大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回からインターミドル編 後編に入ります。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


インターミドル・チャンピオンシップ編 後編
第三百三話 最終調整


ヒエンside

 

 

 

俺は今、日課の朝練をしている高台で死ぬ気でスクワットしていた。

 

 

「ぐ、ぐぬぉおおおおおお!!」

 

 

大声を出す。

 

そうしなければ心が折れそうになってしまうから。

 

俺は目標の100回を終わらせ、地面に倒れこむ。

 

今の俺の体重は軽く2倍になっている。

 

体重65キロなのでその2倍の130キロだ。

 

俺はエルフナインからもらった養成ギブスの重力装置を解除し、仰向けに寝転がる。

 

そして思わず叫んだ。

 

 

「エルフナインさん本気出しすぎいぃー!!」

 

 

そこにすかさずツッコンでくるメイド服の冷火。

 

 

「お兄様、早く着替えないと風邪を引いてしまいますよ?」

 

 

ちょっとくらい叫んでもいいじゃない。

 

あとメイド服似合ってる。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

シンフォギアの世界から帰って、早一週間の時が過ぎた。

 

季節はすっかり夏になり、七月に入っていた。

 

あれから俺は、インターミドルに向けて最終調整を行っている。

 

魔法に関しては、普段から十分訓練しているので問題ない。

 

今はひたすら体力トレーニングに重きを置いている。

 

なんせ最終目標は、死ぬ気の到達点を極めることなのだから。

 

だがあのアダムとの決戦以降、死ぬ気の到達点が全く使えない。

 

使えなさすぎて本当に使えていたのかも疑問に思えてきた次第である。

 

まあそれはおいおい考えるとして、今はインターミドルだ。

 

エルフナインが帰り際にくれた魔導師養成ギブスは、しっかりと役立っている。

 

運動するときは常に重力2倍で頑張っている。

 

ただ素の状態で行うのがかなりきつい。

 

死ぬ気モードなら余裕でいけるのだが、素の状態で鍛えた方が効果があるため必死で自分を追い込んでいる、いや追い込まれている最中だ。

 

リニスとアンジェ先輩考案の地獄訓練しんどい。

 

しかも常に重力2倍の状態だから、いつもの倍しんどい。

 

はぁ。

 

そんなこんなで今日も妹となった冷火にサポートしてもらいながら、トレーニングに打ち込んでいる。

 

あ、そうそう。

 

相棒がプリズムフラワーを取り込んだことで力を安定して使えるようになったからか、あちらの世界に渡る直後の時間帯に戻ってこれた。

 

あっちの世界に転移したのはフィアッセさんの護衛の件が終わってから翌日だったな、そういえば。

 

ってか異世界転移して気付いたけど、プリズムフラワーには時間を指定する力もあるようだ。

 

そうでなければ、あちらに渡った直後の時間帯に戻ってくるなんて芸当出来るわけがない。

 

ということはだ。

 

プリズムフラワーでタイムマシンの真似事もできるのではないだろうか?

 

例えば……

 

1()0()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()も可能ではないだろうか?

 

カテキョー原作でも、10年バズーカという某猫型ロボットの秘密道具にも負けない代物がある。

 

10年バズーカは、撃った人物に当たると5分間だけ10年後の自分と入れ替われるという摩訶不思議アイテムなのだ。

 

まあ俺の場合は、自分で未来に行く気満々なのだが。

 

でもこのまま10年後にタイムスリップしたとしても、今の時間軸の俺がそのまま未来にいくだけであるから、下手をすれば10年間行方不明という結果になってしまう気がする。

 

だからこの世界の()()()()()()()()()()()、俺の10年後の姿を見ることができるのではないだろうか?

 

そうだな。

 

例えば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……とか。

 

俺が最初に異世界転移したきっかけは、イリヤ達と初めて邂逅した時だ。

 

だがそれがなかった世界線があったとすれば?

 

その世界の俺が()()辿る筈だった世界線だということになる。

 

というかぶっちゃけ、未来の俺がどうなってるのか滅茶苦茶気になる。

 

まあ今はまず目先のこと、インターミドルのことを考えなければならないのだが。

 

 

「はぁ……はぁ……死ぬぅ」

 

 

「そう簡単に人は死にませんよ、お兄様の場合は特に。はい、お茶です」

 

 

「うぃー」

 

 

冷火から麦茶を受け取り、勢いよく飲みほす。

 

なんとか今日のトレーニングも無事終わらせた俺。

 

頑張ってる。

 

俺チョー頑張ってる。

 

すると冷火がナハトと戯れていたので話しかけてみた。

 

 

「そういえば冷火、この世界に来てからそろそろ一週間経つけど……どうだ?馴染めそうか?」

 

 

「へ?あ、はい。皆さん、良い人ばかりですので問題ありません」

 

 

「ふーん。そういえば俺がいないときは普段何してるんだ?」

 

 

「月村家のメイド見習いとして修行しています。ノエルさんからメイドのなんたるかを教わっているところです」

 

 

「だからメイド服なんかい」

 

 

てっきりコスプレだと思ってたわ。

 

この冷火ちゃん、今は世間一般の常識を学ぶという名目で月村家でお世話になっている。

 

しかしまさかメイドをしているとは欠片も思わなかったが。

 

まあ、学校に行かせることも考えたけど本人が拒否したからやめておいた。

 

それに冷火自身非常に優秀であるため、学業を修める必要は全くないのだ。

 

まあ見た目は150cmにも満たない女の子なんですがね。

 

冷火を知り合いに紹介したらさすがは海鳴市の住人だからか、とにかく受け入れるのが早かった。

 

物凄く早かった。

 

特に桃子さんとフィアッセさんなんぞ翌日には冷火の服を嬉々として買いに行っていた。

 

一緒についていった冷火は着せ替え人形にされていたのか、翠屋に帰って来たときに疲れ果てていた。

 

まあそんなこんなでこの子も海鳴市の住人としてすっかり馴染んでいる。

 

 

「はぁ、そろそろ帰るか」

 

 

「帰りましょうか。あ、今日の晩ごはんは何がいいですか?」

 

 

「気分的にコロッケ」

 

 

「コロッケですね、承知しました。じゃあ私は商店街に買い物にいくので先に帰っておいてください」

 

 

「了解」

 

 

そして冷火は商店街の方へと買い物に向かった。

 

俺はというと一足先に戻ってシャワーを浴びることにした。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

家に帰っていると、相棒が肩の上に出てくる。

 

 

「ガァウ」

 

 

「あ、相棒。今の俺、汗臭いから肩の上に乗るのはやめといた方がいいぞ?」

 

 

「ガゥ」

 

 

「大丈夫ってか。まあ、お前さんが大丈夫なら別にいいんだけどさ」

 

 

そして肩に乗る相棒と話しながら歩いていく。

 

なのは達は学校が終わってから最近よく遊びにいっているため、一緒に行動してはいない。

 

約三週間程、あちらの世界に行ってた影響か人恋しくなってたようで学校が終わった後はアリサ達と集まって遊んでいる。

 

いや、本来ならこれが普通なのだ。

 

全員俺のトレーニングに付き合う必要はないのである。

 

しかし根がお人好しだからか、毎回誰か俺の所に来るのだ。

 

その影響か、最近巷でロリコン扱いされつつある。

 

甚だ遺憾である。

 

そんなことを考えながらトボトボ歩いていると、ふと感じる視線の数々。

 

 

「ん?」

 

 

俺は視線のする方へと向く。

 

だがそこには(へい)があるだけで何もない。

 

 

「…………」

 

 

俺はまた歩いていく。

 

そして歩いて数分、確信する。

 

 

「複数の視線を感じる……」

 

 

視線の数はおよそ四。

 

気配の大きさからして小動物か?

 

すると相棒がピョコンと塀の上に乗り、ある家の敷地内に入るとニャーニャー聞こえてきた。

 

しばらくして猫達の声が収まると相棒が、四匹のカラフルな猫達と共に出てきた。

 

ピンク色の猫に、水色の猫、黄色の猫に、薄い紫色の猫。

 

 

「ずいぶんとまあ、カラフルだなおい」

 

 

すると四匹がこちらをジーっと見ていることに気付く。

 

俺は相棒に尋ねる。

 

 

「相棒の友達か?」

 

 

「ガァウ」

 

 

相棒が肯定する。

 

 

「ガゥ、ガァウ~」

 

 

「ウチに連れていっちゃダメか?って。いや別にいいけど。俺らのマンション、ペット禁止って訳じゃないし」

 

 

「ガウゥ~」

 

 

「「「「ニャー」」」」

 

 

すると俺の言葉に相棒と猫達は喜ぶ。

 

そして奇妙な猫達を連れて家へと戻った俺。

 

猫達はキョロキョロと周りを見ながら物珍しそうにしている。

 

特に水色の猫なんぞ、はしゃいでいた。

 

そのことに特に気にした様子も見せずに、俺はTシャツを脱ぐ。

 

汗をかいてるから気持ち悪いのだ。

 

身体を見てみるが大分引き締まったな。

 

筋肉もそれなりについてるし。

 

 

「「「「ニャニャ!?」」」」

 

 

すると猫達が突然、うろたえ始める。

 

 

「え?なに?」

 

 

猫達はニャーニャー言いながらなぜか俺から距離を取る。

 

心なしか四匹とも顔が赤い。

 

疑問に思った俺は四匹に近付いていく。

 

すると四匹は一目散に散ってしまった。

 

 

「えぇー……」

 

 

そのことに少し傷つく俺。

 

まあいいか。

 

さっさっとシャワー浴びよう。

 

俺はテレビのリモコンをつける。

 

夕方のニュース番組がやっていた。

 

俺は相棒に声をかける。

 

 

「相棒、俺シャワー浴びるから好きなテレビ番組でも見て、皆でゆっくりしててくれ」

 

 

「ガゥ~」

 

 

相棒はソファーの上でチョコンと座り、こちらに元気よく鳴いた。

 

それを見届けた俺は汗を流すために、風呂場へと向かった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

「「「「「…………」」」」」

 

 

ここは希望ヶ花市にある植物園。

 

かつて少年がお世話になっていたプリキュア世界にある建物である。

 

そこには少年と共に世界を守るために戦ったであろうプリキュアオールスターズの面々が揃っていた。

 

しかしなぜか全員顔を赤くさせていた。

 

 

「ヒ、ヒエンさん元気そうでしたね……」

 

 

「そ、そうね……」

 

 

少年と特に親しかった九条ひかりと、美翔舞(みしょうまい)がなんとか言葉を絞り出す。

 

だがその顔は赤かった。

 

少女達の視線の先には、空中モニターのような物が投影されていた。

 

そこには少年の姿が映されていた。

 

 

「つぼみさん達、大丈夫かしら……」

 

 

舞の心配そうな声が小さく響くのだった。

 




改めてこんにちは。

ぐっさん0です。

えー、この小説も書き始めて早いものでもう四年が経とうとしています。

前回、コラボでシンフォギアAXZ編が終わりました。

ですがその内容、次回のコラボの伏線がどうなのか?との意見を頂いたのでコメントさせていただきます。

まずシンフォギアAXZ編に関しては、キャラ同士の絡みが少なかったのは純粋に筆者の力不足です。

申し訳ありません。

ですが一緒になのは達を連れていった事に関しては後悔はありません。

なぜならなのは達も連れていったのは、筆者が新しいことに挑戦してみたかったからです。

人数を増やすことによってどれだけ話を展開できるのか、自分の力量を疑問に思ったので書いてみました。

あとはマンネリ化を防ぐ意味合いもありました。

ですが結果は思った以上にボロボロでした。

人数が増えたことによって話の展開、キャラ同士の会話が格段に難しくなったためです。

しかし、このまま不毛に続けてもまたプリキュア編のように話数が延びるだけでしたので少々駆け足気味に終わらせました。

そして伏線を入れたことに関してですが、これにも理由はあります。

まずその作品のコラボをやってほしいという意見が多かったこと、そして筆者自身が作品の中でやると公言していたこと。

主にこの二つが理由です。

コラボに関しては思うところがある方も多いでしょうが、このコラボに関しては既にこの作品の名物的なところもあるので、申し訳ありませんが無くすことはできません。

ですが今回のシンフォギアの話で自分の今の力量を正確に把握できたので、皆さんが不快に感じるような描写は少なくできると思います。

これからもこの作品をよろしくお願いいたします。

長文失礼しました。

では、また(・∀・)ノ

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