なのでたとえ紹介したとしても、二人の期待に答えることはできない。

 

そういうことでなんとか納得してもらった。

 

すると士郎が質問してきた。

 

 

「なあヒエン、その翠屋っていう喫茶店はどこにあるんだ?俺、学校でも聞いたことなくてさ」

 

 

「あー……諸事情あって、今はお店やってないんだ」

 

 

そもそも世界が違うので翠屋を聞いたことがないのは当たり前である。

 

だがそんなことを馬鹿正直に言うのもあれなので、休業しているということにしておく。

 

 

「そうなのか……勿体ないなあ」

 

 

「悪いな。このシュークリームを作った人、高町桃子さんって言うんだけどな?桃子さん忙しくてさ、今も外国を飛び回ってるんだ」

 

 

とりあえず、料理の修行で海外を飛び回ってることにしておく。

 

一応、嘘ではない。

 

本人も過去に外国で料理の修行をしていたことがあるらしいし。

 

 

「そっか……なら仕方ないなあ」

 

 

「すまないな」

 

 

俺は士郎に謝る。

 

事情が事情なので、本当のことを言うわけにはいかないのだ。

 

こうしてシュークリーム騒動は、なんとか終わりを告げた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

話は変わるが、俺の出身世界とプリヤの世界の時間差はそうない。

 

その証拠に俺がやってきた日と時間差は()()()()だ。

 

俺がこの世界にやってきたきっかけは、イリヤ達がバゼットとの戦いでピンチになったからだ。

 

そのときのイリヤ達の想いに相棒の中にあるイマジンストーンが反応したのだ。

 

以前異世界で共闘して、俺との繋がりができたのが原因だ。

 

そしてそれぞれが元の世界へ戻ってからの時間経過なのだが、俺の出身世界では()()()()()()()であり、プリヤの世界では()()()()()であることが判明した。

 

つまり元々俺達が出会った異世界での邂逅には、時間帯に()()()()()()()があった訳だ。

 

だからこちらでも普通に月日は七月であるし、夏休み前であった。

 

そして現在俺が何をしているかというと、昼ごはんの材料を買いに出掛ける士郎についきていた。

 

 

「別に買い物についてこなくても良かったんだぞ?ヒエンは大切なお客様なんだから」

 

 

「まあ、そう言うなよ。昼ごはんご馳走になるお礼に手伝うってことにしといてくれ」

 

 

「でもなあ……」

 

 

「それに正直に言えば、女子比率が高過ぎてあの場に居づらかったというのが本音でもある」

 

 

「あぁー」

 

 

「納得したか?」

 

 

「それはもう」

 

 

士郎は苦笑いしながら答える。

 

話した印象としては、この世界の士郎は至って普通の高校生という感じだ。

 

見たところ魔術の魔の字も知らなさそうだし、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「Fate/stay night」の士郎は、正義の味方に固執していた。

 

それは「Fate/zero」の第四次聖杯戦争の影響で起こった冬木大火災の唯一の生き残りであるという理由もあったし、何より養父である衛宮切嗣から、ただ多くの人々の幸せを願う無垢な思いとしての「正義の味方」になることを誓ったという理由もある。

 

しかしこちらの世界の士郎は、そういった様子は一切見られない。

 

そもそも第四次聖杯戦争自体が起こっていないので、当然、冬木大火災も起こっていないが、なんの因果か、衛宮家の養子にはなっている。

 

でも、幸せに暮らせているようだ。

 

そして俺達は他愛もない話をしながら歩いていく。

 

やはり同い年で男友達だからか、気兼ねなく話せる。

 

俺は自分の家族や友人、お世話になっている人達のことを話していく。

 

逆に士郎も家族や友人、普段の私生活について聞かせてくれた。

 

穂群原学園(ほむらばらがくえん)の学生で、部活は弓道部に所属しており、生徒会にもよく出入りしているらしい。

 

主に学園では備品の修理をしており、学園内ではさまざまな要望に応じて各地に赴き、機械の修理や頼まれごとを引き受けているとのこと。

 

その影響で、「穂群原のブラウニー」というあだ名を持っているらしい。

 

生徒会長である柳洞一成(りゅうどういっせい)というクラスメートと仲が良く、親友の間柄で、彼の弁当をよく作っているそうだ。

 

その話を聞いて内心ちょっとホモォなイメージをしてしまったが、極めて健全な関係な様だ(白目)。

 

そして商店街までやってくると、士郎に声をかける人達がたくさんいた。

 

八百屋さんに魚屋さん、惣菜屋さんなどなど、たくさんの人に慕われているのだなあと感じた。

 

士郎は次々と品を買っていく。

 

昼ごはんは和食中心でいくらしく、腕を振るってくれるそうだ。

 

ちなみに隣を執事服で歩いている俺もある意味で目立っていた。

 

やっぱり派手よね、執事服。

 

 

「あれ?先輩??」

 

 

すると後方から一つの凛とした声が響く。

 

見ればストレートの紫髪に、華奢な体格の少女がいた。

 

というか前世で大変見覚えがあった。

 

 

(間桐桜(まとうさくら)キター!!!!!!)

 

 

俺は内心狂喜乱舞する。

 

 

 

間桐桜。

 

 

 

「Fate/stay night」ヒロインの一人で、間桐慎二の妹であり、士郎の一年後輩。

 

士郎に恋い焦がれ、慕っている。

 

料理上手で甘いもの好き、そして意外と大食いであり、苦手なものは乙女の怨敵体重計。

 

なので彼女には数字関連の話題は禁止である。

 

実は遠坂凛の妹であり、本来、凛と髪や瞳の色は同じであったのだが、間桐の魔術に身体を無理矢理馴染ませたことで、色が薄い紫色へと変わってしまった。

 

彼女の属性は「架空元素・虚数」と呼ばれる大変希少な存在。

 

魔術の家門の庇護がないと、封印指定は確実で、ホルマリン漬けの標本にされることは確実。

 

娘の幸せを願い、間桐へと養子に出した父親の遠坂時臣(ときおみ)と母親の(あおい)であったが、実際は次期聖杯戦争のための魔術師を産み出す胎盤としてしか、桜には求められていなかった。

 

全ては間桐臓硯(まとうぞうけん)という男の陰謀によって裏切られる。

 

「Fate/Zero」では桜を救う為に第四次聖杯戦争に参加した間桐雁夜(まとうかりや)という男性がいたが、結局桜を救うことはできなかった。

 

仮に間桐の家を離れられたとしても、魔術の家門の庇護が必要不可欠な体質の問題をクリアできなければ、どっちみち彼女の人生は詰むことになっていた。

 

真に彼女を救うには、彼女がヒロインの「Heaven's Feel」、通称桜ルートしかない。

 

ただこのルートは鬱ルートとしても大変有名であったため、前世の俺も何度プレイをやめようかと検討したことがある程だ(遠い目)。

 

しかし、このルートの最後辺りは感動する。

 

士郎の自身の理想と現実との差で苦しむ葛藤や、それを克服した後の彼の覚悟、そしてそれぞれのキャラ達との共闘シーンが凄まじかった。

 

特に最期のイリヤのシーンが尊かった。

 

まさにFateの集大成といっても過言ではない重厚なストーリーであった。

 

気になる人は映画を見よう。

 

話に戻るが、こちらの世界の彼女も髪の色が薄紫色へと変化していることから、間桐の魔術に関わっているのだろう。

 

 

「桜?」

 

 

士郎が話しかける。

 

 

「やっぱり先輩だぁ。偶然ですねぇ」

 

 

桜さんは、ほんわか笑顔でこちらに近寄ってくる。

 

Fateシリーズでも屈指の人気がある彼女。

 

隠れ巨乳で家事万能、性格は穏和で一途、おっとりしていて、健気で献身的などこか儚げな雰囲気を持っている女子……と、まるで男の理想を体現したかのような彼女であるが、このときの俺は別の印象を持った。

 

 

「うわあ……あざと」

 

 

思わず小さく呟いてしまった。

 

なんというか計算されたかのようなあざとさであった。

 

まるで俺ガイルの小悪魔後輩のようである。

 

そして俺の呟きが聞こえていたのか、()()()()()()()にチラリと視線を向けられる。

 

そのとき、俺は即行で視線を反らした。

 

頼むからそんな目が笑っていない笑顔で見ないで下さい。

 

怖くて死んでしまいます。

 

っていうか聞こえてたのかよ!?

 

隣の士郎も全く気付いてないのに!?

 

どんな耳してるんですかねぇ!?

 

無駄な事とは分かりつつも隣で話している士郎と彼女を余所に、俺は差し足忍び足でフェードアウトしていく。

 

しかし案の定、桜さんに止められる。

 

 

「ところで先輩、そちらの方は?」

 

 

「ん?ああ、紹介するよって、ヒエン!?お前、どこに行こうとしてんだよ!?」

 

 

「いやほら、若い男女の逢瀬を部外者が邪魔しちゃいけないと思って」

 

 

「逢瀬って、お前はお爺ちゃんか……」

 

 

士郎が呆れたように嘆息する。

 

 

「改めて紹介するよ桜。こちらヒエン、大空氷炎、妹の知り合いで、執事やってるんだ」

 

 

「どうも、色々諸事情により執事やってる大空氷炎です」

 

 

「こんにちは。私は衛宮先輩の後輩の間桐桜です」

 

 

俺達は互いに挨拶する。

 

すると二人は会話し始める。

 

 

「桜は弓道部の後輩でさ、いつもお世話になってるんだ」

 

 

「お、お世話だなんて……別に私はそんなんじゃ……も、もう……先輩ったら」

 

 

士郎の言葉に桜さんは照れる。

 

そうとは知らず、褒め続ける士郎。

 

 

「桜にはいつも助けてもらって感謝してるよ」

 

 

「わ、私はただ……先輩の役に立てればそれで……」

 

 

「その気持ちが嬉しいんだよ。いつもありがとな、桜」

 

 

「は、はい」

 

 

そして士郎は彼女の頭を極自然に撫で始めた。

 

なるほど。

 

これが一級フラグ建築士か。

 

初めて見たけど、ナチュラルに口説いていやがる。

 

っていうかこの二人、急にイチャコラし始めたんですけど?

 

お?

 

なんだコラ?

 

彼女のいない俺への当て付けかコラ?

 

という訳で、この光景は俺的には全く面白くないので爆弾を投下してみた(ゲス顔)。

 

投下~( ・_・)ノΞ●~*

 

 

「なるほど、つまりは士郎のガールフレンドってことか」

 

 

「「なっ!?」」

 

 

二人は顔を赤くして狼狽する。

 

 

「い、いきなり何言ってんだよ!?」

 

 

「そ、そうです!私と先輩は()()そんな関係じゃありません!!」

 

 

狙い通り、狼狽える。

 

そして案の定、桜さんはボロを出す。

 

だが俺はそこに突っ込まず、全てを悟ったかのような表情で言った。

 

 

「分かってる、皆まで言うな。今の反応で大体は分かった。だから士郎、お前に一つ忠告しておいてやろう」

 

 

「ちゅ、忠告?」

 

 

「鈍感ってのは罪なんだぜ?」

 

 

かのトルストイも言っていた。

 

【人間の最大の罪は鈍感である】と。

 

ましてや、女の子の好意に気付かないなんて、男の風上にも置けない奴だ。

 

そのとき、なぜか心の中にいる相棒とナハトからお前が言うなと言わんばかりの思念が飛んで来る。

 

いや、俺鈍感じゃねえし。

 

むしろ超直感の恩恵で鋭敏だし。

 

という訳でここにいる唐変木に教えてやろう。

 

乙女の好意というやつを。

 

 

「ここにいる桜さんはな!お前の事が好……「貴方は何を口走ろとしてるんですかあああああぁぁぁぁ!!!!!!」……ぶべらば!?」

 

 

だが最後まで言葉を続けることは出来なかった。

 

ドゴッ!という効果音が響く。

 

グーでぶたれたのだと理解した時、俺は錐揉み回転しながら宙を舞っていた。

 

 

「ブルアアアッ!?!?」

 

 

ガンッ!と、電柱に激突し、そのまま床に倒れ伏す。

 

あまりの威力に意識が暗転する。

 

なんかこの展開、物凄くデジャブなんですけど……。

 

そしてどうやら、また気絶するらしい。

 

一日に二回も気絶するなんて経験、中々ない気がする。

 

 

「ちょっと君、大丈夫かい!?()、これお願い!!」

 

 

「は?いきなりどうしたんだ?ちょ、おい()()!?」

 

 

そして気絶する瞬間、視界の端に映ったのは何やら焦りながらこちらに声を駆け寄ってくる()()()()()()()()()()()()()と、()()()()()()()()()()()姿()であった。

 




はい。
予想外にあのお二人の御登場。

なぜ出てきたか?

それは出したかった、絡ませたかった。

ただそれだけですはい。

不幸なこと?事件?厄介事?

当然巻き込まれるぜ!!

では、また(・∀・)ノ

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