大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

シンフォギアXVが終わってから妙にやる気が出ねぇorz

シンフォギアロスガヒドイデス。

そういえば友人から言われました。

風鳴訃堂、シェム・ハ393と戦うところが見たいと。

訃堂さんってあれだよね。
100歳を超える高齢でありながらOTONAである司令に勝利し、ギアを纏った翼を生身で圧倒していたJJIですよね。

シェム・ハ393さんってあれだよね。
アヌンナキとかいう神の一人で、XVのラスボスで、エクスドライブになった響達六人とキャロルの七人と互角に戦ってたシェム・ハに憑依された393だよね。

え?
勝ち目なくね??

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百七十八話 歌い舞い踊る戦姫XIX

第三者side

 

 

 

明朝、目を覚ました響、翼、クリスはメインルームに集まりミーティングを行っていた。

 

 

「敗北だ。徹底的にして完膚なきまでに」

 

 

弦十郎が悔しそうに声をあげる。

 

 

「ついに現れたパヴァリア光明結社統制局長、アダム・ヴァイスハウプト。そして……」

 

 

「錬金術師共のファウストローブ……」

 

 

緒川とクリスが呟く。

 

 

「打ち合った瞬間にイグナイトの力を無理矢理引き剥がされたようなあの衝撃は……」

 

 

「ラピス・フィロソフィカス。賢者の石の力だと思われます」

 

 

「賢者の石……。確かに言っていた」

 

 

翼の疑問にエルフナインが答え、響が反応する。

 

 

「完全を追い求める錬金思想の到達点にして、その結晶体。病を始めとする不浄を正し、焼き尽くす作用をもって浄化する特性によって、イグナイトモジュールのコアとなるダインスレイフの魔力は為す術もありませんでした」

 

 

エルフナインは賢者の石、ラピス・フィロソフィカスの特性によってイグナイトの力を解除したと分析していた。

 

 

「とどのつまりはイグナイトの天敵。この身を引き裂かんばかりの衝撃は強制解除によるもの」

 

 

「決戦仕様であるはずが、こっちの泣き所になっちまうのかっ!」

 

 

翼とクリスは行き場のない感情を表に出す。

 

無理もない。

 

イグナイトを封じられただけでなく、敵の戦力も増えてしまったのだから。

 

するとここで弦十郎が新たに話を切り出した。

 

 

「君達には今のうちに言っておくが、ヒエン君は俺からある特別任務を言い渡している故、一時的に彼とは別行動となる」

 

 

「えぇ!?そうなんですか!?」

 

 

「ああ、そしてこれから彼は表向きは生死不明という扱いになる」

 

 

「それは一体……」

 

 

「どういうことだ?」

 

 

翼とクリスが疑問の声を上げるが、それに答えたのはマリアだった。

 

 

「敵の目を欺くためよ」

 

 

「マリア……それはどういう意味だ?」

 

 

「言葉通りの意味よ。貴方達が気絶した後、一体何があったか教えてあげる。友里さん映像をお願い」

 

 

「ええ」

 

 

友里はキーボードを操作し、映像を出す。

 

そこには突如現れたアダムと戦闘を繰り広げる少年が映っていた。

 

アダムの予想以上の強さに驚く装者達。

 

ちなみにその格好にも驚いている。

 

 

「……彼奴の格好はともかく、オーバードライブを展開しているオオゾラに一歩も引いていないどころか、むしろ押している?」

 

 

「この変態野郎……とんでもねぇ強さだ」

 

 

一同はアダムの姿に顔を赤くさせるが、なんとか見る。

 

 

『アダム、あんた人間じゃないな』

 

 

そのとき少年が話す。

 

 

『あんたからは生き物であれば当然感じる……生の気配というものをまるで感じない』

 

 

「なんでそんなことが分かるんだよ……」

 

 

クリスの疑問に答えたのは藤尭(ふじたか)であった。

 

 

「リニスさんが言ってたんだけどね、ヒエン君には超直感っていうスキルがあるらしいんだ。相手の嘘を見抜いたり、戦闘時の動きを見切ったり。他には幻覚も見破れるらしい」

 

 

「物事を感じ取ることに特化しているのよ。だから相手の動きや気配も敏感に察知できる」

 

 

友里も会話に加わり、二人で説明する。

 

 

「なんだそりゃ……ある意味反則じゃねえか」

 

 

「なるほど……超直感か。それならこちらの動きを予め分かっていたかのように動いていたのも納得できる」

 

 

「どういうことだよ先輩?」

 

 

「なに、オオゾラと模擬戦をしたときに少し思うところがあってな。オオゾラは私の攻撃を全て紙一重でかわしていたんだ。イグナイトを抜剣してからはなんとか当てられたが……そんなスキルを持っていたのだな」

 

 

「あいつも何気にとんでもねぇな。っていうかずっと気になってんたんだけどよ、こいつの額の炎は一体なんなんだよ?」

 

 

「死ぬ気の炎っていうらしいわ」

 

 

「死ぬ気の炎だぁ?」

 

 

クリスがつい声を高くする。

 

 

「ええ。なんでも自分の生命エネルギーを炎という形で見えるようにしたものだそうよ。そしてその死ぬ気の炎を額に灯すと、彼の身体のリミッターが外れて潜在能力が引き出されるんですって」

 

 

「ちなみにその状態のことを死ぬ気モードっていうらしいよ」

 

 

二人の説明にクリスは唖然とする。

 

 

「死ぬ気の炎に、死ぬ気モードって……。どんだけ死ぬ気って言葉が好きなんだ、あのお気楽馬鹿……」

 

 

そして映像は続く。

 

 

『そうか……あんた人形、自動人形(オートスコアラー)ってやつか』

 

 

『人形……だと?』

 

 

少年の言葉にアダムの声音が低くなり、顔が憤怒に染まる。

 

その直後、攻めが激化する。

 

 

『今、人形といったか小僧おぉぉ!!』

 

 

少年も応戦するが地面へと吹き飛ばされる。

 

マリア、切歌、調の三人が少年へと駆け寄り、それぞれ気絶している翼、クリス、響を背負っていた。

 

少年はすぐに三人に撤退するよう伝える。

 

 

『くたばれ小僧おおおぉぉぉぉぉ!!!!』

 

 

が、アダムが再び黄金錬成を収束し、放ってきたのだ。

 

 

『死ねええぇぇぇぇぇ!!!!』

 

 

少年は咄嗟にそれを受け止める。

 

 

『お、おおおお!!』

 

 

マリア達が無事戦線離脱したことで少年も砲撃を撃ち返し、なんとか反撃しようと試みるが……

 

 

『その程度の攻撃で僕に勝てると?図に乗るなよ人間!!』

 

 

黄金のエネルギー弾はさらに膨張し、肥大化していく。

 

少年の砲撃は徐々に押され、地面へと押し付けられていく。

 

 

『これで終わりだ!死ねぇ!!』

 

 

 

 

 

ドゴォオオオオオオオオンンン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

『ぐ……ぐぁあああああああ!?』

 

 

そして少年は呆気なく飲み込まれてしまった。

 

 

「えっ……」

 

 

「なんだと……」

 

 

「おいおい……こいつは笑えねぇぞ」

 

 

響、翼、クリスの三人はその映像を見て唖然とするが、即座に友里が否定する。

 

 

「皆、安心して。この後、リニスさんが助けに入ったからヒエン君は無事よ」

 

 

「よ、良かったああぁ~……」

 

 

響がヘナヘナとその場に座り込む。

 

どうやら気が抜けてしまったらしい。

 

 

「パヴァリア光明結社はこれでヒエンが死んだと勘違いした筈。だからヒエンは敵の目を欺くために表向きは生死不明という扱いになったのよ」

 

 

「あの、マリアさん……」

 

 

「ダメよ」

 

 

「まだ何も言ってませんよ!?」

 

 

「どうせ貴方のことだからヒエンに会いに行くとか言い出すんでしょ?」

 

 

「あ、分かっちゃいます?」

 

 

「でもそれは無理。だって私もどこにいるか知らないもの」

 

 

「そうなんですか!?」

 

 

「司令なら知ってるんじゃないかしら?」

 

 

「し、師匠!」

 

 

マリアの言葉を聞いた響が弦十郎に詰め寄るが……

 

 

「ダメだ。いくら君とて教える訳にはいかん」

 

 

「そ、そんなあぁ~」

 

 

響はショックを受けたような表情をする。

 

それを見ていたクリスが響に話しかける。

 

 

「お前、やけにあいつのこと気にかけるよな。そういえば最近はよく一緒にいるみたいだし……なんだお前、あいつのこと好きなのか?」

 

 

「ほぇ?」

 

 

「いやだから……あいつに惚れたのか?って聞いてんだよ」

 

 

「うぇ、うぇええええええええええぇぇぇぇぇえぇぇぇっっっっっ!!!!!?????」

 

 

そのとき響の絶叫がメインルームに響き渡る。

 

 

「デ、デェェェス。響さん凄い声量デェス。でもクリス先輩も直球過ぎデェス……」

 

 

「でも乙女としては気になる話題」

 

 

キリシラの二人は若干ワクワクしながら様子を見守る。

 

 

「い、いや、そ、そそそそ、そんなことは決してないというか。私はただ、ヒエン君のことがちょおぉっとだけ気になるというか。別に嫌いって訳じゃないんだよ?でもなんだか放っておけないというか、心配になるっていうか。なのはちゃん達の目を離したらどこかに消えちゃいそうっていう言葉が妙に頭の中に残ってて!だから!!惚れたとか好きになったってことではないんだよ!!!うんっっっっ!!!!」

 

 

「いやどこまで必死なんだよお前……」

 

 

顔を赤くしながら必死に弁明する響に呆れるクリス。

 

他の面々も呆れたように見守っていた。

 

いや、キリシラの二人は何やらゴニョゴニョと秘密の話をしていたようだが。

 

 

「ひとまずミーティングはここまでとする。風鳴機関本部は現在を持って破棄が決定した。各自撤収準備に入ってくれ」

 

 

弦十郎は各自に撤収の準備をするように指示を出す。

 

 

「バルベルデドキュメントが解析できていれば状況打開の手掛かりがあったのかな……」

 

 

藤尭が呟いたそのとき、緒川の通信機が鳴り響く。

 

彼は通信に出ると目を見開く。

 

 

「……司令、鎌倉より招致がかかりました」

 

 

「絞られるどころじゃ済まなさそうだ」

 

 

弦十郎は緒川の言葉にそう反応する。

 

弦十郎達は日本の国家を裏から支える風鳴の一族の本拠地鎌倉へ、それ以外のメンバーはS.O.N.G本部へと戻ることとなった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

一方なのは達もS.O.N.G本部へと戻った後、響達から状況を知らされる。

 

 

「私達が眠ってる間にそんなことが……」

 

 

「ヒエン……大丈夫かな」

 

 

「フェイトちゃん、心配せんでも兄ちゃんならきっと大丈夫。な、リインフォース?」

 

 

「そうですね我が主。心配するなテスタロッサ。ヒエンがそう簡単にやられるはずがない。なんせ彼は世界を滅ぼそうとした私にすら打ち勝った男だぞ?」

 

 

「リインフォース……」

 

 

フェイトがリインフォースを見上げる。

 

彼女はフェイトの頭を優しく撫でる。

 

 

「だから今は彼を信じて私達のできることをやればいい。なに、またその内ひょっこり帰ってくるさ。今までだってそうだっただろう?」

 

 

「うん、そうだよね。ヒエンがそう簡単にやられるはずないもんね」

 

 

するとフェイトは何を思ったのかバルディッシュを手に取った。

 

 

「あの、今トレーニングルームって使えますか?」

 

 

「え?使えるけどもしかして……」

 

 

「はい。今は私に出来ることを精一杯やっておこうと思って」

 

 

「そういうことなら私も付き合うよフェイトちゃん!」

 

 

なのはもレイジングハートを持ち、フェイトに話しかける。

 

 

「なら私は食堂借りて二人の差し入れ作っとくな~」

 

 

「あ、お手伝いします我が主」

 

 

はやてとリインフォースは食堂へと向かっていった。

 

なのはとフェイトの二人も早速トレーニングルームへ向かおうしたが、キリシラコンビが話しかけた。

 

 

「私達も力になるデスよなのは!フェイト!」

 

 

「うん。二人でより三人、三人でより四人。それに私達も自分のできること何かしなきゃって思ってたし」

 

 

「良いこと思い付いたデスよ!これから私達で模擬戦するデス!私と調のコンビと、なのはとフェイトのコンビデス!!」

 

 

「ナイス提案、切ちゃん。私も二人と模擬戦したいと思ってた」

 

 

「切歌さん!調さん!ありがとうございます!!」

 

 

「お二人とも、ありがとうございます」

 

 

四人は意気揚々とトレーニングルームへと向かっていった。

 

残された面子はそれぞれ顔を見合わせながら、苦笑する。

 

 

「しっかりお姉さんやってんなあ」

 

 

「なのは達が可愛いのね、きっと」

 

 

「三人とも素直ですもんね」

 

 

そして響達もトレーニングルームへと向かっていった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「Various shul shagana tron」

 

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

 

調と切歌は聖詠を唱え、ギアを纏う。

 

調はピンク色の装甲を纏い、両手にヨーヨーを持つ。

 

切歌は緑色の装甲を纏い、大鎌を持った。

 

 

「レイジングハート」

 

 

「バルディッシュ」

 

 

「「セーーットアップ!!」」

 

 

なのはとフェイトもバリアジャケットへと換装する。

 

そしてなのはは調と、フェイトは切歌とぶつかり合う。

 

なのははレイジングハートを調へと向け、アクセルシューターと、ディバインシューターの複合攻撃を放つ。

 

対する調も足下のローラーで高速移動しながらかわすと、跳躍してα式・百輪廻で相殺する。

 

フェイトと切歌は、互いの武器となる鎌をぶつけ合っていた。

 

四人とも表情が生き生きとしていた。

 

まるで迷いを振り払うかのように……

 

まるで迷いを断ち切るかのように……

 

自分にできることを精一杯しようとしていた。

 

 

「どうなるか心配だったけど……これなら大丈夫そうね」

 

 

マリアは安心したように呟く。

 

すると側にいた響が急に声をあげる。

 

 

「マリアさん!クリスちゃん!私達も模擬戦しましょう!!」

 

 

「急にどうしたんだよ……?」

 

 

クリスが何とも言えないような表情をしながら聞くが、響は気にせず答える。

 

 

「あの四人を見てたらなんだかウズウズしてきちゃって。だから今は無性に身体を動かしたい気分なんだっ!!」

 

 

「そういうことならいくらでも付き合うわ。私も丁度身体を動かしたい気分だったし」

 

 

「はい!よろしくお願いしますマリアさん!!」

 

 

そして響とマリアの二人もギアを纏い、模擬戦を開始した。

 

 

「「はぁああああ!!」」

 

 

「いきなりかよっ!?」

 

 

クリスが思わずツッコミを入れるが二人は気付かない。

 

 

「あぁーもう!分かったよ!!やりゃいいんだろ!!やりゃあ!!!!」

 

 

クリスもギアを纏い、戦い始めた。

 

余談ではあるが、それぞれが好き勝手にバトルを始めたものだから全員を巻き込んだバトル・ロワイヤルへと発展。

 

模擬戦は実に数時間にも及び、エルフナインが止めに来るまで続いた。

 

翌日、全員が筋肉痛になったのは言うまでもない。

 

なお最後まで生き残っていたのはキリシラコンビであった。

 

二人の能力を上げるユニゾンによって勝利を掴みとったのだ。

 

ちなみに弦十郎、緒川と共に風鳴本家に行っていた翼は後でこの事を知り、少しの間、不貞腐れることになる。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

午後になってリニスがS.O.N.G本部へと戻ってくる。

 

肩の上にはヒッツとナハトが乗っている。

 

どうやらリニスに同行していたようだ。

 

 

「では二人とも……戸籍の件は任せましたよ」

 

 

「ガゥ」

 

 

「きゅ」

 

 

リニスが小声で呟くと、二匹は作業へと取り掛かるためにポンッと消えた。

 

そしてリニスはメインルームへと足を運ぶ。

 

そこには風鳴本家から戻った弦十郎、緒川の姿もあった。

 

 

「ただいま戻りました」

 

 

「戻ったかリニス君。どうだヒエン君の様子は?」

 

 

「軽い疲労はみられるものの、命に別状はありません。二・三日もすれば自然に目覚めるだろうとのことです」

 

 

「そうか。一応、病院の方には警護をつけておくので安心するといい」

 

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

そしてリニスは友里の隣に座り、作業に取りかかろうとする。

 

 

「リニスさん、今日は疲れたでしょ?こっちはいいから、もう休んじゃって」

 

 

「お気持ちは嬉しいのですが……まだこんなに書類が残っていますが?」

 

 

「大丈夫よ。藤尭君もいるし、徹夜するほどの量でもないからすぐ終わるわ」

 

 

「は、はあ。それならお言葉に甘えて今日はもう休ませてもらいます。お疲れ様です」

 

 

「ええ、お疲れ様」

 

 

リニスは頭を下げてメインルームを後にする。

 

部屋に戻るとフェイトがベッドの上でバルディッシュのメンテナンスを行っていた。

 

 

「ただいま戻りましたフェイト」

 

 

「あ、おかえりリニス」

 

 

リニスは制服を脱ぎ、普段着へと着替える。

 

するとフェイトが何か話したそうにチラチラと視線を向けていた。

 

 

(ヒエンのことでしょうか?)

 

 

「どうかしましたかフェイト?」

 

 

「え、えと、大したことじゃないんだけど……その、ヒエンは大丈夫……なのかなって」

 

 

(やはりヒエンのことでしたか。相変わらず優しい子ですね。ですが……)

 

 

「……申し訳ありませんフェイト。ヒエンのことは()()誰にも何も言えないのです」

 

 

「っっ……そっか」

 

 

フェイトは少し驚いたものの、納得する。

 

 

「じゃあこれだけ聞かせて。ヒエンはちゃんと私達の所に戻ってくるよね?勝手に……いなくならないよね?」

 

 

フェイトの目は不安に駈られていた。

 

リニスは安心させるように答える。

 

 

「ええ。今は特別任務でいないだけで、それが終わったら戻ってきます。だから安心してください」

 

 

「うん」

 

 

リニスはフェイトの頭を撫でながら話す。

 

フェイトも甘んじてそれを受ける。

 

そして二人は一緒にお風呂に入ると、同じベッドで眠った。

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

少年がいなくなってから数日後、敵に動きがあった。

 

パヴァリア光明結社が活動を再開したのだ。

 

そして結社は東京湾に大型のアルカ・ノイズを放つ。

 

厄介なことにその大型アルカ・ノイズは次々と新たなアルカ・ノイズを生み出し、街を襲わせていた。

 

唯一、幸運だったのは学校が既に終わっている時間帯であったため、装者達が比較的早く集結できたことだ。

 

響達シンフォギア装者達は、さっそく出撃し大型アルカ・ノイズを撃破する。

 

しかしそれこそが敵の罠であった。

 

なんと大型アルカ・ノイズは分裂し、その個体数を増やしたのだ。

 

そして別々の方向へと歩を進め、建物を破壊し、人々を襲っていく。

 

装者達は個別撃破に切り替え、アルカ・ノイズを倒していく。だがそれ故に装者達にかかる負担も大きかった。

 

ここで弦十郎は気付く。

 

結社の目的は装者達を分断し、疲労させることであると。

 

そこでなのは達、魔導師も出動することになる。

 

弦十郎は渋ったが、彼女達の決死の説得により、渋々出撃許可を出したのだ。

 

機動力がある彼女達は空からアルカ・ノイズを迎撃していく。

 

彼女達は一人でも相当な力を有している。

 

いかにアルカ・ノイズの数が多いといえど、なのは達の前では無力であった。

 

そして瞬く間にアルカ・ノイズを殲滅していく魔導師と装者達。

 

そこに巨大な戦艦に乗ったサンジェルマン、カリオストロ、プレラーティの三幹部が現れる。

 

切歌と調の活躍により、戦艦は無事落とすことに成功するが、ファウストローブを纏った三人が彼女達の前に立ちはだかった。

 

錬金術師三名に対し、こちらは装者六名と魔導師三名の合計九名。

 

人数的にはS.O.N.G陣営が圧倒的に有利であるが、イグナイトを封じられている今、正直これでは心許ないというのが現状だ。

 

翼が刀を向ける。

 

 

「いい加減に聞かせてもらおうかパヴァリア光明結社、その目的を!!」

 

 

「人を支配から解放するって言った貴方達は一体何と戦っているの?貴方達が何を望んでいるのか教えて。本当に誰かの為に戦っているのなら私達は手を取り合える!」

 

 

響はサンジェルマンに手を差し伸べ、分かり合おうと会話を試みる。

 

しかしサンジェルマンは取り合わない。

 

 

「手を取るだと?傲慢な……我らは神の力を以ってしてバラルの呪詛を解き放つ!」

 

 

一同はサンジェルマンの言葉に驚く。

 

なのは達も響達の今までの戦いを聞いていたので、バラルの呪詛についての知識はあった。

 

 

「神の力でバラルの呪詛をだと!?」

 

 

「月の遺跡を掌握する!」

 

 

翼の反応にサンジェルマンは月の遺跡の掌握を宣言する。

 

 

「月にある……遺跡を?」

 

 

「人が人を力で蹂躙する不完全な世界秩序は、魂に刻まれたバラルの呪詛に起因する不和がもたらす結果だ」

 

 

サンジェルマンは人類が争う切っ掛けは、バラルの呪詛による不具合が原因だと言う。

 

 

「不完全を改め、完全と正すことこそサンジェルマンの理想であり、パヴァリア光明結社の掲げる思想なのよ」

 

 

「月遺跡の管理権限を上書いて人の手で制御するには、神と呼ばれた旧支配者に並ぶ力が必要なワケだ。その為にバルベルデを始め、各地で儀式を行ってきたワケだ」

 

 

カリオストロとプレラーティがパヴァリア光明結社の掲げる思想と目的を話す。

 

だがだからといって、響達からしてみれば到底納得できる理由ではない。

 

 

「だとしても、誰かを犠牲にしていい理由にはならない!」

 

 

だがそれはサンジェルマン達にも言えることであった。

 

 

「犠牲ではない。流れた血も失われた命も革命の礎だ!」

 

 

サンジェルマンは銃口を向け、発砲する。

 

咄嗟に響達はかわす。

 

サンジェルマンにも譲れないものがある。

 

その証拠に革命の礎となる人間の数を律儀に覚えているのは、それが彼女なりの覚悟の表れだからであろう。

 

 

「はぁああああ!」

 

 

 

天ノ逆鱗

 

 

 

翼がアームドギアを巨大化させてサンジェルマンへと放つ。

 

しかしサンジェルマンは前方へかわすと同時に、土の属性が付与された銃弾を放つ。

 

その銃弾は意図も容易く翼のアームドギアを貫通した。

 

 

「ぐあ!?」

 

 

それを合図にそれぞれの戦闘が開始される。

 

響・翼はサンジェルマンと、クリス・マリアがカリオストロと、切歌・調はプレラーティと対峙する。

 

その間、なのは達はというと念話で瞬時に方針を決めていた。

 

 

『私はクリスさん達のサポートに入るよ。カリオストロさんとは戦ったことがあるから』

 

 

『じゃあ私は切歌さん達のサポートに。プレラーティさんと戦ったことがあるからやりやすい』

 

 

『じゃあ私は響さん達のサポートやね。二人とも無茶だけはあかんよ?』

 

 

『『大丈夫!!』』

 

 

そしてなのは達も戦いへと突入する。

 

魔導師の三人がサポートに入ることでパワーの出力に差があっても、なんとか相対することができていた。

 

するとここで切歌と調が勝負に出る。

 

 

「「イグナイトモジュール!抜剣ッ!(デース)」」

 

 

イグナイトを使用したのだ。

 

フェイトは咄嗟に止める。

 

 

「ダメです調さん!切歌さん!賢者の石によってイグナイトは!?」

 

 

だが二人は止まらない。

 

 

「先走るワケだ!!」

 

 

「当たりさえしなければ!」

 

 

二人がプレラーティに攻撃を仕掛けるが、プレラーティの武器であるけん玉から赤い稲妻が迸り、調と切歌に攻撃がヒットしてしまう。

 

 

「「うわぁぁっ!?」」

 

 

「ノリの軽さは浅はかさなワケだ!!」

 

 

「いけない!?」

 

 

二人はイグナイトを強制解除され、地面に倒れる。

 

それを見たフェイトがプレラーティにバルディッシュを振るうが、逆に吹き飛ばされてしまう。

 

 

「くっ!?」

 

 

(す、凄いパワーだ……。あのとき戦ったときとは比べ物にならないほど強くなってる……。今のままじゃ太刀打ちできない。()()を使うしかない)

 

 

「あのときの魔導師か、丁度いい。リターンマッチなワケだ」

 

 

「バルディッシュ、()()を使うよ」

 

 

《Yes.sir》

 

 

そしてフェイトは切り札を使うことを決意する。

 

 

「バルディッシュ……フルドライブ2(セカンド)……ブレイズフォーム(ツー)……ドライブッ!」

 

 

フェイトは新たなフルドライブシステム、フルドライブ2(セカンド)を発動させる。

 

黒いマントは白色に変わり、バルディッシュもザンバーフォームへと姿を変えた。

 

 

「いきます!!」

 

 

「来い!!」

 

 

バルディッシュザンバーと、巨大なけん玉が激突する。

 

それを見ていたなのはも切り札を使うことを決意する。

 

 

「私もやらないと!いくよレイジングハート!」

 

 

《Yes.my master》

 

 

「レイジングハート……フルドライブ2(セカンド)……エクセリオンモード改!」

 

 

なのはも新たに改良したエクセリオンモード改を発動させると、クリス達のサポートへと入る。

 

一方、響はサンジェルマンとの問答が続いていた。

 

はやてはいつでも援護に入れるように様子を見る。

 

 

「明日のために私の銃弾は躊躇わないわ」

 

 

「何故!?どうして!?」

 

 

引き金を引くことを躊躇わないと告げるサンジェルマンに響は問う。

 

 

「わかるまい……。だが、それこそがバラルの呪詛!人を支配する(くびき)っ!」

 

 

「だとしても!人の手は誰かを傷つけるのではなく、取り合うために!!」

 

 

「取り合うだと!?謂れなき理由に踏み躙られたことのない者が言うことだ!」

 

 

サンジェルマンは全く聞く耳を持たず、引き金を引く。

 

放たれた弾丸は蒼い狼となり、響に向かっていく。

 

 

「言ってること……全然わかりませんっ!!」

 

 

だが響は狼を拳で殴って相殺する。

 

それを見ていたはやては驚く。

 

 

(ホンマに響さんって、ヒエン兄ちゃんとよう似てるなあ)

 

 

性格も似ているどころか、戦い方も似ている二人にはやては戦慄した。

 

 

「何っ!?」

 

 

「だとしても、あなたの想い……私にはきっと理解出来る。今日の誰かを踏み躙るやり方では、明日の誰も踏み躙らない世界なんて作れません」

 

 

「お前……」

 

 

響はサンジェルマンの目の前で拳を止める。

 

そのときカリオストロとマリア達の戦いに動きがあった。

 

マリアがカリオストロの攻撃を弾くと、その余波が響とサンジェルマンの方向へと飛んでいってしまったのだ。

 

 

「こっち!」

 

 

迷わず響はサンジェルマンの手を取り、避ける。

 

その反動で二人は倒れてしまう。

 

サンジェルマンは倒れながらもゆっくりと起き上がり、口を開く。

 

 

「私たちは共に天を頂けないはず……」

 

 

「だとしても、です……」

 

 

「思い上がるな!明日を開く手は、いつだって怒りに握った拳だけだ!これ以上は無用な問答預けるぞ、シンフォギア!!」

 

 

すると何を思ったのか、サンジェルマンは転移ジェムを使って撤退した。

 

 

「ここぞで任務放棄ってどういうワケだ、サンジェルマン!?」

 

 

「あーしのせい?だったらメンゴ!鬼メンゴ!!」

 

 

プレラーティとカリオストロもそれに続き、消え去った。

 

響はそれを見送ると、思わず空を見上げる。

 

空にはパヴァリア光明結社の目的であろう月が見えていた。




最近無性に思う。

ツナと共闘させたいいいぃぃ!!Σ(゜Д゜)

「いくぞヒエン!」「やるぞツナ!」とか言わせたいー。

ダブルでバーナー撃たせたいー。

二人で協力して圧倒的に強い敵を撃破させたいいいいいぃぃぃぃ!!ε=(ノ゚Д゚)ノ

はぁ。

あ、次回からエージェント冷火ちゃん始動しますはい。

では、また(・∀・)ノ

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