続き書けたで候。
今回は魔法少女三人娘vs人類最強のOTONAですはい。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第三者side
八神はやては焦っていた。
それはS.O.N.G司令官、風鳴弦十郎の強さが予想以上であったからだ。
(え、ええぇぇぇー!?ギアを纏った響さん達が、あっという間にやられてもた……。し、司令さんってホンマに人間なんか!?)
すると弦十郎の視線がはやて達の方へと向く。
「さて、君達はどうする?」
はやての選択は決まっていた。
「勿論、遠慮させていただき……「やります!」……はい?」
しかしはやてが答えるよりも早く、隣にいる茶髪のツインテールの少女が答えてしまった。
「やります!やらせて下さい!!」
そしてそれに便乗するかのように側にいた金髪のツインテールの少女も答えてしまう。
「私もお願いします!!」
はやては慌てる。
当然だろう。
相手は生身でシンフォギア装者を下したOTONA。
戦うのは誰だって躊躇する。
「ちょっ!?二人とも本気なん!?」
「「勿論!!」」
だがそんなはやての思いとは裏腹に二人のツインテール少女は即答するのだった。
「え、えぇー……」
二人の答えにはやてはガックリと項垂れるしかなかった。
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「あの、司令さん?少し作戦タイムもろうてもええですか?」
はやてはまず時間を稼ぐことにした。
この後どうせ模擬戦をしなければならないのだ。
ならばしっかりと作戦を立てた方が良い。
彼女の狙い通り、弦十郎は快くOKしてくれた。
はやては融合しているリインフォースに念話で話しかける。
『な、なあリインフォース?私らが司令さんと戦って正直、勝てると思う?』
『お言葉ですが我が主……無理です』
『やろうなー……』
『風鳴司令の強さは恐らく、私の全盛期以上かと。信じられませんが』
『そ、そんなに!?』
『はい。あの踏み込みの速度に、技の精度、屈強な腕力に鋼のような肉体……全て達人クラスです。それに立花達と戦っていた時も、ある程度手加減していたと思われます』
『あの人、ホンマに人間なんか?』
『生物上は人間の筈……です。コホン。話に戻りますが我が主、この模擬戦は主達にとって損はないかと』
『どういうこと?』
『主、正直におっしゃって下さい。主は戦闘に苦手意識を持っていますね?』
『まあ、うん。魔法に慣れるので精一杯やったからなあ。戦闘技術に関してはこれからゆっくり学んでいこうと思ってたし』
『そのことに関しては私とリニスさんが特別メニューをしっかり考えているのでご安心を』
『そ、そうなんや。あはははは……』
はやての頬がひきつる。
リニスは少年の魔法の師である。
当然、少年のサポートで側にいることが多かったはやてはそのトレーニング風景を見ることが多かった。
リニスは毎回限界ギリギリまで少年を追い詰めるので、自分のメニューもそういったもので固めているのだろうなと予想をつけていたのだ。
そのうえリインフォースも監修しているともなれば厳しいのは当たり前。主思いのこの魔導書が手を抜くとも思えない。
そう考えると目の前が真っ暗になりそうなはやてであった。
『今回、主がやることは二つ。タカマチとテスタロッサのフォロー兼援護です』
『うん。それは私も思ってた』
『テスタロッサが
『そうやな』
『主は絶対的な強者との戦闘経験がありません。風鳴司令との模擬戦は良い経験になるかと』
『強者との戦闘経験……かあ』
はやては強者と呼ばれる者との戦闘経験が圧倒的に少ない。
リインフォースは、はやてのこの戦闘経験の有無が今後の成長による分岐点であると考えていた。
なのはとフェイトに至っては問題ない。
ヴォルケンリッターと常日頃から訓練を共にしているし、闇の書事件ではリインフォースとも戦闘経験がある。
そして少年に至っては、トラブルによく巻き込まれるので必然的に強者との戦いになることが多いので実は一番慣れていたりする。
そしてある程度の方針を固めたはやては二人に話しかける。
「なのはちゃん、フェイトちゃん、ちょっとこっちに来てくれへん?」
「あ、うん!」
「分かったよ!」
二人はテンションが高いのか、早足ではやての近くにやってきた。
「今から私達、司令さんと戦うやん?簡単な作戦だけでも立てておきたいなって思って」
「そうだね」
「風鳴司令、響さん達を圧倒してたもんね」
三人はコソコソと話し合う。
「それでな、リインフォースと話し合ってんけど、フェイトちゃんが
「役割が綺麗に分かれてるね。私はそれでいいと思う」
「私もそう思う」
なのはとフェイトから特に異論はないようだ。
「基本的には私が戦況見ながら念話で指示出したりもするけど、各自臨機応変で頼むわ」
「「了解」」
するとはやては、ふとため息をつく。
「はぁー。ヒエン兄ちゃんやったらもっとスムーズに決めたんやろなあ」
はやての呟きに、なのはとフェイトが反応する。
「そういえば、私達が一緒に戦うときっていつもヒエン君が指示出してくれてたもんね……」
「言われてみればそうかも……」
「考えてみれば私達、いつもヒエン兄ちゃんに頼ってたなあ」
少女達は今この場にいない少年のことを考える。
思い返せば、何かあればいつも少年が率先して指示を出してくれていた。
少女達もそれを疑うことなく、命令されたことを実行していた。
それは双方共に『この人なら必ずやってくれる』と信頼していたからに他ならない。
だが少年はこの場にいない。
いや、実際は女装して側にいるのだがそれを今言うのは野暮だろう(小並感)。
「けど、いつまでも頼ってたらあかん。だから頑張ろう二人とも」
「うん!」
「頑張ろう!」
三人はエイエイオーと掛け声を合わせる。
ちなみにその様子を周りの者達は温かく見守っていた。
閑話休題
弦十郎となのは達は10メートルの間隔を空けている。
すると弦十郎が話しかける。
「今から戦う訳だが、先にそちらの勝利条件を言っておこう。君達は俺に一度でも明確な一撃を入れれば勝利とする」
「それは……「それで大丈夫です!」……は、はやてちゃん!?」
なのはが何か言おうとしたのをはやてが遮る。
(これ以上振り回されるのはゴメンや。堪忍やでなのはちゃん)
「それで司令さんの勝利条件はどうしましょうか?」
「ふむ、そうだな。ならば俺は……君達の頭にそれぞれ一回触れたら勝ちとしよう」
「「むっ!」」
弦十郎の言葉になのはとフェイトが思わずムッとする。
「私達のこと甘く見てますね!」
「絶対負けません!」
なのはとフェイトからしたら、なめられていると思ったのだろう。
だが考えてもみてほしい。
模擬戦とはいえ、大の男が10歳の少女三人に攻撃する所を。
どうみても事案案件である。
暴力事件である。
これは弦十郎からしても最大限の譲歩なのだ。
「ではそろそろ始めようか。先手はそちらからでいいぞ」
弦十郎が構える。
魔法少女三人もそれぞれの武器を構えた。
「時空管理局嘱託魔導師……高町なのは、いきますっ!」
「同じくフェイト・テスタロッサ、いきますっ!」
「八神はやてもいきます」
「こちらも名乗らない訳にはいかないな。S.O.N.G司令官、風鳴弦十郎、受けて立とう」
そして魔法少女三人娘対人類最強のOTONAの模擬戦が遂に始まった。
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
両者の名乗りを合図に、まずはなのは達が動き出す。
三人共に飛翔魔法を発動させて空中へと飛び出す。
司令はジッとしたまま三人の動向を伺っているようだ。
「ディバインシューター」
「フォトンランサー」
「ブリューナク」
「「「シュート!!」」」
そして三人の射撃魔法が一斉に放たれる。
ピンク色、金色、銀色の三色の魔力弾が司令に四方八方から迫ると、司令が遂に動き出した。
なんと消えるように高速で動き、魔力弾をかわしているのだ。
「「「えぇ!?」」」
これには三人も驚く。
司令は瞬間移動にも見える程の高速移動で次々とかわしていく。
その動きには一切の無駄がなかった。
俺は司令の動きを注意深く観察すると、驚くべきことが判明する。
なんと司令は一瞬の内に地面を10回以上蹴って加速していたのだ。
三人は唖然としていたが、すぐに切り替え、動き出す。
フェイトはバルディッシュをクレッセントフォームへと切り替えると、司令へと高速で接近する。
なのはは少し距離を取りつつ、フェイトをサポートするように射撃や砲撃を撃っていく。
はやては戦闘区域から離れ、捕縛魔法を使って司令を拘束しようと試みる。
だが司令はそれらに余裕を持って対処する。
ガキン!ガキン!ガキン!
鉄と鉄がぶつかり合うような音が聞こえる。
だがこれは身体を必要最低限だけ動かしながら射撃や砲撃、捕縛魔法をかわしつつフェイトの斬撃を生身で受け止めているのだ。
司令とフェイトは高速で移動しながらひたすら打ち合う。
「くっ!?」
しかしフェイトの表情が段々と険しくなっていく。
見れば司令の動きの方が
フェイトが司令の後方に回り込もうとすればそれに対応し、後ろを取らせないでいた。
加えて、なのはとはやての魔法も拳で弾きながら、手刀で斬り裂きながら、足で蹴り飛ばしながら対応する。
(人間の反応速度じゃない……)
俺は冷や汗をかく。
見て分かる。
司令はまだ全然本気を出していない。
「三人ともに良い攻撃だ。フェイト君は常に俺の死角に回り込み斬撃を繰り出してくるし、なのは君もそんな君の動きに合わせて俺を攻撃する。はやて君は俺の動きを止めようと常に罠を張っている。……だがまだまだ甘い!」
すると司令は突如、真上にジャンプする。
「ええぇぇ!?」
「デデェェェェェス!?」
「あ、有り得ない……」
「おいおい、いよいよ人間やめてきたんじゃねえのか?」
響、切歌、調、クリス達も驚く。
なんと……
「空中に浮いている!?」
司令は飛んでいる……いや、
強靭な脚力によって空を蹴り、格ゲーの二段ジャンプの如く宙に浮いているのだ。
「今度はこちらからいくぞ三人とも!防ぐかかわすかしろよ!はぁぁぁっ!!」
すると司令は見えない速度で拳をなのはとフェイト、はやてに向けて打ち抜く。
「「「きゃああああ!?」」」
途端に三人は吹き飛ぶ。
「け、拳圧で人を吹き飛ばした!?」
「無茶苦茶だわ……」
翼とマリアも唖然としている。
「なのはちゃん!フェイトちゃん!バインド!!」
「「うん!」」
体勢を立て直した三人は捕縛魔法で司令の動きを封じる。
「ぬっ!?」
「今や!コンビネーション
「「「シュート!!」」」
空中で身動きの取れない司令に
流石の司令でもこれは防げない筈っ!
「はぁぁぁぁぁ……カアァァァッッ!!」
すると司令が声をあげると
「「「ウソぉ!?」」」
「砲撃の衝撃は、発勁でかき消したっ!」
そして司令は空中を蹴り、なのはの後方へと回り込む。
「なのは!」
《Sonic Form.》
それを察したフェイトがソニックフォームになり、バルディッシュで斬りかかる。
司令は急遽、方向転換すると足でバルディッシュの魔力刃を受け止める。
「むっ!ならこちらも少し本気を出そう!俺についてこれるかフェイト君!!」
「速さなら誰にも負けませんっ!!」
そして再度二人が高速で移動する。
先程よりも早いスピードで街中を縦横無尽に駆け抜ける。
「はぁあああ!!!!」
「うぐっ!?」
だがパワーは司令の方が圧倒的に上なのかフェイトが吹き飛ばされる。
「フェイトちゃん!?今、援護するよ!バスター!!」
なのはのショートバスターが司令へと放たれる。
「食らわん!」
しかしショートバスターは司令の拳で弾き飛ばされる。
「まだまだ!」
なのはは高速飛翔しながら続けてショートバスターを放っていく。
しかし司令は空中を高速で跳び続けることで回避していく。
「食らわんと言った筈だっ!」
司令は右手を手刀の形にすると、なのはのバスターを斬り裂いた。
「
「ぬっ!?」
だがバルディッシュザンバーを構えたフェイトが司令の真上から攻撃する。
それを司令はクロスガードで受け止めるが、そのまま地面へと叩きつけられる。
ドガァアアアアアンン!!!!!!
地面に巨大なクレーターが出来るが司令にダメージはないようだった。
「なのはちゃん!フェイトちゃん!離れて!!」
そのときはやてが声をあげる。
その手に持つシュベルトクロイツの先端には小さな闇色の球体があった。
「
「これは!?」
デアボリックエミッションが発動し、司令は壁際へと追い詰められていく。
(考えたな。空間攻撃なら逃げ場はない)
なのは達の勝利条件は司令に一撃を与えること。
これなら勝てるかもしれない。
だが相手はあの風鳴司令だ。
常識は通用しない。
「
司令はそんなことを呟いた。
「あの技?」
なんだ?
無性に嫌な予感がする。
「はあぁぁぁぁぁぁ」
すると司令の
まるで筋肉が膨張してるかの如く膨れ上がる。
そして巨大化した右腕で闇色の球体を殴り付けた。
「釘パンチ!」
ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!
すると闇色の球体は後から来る衝撃に吹き飛ばされると、小規模ながら爆発した。
「えぇー……」
これにははやても流石に予想外だったのか、唖然としていた。
ってか釘パンチってどこの美食屋の技なんですかねぇ!?
「N&F中距離殲滅コンビネーションッ!」
「ブラストカラミティッ!」
するとなのはがいつの間にかフェイトの横に並び立っていた。
二人はレイジングハートと、バルディッシュを真上へと掲げると、デバイスの先端に魔力エネルギーをチャージしていく。
それと同時に二人の周囲に桃色と金色のスフィアも多数展開されていく。
なのはは引き金をひくためにレイジングハートを構え直し、フェイトはザンバーフォームのバルディッシュを大きく上段へと構える。
そして……
「「ファイアアアァァッッ!!!!」」
特大の桃色と金色の複合砲撃、ブラストカラミティを放った。
やり過ぎいぃぃぃ!?
「ならこちらも
司令は今度は両腕の筋肉を膨張させると技を放った。
「ツイン釘パンチ!!」
ツイン釘パンチとブラストカラミティが激突し……
「あかん!リインフォース結界最大展開!!」
『御意!!』
大爆発が起こった。
ドガァアアアアアアアアンン!!!!!!
「くっ!?」
「「「きゃああああ!?」」」
司令となのは達は爆発に巻き込まれる。
「わ、わわわ、こっちも巻き込まれるよおぉぉぉ!?」
「皆、伏せなさい!!」
それは当然、側で見ていた俺達もであった。
「アイスメイク……
咄嗟に俺は側にいた装者達を守るように巨大な氷の城壁を造形する。
「く、くううぅぅぅぅ!!」
魔力強化で氷を頑丈にしているのにそれでも凄まじい程の衝撃がこちらに襲いかかってくる。
耐えること十数秒……ようやく衝撃が収まった。
前を見れば目を回して気絶するなのはとフェイト、はやてを抱えてこちらに来ている司令の姿があった。
◆◆◆
模擬戦の結果は司令の勝利であった。
あの爆発に巻き込まれる直後、例の如く衝撃は発勁で掻き消したらしい。
うん。
全く持って意味が分からない。
そして俺は聞いた。
「なぜあんな超人的な動きができるんですか?」と。
そしたらこう返ってきた。
「
俺のせいかあああああぁぁぁぁ!!!!????
「さあ、次は冷火君、君の番だ!全力で来い!!」
そしてとうとう悪夢の時間が来てしまった(白目。
ちなみにトレーニングルームははやての結界のおかげで無事でした。
今回はなかなか書くのが難しかった。
さて、次は我らが主人公の番だ(無慈悲。
どうなるでしょう?(ゲス顔。
あ、あとなぜトリコの技を使ったかと言いますと答えは単純。司令とトリコの中の人が同じ……だと思ってたのですが違いました。
特に意味はありません。
あとこの司令、トリコの技は一通りマスターしてます。六式も完璧にマスターしてます。よって原作よりもさらに強化されているという。
では、また(・∀・)ノ