大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

最近、シンフォギアの小説漁ってたら仮面ライダージオウとのクロス作品が増えたなあと気付きました。

いやジオウだけでなく、仮面ライダーとシンフォギアのクロス作品自体は多いと思うのですが。

まあ、両者共にヒーロー系ですから話は合わせやすいですよね。

今回はそのあとのこと。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百七十六話 歌い舞い踊る戦姫XVII

第三者side

 

 

 

S.O.N.G陣営ではアダム・ヴァイスハウプトの黄金錬成を捕捉していた。

 

 

「まさか錬金術を用いて常温下での核融合を!?」

 

 

エルフナインが分析する。

 

 

「新たな敵生体を捕捉!敵の放つエネルギーが……突如消失しました!?」

 

 

藤尭が状況を伝えると、全員がモニターに注目する。

 

 

『ガァアアアアアアアア!!!!』

 

 

そこにはアダムの黄金錬成を咆哮で打ち消すオレンジの小ライオンの姿があった。

 

 

「核融合を……打ち消した?」

 

 

エルフナインの疑問にリニスが答える。

 

 

「はい。ヒエンの能力は【調和】。相手の攻撃の無効化、特性を打ち消すことに特化しています」

 

 

「【調和】の能力……つまりアダムの核融合に干渉して、そのエネルギーを無効化させた?」

 

 

「正確に言えばヒッツが咆哮を当てることで無効化させたのです」

 

 

藤尭の疑問にも答える。

 

少年の能力によってアダムの黄金錬成を打ち消すことには成功した。

 

しかし依然としてピンチであることに変わりはなかった。

 

すると少年がアダムへと戦いを挑む。

 

 

『全世界の子供達の情操教育のために……死ねええええええぇぇぇぇぇっっっ!!!!!!』

 

 

アダムの股間に砲撃を放ったのだ。

 

それを見ていた男性陣は思わず顔を引きつかせた。

 

 

「なんの躊躇いもなく……」

 

 

「狙いましたね……」

 

 

「お、恐ろしい……」

 

 

弦十郎、緒川、藤尭の三名は冷や汗をかいていた。

 

そして少年とアダム・ヴァイスハウプトの戦いは一進一退の攻防であった。

 

そんなとき少年が発言する。

 

 

『アダム、あんた人間じゃないな』

 

 

少年の言葉にモニターを見ている全員が思わず凝視する。

 

 

『あんたからは生き物であれば当然感じる……生の気配というものをまるで感じない』

 

 

「人間……じゃないのか?でもそんなことどうして分かるんだ?」

 

 

藤尭が呟く。

 

 

「あの子には超直感というスキルがありまして。その効果は、相手の嘘を見抜き、戦闘時の動きをも見切り、幻覚さえも見破る。簡単に言えば、物事を感じ取ることに特化しているのです」

 

 

「超直感……第六感を極限にまで高めたもの、と捉えていいのかしら?」

 

 

「はい。そのように捉えてもらえれば」

 

 

リニスの説明に友里が納得する。

 

 

『そうか……あんた人形、自動人形(オートスコアラー)ってやつか』

 

 

『人形……だと?』

 

 

すると少年の言葉にアダムの声音が低くなり、その顔は憤怒に染まる。

 

 

『今、人形といったか小僧おぉぉ!!』

 

 

そこからアダムの攻めが激化する。

 

少年もなんとか対応するも地面へと吹き飛ばされてしまった。

 

マリア、切歌、調の三人が少年へと駆け寄る。

 

その背中には気絶している翼、クリス、響の姿もあった。

 

少年は三人に告げる。

 

 

『三人とも下がってろ。分かってるとは思うが奴らのラピス・フィロソフィカスの力のせいでイグナイトは通用しない。それに響、翼、クリスも気を失っている今、撤退するしかない』

 

 

少年の言葉に切歌が反論するも、調が抑えることでなんとか納得させる。

 

しかし……

 

 

『くたばれ小僧おおおぉぉぉぉぉ!!!!』

 

 

アダムが再び黄金錬成を収束し、放ってきたのだ。

 

 

『死ねええぇぇぇぇぇ!!!!』

 

 

少年は咄嗟にそれを受け止め、即座に三人を撤退させた。

 

 

「アガートラーム、シュルシャガナ、イガリマの戦線離脱を確認!」

 

 

「響ちゃん達も無事です!」

 

 

オペレーターの二人が状況を伝える。

 

 

「あとはあの子も戦線離脱できれば……」

 

 

『お、おおおお!!』

 

 

少年も砲撃を撃ち返し、なんとか反撃しようと試みるが……

 

 

『その程度の攻撃で僕に勝てると?図に乗るなよ人間!!』

 

 

黄金のエネルギー弾はさらに膨張し、肥大化していく。

 

 

「向上し続けるエネルギーの推定破壊力……10メガトン強!!」

 

 

「ツングースカ級だとおぉ!?」

 

 

少年の砲撃は徐々に押され、地面へと押し付けられていく。

 

 

『ぐっ!?』

 

 

少年はさらに魔力を込めていくが、アダムのエネルギー弾の方が圧倒的に強かった。

 

 

「これ以上は持たない!」

 

 

それを見たリニスは即座に動き出した。

 

 

『これで終わりだ!死ねぇ!!』

 

 

 

 

 

 

ドゴォオオオオオオオオンンン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

『ぐ……ぐぁあああああああ!?』

 

 

「ヒエン君!?」

 

 

友里が悲鳴を上げるが……

 

 

『くっ!?』

 

 

「リニスさん!?」

 

 

なんと先程まで側にいたリニスが少年を庇うようにシールドを何重にも展開し、黄金錬成に耐えていたのだ。

 

だがシールドは瞬く間にヒビが入り、割れていく。

 

 

『今です!ナハト!ヒッツ!』

 

 

しかしリニスの掛け声により、二匹による転送魔法が発動し、少年とリニスは無事S.O.N.G陣営に戻ることができた。

 

ドサッという音が響く。

 

 

「な、なんとかなりましたか……」

 

 

見れば気絶する少年と、座り込むリニスの姿があった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

『ほう。ククク……アハハハハ!ビタイチか。安いものだなぁ、命の価値は。フフフ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!』

 

 

モニターに映るアダムは少年が死んだと勘違いしたのか、高笑いしながら転移して消え去った。

 

それを見届けた弦十郎は指示を出す。

 

 

「今すぐヒエン君を都内の病院へ搬送しろ!気絶している装者達はメディカルルームへ運べ!!」

 

 

リニスは息をはきながら白い戦闘服からS.O.N.Gの制服へと戻る。

 

 

「司令、私はヒエンに付き添って病院へ同行します。なのは達のことはよろしくお願い致します」

 

 

「了解した。彼女達にも事情を説明しておくが、構わないな?」

 

 

「いえ、ヒエンのことはそれとなく伏せておいてもらえますか?あとはできれば響さん達にも」

 

 

「む?なぜだ??」

 

 

「恐らくですがあのアダムという男、黄金錬成とやらでヒエンが死んだと勘違いした筈。ですが生きていると分かれば、また攻撃を仕掛けてくるでしょう。そうなれば今度は民間人にも被害が及びます」

 

 

「……なるほどな。奴らがヒエン君を狙ってくることを阻止する目的もある訳か」

 

 

「はい」

 

 

「分かった。皆には俺がヒエン君に特別任務を頼んだということにしておこう。そして敵の目を欺くために行方不明になったことにしている……とでも言っておくか。それとリニス君、君の方は体調は大丈夫なのか?」

 

 

「心配してくださってありがとうございます。ですが大丈夫です。これでもかなり鍛えてるので」

 

 

リニスは力こぶを見せつけるように笑顔で返す。

 

とはいっても綺麗な細腕なのだが。

 

弦十郎は苦笑しながら答える。

 

 

「そうか、ヒエン君のことは任せたぞリニス君」

 

 

「はい、また何かあればご連絡下さい。それでは失礼致します」

 

 

リニスは運ばれる少年と共にヘリへと乗り込み、病院へと向かおうとする。

 

そのときこちらを見る三人の存在に気付く。

 

マリア、切歌、調の三人である。

 

リニスは三人に声をかける。

 

 

「お三方ともお疲れ様です」

 

 

「リニスさん……お疲れ様」

 

 

「「お疲れ様です(デース)……」」

 

 

「先に言っておきますと、ヒエンがああなったのはあの子の自業自得であり、自己責任です。貴方々に非は全くありません。なので気を落とさないで下さい」

 

 

「で、でも……あの子は私達を庇って」

 

 

「それこそ、ヒエンの自業自得です。あの子がアダムを怒らせるような不用意な発言さえしなければ、たとえ黄金錬成を展開されていたとしても、全員何事もなく撤退できていたでしょう」

 

 

リニスの意見は正しい。

 

少年がアダムを怒らせたからこそ、あそこまで追い詰められてしまった。

 

正史でも黄金錬成は放たれているが、少しばかりの脱出する猶予はあったのだ。

 

 

「「「…………」」」

 

 

しかし三人は俯いたままだ。

 

リニスは続ける。

 

 

「それにこの程度でくたばる程、柔な鍛え方はしていません。恐らく二・三日で目を覚ますでしょう」

 

 

「「「本当(なの!?)ですか(デス)!?」」」

 

 

「はい。そしてお三方には話しておきますが、ヒエンはこれから()()()()()生死不明という扱いになります」

 

 

「「え、えぇ!?」」

 

 

切歌と調が驚くが、マリアだけが冷静に答える。

 

 

「……敵の目を欺くためね?」

 

 

「はい。恐らくですが、今回の事でヒエンは敵に死んだと思われた筈。ですがあの子が生きていると分かれば、今度は民間人にも被害が及ぶかもしれない。なので私はヒエンの生死情報をあえて曖昧にすることにしました。そしてここからが重要なのですが、お三方にもご協力をお願いしたいのです」

 

 

「協力……ですか?」

 

 

調が首を傾げる。

 

 

「はい、あの子はこのまま都内の病院へ搬送される予定です。が、恐らくあの子は目を覚ました途端、アダムを倒すために秘密裏に動き始めるでしょう」

 

 

「「「えぇ!?」」」

 

 

三人は驚く。

 

 

「あの子のことです。まずは状況を知るために情報を収集。周囲の目を欺くために分身を囮にし、黒猫にでもなって自ら動き回ると思われます」

 

 

「さ、流石にそれは考えすぎじゃないデスか?いくらお兄さんでもそこまで……」

 

 

「そこまでするのです。それが大空氷炎という人間なのです」

 

 

「ど、どうしてそう言い切れるんですか?」

 

 

「それはヒエンという人間が、どうしようもないほどのお人好しで死ぬ気バカだからです」

 

 

「し、死ぬ気バカ……」

 

 

マリアも唖然とする。

 

 

「アダムを倒す理由もどうせ『気に食わないから』という理由が真っ先にくるでしょう」

 

 

「デ、デデデース……」

 

 

「なのであの子が本格的に動き始める前にこちらである程度コントロールしてしまうのです」

 

 

「……な、なるほど」

 

 

「ちなみにこの事を知っているのはメインルームにいる風鳴司令、緒川さん、友里さん、藤尭さん、エルフナインさんの五人を除いて私達だけです。いえ、後でフィリス先生にも説明するので六人ですね。お三方に協力してほしいのは、響さん達や、なのは達にはこの事を伏せておいて欲しいのです」

 

 

「あー……あの子達素直だものね」

 

 

マリアが納得する。

 

 

「はい。あの子達に嘘をつくのは申し訳ないのですが、そこからヒエンの居場所が敵に知られてしまうとまずいので」

 

 

「分かったわ。貴方達も理解したわね?」

 

 

「は、はいデース」

 

 

「う、うん」

 

 

「また経過が分かり次第お伝えします。では、私は病院に同行しますので」

 

 

「ええ、気をつけて」

 

 

そしてリニスはヘリに同乗していった。

 

その光景をマリア、切歌、調の三人は離れた所から見つめていた。

 

ヘリを見ながら、彼女達は無意識に拳を握り締める。

 

まるで歯を食い縛るかのように……

 

まるで悔しさに耐えるように……

 

まるで自分の無力さを噛み締めるように……

 

自分の拳を力一杯握り締めていた。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「生きてる……」

 

 

見慣れない天井を見ながら呟く。

 

周りを見渡せば、どこかの病院にいるらしい。

 

またいつもの如く、入院か。

 

だが今回は勝手が違う。

 

思い出すのはパヴァリア光明結社統制局長、アダム・ヴァイスハウプトの姿。

 

そして奴が放った巨大な黄金のエネルギー弾。

 

サンジェルマンが呟いていた。

 

確か黄金錬成だったか。

 

俺は奴の圧倒的な攻撃、黄金錬成を受け止めきれずに敗北した。

 

いや、あれを逃れる術はあったにはあった。

 

だがあれを野放しにしていたら恐らくマリア達は……。

 

 

「っていうか俺、どうやって助かったんだ?」

 

 

俺は起き上がって身体をペタペタと触る。

 

あんな巨大なエネルギー弾に飲み込まれたら、たとえオーバードライブといえど無傷ではない筈。

 

だが外傷らしきものは全くない。

 

ううーむ、どうなってんだ?

 

すると扉が開く音がする。

 

そこにはリニスがいた。

 

 

「目を覚ましましたか」

 

 

「リニス」

 

 

彼女は何やら()()()()()と話しかけてくる。

 

 

「気分はどうです?」

 

 

「特におかしなところはない」

 

 

俺は調子を確かめるように腕をグルグルと回す。

 

うん。

大丈夫。

 

 

「そうですか。では貴方には起きて早々申し訳ないのですが、()()()()()()()()()()があります」

 

 

そのとき超直感が警鐘を放つ。

 

あれ?

 

これっていつもの危険信号じゃないぞ?

 

どちらかと言えば、なのは達にOHANASHIされるときのタイプの……

 

するとリニスは紙袋からある物を取り出し、言った。

 

 

「女装しなさい」

 

 

その手には女物の服があった。

 




次回、ヒエちゃん再誕。

主人公表舞台から消失の巻。

しかしヒエちゃんとして活動は再開しますはい(ゲス顔

そして感想欄でこの後の展開がバレていたのには驚愕しました(震え声

では、また(・∀・)ノ

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