大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第三百十二話 ちょっとプリズマ☆イリヤ 2wei(ツヴァイ)!③

第三者side

 

 

 

イリヤ達は防御結界の中で、少年とバゼットの戦いを見ていた。

 

二人は互いに高速で動き回り、拳をぶつけ合わせる。

 

 

「す、凄い……あのバゼットと互角に戦ってる」

 

 

「ふ~ん。自分で強いって言うだけの実力はある訳だ」

 

 

「いやいやいや!強くなりすぎでしょ!?ヒエンさん私達と一緒に戦ってたときより滅茶苦茶強くなってるよ!?」

 

 

《これはさすがのルビーちゃんも予想外です。いえ、そもそもヒエンさんがこちらの世界に来ること自体予想外なんですけどねぇ》

 

 

《ヒエン様のパワー、スピード、ディフェンス、戦闘技術に魔法の発動スピード……全てが私達と共闘したときとは比べ物になりません》

 

 

美遊、クロ、イリヤ、ルビー、サファイアはそれぞれ反応を示す。

 

その意見どれもが共通して驚愕ばかりであった。

 

少年とバゼットの戦いは続く。

 

すると突如、二人が動きを止めた。

 

バゼットが少年に話しかける。

 

 

「……ここまで私の攻撃を受け切るとは大したものだ。しかもかなり戦い慣れている。正直、貴方程の人物を教会が把握していないことに、少し気掛かりを覚えますよ」

 

 

しかし少年は何も答えない。

 

 

「……答える気はないようですね。いえ、別に貴方が何者であろうが今の私には関係がありませんね。……ただ、任務の邪魔をするのであれば排除させてもらいますが」

 

 

するとバゼットの身体から魔力が解放される。

 

 

《彼女が仕掛けるようです》

 

 

様子を見ていたサファイアがそのことを感知する。

 

 

「加速」

 

 

一同が目を凝らして見ると、バゼットは既に少年の目の前に接近していた。

 

 

「くっ!?」

 

 

少年は胸に突き付けられた貫手を、咄嗟に身体を捻ってかわす。

 

 

「さっきより早い……!」

 

 

「全く見えなかったよ……」

 

 

《どうやらイリヤさん達と戦ってるときは、手を抜いていたみたいですねぇ》

 

 

バゼットのスピードに驚く美遊とイリヤ。

 

ルビーは冷静に分析する。

 

 

「強化」

 

 

続いてバゼットは少年の後方に回り込み、鋭い蹴りを放つ。

 

少年は加速魔法を発動させてバゼットの背後へと回り込み攻撃をかわすと、お返しとばかりに回し蹴りを放つ。

 

 

「硬化」

 

 

しかしバゼットも少年の攻撃に気付くと、回し蹴りを放つ。

 

両者の蹴りが炸裂する。

 

しかし攻撃力はバゼットの方が上なのか、少年の方が吹き飛ばされてしまう。

 

バゼットはさらなる追撃を仕掛けるが、少年はグローブから炎を放出し、横へと逃れる。

 

それと同時に幾つものオレンジ色の鎖が、バゼットを拘束しようとする。

 

 

「またそれですか。ですが、二度も同じ手は食いません」

 

 

バゼットはそれらの鎖を必要最低限の動きだけでかわすと、地面を叩いて土煙を作り出す。

 

途端に視界が悪くなる。

 

 

「目眩まし?嫌らしい手を使うわね」

 

 

《しかし戦術としては有効です。問題は、ヒエン様がどう対処なさるかです》

 

 

クロが小言を並べ、サファイアが観察する。

 

すると動きがあった。

 

 

「これは気配が急に増えて!?」

 

 

バゼットの焦った声が聞こえる。

 

 

「くっ!?」

 

 

土煙の中で何かと戦っているようだ。

 

 

「このしつこさ、まるでゴキブリですね」

 

 

土煙が晴れて視界が開ける。

 

そこには数体の氷の人形と戦うバゼットの姿があった。

 

 

「なにあれ?」

 

 

「人型の氷?」

 

 

「あれ……ヒエンさんがいない?」

 

 

イリヤとクロが首を傾げ、美遊が気付く。

 

ルビーは説明する。

 

 

《なるほど~。考えましたねぇ。あの土煙の中で身動きが取れないと判断したヒエンさんは、即座にあの氷の人形を展開。彼女の気を逸らしてる間に姿を隠して様子見といったところでしょうか~》

 

 

バゼットはというと、氷の人形の全身を吹き飛ばす。

 

すると彼女はあることに気付く。

 

 

「これは……そうか。全身を吹き飛ばせば、再生できないのですね。そうと分かれば!」

 

 

バゼットは猛烈な勢いで氷の人形達を砕いていく。

 

そして最後の一体を破壊すると同時に、彼女は氷の鎖で拘束された。

 

 

「これは!?」

 

 

その瞬間、バゼットの前に少年が姿を現す。

 

そして、籠手を手甲に変化させると、バゼットに思いっきり殴りかかった。

 

 

「かはっ!?」

 

 

バゼットは吐血しながら吹き飛んでいく。

 

少年はグローブから炎を噴射させて追撃をかける。

 

しかしバゼットも負けてはいない。

 

 

「く……」

 

 

バゼットは吹き飛びながらもしっかりと地面に足をつけ、体勢を整える。

 

そして右手を貫手の構えにすると、ルーンを付与させ、少年の元へと突貫した。

 

バゼットの右手が光り輝く。

 

少年も額の炎の出力を最大にさせ、右手にエネルギーを収束していく。

 

そして両者の技が激突した。

 

 

「硬化、強化、加速……相乗!!」

 

 

灼熱の加速(バーニングアクセル)!!」

 

 

 

 

 

 

ドォオオオオオオオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

二人を中心に規模の大きい衝撃波が巻き起こる。

 

数秒程拮抗していたが、徐々に少年の攻撃が押していく。

 

 

「おおおおおお!!!!」

 

 

少年は雄叫びをあげながら、バゼットを押し込んでいく。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

バゼットも対抗しようとするが、少年に右手を弾き飛ばされ、そのままバーニングアクセルを叩き込まれた。

 

 

「おりゃああああ!!」

 

 

「ぐぁあああ!?」

 

 

バゼットは壁まで吹き飛び、グッタリして動かなくなった。

 

 

「ふぅ……」

 

 

少年は静かに息をはき、イリヤ達の方を見た。

 

 

「なんとか勝ったぞ?」

 

 

「「「…………( ゚д゚)ポカーン」」」

 

 

イリヤ達は驚きすぎてリアクションを取ることができなかった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「……これは一体どういう状況なのかしら?」

 

 

俺は気絶したバゼットをチェーンバインドでぐるぐる巻き、リングバインドで両手を拘束して横たわらせた後、イリヤ達に話しかけようとしたとき……後方から一人の女性の声が聞こえた。

 

見れば、黒髪のツインテールをした俺と同い年くらいの少女が立っていた。

 

たしか彼女は……

 

 

「「「凛(さん)!」」」

 

 

遠坂凛……

 

Fateシリーズに登場するヒロインの一人だ。

 

 

「よがっだ……生きでたんだ……」

 

 

「そりゃこっちの台詞。ルヴィアも無事よ、ギリギリね」

 

 

イリヤが半泣きになりながら再会を喜ぶ。

 

遠坂凛も呆れたように、でもどこか安心しているように答えた。

 

すると彼女の視線がこちらに向く。

 

 

「色々気になることはあるけど、まさかあのバゼットをやっつけるとはね……」

 

 

彼女の視線が気絶しているバゼットの方に向く。

 

すると今度は俺の方を向いてきた。

 

俺と彼女の目が合う。

 

彼女からはどこか戸惑うような、警戒するような視線を感じた。

 

俺は事情を説明しようとしたのだが、イリヤ達が先に話し始めた。

 

 

「凛さん!ヒエンさんは私達を助けてくれたの!!」

 

 

「はい。前に言ってた異世界でお世話になった魔導師さんです」

 

 

すると遠坂凛は驚く。

 

 

「前にあんた達が言ってた異世界の魔法使いと共闘したってやつ?」

 

 

「「はい」」

 

 

「そこの彼が?」

 

 

「「はい」」

 

 

「なんか頭痛くなってきたわ……」

 

 

遠坂凛は頭に手を当てる。

 

なんだか考える人みたいになってる。

 

色々苦労してそうだな。

 

ここは労うべきかもしれない。

 

そんな彼女に俺は言った。

 

 

「なんかドンマイ」

 

 

「あんたのせいよ!?」

 

 

すかさずツッコミが返ってきた。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

ひとまずイリヤ達の治療を簡単に済ませた後、地下にいるであろう屋敷の主ルヴィア嬢と、その執事であるオーギュスト氏の救出にいくことに。

 

ちなみにイリヤ、美遊、クロの三人は強制的に休ませている。

 

その三人にはカラフル猫四匹の相手を頼んでおいた。

 

俺と凛は地下通路を歩いていく。

 

ちなみに凛からは呼び捨てでいいと許可を頂いたので、俺もヒエンでいいと言っておいた。

 

しばらく歩くと、金髪の縦ロールの少女と、老執事の二名が壁にもたれかかっていた。

 

どちらも負傷しているらしく、特に金髪の縦ロールの少女の傷がひどかった。

 

というか所々、服も破れてるのでエロかった。

 

 

「ルヴィア!」

 

 

凛が二人に駆け寄っていく。

 

 

「遠坂凛……バゼットはどうなりました?」

 

 

「安心なさい。バゼットはここにいる彼が倒したわ」

 

 

「……そこの殿方が?」

 

 

「ええ。信じられないことに彼、魔法使いなんですって」

 

 

「魔法使い!?そんなバカな話が……いえ、今はそんなことを言ってる場合ではありませんわね。それよりも、美遊達は無事でしたの?」

 

 

「彼のおかげで無事よ。三人ともケガはしてるけど、あんたほど重傷じゃないわ」

 

 

「そうですか」

 

 

ルヴィア嬢は安心したように微笑む。

 

俺は彼女に話しかける。

 

 

「初めまして、ルヴィア嬢。俺はヒエン、大空氷炎だ。さっき彼女が言ってた魔法使いだ。聞きたいことが色々あると思うが、今は傷の治療を優先させてもらえないか?」

 

 

「……こんなはしたない格好で申し訳ありません。ワタクシはルヴィア、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと申します。この度は美遊達を救っていただいて感謝申し上げます。傷の治療は貴方にお任せ致しますわ。バゼットを退ける実力者であれば心配いらないでしょうし」

 

 

「信用感謝する」

 

 

そして俺は額に炎を灯し、死ぬ気モードとなる。

 

俺の額に炎がついたことに驚く面々であったが、俺は気にせず治癒魔法を使用する。

 

まずは痛みを引かせるために身体全体を薄く包み込む。

 

そして治癒の遅い箇所を発見すると、そこを重点的に治癒していく。

 

リニスから人体のことについてもある程度知識を叩き込まれているので、治癒もお手の物である。

 

ルヴィア嬢の治癒が済むと、オーギュスト氏の治癒も同様に行っていく。

 

二人の治癒に数分もかからなかった。

 

 

「終わりました」

 

 

それと同時に死ぬ気モードも解除する。

 

一応、念のためにバリアジャケットは纏ったままにしておく。

 

バゼットが目を覚ましてまた暴れるとも限らないし。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「いえ」

 

 

オーギュスト氏からお礼を言われる。

 

するとルヴィア嬢もお礼を言ってきた。

 

 

「ありがとうございますヒェン。エーデルフェルト家当主として、改めてお礼を言わせていただきます」

 

 

ヒエンではなく、ヒェンである。

 

ヒェンなんて初めて言われたぞ。

 

 

「この後、貴方さえよろしければ、お茶でもいかが?ワタクシ、貴方に興味が湧きました」

 

 

とりあえず俺はこの誘いを受けることにした。

 

 

「えっと、俺で良ければ喜んで」

 

 

「決まりですわね」

 

 

そして俺達は地上へと一旦、出ることになった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

地上へ出ると私服姿のイリヤとクロ、メイド服姿の美遊が近寄ってきた。

 

傷もなくなり、すっかり全快となっていた。

 

 

「「「ルヴィア(さん)!!」」」

 

 

「ご無事で何よりですわ三人とも」

 

 

皆が再会を喜んでいる側で、俺はバゼットの方へと視線を向ける。

 

 

「うっ……」

 

 

もう目を覚ましたらしい。

 

気絶してから十数分しか経ってないのに。

 

こいつ、一体どういう身体の構造してんだ……(引き気味)。

 

 

「私は一体?」

 

 

「め、目を覚ました!?」

 

 

イリヤが俺の後ろに隠れながら声をあげる。

 

ちょっと、人を盾にするのやめてもらえない?

 

 

「お目覚めかしら、バゼット?」

 

 

すると凛がバゼットに話しかける。

 

バゼットも状況を理解したのか、溜め息をついてから話し始めた。

 

 

「私は負けてしまったのですか」

 

 

「ええ、それはもう完膚な無きまでにね」

 

 

「そうですか」

 

 

一同の視線が俺へと向く。

 

俺は視線を逸らして口笛を吹いていた。

 

 

「露骨!?」

 

 

イリヤがツッコミを入れる。

 

やはり彼女はツッコミが冴え渡っている。

 

なのは達ではこうはいかないのでなんだか新鮮である。

 

 

「こうなってしまっては、任務失敗ですね。抵抗はしません。煮るなり、焼くなり、好きにしなさい」

 

 

「え?好きにしていいの?」

 

 

俺が思わずバゼットの言葉に反応すると……

 

 

「「「「ニャー!!」」」」

 

 

 

シャッ!!!!

 

 

 

「ギャアアァ!目があぁ!目がああぁ~!!」

 

 

カラフル猫四匹に顔を引っ掻かれた。

 

それはもう思いっきり。

 

俺はムスカさんの如く、のたうち回る。

 

あれ?

 

前にもこんなことなかったっけ?

 

 

「何やってるのよヒエン……」

 

 

《プププププ。相変わらずシリアスに無縁なお人ですねぇ》

 

 

クロとルビーにツッコまれる。

 

のたうち回ってたら、呆れた目をしたイリヤと美遊が抱き起こしてくれた。

 

なんかすまぬ。

 

 

「まあ、彼の事は置いといて……安心しなさい。こちらに貴方をどうこうするつもりはないわ。……今のところはね」

 

 

すると凛はバッグから一枚の羊皮紙を取り出す。

 

 

「これを見なさい」

 

 

「それは?」

 

 

そこには黒い模様、正確に言えば黒い斑模様のような物が写っていた。

 

 

「この町の地脈図。以前、地脈の正常化を行ってね。その経過観察のため撮ったレントゲン写真みたいなものよ。分かるかしら?左下の方……」

 

 

言われて見てみれば左下の方に四角いマークのようなものがあった。

 

 

「地脈の収縮点に……正方形の場……?まさか……」

 

 

「前任者なら分かるわよね?正確には正方形ではなく立方体。虚数域からの魔力吸収……そう───八枚目のクラスカードよ

 

 

凛の言葉を聞いた面々は言葉をなくしていた。

 

それほどに彼女達に取っては無視できない言葉らしい。

 

 

「八枚目───」

 

 

「地脈の本幹のど真ん中、協会も探知できなかったんでしょうね。カードの正確な場所を知っているのは私だけ。地脈を探ることができるのも冬木の管理者たる遠坂の者だけよ」

 

 

「…………」

 

 

「……さて、貴女の任務が【全カードの回収】だとするのなら……コレも数に入ってるんじゃない?」

 

 

「……ええ」

 

 

「私が言いたいことは一つ。私達に協力しなさいバゼット」

 

 

「いいでしょう。元々、カード回収任務は私の任務でしたしね」

 

 

するとバゼットは一考してから、また話し出す。

 

 

「一度協会の方に連絡してもよろしいでしょうか?」

 

 

「いいわよ。恐らく協会からも協力して回収するように言われるでしょうしね」

 

 

話が一段落したところで、今度は俺がバゼットに話しかける。

 

 

「おいバゼット、一つ気になったんだが、その八枚目のカードを回収した後、()()()()()()()()()()()()?」

 

 

「勿論、協会からの回収任務は継続中ですので()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

俺は厳しい目を奴へと向ける。

 

俺の質問の意味が分かったのだろう。

 

イリヤ達は固唾を飲んで見守る。

 

 

「そう……なるでしょうね」

 

 

バゼットは肯定した。

 

 

「そうか。なら打てる手は打っておかないとな」

 

 

そして俺はバゼットへある確認を取る。

 

 

「バゼット、お前さっきこう言ってたよな。煮るなり、焼くなり、好きにしろと」

 

 

「ええ、言いました」

 

 

「なら単刀直入に言う。服を脱げ」

 

 

「な、何言ってるのヒエンさん!?」

 

 

「また大胆な」

 

 

「ヒエンさんがそ、そんなことを言うなんて……」

 

 

イリヤ、クロ、美遊の三人は驚く。

 

 

「あんたは急に何を言ってるのよ!?」

 

 

凛もさすがにツッコミを入れてくる。

 

猫達もニャーニャー言って抗議を入れてくるが、俺は気にせずルヴィア嬢に視線を向ける。

 

 

「ルヴィア嬢、一つ頼みがある」

 

 

「なんでしょう?」

 

 

「こいつをエーデルフェルト家でメイドとして雇ってもらいたい」

 

 

「「「「「え、えぇ!!!!????」」」」」

 

 

さらに俺の提案に驚く一同であった。

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

「ま、まさかこんな辱しめを受けることになるとは……」

 

 

俺達の前には、オーギュスト氏が用意したメイド服に袖を通したバゼットの姿があった。

 

ちなみにこいつが暴れないように魔力を封印する術式を施した小型のバインドを手足にかけている。

 

 

「敗者は勝者の言うことに黙って従え。それにこの屋敷はお前が襲撃したのをきっかけにこうなったんだろ?だったらお前には、弁償する義務が発生すると思うが?」

 

 

「くっ……」

 

 

バゼットが黙る。

 

まあ、正論しか言ってないし。

 

 

「似合ってる!?」

 

 

「い、意外ね」

 

 

「まさかバゼットさんと一緒にメイドをすることになるなんて……」

 

 

三人も驚いているようだ。

 

そして俺はルビーとサファイアに()()()()()()()()を尋ねる。

 

 

「どうだ?しっかり撮れてるか二人とも?」

 

 

《バッチリです!》

 

 

《しっかり撮れてますよ》

 

 

「ふむ。良い感じだな」

 

 

ルビーとサファイアに頼んでバゼットのメイド姿を撮影してもらっていたのだ。

 

 

「な、なぜ撮影なんてしているのですか!?」

 

 

「そんなの決まってるだろ。保険だよ」

 

 

「保険?……ま、まさか」

 

 

俺の言葉にバゼットは検討がついたのか、口をパクパクさせている。

 

 

「お前の予想通りだよバゼット。もしイリヤ達に再び手を出そうものなら、お前は大変な事になる。……主に社会的な意味で

 

 

そして俺は両手を広げ、良い笑顔になりながら、大声で言った。

 

 

「そう。これらの写真を日本中に、いや世界中にバラまかれたくなかったら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人しく我が軍門にクダレエェェ!!!!」

 

 

そう。

 

俺の言っていた打てる手とはバゼットを脅すこと、脅迫である。

 

俺は言葉を続ける。

 

 

「ちなみにここで首を縦に振らなければその瞬間、日本中の芸能事務所にお前の偽造した履歴書と写真データが送られる。バゼット、あんたは掛け値なしで美人だ。恐らく、あらゆる方面から注目されることになるだろう。そうなれば確実に新人アイドル、バゼットちゃんの誕生だ」

 

 

俺はさらに言葉を続ける。

 

 

「バゼット、聞けばお前は魔術協会で封印指定執行者という役職についてるようだな?魔術ってのは秘匿されるべきものなんだろ?なら当然、その術者も秘密を保持しなければならない訳だ。だがもし、新人アイドルとしてデビューしてしまえばどうなるだろうな?さすがの魔術協会もそう簡単には手出し出来なくなるだろうぜ。さあ、どうするバゼット?まあ実質、選択肢は一つだがなああぁぁぁ!!」

 

 

「くっ……いっそのこと私を殺せえぇ!!」

 

 

こうしてバゼットは仲間になることを承諾。

 

イリヤ達とは戦わないと誓わせた。

 

だがこの対応に関しては、女性陣からは白い目で見られたのは言うまでもない(白目)。




バゼットさん、裏切れないように教育成功の巻。

では、また(・∀・)ノ

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