大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回は原作でいう第8話。

OTONAとの特訓回に入ります。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百八十三話 歌い舞い踊る戦姫XXIV

ヒエンside

 

 

 

カリオストロとプレラーティの襲撃の翌日、俺達は引き続き、愚者の石の捜索を行っていた。

 

昨日から作業員も増員している。

 

 

「むぅー……およ?」

 

 

そんなとき切歌が声を上げる。

 

彼女の探知機からピピピッと音がなっていた。

 

 

「よーし、切ちゃんまずは落ち着こう」

 

 

「およおおおおぉぉぉぉ!!!!」

 

 

調が切歌を落ち着かせるために声をかけるが、切歌はテンションがあがっているため気付かない。

 

案の定、探知機を放り出して反応物を確保する。

 

その勢いで調の顔に思いっきり泥がかかってしまったが、見事に気付いていない。

 

 

「デェェェェス!」

 

 

切歌の手には金色の塊があった。

 

俺は調にタオルをソッと渡した。

 

 

「……ありがとう冷火ちゃん」

 

 

そのときこちらに気付いたエルフナインが歩いて来ようとする。

 

 

「あっ!見せてくださ~い!!うわあああああぁぁぁ!!!!」

 

 

が、泥に足を取られ芸人よろしくと言わんばかりに顔面からこけてしまった。

 

 

「こっちは見てらんない……」

 

 

側にいた響が額に手を持ってきて呆れていた。

 

普段はボケ役の響がツッコミ役に回る貴重な瞬間である。

 

 

「そうです!これが賢者の石に抗う僕達の切り札、愚者の石です!!」

 

 

「「「「「おぉ~」」」」」

 

 

エルフナインが切歌から金色の塊を受けとると分析する。

 

どうやら愚者の石は無事見つかったようだ。

 

 

「……すっかり愚者の石で定着しちゃったね」

 

 

しかし響一人だけ意気消沈していた。

 

俺は何も言わず響の肩をポンと優しく叩く。

 

 

「うわああああん!冷火ちゃ~ん!!」

 

 

そして例の如く、抱き付いてくる。

 

もうすっかり慣れてしまった。

 

いつも通り、調和の波動を流しつつ頭を撫でる。

 

 

「はにゃ~」

 

 

響は気持ちいいのか、借りてきた猫みたいな声を出す。

 

そりゃ毎日毎日、同じ事やらされたら嫌でも慣れる。

 

なぜか俺が頭を撫でるのは響の中では一日を過ごすルーティンに入っているのか、最低一日一回は同じ事をさせられる。

 

 

「じぃー」

 

 

すると調が俺の側でその様子をジッと見ていた。

 

 

「あの、冷火さん……」

 

 

「私もご褒美欲しいデェス!」

 

 

エルフナインと切歌も羨ましそうにこちらを見ていた。

 

 

「……響さんの後ろに並んで下さい」

 

 

あと最近分かったのだが、調和の波動を流しながら頭を撫でると、リラックス効果があるのか落ち着くらしい。

 

調、切歌、エルフナインも俺のナデポにハマってしまったのである。

 

さらにマッサージもすれば身体の調子も良くなるという優れもの。

 

 

「小道、後でマッサージいいか?」

 

 

「冷火、私もお願いしていいかしら?」

 

 

「了解しました」

 

 

おかげで翼とマリアの部屋にお呼ばれするほどにまでなってしまった。

 

大人の女性の部屋にお呼ばれされるって言葉だけでも男子高校生には刺激が強すぎる。

 

相棒に調和の能力で性欲を中和してもらってなかったら事案案件になっていること間違いない。

 

いや、常に死ぬ気化してるから冷静沈着だけどさ。

 

そんなこんなで俺の一日が今日も始まる。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

潜水艦に戻ってから響達はシャワーを浴びにいく。

 

そして例の如く、俺も強制的に連れてこられた。

 

別に汚れていないから大丈夫と何度も言ったのだが、S.O.N.Gのオカンことマリアには逆らえなかった。

 

それならばということで汚れていたエルフナインも強制的に一緒に連れてきた。

 

だってこの子、そのまま研究室に閉じこもろうとするんだよ?

 

泥はタオルで落ちてるけど、根本的には汚れたままなのにだよ?

 

だったら綺麗にしないとダメだろうよ。

 

 

「冷火、目閉じなさい」

 

 

「……はい」

 

 

そして俺は現在、マリアに頭を洗ってもらっていた。

 

マリアさん、頭を洗うのが実にうまい。

 

頭のツボを的確に刺激するように洗ってくるので逆らえないのである。

 

 

「かぁー!五臓六腑(ごぞうろっぷ)に染み渡るデェス!」

 

 

「さすが石の発見者は言うことが違う」

 

 

隣で切歌が大仕事をやりきったあとのサラリーマンが居酒屋で酒を飲んでいるかのようなリアクションを取る。

 

君、まだ15歳だよね?

 

あと調さん?

 

ちょっとイライラしてない?

 

言葉の端々に珍しくトゲがある気がする。

 

 

「そういえばエルフナインちゃんは?」

 

 

真っ裸(まっぱ)でマッハのカラスの行水(ぎょうずい)だ」

 

 

響の疑問にクリスが妙な言い回しで答える。

 

確か行水は、桶やたらいにお湯や水を入れて体をそそぐ意味だった筈。

 

それにカラスの行水って、カラスが短い時間で水浴びをするさまから言われた言葉だよな。

 

あ、なるほど。

 

要はもうシャワーを浴び終わったと。

 

なら初めからそう言えばよくない?

 

クリスの言い回しって理解するのに時間かかるんだけど(真顔。

 

 

「泥でまみれた奇跡を輝かせるために……」

 

 

「対抗手段、(つい)消滅バリア。愚者の石の特性で賢者の石を無効果すれば……」

 

 

「この手に勝機は握られる」

 

 

訂正。

 

妙な言い回しをする人達は他にもいた。

 

防人とオカンである。

 

この二人って妙に息ピッタリだよね。

 

 

「うわっ」

 

 

そしてあがろうとした矢先、俺は足を滑らせこけそうになる。

 

 

「っと、気を付けなさい」

 

 

だがマリアが受け止めてくれたことで事なきを得る。

 

っていうか後頭部に柔らかい感触がダイレクトににににににににに。

 

 

「うわわわわわ……す、すみませぇ!?」

 

 

案の定、驚いた俺は今度は前にこけそうになる。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

すると今度は翼が受け止めてくれる。

 

俺は翼の胸にダイレクトにダイブする。

 

むにゅりとした柔らかい感触に体温が一気に上昇する。

 

意外とある!?

 

俺は翼の顔を見上げる。

 

 

「どうした?」

 

 

いつもの長い髪は降ろされ、頬もシャワーを浴びた影響か、少し赤みを帯びている。

 

端的に言えば雰囲気がエロくてやばい。

 

 

「あ、あわわわわ」

 

 

死ぬ気化してても精神が動揺するうぅぅぅぅ!?

 

 

「落ち着け小道」

 

 

すると翼が俺の頭を撫でる。

 

 

「お、おふぅ」

 

 

な、なんだこの安心するような感覚は!?

 

これがナデポだとでもいうのか!?

 

とりあえず早く出よう、そうしよう。

 

 

「待ちなさい冷火!ちゃんと身体は拭きなさい!!」

 

 

だがマリアに捕らえられた。

 

本当にオカンだな。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「あ、クリスちゃん宛に外務省経由で連絡が来ていたわよ」

 

 

「連絡?あたしに?」

 

 

「バルベルデのあの姉弟が帰国前に面会を求めているんだけど」

 

 

「……わりぃ。それナシで頼む」

 

 

友里さんもシャワーを浴びるついでにクリスに言伝てを伝えるが、クリスはそれを断った。

 

バルベルデの姉弟とは前に話に出ていたソーニャ氏と、ステファン少年であろう。

 

クリスと何か過去に因縁があるらしいが。

 

俺はとりあえずマリアに身体を拭かれながら様子を見ていた。

 

クリスはどこか悩んでいるようだった。

 

こればっかりはなー。

 

原因が分からないことにはフォローの仕様もないからなあ。

 

そして着替え終わった俺達は廊下を歩く。

 

こうして見ると全員オシャレだよな。

 

俺はレディースのスーツですが。

 

 

「クリスちゃん……」

 

 

響が心配そうにクリスを見る。

 

 

「過去は過去。選択の結果は覆らねぇ」

 

 

「だからとて目を(そむ)け続けてては、今()すべきことすらおざなりになってしまうぞ」

 

 

「ご忠節が痛み入るね」

 

 

翼がクリスに忠告するが、クリスは聞く耳を持たない。

 

 

「雪音……お前には」

 

 

それでも言葉を続けようとするが……

 

 

「うむ。揃っているようだな」

 

 

風鳴司令がロビーのソファーに座っていた。

 

 

「師匠?なんですか藪から棒に?」

 

 

「全員、トレーニングルームに集合だ」

 

 

「「「「「「はあ?」」」」」」

 

 

司令の言葉に全員疑問の声をあげる。

 

マジで?

 

シャワー浴びたばっかりなんだけど。

 

また汗をかけというのか。

 

 

「トレーニングっておっさん!愚者の石が見つかった今、今更が過ぎんぞ!!」

 

 

「これが映画だったら、たかだか石ころでハッピーエンドになるはずなかろうっ!」

 

 

「なんだよそれ!」

 

 

「御託はひと暴れしてからだっ!」

 

 

司令の言葉でトレーニングルームへといくことになった。

 

とりあえずこれだけは聞いておかなければならない。

 

 

「それって私もですか?」

 

 

「勿論だ!」

 

 

解せぬ。

 

 

 

 

 

 

閑話休題(ジャージに着替え終わると)

 

 

 

 

 

 

トレーニングルームへ行くとなのは、フェイト、はやての姿もあった。

 

というか既にセットアップしていた。

 

はやてに至ってはユニゾン済みである。

 

なのは達は俺達を見つけるとテテテテッと駆け寄ってくる。

 

 

「皆さん!」

 

 

「なのはちゃん達も師匠に呼ばれてたんだねぇ」

 

 

「はい!今からトレーニングするから良かったら君達もどうかって言われまして」

 

 

なのはのツインテールが縦にパタパタと揺れる。

 

どうやらなのはの機嫌はいいらしい。

 

そんななのはの様子をフェイトが嬉しそうに見守っている。

 

その証拠にフェイトのツインテールが横にユラユラ揺れていた。

 

長年の付き合いからなのはとフェイトの機嫌は、ツインテールの揺れ具合を見れば段々と分かるようになってきた。

 

そろそろ、なのフェイマイスターを名乗れるかもしれない。

 

ちなみにはやては髪が短めなので分からん。

 

ただ表情を見る限りでは、二人の保護者みたいな立ち位置にいることは確かである。

 

 

『トレーニングプログラム、開始します』

 

 

しばらくして友里さんからの指示があり、先に装者達からトレーニングをすることになる。

 

トレーニングルームの景色が街中へと変わり、アルカ・ノイズが姿を現す。

 

プログラムとはいえ、本当にそこにいるかのようだ。

 

マジハイテク。

 

 

「「「「「「はぁああ!!」」」」」」

 

 

六人共に勢いよくアルカ・ノイズの群れへと突っ込んでいく。

 

そして自身の技を使い、瞬く間に倒していく。

 

 

「私と切ちゃん、二人の歌を重ねれば!」

 

 

「ザババの刃は相手を選ばないのデス!」

 

 

俺は装者達の様子を見ながら考えていた。

 

 

(確かにクリスの言うとおり、今更だ)

 

 

アルカ・ノイズの群れは一分も経たない内に全滅した。

 

このトレーニングになんの意味があるのだろうか?

 

これではトレーニングというより流れ作業のようなものだ。

 

司令は一体何がしたいのだろうか?

 

 

「だとしても大人げない!」

 

 

すると突然マリアが声をあげる。

 

全員どうしたのかと視線の先を見れば、ジャージに着替えた司令の姿があった。

 

 

「今回は特別に俺が訓練をつけてやる!遠慮はいらんぞ」

 

 

え?

まさかのOTONA直々の訓練?

 

マジ?

生き残れる気がしないんだけど?

 

 

「こちらも遠慮なしで行く!」

 

 

「いきなりっ!?マリアさん!!」

 

 

すると司令は超速でマリアに接近し、拳の連打を放った。

 

 

「えっ!?うっ!ど、どうすればいいの!?」

 

 

咄嗟に直撃を防ぐ彼女だが、吹き飛ばされる。

 

 

「はあああっ!とうっっっ!!」

 

 

「きゃああっ!」

 

 

追い討ちとしてマリアは司令の蹴りを食らってしまう。

 

 

「マリア!」

 

 

翼が呼び止めるが、マリアはそのままダウンしてしまった。

 

いやいやいやいや!

 

ちょっと待て!?

 

ツッコミ所が多すぎる!?

 

 

「人間相手の攻撃に躊躇しちゃうけれど……」

 

 

「相手が人間かどうかは疑わしいのデス!」

 

 

調と切歌もドン引きしている。

 

俺の側で見ているなのは達も何度も目をこすっている。

 

 

「師匠!体打をお願いします!はぁぁぁぁっ!」

 

 

「張り切るな特訓馬鹿!!」

 

 

クリスのツッコミむなしく、響がやる気を出し、真っ直ぐ司令へと突っ込んでいく。

 

 

「猪突に任せるな!」

 

 

だが司令は響の攻撃を()()()()()対処する。

 

あの……一応、響って真っ正面から戦車砲の弾を弾いたり、戦車の装甲をぶち抜く攻撃力があるんですけど。

 

第三シリーズのシンフォギアGXじゃ、スペースシャトルを持ち上げる怪力を発揮してるんですけど。

 

こないだなんてヨナルデパズトーリを一撃で倒すほどの突破力があったんですけど。

 

それをどうして司令は()()()()()()()対処できるんですかねぇ!?(驚愕

 

 

「司令は手を合わせ、心を合わせる事で私達に何かを伝えようとしている!?」

 

 

「ただ自分が戦いたいだけでは?」

 

 

翼の呟きに俺は反応するが、テンションが上がっているのか聞こえていないようだ。

 

 

「ほいよっと」

 

 

「ああぁぁぁ!?ぐはっ!」

 

 

司令は響を投げ捨てる。

 

ヤバイ。

 

三十秒も持ってない(震え声

 

 

「だがその前に……私の中の跳ね馬が踊り昂るっ!!」

 

 

「こっちはさらに殺る気になっていらっしゃる!?」

 

 

「はぁあああ!!!!」

 

 

翼が刀を持って司令に攻撃を仕掛ける。

 

だが司令は紙一重でかわす。

 

そして見間違えでなければ、司令の目が一瞬光った気がする。

 

ちょっとビームが出るかと疑ってしまったではないか。

 

 

「ふっ!はっ!はぁあああ!!!!」

 

 

翼は休まず連撃を繰り出すが、司令は余裕を持ってかわしていく。

 

そして驚くべきことに、人差し指と中指で刀を挟みこむことで、真剣白刃取りを行ったのだ。

 

 

「お見事……」

 

 

「ふん!」

 

 

「ぐあ!?」

 

 

そのまま司令は翼の姿勢を崩すと、体当たりで吹き飛ばす。

 

 

「ほたえな!おっさん!!」

 

 

その隙をついてクリスが小型ミサイルで攻撃する。

 

 

「ふっ!はっ!ほっ!はっ!おりゃああああぁぁぁ!!」

 

 

だが司令は小型ミサイルを()()()()()()()()()投げ返した。

 

 

「ウソだろっ!?ぐはっ!!」

 

 

クリスも自身の攻撃を食らい、あえなく撃沈した。

 

 

「数をばらまいても重ねなければ積み上がれない!心と意を合わせろ!!」

 

 

そして残った切歌と調の方を見ると震脚を繰り出した。

 

 

「爆震っ!!」

 

 

強烈な衝撃波が二人を襲う。

 

 

「ああぁぁぁあ!?」

 

「デデェェェス!?」

 

 

キリシラの二人は何も出来ずに撃沈した。

 

 

「…………」

 

 

シ、シンフォギア装者が生身で瞬殺される……だ……と……。

 

いやいやいやいやいやいや。

 

有り得なくね!?

 

意味分からなくね!?

 

パヴァリア光明結社の幹部と戦っても善戦できてたあの六人を!?

 

三分も経たない内に瞬殺!?

 

イグナイトならもう少し善戦できてたかも……エクスドライブなら互角?

 

いやそれにしたってどれだけ規格外なんだあのOTONAは……。

 

 

「さて」

 

 

すると司令はこちらを見る。

 

 

「君達はどうする?」

 

 

そんなの勿論お断り……「やります!」……え?

 

 

「やります!やらせて下さい!!」

 

 

「私もお願いします!!」

 

 

「ちょっ!?二人とも本気なん!?」

 

 

俺の隣では目を輝かせている戦闘狂(なのフェイ)と、慌てている苦労人(はやて)の姿があった。

 

あっ(察し

 

そういえばなのフェイ(この二人)も戦闘大好きっ子だった(白目。

 




次回は魔法少女三人娘vs人類最強のOTONA、氷結の錬金術師vs人類最強のOTONAの二本をお送りします。

では、また(・∀・)ノ

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