大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

もう八月ですね。

暑くて死にそうです。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第三百十一話 ちょっとプリズマ☆イリヤ 2wei(ツヴァイ)!②

ヒエンside

 

 

 

俺は美遊を叩きつけようとしているスーツ女の顔面を横から殴り飛ばす。

 

その間に俺は落ちてきた美遊を受け止める。

 

すると吹き飛んだ筈のスーツ女が話しかけてきた。

 

どうやら受け身を上手く取ったらしい。

 

 

「またしても援軍ですか……一体何者です?」

 

 

「ただのお節介な魔導師だよ」

 

 

「魔導師?」

 

 

スーツ女は俺の言葉に聞き覚えがないのか、僅かに眉を寄せるが、俺は気にせず魔法を使用する。

 

チェーンバインドで奴を拘束する。

 

 

「これは……魔力の鎖!?」

 

 

その間に抱えていた美遊を降ろし、転送魔法トランスポーター・ハイを使い、イリヤに瓜二つの女の子と共に、イリヤの近くに移動させる。

 

ついでに俺の背中に張り付いていたカラフル猫四匹も移動させる。

 

そして俺は固まっているルビーとサファイアに指示を出す。

 

 

「ルビー、サファイア……聞きたい事はあるだろうが、ひとまず質問は後だ。二人ともそのままイリヤと美遊の治癒に専念。相棒は治癒魔法でもう一人の女の子の治療だ」

 

 

《は、はい》

 

 

《了解しました》

 

 

「ガァウ」

 

 

二個と一匹は返事をする。

 

 

「あ、後はこれもだな」

 

 

俺は高位結界魔法ラウンドガーター・エクステンドを発動させる。

 

そのまま、俺は未だに呆然としているイリヤ達に話しかけた。

 

 

「回復効果のある結界だ。そこにしばらくいればすぐに動けるようになる」

 

 

するとイリヤと美遊が話しかけてきた。

 

 

「え、えぇ!?な、なんでヒエンさんがこっちにいるの!?」

 

 

「どうやってこっちの世界に?」

 

 

「さっきも言ったが質問は後だ。まずはあそこにいるあいつをなんとかしないとな」

 

 

俺は前方に目を向ける。

 

丁度スーツ女はバインドを砕いたのか、動けるようになっていた。

 

それを見ていたイリヤ達が顔をしかめる。

 

俺は前方のスーツ女に警戒しながら、イリヤ達に言った。

 

 

「イリヤ、美遊、それとそこの女の子も良く頑張ったな。途中から見てたけど、三人ともカッコ良かったぞ」

 

 

「そ、そうですか?えへへへ……ってそうじゃなくて!み、見てたんですか!?」

 

 

イリヤが芸人張りのノリツッコミをする。

 

相変わらずリアクションの良い子だ。

 

 

「なんて言えばいいんだろうな?イリヤ達の戦う姿が、俺の頭の中に映像として流れてきてな?それでお前達がピンチになってたから、いてもたってもいられなかったってとこだ」

 

 

俺は言葉を続ける。

 

 

「まあ、三人とも今はそこでゆっくり休んでろ。あとは俺が……なんとかしてやる」

 

 

するとスーツ女が話しかけてきた。

 

 

「なんとかしてやる……ですか。私もなめられたものですね」

 

 

「別になめてる訳じゃないさ。ただ、あんたに一つ忠告しておいてやる。あんたが思ってるより俺は……かなり強いぜ?」

 

 

俺とスーツ女の二人が睨み合っていると、イリヤにそっくりな女の子が話しかけてきた。

 

恐らくこの子がクロだろう。

 

 

「そこの炎のイケメンさん?バゼットは英霊並に強いわよ。もし逃げるのなら……今の内よ?」

 

 

俺はそれに答える。

 

 

「心配ご無用だ、イリヤ似のお嬢さん。こう見えてもそこそこ修羅場は経験してるんでな。それこそ、そこらの英霊にも負けないくらいに」

 

 

俺は首をグキグキと鳴らしながら答える。

 

俺の返答にクロは呆れたように返した。

 

 

「……一応忠告はしたわよ。それと私の名前はクロエ、クロエ・フォン・アインツベルンよ。クロでいいわ」

 

 

「そうか、クロ。俺の名前はヒエン、オオゾラ・ヒエンだ。ヒエンでいい」

 

 

「そう。じゃあ任せたわよ、ヒエン」

 

 

「ああ、任せとけ」

 

 

俺は両手の掌と拳を合わせながら答える。

 

俺とクロの会話にイリヤと美遊はなぜか唖然としていた。

 

 

「な、なんかあの二人、仲良くなるの早くない?」

 

 

「うん。あの気難しいクロと、もう仲良くなるなんてさすがヒエンさん」

 

 

まあいい。

 

俺はバゼットと呼ばれた女と向き合う。

 

 

(バゼット、やはりあのバゼットか)

 

 

彼女の本名はバゼット・フラガ・マクレミッツ。

 

バゼットは「Fate/hollow ataraxia」に登場するキャラクターである。

 

彼女は「Fate/hollow ataraxia」における裏の主人公であり、ヒロインでもある。

 

男物のスーツに身を包んだ男装の麗人で、第五次聖杯戦争のために魔術協会から派遣された武闘派魔術師であり、ランサー:クー・フーリンの本来のマスターでもある。

 

「Fate/stay night」でもその存在は言及されている。

 

「Fate/hollow ataraxia」での彼女は、監督者の言峰綺礼に騙し討ちにあい、左腕ごと令呪を奪われている。

 

瀕死であった彼女はアヴェンジャーに拾われる形で彼と契約、繰り返される四日間の夜の聖杯戦争に参加することになるのだ。

 

魔術師としての能力は戦闘に特化しており、歴代最強とされる「封印指定執行者」であり、純粋な戦闘能力だけなら型月でも屈指の実力を誇る。

 

素手での戦闘を好み、硬化のルーンを刻んだ手袋(グローブ)を愛用し、戦闘時では時速80kmの拳を繰り出す。

 

もしバゼットと、暗殺先生こと葛木宗一朗(くずきそういちろう)が肉弾戦を行ったら、初戦なら葛木がやや有利で勝利し、二回目以降はバゼットのほぼ完勝という結果らしい。

 

あと言峰とでは、バゼットの方が普通に強いらしい……が、さすがに十年若ければ負けるとのこと。

 

まあ、何はともあれバゼットは、英霊とタイマン張れるバーサーカー女魔術師である。

 

つまり、俺が以前苦戦した黒化英霊のセイバーオルタよりも確実に強いということになる。

 

 

(まあ、あの時より俺も格段に強くなってるが)

 

 

とりあえず今言えることは、バゼット相手に油断はできないということだ。

 

俺は奴を観察する。

 

普通に立っているだけなのに凄まじい威圧感を感じる。

 

これはイリヤ達では勝てない筈だ。

 

くぐり抜けてきた修羅場の数が違いすぎる。

 

恐らくイリヤ達と戦っていた時も、いくらか手を抜いていたのだろう。

 

正直、こいつがその気になれば、彼女達の命を奪うことなど造作もなかったであろうし。

 

俺はバゼットへと話しかける。

 

 

「あの子達が随分、お世話になったみたいだな」

 

 

「これでも殺さないように手加減しているんですがね……。私は貴方の方に用はありません。抵抗しなければ、身の安全は保障します」

 

 

「無理だな。あんたがあの子達に拳を向ける以上、俺の敵だ」

 

 

「そうですか。なら、実力で排除します」

 

 

するとバゼットは人間離れしたスピードで俺に接近し、拳を振るってきた。

 

それに対して、俺も奴の攻撃に合わせるように拳を打ち出した。

 

 

 

ゴッッッ!!!!!!

 

 

 

俺の拳とバゼットの拳が激突し、凄まじい衝撃波が迸る。

 

それを合図に接近戦へと移行する。

 

バゼットがさらに拳の連撃を打ち込んでくる。

 

俺はそれらを化剄で受け流し、まずは奴の動きを分析していく。

 

 

(攻撃が思った以上に重い。それにスピードもある。リーゼロッテのような身体強化に特化したタイプか)

 

 

するとバゼットは一旦下がると、勢い良く跳び上がり、サマーソルトキックを放ってきた。

 

俺はそれをクロスガードで受け止める。

 

威力が強いのか、俺の地面の下が少し陥没する。

 

だが受け止めきれない訳ではない。

 

俺はそのまま奴の足を片手で掴むと、地面に叩きつける。

 

しかし奴は両手で地面をついて上手く衝撃を逃がすと、回転蹴りを繰り出してくる。

 

俺はそれを後ろ跳びでかわし、着地と同時に炎の銃弾をお見舞いする。

 

 

「ヒートカノン!」

 

 

するとバゼットは拳に強化のルーン魔術を付与させたのか、光を帯びた拳でヒートカノンを弾き飛ばし、俺に接近する。

 

それを見た俺も、拳に死ぬ気の炎を纏わせ、真っ正面から迎え撃った。

 

再度激突する、俺の拳と奴の拳。

 

威力が強いのか、両者共に勢い良く後方へと吹き飛ぶ。

 

俺はさらに足元に死ぬ気の炎を纏わせ、奴も足元にルーン付与を行う。

 

両者共に縦横無尽に屋敷内を動き回り、拳をぶつけ合わせる。

 

互いに高速で動いているからか、ドンッドンッドンッという音が後から聞こえてくる。

 

何度目かの攻防で俺達は動きを止める。

 

 

(様子見のつもりか?まだ実力を隠していやがる……)

 

 

俺はバゼットが実力を出し切っていないことに気付いていた。

 

仮にも英霊と渡り合える女魔術師がこの程度の筈がない。

 

本来の実力はもっと上の筈だ。

 

すると何を思ったのか、バゼットが急に話しかけてきた。

 

 

「……ここまで私の攻撃を受け切るとは大したものだ。しかもかなり戦い慣れている。正直、貴方程の人物を教会が把握していないことに、少し気掛かりを覚えますよ」

 

 

「…………」

 

 

俺は何も答えない。

 

奴の言う協会というのは魔術協会のことだろう。

 

それは当然だ。

 

そもそも俺はこの世界の住人ではない。

 

というか、把握されたくない。

 

魔術協会なんて怪しげなところに注目されたら、命がいくつあっても足りんわ。

 

 

「……答える気はないようですね。いえ、別に貴方が何者であろうが今の私には関係がありませんね。……ただ、任務の邪魔をするのであれば排除させてもらいますが」

 

 

すると奴の身体から魔力が解放される。

 

そして……

 

 

「加速」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「くっ!?」

 

 

俺は胸に突き付けられた手刀、貫手(ぬきて)を身体を捻りながらなんとか、かわす。

 

 

「強化」

 

 

今度は俺の後方に回り込んできたのか、鋭い蹴りを放ってきた。

 

 

(さっきよりも格段に早い!?)

 

 

俺は堪らずブリッツアクションを発動させて緊急回避すると、奴の背後へと回り込み、お返しとばかりに回し蹴りを放つ。

 

 

「硬化」

 

 

だが奴も俺の攻撃に気付くと、回し蹴りを放ってきた。

 

しかも攻撃力も上がっているのか、俺の方が吹き飛ばされてしまう。

 

この瞬間、俺は理解した。

 

 

(本気を出してきたか……!)

 

 

それに対抗するように俺も炎の質を柔から剛に切り替える。

 

バゼットはさらなる追撃を仕掛けてきたが、俺はグローブから炎を放出することで奴の斜線上から逃れる。

 

それと同時にチェーンバインドを発動させて、奴を拘束しようと試みる。

 

 

「またそれですか。ですが、二度も同じ手は食いません」

 

 

バゼットは複数のバインドを最低限の動きだけでかわすと、地面を叩いて土煙を作り出す。

 

途端に視界が悪くなる。

 

俺は思わず動きを止めてしまった。

 

 

(こちらに奇襲をかける気だな……)

 

 

俺はバゼットの狙いを予測する。

 

恐らく土煙に紛れて一気に決める算段なのだろう。

 

だとすれば下手に動き回るのは危険だ。

 

物音一つたてれば、奴はこちらの位置を瞬時に判断する筈だ。

 

 

(ならば……)

 

 

俺は吹雪の人形(ブリザードロイド)を十体造形する。

 

実体のある人形であれば気配も分断できるだろう。

 

奴は強い。

 

それこそ本物の英霊と遜色ないくらいに。

 

まあ、さすがにシンフォギア世界の風鳴司令ほどではないが……。

 

俺の知る限り、霊長類最強は風鳴司令(あの人)だからな。

 

と、無駄な思考はこれくらいにしてさっそく仕掛ける。

 

俺は氷の人形達をバゼットがいるであろう気配のする方向へ操作する。

 

 

「これは気配が急に増えて!?」

 

 

狙い通り焦っているようだ。

 

俺はその間にミラージュハイドで姿を消し、様子を見る。

 

バゼットは氷の人形達に攻撃を仕掛けるが、すぐに再生していく。

 

 

「くっ!?」

 

 

土煙の中で絶え間なく続く攻撃の嵐に、さすがのバゼットも苦悶の表情を浮かべる。

 

まあ、視界の悪い中で、しかも攻撃してもすぐに復活する敵ほど嫌なものもないよね。

 

しかもこいつら、俺と同じ強さに設定してるからウザいことこのうえないだろうし。

 

 

「このしつこさ、まるでゴキブリですね」

 

 

……なんかなのはにも以前、同じ事言われたような気がするなー(遠い目。

 

すると氷の人形の全身を吹き飛ばしたバゼットは、人形が再生しないことに気付く。

 

 

「これは……そうか。全身を吹き飛ばせば、再生できないのですね。そうと分かれば!」

 

 

バゼットは猛烈な勢いで氷の人形達を()()()()()

 

その証拠に()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして最後の一体が破壊されると、俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「これは!?」

 

 

俺はミラージュハイドを解除し、バゼットの前に姿を現す。

 

粒子になったとはいえ、()()()()()()()()()()である。

 

()()()()()()()()()()

 

そして俺は形態変化で籠手を手甲に変化させると、ビッグバンアクセルを奴の腹にぶち込む。

 

 

「かはっ!?」

 

 

バゼットは吐血しながら吹き飛んでいく。

 

その際に拘束していた氷も一緒に解けるが、気にしない。

 

そして俺はグローブから炎を噴射させて追撃をかける。

 

これで決める。

 

 

「く……」

 

 

するとバゼットは吹き飛びながらもしっかりと地面に足をつけ、体勢を整える。

 

そして右手を貫手の構えにすると、ルーンを付与させ、()()()()()()()()()()

 

俺は目を見開く。

 

 

(奴もこれで決める気か!?)

 

 

バゼットの右手が光り輝く。

 

恐らく一番破壊力のある攻撃をするつもりなのだろう。

 

ならばこちらも迎え撃つしかない。

 

俺も額の炎の出力を最大にすると、右手にエネルギーを収束していく。

 

さらにブリッツアクションで右手を加速させて、技を放った。

 

 

「硬化、強化、加速……相乗!!」

 

 

灼熱の加速(バーニングアクセル)!!」

 

 

 

 

 

 

ドォオオオオオオオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

俺と奴を中心に先程よりも規模の大きい衝撃波が巻き起こる。

 

数秒程拮抗していたが、徐々に俺の攻撃が押していく。

 

 

「おおおおおお!!!!」

 

 

俺は雄叫びをあげながら、さらにバゼットを押し込んでいく。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

バゼットも対抗しようとするが、俺の方がパワーは上だった。

 

そして奴の右手を弾き飛ばすことに成功する。

 

奴が焦った顔をするがもう遅い。

 

そのまま俺は奴の腹にバーニングアクセルを叩き込んだ。

 

 

「おりゃああああ!!」

 

 

「ぐぁあああ!?」

 

 

奴は壁まで吹き飛び、グッタリして動かなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

 

バゼットが気絶したのを見届けた俺は静かに息をはく。

 

 

「なんとか勝ったぞ?」

 

 

「「「…………( ゚д゚)ポカーン」」」

 

 

後ろを見れば、口を空けてポカーンとしているイリヤ達の姿が印象的であった。

 




次回は事後処理、理由説明なんやらでてんこ盛り。

では、また(・∀・)ノ

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