大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

では、どうぞ(・∀・)ノ


第三百十三話 ちょっとプリズマ☆イリヤ 2wei(ツヴァイ)!④

ヒエンside

 

 

 

冬木市の新都にあるホテルのスウィートルームにて、俺は執事服に袖を通していた。

 

 

「良く似合ってますわヒェン」

 

 

「ふむ。サイズはピッタリですな」

 

 

金髪の縦ロールのご令嬢、ルヴィア嬢が機嫌良く頷き、彼女の執事であるオーギュスト氏も満足そうに頷く。

 

そしてルヴィア嬢は言った。

 

 

「では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ハイ、コチラコソ、ヨロシクオネガイイタシマス。ルヴィアオジョウサマ」

 

 

どうも皆様ごきげんよう。

 

この度、ニ週間エーデルフェルト家で執事をすることになってしまった大空氷炎です。

 

なぜこんなことになったのか?

 

それは十数分前にまで遡る。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「そういえばヒエンさんはこれからどうするの?」

 

 

「へ?」

 

 

バゼットを脅迫もとい、説得によってイリヤ達の仲間に加えることに成功して数分後……イリヤから質問をされる。

 

 

「いや、だからこれからどうするんですか?」

 

 

俺は肩の上に乗っている相棒と顔を見合わせる。

 

 

「「…………」」

 

 

そして言った。

 

 

「どうしよう?/ガァウ?」

 

 

「まさかの聞き返し!?」

 

 

イリヤのツッコミが冴え渡る。

 

俺は事情を説明する。

 

 

「えっと、つまり私達を助けることしか頭になくて……」

 

 

()()()()()()こっちの世界に来たってことですか?」

 

 

「そうなる」

 

 

俺が正直に答えると、イリヤと美遊は顔を若干赤くしながら照れていた。

 

 

「あらら~二人とも照れちゃって可愛い~」

 

 

クロがここぞとばかりにからかう。

 

 

「べ、別にそんなんじゃ……」

 

 

「うんうん!」

 

 

イリヤと美遊は全力で否定する。

 

いや別に、何がどうこうって訳じゃないけど、そこまで否定されると逆に悲しくなるよね。

 

 

「ガゥ……」

 

 

「うん?どうした相棒??」

 

 

すると相棒がある思念を送ってきた。

 

まるで言いづらいことがあるかのような感情が伝わってきた。

 

なんだか、()()()()()()の部分で何か思い出したことがあるそうな。

 

うん。

なんでだろう。

 

さっきから超直感が地味に警鐘を鳴らしててさ、無性に嫌な予感がするんだ。

 

 

「ガァオオオオオ………」

 

 

「へ?今なんと??」

 

 

え?

聞き間違いだよね?

 

今、一番聞いてはいけない言葉を聞いた気がするんだが。

 

 

「ガゥ……ガァウ」

 

 

「マジで?」

 

 

「ガォ」

 

 

「ガチで?」

 

 

「ガゥ」

 

 

「本当に?」

 

 

「ギャウ」

 

 

「なん……だ……と」

 

 

俺は四つん這いの姿勢になる。

 

突然の俺の行動にイリヤ達は戸惑う。

 

 

「ど、どうしたのヒエンさん!?」

 

 

「まるでこの世の全てに絶望したかのような顔してるわよ?」

 

 

「何かあったんですか?」

 

 

イリヤ、クロ、美遊の三人が質問してきた。

 

なので俺は簡潔に述べた。

 

 

貯蔵魔力(エネルギー)使いすぎて、元の世界に戻れなくなっちゃった……」

 

 

この日一番の驚き声が、響いたのだった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

とりあえず、まずは俺が何者かを手っ取り早く説明するために皆に記憶の共有をしてもらうことにした。

 

決してもう何度も説明するのが面倒になったからじゃないよ?

 

ホントダヨ?

 

皆に手を繋いでもらい、相棒がイリヤの頭の上に乗る。

 

 

「じゃあ頼む、相棒」

 

 

そして皆は目を閉じて、俺のこれまでの軌跡を辿る。

 

なんだったか、確か、記憶の追体験ってやつだったか?

 

今は皆に、俺に今まで何が起こったのかをその場に居合わせて見てもらっているのだ。

 

その証拠に全員の表情がもれなく厳しくなっている。

 

どうせ説明するなら、全部さらけ出しちゃおうぜということだ。

 

あ、もちろん転生者と転生特典、原作知識などのことは秘密である。

 

しかし自分で言うのもなんだけど、俺の人生は高校二年生になってから結構、波乱万丈である。

 

リリなのの原作が始まって、自身の体感時間で約二年……良く生き残ってきたなあと思う次第である。

 

すると全員の目が開く。

 

心なしか全員げっそりしている気がする。

 

そしてこちらを向いて全員一言。

 

 

「「「「「色々詰め込みすぎ(よ)(です)(ですわ)!!」」」」」

 

 

「ですよねー」

 

 

しばらく休憩したのち、凛とルヴィア嬢が話しかけてくる。

 

 

「あんたの事情は大体分かったわ。魔導師のこととか、並行世界の秘密とやらもね」

 

 

「ヒェンは今まであらゆる強敵達と戦ってきたのですね」

 

 

「まあ、色々あったからなあ」

 

 

俺は思わず遠い目をする。

 

二人が肩をポンとたたいてくれた。

 

 

「色んな情報が一気に入ってきてまだ混乱してるけど、なのはちゃんとフェイトちゃんが仲良くなれてるみたいで安心したよ~」

 

 

「うん。彼女の出生の秘密にも正直驚いたけど」

 

 

「私はヒエンの周りの人間にビックリよ。退魔師に超能力者、吸血鬼に自動人形?まるっきりファンタジーじゃない!特に何よ!あの神速って!!御神の剣士って怪物なの!?」

 

 

《いや~ヒエンさんが強くなってる理由にも納得です。あれだけトラブルに巻き込まれれば、急速に強くもなりますよねぇ。あとヒエンさんの興味深い黒歴史も知れましたし~。それにプリキュア世界にシンフォギア世界の人達の存在も。ルビーちゃん的には大変満足ですっ!!》

 

 

《昔、姉さんがヒエン様に渡した紅の宝石、イマジンストーンに秘密があったことに驚きです。プリズムフラワーの効力にも驚きましたが》

 

 

イリヤ、美遊、クロ、ルビー、サファイアがそれぞれ感想を述べる。

 

クロよ気持ちは分かるぞ。

 

あとルビーは少し黙ろうか。仕方がないので、ここはサファイアを味方につけて抑止力になってもらおう。

 

すると何を思ったのかバゼットが俺の方へ寄ってきた。

 

ちなみにメイド服がかなり似合ってる。

 

 

「ヒエン、貴方の今までの軌跡を私も拝見しましたが……本当に良かったのですか?」

 

 

「なにが?」

 

 

「貴方の存在は、はっきり言ってイレギュラーも良いところです。もし私が協会にこのことを報告すれば……とは考えなかったのですか?」

 

 

「えっ、なに、報告すんの?」

 

 

「いえ、貴方との契約もありますので報告はしません。ですが少し気になりまして。それで、なぜ私にも見せたのですか?」

 

 

うーむ。

強いて言うなら……

 

 

「直感」

 

 

俺の即答にバゼットはガクッと姿勢を崩す。

 

 

「貴方の超直感の能力ですか……」

 

 

「うん。バゼットからは悪意とか敵意とか特に感じないし。大丈夫かなあと思った」

 

 

「……そうですか」

 

 

「まあ、そう気にすんなよ」

 

 

「ああ、はい……。貴方はそういう人なんですね……」

 

 

バゼットは項垂れる。

 

そして俺はイリヤの頭の上に乗っている相棒を回収すると、話しかける。

 

 

「なあ相棒……異世界転移に必要な魔力はどれくらいで溜まるんだ?」

 

 

「ガゥ……ガァウ」

 

 

「ニ週間か。結構かかるな」

 

 

ここでどうやって俺達が異世界転移しているかの説明に移ろう。

 

異世界転移は、相棒が取り込んだプリズムフラワーの力で行っている。

 

しかしそれに必要なエネルギーは()()()()()で行っているのだ。

 

つまり簡単に言えば、移動に必要な()()()がプリズムフラワーで、その()()が相棒の魔力という訳だ。

 

なら俺の魔力を相棒に渡せばいいのではと思ったのだが、事はそう単純じゃないらしい。

 

相棒とプリズムフラワーは()()()している。

 

その関係で()()()()()()()でなければ、プリズムフラワーの力は発動しないのだ。

 

なら今までどうやって異世界転移してたんだという話になるのだが、それは全てアンジェ先輩が行ってくれていたのである。

 

と、ここでイリヤが話を振ってきた。

 

 

「でもヒエンさん、大丈夫なの?」

 

 

「うん?なにが??」

 

 

「もう少しでインターミドルっていう魔導師の大会が始まるんでしょ?こっちでニ週間も過ごしたら大会に参加できないんじゃ……」

 

 

「ああ、それなら大丈夫。こっちに来る前の時間帯に戻ればいいだけのことだし」

 

 

と、そこで俺はある提案をする。

 

 

「そうだ。良かったら、お前達も俺の世界に遊びに来ないか?なのは達もイリヤ達に会えたら喜ぶだろうし」

 

 

「え?いいの?」

 

 

「実はちょっと興味あったのよねぇ~」

 

 

「私はイリヤ達が行くなら……」

 

 

イリヤ、クロ、美遊の三人は乗り気である。

 

俺は凛達にも視線を向ける。

 

 

「気持ちは嬉しいけど私はパス。やらなきゃいけないことが多いのよ」

 

 

「せっかくですがワタクシも遠慮させていただきますわ。その代わり、美遊達を楽しませて上げてください」

 

 

「……私も遠慮します」

 

 

凛、ルヴィア嬢、バゼットは断った。

 

 

「了解」

 

 

俺は素直に返事をする。

 

よし、ならここからは、これからのことを考えなくてはならない。

 

 

「さて、ある程度方針は決まったものの問題はどうやってニ週間過ごすかだな……」

 

 

「ならヒェン、貴方もウチにいれば良いではありませんか」

 

 

「へ?」

 

 

「ヒェンは月村家といいましたか。そこで執事をしていた経験があるのでしょう?ならエーデルフェルト家でもその手腕を存分に発揮してくださいな」

 

 

「え?また執事をしろと??」

 

 

「当然お給金は出しますわ。それに貴方に行く当てがありまして?」

 

 

「お世話になります」

 

 

恥も外聞もなく頭を下げる。

 

良く考えれば、この話は俺にとって渡りに船だ。

 

寝床を用意してくれる上に、お給金まで出してくれるという。

 

乗らない手はない。

 

 

「では、決まりですわね。ついでにそこの子猫達もウチで面倒みましょう」

 

 

するとルヴィア嬢はオーギュスト氏に指示を出す。

 

 

「オーギュスト、新都の方にホテルの部屋を取っておいてちょうだい。あと屋敷の修繕工事の手配をお願いしますわ」

 

 

「かしこまりました」

 

 

「遠坂凛、貴方には新しく入ったバゼットの教育係に任命しますわ。美遊はヒェンの教育係をお願いしますわ」

 

 

「な、なんで私が!?」

 

 

「貴女の方が先輩なのだから教えるのは当然でしょう?」

 

 

「はぁ、分かったわよ」

 

 

「美遊も頼みましたわよ」

 

 

「分かりました」

 

 

「といっても屋敷がこのような状態ですから、本格的な仕事はまだ先になりますが」

 

 

話が決まったからか、徐々に解散の流れになってきた。

 

 

「イリヤもクロも今日はもう帰りなさいな。色々あって疲労も溜まっているでしょうし」

 

 

そしてルヴィア嬢のこの一言で、完全に解散の流れとなった。

 

その後は、オーギュスト氏が冬木市の最高級ホテルのスウィートルームを予約しており、そこで過ごすことに。

 

スウィートルームというだけあって、豪華すぎてヤバかった。

 

ベランダにジャグジーがあるのは初めてみた次第である。

 

そこで俺はカラフル猫共々、二週間お世話になることとなった。

 




次回はプリヤの世界の日常パート。

衛宮さん家の士郎君と知り合いつつ、ドタバタに巻き込まれたりと色々起こります。

そこからは元の世界に戻っていよいよ予選開始デェス。

では、また(・∀・)ノ

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