続き書けたで候。
今回は第9話の序盤まで。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺達となのはのダブルアタックがカリオストロに炸裂した。
その影響で大爆発が起こる。
その直後、カリオストロの悲鳴が聞こえたと同時に
「やったわね……」
「ああ……」
ひとまずは勝てた……か。
「なんとかなりましたね、なのはさん」
「はい。ただ、カリオストロさんは……」
「互いに全力で戦った結果です。なので貴方が気に病むことはありません。それにカリオストロをあのまま放っておけば、犠牲者が出たかもしれません」
「はい……」
なのはは少し俯く。
この子は優しい女の子だ。
相手の命を奪うことにどうしても納得できないでいる。
だがやらなければ俺達がやられていた。
手加減する余裕などどこにもなかった。
だけどこの子はこのままでいい。
ただの普通の優しい女の子でいい。
こんな罪や咎は大人の俺達が背負えばいいのだ。
(ただ……なんだ?このスッキリしない感じは?)
しかし、俺の中で少しシコリが残るような、気持ち悪い感じがあった。
しばらくして響達も亜空間から無事脱出を果たし、
その後の事後処理等は、他のエージェント達に任せ、俺達は飛行機の時間が迫っているソーニャ氏とステファン少年を空港まで送っていった。
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そしてクリスがフライト前にソーニャ氏と話していると、なぜかステファン少年が俺の前にやってきた。
こころなしか顔が少し赤い気がする。
「あ、あの!」
「なんでしょう?」
俺は首を傾げる。
どうしたん?
「お、俺!ステファン・ヴィレーナって言うんだ!き、君の名前を教えてほしい!!」
「こ、小道冷火です」
ステファン少年が大きめの声で言ってくるので、少し気圧されるが、なんとか答える。
「れ、冷火さんか。良い名前だね」
「ありがとうございます」
リニスが考えてくれた名前なので褒めてもらえると素直に嬉しい。
「あの冷火さん!俺サッカーやってるんだ!それで今はこんな足だけど、プロサッカー選手になるのが夢なんだよ!!」
「素晴らしい夢ですね」
翠屋JFCにも将来プロサッカー選手になることを目指してる子達がいる。
ステファン少年もプロを目指す熱血漢らしい。
そういえばステファン少年は義足でありながらも、棒を正確にカリオストロへと向かって蹴っていた。
それだけでも彼が相当な腕前であることが分かる。
「そ、それでさ!俺、必ず歩けるようになってまたサッカーできるように頑張るからさ……その、いつか俺の試合を君に見に来て欲しいんだ!!」
「は、はあ」
いやまあ、頑張ることはいいことだと思うよ?
ただなぜ、俺がステファン少年の試合を見にいかなければならないのだろう?
「あぁー」
「ステファンってば、もしかして……」
そして何やらクリスとソーニャ氏が、ニヤニヤしながらこちらを見ている。
それだけでなく他の面々もニヤけながらこちらを見ていた。
「その試合で俺は……き、君のために必ずゴールを決める!だからそのときにまた会ってほしい!!」
「え、えっと……き、機会があれば」
「ありがとう!!」
するとステファン少年は俺の返事に満足したのか、ソーニャ氏のところへと戻っていった。
連絡手段は、ソーニャ氏とクリスが繋がっているので俺に用事があるときはその繋がりで連絡が来るそうだ。
ただそのときには、この世界には確実にいないと思うけどね?
ステファン少年には悪いが、確約はしていないから約束を破ったことにはならない。
そしてフライトの時間になり、二人は搭乗口へと向かっていき、俺達はそれを見送った。
夜空の星へと飛んでいく飛行機を、憑き物が落ちたような表情で見送るクリスの姿が印象的だった。
◆◆◆
そして緒川さんが手配してくれた車二台で帰っているときのことであった。
助手席に座っているクリスがニヤニヤしながら後ろを見てきた。
なんですねん?
ちなみに乗っているのは俺、切歌、クリス、マリアの四人である。他の面子は緒川さんの運転する車に乗っている。
「しっかし、お前モテモテだな~冷火~」
「はい?」
俺は首を傾げる。
「そうね。あの子のあの様子を見る限り、脈ありなんじゃないかしら?」
運転席のマリアはバックミラー越しにこちらを見る。
「脈あり……ですか?」
え?
ちょっと待って。
それってもしかして……
「気付いてなかったデスか?あのステファンって子、きっと冷火のことが好きなんデスよ!」
やっぱりいいいいぃぃぃぃ!!??
すると隣にいる切歌もポテトチップスを食べながら話す。
「す、好きってそんなことある訳が……。そもそも私とステファンさんは、今日が初対面ですよ?」
「分かってないわね冷火。恋に初対面も何もないのよ」
「マリアの言う通りデス!きっと一目惚れってヤツデス!!」
「まあ確かに、オメー見かけはいいもんな。声も高ぇし」
いやまあ、確かに小道冷火の容姿は可愛らしい。
当然だ。
モデルはPSYCHO-PASSの
そして声は花澤○菜さんをイメージしている。
これで可愛くない訳がないだろうがっ!!(迫真
なるほど。
ステファン少年が一目惚れしたと言われるのも納得できる。
だが一つだけ彼にとって残念かつ重要で大切な情報がある。
そう。
それは……
俺は男だ。
俺は内心冷や汗をかきつつ焦っていた。
また一つ、小道冷火が大空氷炎だとバレる訳にはいかない理由が増えてしまった(白目。
まさか幼気な少年の恋心を奪ってしまうとは。
ふっ。
俺はなんて罪作りなことをしてしまったんだああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
落ち着け。
COOLになるんだ大空氷炎。
バレなきゃいいだけだ。
バレなきゃいいだけだ。
バレなきゃいいだけだ。
あぁ……バレたらどうしよう(半泣き。
「まあこれからが見物だなあ~」
「そうね~」
「そうデスね~」
このメス豚野郎共!
こっちの気も知らずにニヤニヤニヤニヤしやがってえぇぇ!!
まあいい。
今はパヴァリア光明結社をなんとかするのが先決だ。
とりあえず帰ったらヤケ食いしよう(現実逃避。
◆◆◆
カリオストロを倒してから数日後、俺はエージェントの仕事をこなしつつ、装者達のユニゾン訓練に協力しつつという日々を過ごしていた。
あ、そうそう。
この世界に来てから相棒とナハトが新たに新機能?が使えるようになっていた。
相棒は四肢についているプリズムフラワーの力が宿っている防具の能力を使うことで簡易的にではあるが、移動機能が使えるようになった。
某世界の破壊者の銀色のオーロラのように虹色のオーロラを広げ、その中をくぐることで移動できるのだ。
さすがに異世界移動ともなれば莫大な力を行使する必要があり、回数制限が存在するが、その世界限定で移動するのであれば大した負荷もなく移動できるらしい。
ナハトに関しては、この世界の錬金術を分析した結果、基本的な錬成は勿論、
自身の魔力を対価とすることで、単身でも戦闘が可能になったそうな。
だがさすがにサンジェルマン達みたいにはいかないらしく、どうしても小規模に留まってしまうとのこと。
いや、それでもこの短期間で錬金術が使えるようになるってヤバくない?
そのうちレイジングハートとバルディッシュ、リインフォースとも相談して魔法として使えるようにすることも検討中らしい。
あれ?
そうなるとなのはとフェイト、はやてもいずれ
『火』・『水』・『風』・『土』の効果が付与された魔法を使いこなす魔法少女達……。
絶対戦いたくねぇ……(震え声。
それよかウチの防衛プログラムが色々規格外過ぎて、ツッコミが追い付かないゼorz
「ガゥ」
「きゅ」
そんなことを考えながら、俺は今日も今日とて仕事をこなす。
相棒とナハトを両肩に乗せながらトレーニングルームへと向かう。
今や相棒、ナハト、久遠はS.O.N.G内部ではマスコットキャラクターとしての地位を確立しているので小道冷火が接していても問題ないのである。
そしてトレーニングルームへ行くと丁度調と翼、響と切歌のペアで訓練を行っていた。
見学スペースでは、司令と藤尭さん、友里さん、クリスとマリア、エルフナインの姿もあった。
「あ、冷火さん。お疲れ様です」
「お疲れ様です、エルフナインさん」
エルフナインが声をかけてきたので返事をする。
「どうですか皆さんの調子は?」
「響さんと切歌さん、翼さんは問題ないのですが、調さんの様子が芳しくないようで」
見れば調は、翼との連係が上手くいってないようだった。
なんというか動きが硬い。
というより必要以上に身体に力が入りすぎて、思い通りに動けていないようだ。
「調君は翼のリードでも合わせられず……か」
司令が呟く。
俺はそれに続く。
「いえ、合わせられないというよりは合わせることに躊躇している印象がありますね」
「躊躇?」
友里さんが俺に聞いてくる。
俺は答える。
「はい。調さんは切歌さんとのユニゾンは上手くいっています。ですから理論上は他の皆さんとも上手くいく筈なんです。ですが現状、上手くいっていない。それは恐らく、調さんが
調はフェイトと同じタイプの人間だ。
フェイトはいつも話している人とは自然に話せるし、いつも行っている場所では自然体でいられる。
だがそこで急に知らない人と話せと言われればアタフタしてしまうし、いきなり知らない場所に一人で行けと言われれば、半泣きになる。
しかし彼女とて時間をかければ、精神的余裕が生まれ、その状況にも次第に慣れてくる。
調にも同じことが言える。
今回はいつもペアを組んでいる切歌とではないから身体に必要以上に力が入ってしまい、失敗してしまう。
そして……
と、精神的にストレスを感じてしまい、負のスパイラルに陥ってしまうのだ。
要は慣れるのが遅いのだ。
それがフェイトと調、二人に共通して言えることだ。
そしてさらにこの二人には共通しているものがある。
それが必要以上に相手に壁を作ってしまうことである。
例えば……
こういう態度を取ってしまったらこの人に悪く思われるんじゃないか?とか。
こんなことをしたら周りから何か言われるんじゃないか?とか。
周りに気を遣いすぎるせいで自分の首を絞めているのである。
なので良くも悪くもこの二人は似ているのだ。
だがそんな人見知りでおとなしめの調に自信をつけさせる方法がある。
それが高町式交渉術である。
かつてPT事件で大人しく儚い印象のあったフェイトも、なのはとのやり取りで随分と明るくなった。
ならばタイプの似ている調にも同じことが言えるのではないだろうか?
大切なのはこの手のタイプには決して引いてはいけないこと。
だからこその高町式交渉術である。
高町式交渉術の極意は、【押してダメなら押し倒せ】である。
今からその極意の真髄を俺がお見せしようではないかっっっっ!!!!!!
という訳でトレーニングルームへ行こうとしたら、何やら動きがあった。
どうやら緒川さんが調の相手をしているらしい。
調が必死に緒川さんの動きを追っていた。
しかし相変わらず変態的な機動力である。
人って極めればあんなに簡単に高速移動できるものなの?
さすが忍者。
略してさす忍。
そして緒川さんが一刀両断されたと思いきや、変わり身の術である
しかし上半身と下半身が分断されるスプラッタな光景を目の当たりすることになるとは……。
エルフナインなんてビックリし過ぎて未だに顔を両手で覆ったままだぞ。
エルフナインのことは友里さんと藤尭さんに任せて俺は、少し落ち込んでいる調へと話しかける。
「調さん、お疲れ様です」
「あ、お疲れ。冷火ちゃん……」
声音からして相当参っているようだ。
「ユニゾンの訓練……上手くいってないそうですね?」
「…………」
調は黙る。
だが俺は言葉を続ける。
「……調さんは優しいですよね」
「いきなりどうしたの……?」
「調さんは切歌さんが好きですか?」
「え!?う、うん、好き……かな……とっても」
調は顔を少しだけ紅潮させて頷く。
なにこの可愛い生き物??
思わずお持ち帰りしたくなっちゃう程なんですけど。
「その大好きな切歌さんとなら調さんはユニゾンを合わせられますよね。それはなぜだと思います?」
「えっと、それは切ちゃんが私のことを受け止めてくれるから。私のことをちゃんと分かってくれてるから」
調が優しそうな笑顔で言う。
俺はその笑顔に思わず見惚れてしまった。
「ゲフンゲフン……。それは恐らく、切歌さんなら自分を曝け出しても大丈夫という信頼と、長年一緒にいるからこその安心感があるからでしょうね」
「信頼と安心感……」
「調さん、貴方はとても優しい人です。調さんが他の人達とユニゾンできない理由……それは調さんが周りに気を遣いすぎているからです」
「私が?」
「はい。貴方は他人に対して常にある一定の距離を保っている。それは相手を傷付けないように、不快にさせないように気を遣っているから。そしてそれが原因で、いざ行動を起こすとなると遠慮してしまう」
「そう。それが原因……それが私の悪いところ……」
調が落ち込むが、俺は直ぐ様フォローを入れる。
「でも私は、そんな調さんが大好きです。いきなり現れた怪しい私を常に気にかけてくれて、心配してくれて。私にとってS.O.N.Gの中で一番話しやすいのは調さんなんです」
これは俺自身、本心でそう思っている。
彼女は常に他人を思いやる優しい少女だ。
それは誇りこそすれ、否定すべき要所ではない。
「だから自信を持ってください!調さんなら大丈夫です!!」
「えっと……その、ありがとう」
俺は笑顔で言う。
「それに考えても見てください。あの響さんと切歌さんですらユニゾンできているんですよ?あの二人にできて調さんができない訳ないじゃないですか!それにあの天然で単純な二人が、気を遣うなんて高度なことを考えているとはとても思えません!!」
「あの……冷火ちゃん?」
俺はヒートアップしていく。
「あと話に寄れば、他の人達も結構酷かったみたいですよ?例えば翼さんなんて一時期、厨二病みたいに一匹狼してたこともあるそうですし。何よりS.O.N.G男性内で行ったアンケート【面倒くさそうな女性第一位】に輝いた功績もあるんですよ?」
「あの……もうその辺で」
「面倒くさいといえばクリスさんもやたらと変な言葉使いますよね?あの独特な言い回しどうにかなりませんかね?私偉いんだぞアピールしたいんでしょうけど、その言葉の意味を解読するこっちの身にもなってほしいですよねぇ」
「あの……もしもし?」
「それにああ、あとマリアさんもありました。調さん、フロンティア事変覚えてます?そのときの記録映像見てたんですけど、マリアさんってば世界同時中継で全裸になってましてね?これにはさすがに飲んでたコーラ吹きました。そんなことがあっても未だに威風堂々といれるってさすが世界の歌姫ですよね。私なら後で死にたくなります」
「…………」
「あれ?調さん??」
そのとき調がいなくなっていることに気付く。
俺はキョロキョロと見回すが調はいない。
どこいった?
そのとき……
「レイカアアァァ……」
地獄の底から聞こえてくるような声が聞こえてきた。
俺はビクリと身体を震わせると、恐る恐る振り向く。
そこには五人の夜叉がいた。
「レイカチャン……ワタシタチノコト、ソンナフウニオモッテタンダ」
「チョット、ワタシタチト、オハナシシヨウデース」
「アハハハハ。コドウ、ワタシタチトカタリアイヲシヨウ……。アト、ソノアンケートニツイテモクワシク、キキタイナー」
「コッチニコイ、コッチニコイ、コッチニコイ、コッチニコイ」
「レイカアアアアァァァ!!!!!!」
なんかバイオハザードみたいになってるんですけどおぉぉぉ!!!!????
マリアに至っては血涙を流しながらこちらを見ているまである。
これはあれか。
完全に聞かれていた系か。
恐らく日頃のストレスで溜まっていた鬱憤が先の話で無意識に爆発してしまったようだ。
ナンテコッタイ。
するとトレーニングルームの見学スペースで避難している調を発見した。
「調さああぁぁぁん!?」
なに一人だけ避難してんの!?
ズルいよ!?
気付けば肩にいた二匹まで調と一緒にいた。
薄情な奴らである。
ここは三十六計逃げるに如かず!
俺は端から五人を回り込むように移動するが……
「ニガサナイデェース」
切歌のイガリマで拘束されてしまったorz
その間にもゆっくりとゾンビ達がこちらへとやってきた。
「「「「サア……ワタシタチト……オハナシ……シヨウ」」」」
「レイカアアアアアアァァ!!!!!!」
「キャー!?Σ(゜Д゜)」
それから五人に正座でこってりと絞られてしまった。
特にマリアには念入りに。
解放されたのはそれから実に三時間後のことであった。
次回こそプレラーティ戦。
ここからオリジナル展開満載?かもしれない。
あと話変わりますが、リリカルライブで新たなリリカルなのは新プロジェクトが始動と発表があったそうな?
Strikersが遂に映画化でもするんですかね?
何はともあれ楽しみだ。
では、また(・∀・)ノ