大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百九十三話 歌い舞い踊る戦姫XXXIV

第三者side

 

 

 

三人の合体技がサンジェルマンに炸裂する。

 

 

「ああっっ!!」

 

 

吹き飛ばされるサンジェルマン。

 

それと同時に響と切歌のイグナイトも解除される。

 

 

「やった……?」

 

 

「……デスか?」

 

 

響と切歌が前方に視線を向けると、サンジェルマンが倒れていた。

 

 

「くぅっ……」

 

 

彼女は倒れながらも歯を食い縛って、必死に起き上がろうとする。

 

 

「この星の明日の為に……誰の胸にも、もう二度と……!」

 

 

彼女の脳裏には今までのことが思い出される。

 

 

『奴隷が私に擦り寄るな!』

 

 

『うっ!!』

 

 

父と呼んでいた人物にぶたれたときのこと……

 

 

『お母さん? お母さん!』

 

 

『うわあああん!』

 

 

大好きな母が亡くなったときのこと……

 

 

「あのような辱めを刻まない為に……私は支配を革命する!」

 

 

あれらのような事があったから、彼女は革命を起こそうと決めた。

 

あれらのような事が起こったから、彼女は革命を成し遂げようと決心した。

 

あれらのような事が起こってしまったから、彼女は革命を完遂しなければならないと決意した。

 

 

「「「…………」」」

 

 

サンジェルマンのあまりの迫力に響・切歌・はやての三人は言葉が出てこなかった。

 

 

「うっ……くっ……!」

 

 

そしてサンジェルマンは、立ち上がった。

 

 

「あっ……」

 

 

だがそこまでが彼女の限界だった。

 

崩れ落ちるサンジェルマン。

 

すると様子を見ていた響がサンジェルマンへと近付いていく。

 

 

「私もずっと正義を信じて握りしめてきた。だけど……拳ばかりでは変えられないことがあることも知っている。だから……」

 

 

手を差し出す響。

 

 

「っ……?」

 

 

 

 

 

 

「握った拳を開くのを恐れない」

 

 

 

 

 

 

響の言葉に唖然とするサンジェルマン。

 

 

「神様が仕掛けた呪いを解くのに、神様みたいな力を使うのは間違ってます。人は人のまま変わっていかなきゃいけないんです」

 

 

響の言葉を聞いて笑顔を浮かべる切歌とはやて。

 

二人にも響の言葉は、心に響いた。

 

それは勿論、今まで敵対していた彼女にも。

 

 

()()()()()……」

 

 

「?」

 

 

「いつだって、何かを変えていく力は……()()()()()、と言う不撓不屈の想いなのかもしれない……」

 

 

サンジェルマンが響の手を取ろうとする。

 

 

 

 

 

 

「そこまでにしてもらうよ。茶番は」

 

 

 

 

 

だが()()()()()()()()一つの声が周囲に響いた。

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

四人が声のした方へ視線を向けると、一人の男が空中に浮かんでいた。

 

 

(あの人は……)

 

 

はやてが誰か悩んでいると、リインフォースが念話で伝えてきた。

 

 

『統制局長、アダム・ヴァイスハウプト。パヴァリア光明結社の親玉です』

 

 

(あの人が!?)

 

 

「ふっ……」

 

 

アダムが再び姿を現した。

 

すると突如、アダムの後方で天空に浮かぶオリオン座が錬成陣に覆われる。

 

 

「何が起きてるデスか!?」

 

 

そして天空のオリオン座からティキに向かってエネルギーが送られてくる。

 

 

「アダム……アダムが来てくれた……」

 

 

ティキの体が宙に浮かび始める。

 

 

「遮断出来まいよ、彼方にあっては……」

 

 

「もしかしてあれは神の力を!?」

 

 

はやては今起こっている出来事が、最悪のケースであることを瞬時に理解した。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

モニターでもそれぞれが状況を理解していた。

 

 

「星の海にて開かれる……」

 

 

「もう一つの神出づる門……!」

 

 

八絋と弦十郎が呟く。

 

 

「これは……天を巡るレイライン!?」

 

 

別室でモニターしていたエルフナインも状況を把握する。

 

 

「アダムはこの星からではなく天の星々から命を集めるため、オリオン座そのものを神出づる門に見立てて……」

 

 

つまりアダムは()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()神門(かむど)を開こうとしていた。

 

 

「マクロコスモスとミクロコスモスの照応は錬金思想の基礎中の基礎だというのに……ボクはっ!!」

 

 

状況はまさしく最悪といってもいい状態であった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

アダムの行動を見ていた響が、いの一番に動き出した。

 

 

「止めてみせる!」

 

 

響がティキに向かって飛び出す。

 

が、アダムが投げた帽子により吹き飛ばされる。

 

 

「あぁっ!!」

 

 

「おい、お前!?」

 

 

サンジェルマンが響に駆け寄る。

 

 

「うっ……」

 

 

特にケガはないようだった。

 

 

「教えてください、統制局長!」

 

 

サンジェルマンはアダムに質問を投げ掛ける。

 

 

「この力で本当に人類は支配の(くびき)より解き放たれるのですか!?」

 

 

だがその返答は無慈悲な答えであった。

 

 

「出来る……んじゃないかな? ただ、僕にはそうするつもりがないのさ。……()()()()()

 

 

アダムは最初からバラルの呪詛を解呪するつもりなど全くなかったのだ。

 

 

「くっ……!(たばか)ったのか!?カリオストロを!プレラーティを!革命の礎となった全ての命を!!」

 

 

そう。

 

全ては己が神の力を手に入れんがために。

 

この男は自分の部下ですら利用していたのだ。

 

 

「用済みだな、君も」

 

 

アダムが指を鳴らす。

 

するとティキが動き出し、口を開いた。

 

そして……

 

 

 

 

 

 

ティキの口からビームが放たれた。

 

 

 

 

 

 

ドガァアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

「この威力……!」

 

 

遠い街からも見える程の大爆発の中……

 

一つの歌声が響いた。

 

 

「……edenal Emustolronzen fine el zizzl」

 

 

それは切歌の歌声であった。

 

 

「確かにあたしはお気楽デス!だけど、誰か一人くらい何も背負ってないお気楽者が居ないと……もしもの時に重荷を肩代わり出来ないじゃないデスか!!」

 

 

「……絶唱?」

 

 

響がポツリと呟く。

 

 

「くっ……!ああっ!!」

 

 

そしてティキのビームを真っ正面から受け止めた切歌は、吹き飛ばされてしまった。

 

 

「切歌ちゃん!!」

 

 

「切歌さん!!」

 

 

響とはやてが駆け寄り、切歌を抱き寄せる。

 

 

「絶唱で受け止めるなんて無茶を!?」

 

 

「響さんはもうすぐお誕生日デス……。お誕生日は重ねていくことが大事なのデス……」

 

 

切歌は見るからにボロボロであった。

 

身に纏っているギアにはヒビが入り、血の涙まで流れていた。

 

 

「こんな時にそんなことは!」

 

 

「私は()()()()()()()()()()()()()……」

 

 

「っ!!」

 

 

「だからあのとき、()()()()()()()()()()()()()って……」

 

 

切歌の言葉に響は言葉を無くし、はやても唖然とする。

 

 

「誰かの誕生日だけは、大切にしたいのデス……」

 

 

「っ……!」

 

 

切歌の言葉に思わず目に涙を浮かべる響。

 

 

 

ゴトッ。

 

 

 

そのとき切歌の懐から何かが落ちる。

 

それは数個の注射器であった。

 

 

「LiNKER!?」

 

 

「もしかして過剰投与して絶唱の負荷を軽く……」

 

 

はやては状況を分析する。

 

彼女はこの世界に来てからシンフォギアや、その情報についてのある程度の知識も頭に叩き込んでいた。

 

 

「あかん!そうすると切歌さんの身体に薬害の被害が!でもこの状況やと脱出も……」

 

 

するとサンジェルマンが前に出る。

 

 

「三人には手を出させない!」

 

 

「ほう。それが答えかな? 君が選択した……」

 

 

「神の力。その占有を求めるのであれば、貴様こそが私の前に立ちはだかる支配者だ」

 

 

「実に頑なだね、君は。忌々しいのはだからこそ……しかし間もなく完成する。神の力は。そうなると叶わないよ、君に止めることなど……」

 

 

そしてアダムが言葉を続けようとしたとき、突如()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

「そうか。なら、もう一人加わったらどうだ?」

 

 

 

 

 

 

その声は()()()()()()()聞こえてきた。

 

 

「き、貴様は……」

 

 

アダムは狼狽する。

 

なぜならそこにやってきた人物は、あのとき黄金錬成で消し飛んだ筈なのだから。

 

 

「なぜ貴様がそこにいる……小僧オォ!!」

 

 

額に炎を灯した少年がやって来た。

 

 

「あ……」

 

 

「え?」

 

 

「遅い到着デスね……」

 

 

「やっぱり生きていたのね……」

 

 

響は言葉を無くし、はやては唖然、切歌は皮肉を返し、サンジェルマンは呆れた表情をする。

 

そして少年は響とサンジェルマンの隣に並び立つ。

 

 

「皆、言いたいことはあるだろうが話は後だ。まずはあそこにいるお山の大将をなんとかしないとな」

 

 

続けて少年は指示を出す。

 

 

「はやて、今すぐ切歌を転送魔法で本部へ連れて帰ってくれ。今頃、治療と体内洗浄の準備ができてる筈だ。時間がない急げ」

 

 

「あ、うん。リインフォース!」

 

 

『存じております』

 

 

リインフォースは転送魔法を発動させる。

 

 

「あ、そや。ヒエン兄ちゃん!帰ったら後でお話やからな!!」

 

 

「おう」

 

 

少年は手を上げてはやて達を見送る。

 

そして改めてアダムを見上げる。

 

 

「さてと……あとは、あいつか」

 

 

少年は厳しい目をアダムへと向ける。

 

それと同時に響とサンジェルマンもアダムを見上げる。

 

するとサンジェルマンが二人に話しかけた。

 

 

「立花響、大空氷炎……私たちは互いに正義を握り合い、終生分かり合えぬ敵同士だ」

 

 

「だけど今は同じ方向を見て、同じ相手を見ています」

 

 

「つまり目的は一緒って訳だ」

 

 

「敵は強大、圧倒的。ならばどうする?立花響、大空氷炎」

 

 

「いつだって、貫き抗う言葉は一つ!」

 

 

「お前達の言葉を借りるならこう言うんだろうな」

 

 

 

 

 

 

そして三人同時に叫んだ。

 

 

 

 

 

 

「「「だとしても!!」」」

 

 

 

 

 

 

ここに魔導師と、シンフォギア装者、錬金術師が共同戦線を張ることとなった。

 




次回vsアダム。

ヒエン・響・サンジェルマン三人の共同戦線です。

では、また(・∀・)ノ


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